香港映画脇役悪役列伝コミュの【男優列伝】ハン･クオー･ツアイ(韓國材)

1948年生まれ。68年に当時香港最大の映画会社だったショウ･ブラザースの武術訓練班へ研究生として映画界入り。同期に『男たちの挽歌』(86年)などで知られるティ･ロン(狄龍)がいた。翌年､トップ監督だったチャン･チェ(張徹)の作品でデビューするものの､筋骨隆々の二枚目を重用する張徹監督作では､小柄で貧相なイメージの韓國材には大役が回ることはなく､数年に渡り下積みを味わう。その後70年代に入りカンフー映画がブームになると､ショウ･ブラザースから独立した気鋭の若手ウー･セイエン(呉思遠)監督から声がかかるようになった。さらに､当時新興だったゴールデン･ハーベストで『ドラゴン怒りの鉄拳』(72年)にからみ役として伝説のスター､ブルース･リー(李小龍)と顔を合わせたほか､まだ無名だったジャッキー･チェン(成龍)の初主演作には友人役で起用されている。そのジャッキーが､コメディー･タッチのカンフー･アクションで人気を博すようになると､表情豊かでコミカルな芝居を得意とし､アクロバットも器用にこなして武術指導も担える韓國材にも注目が集まり､独立プロは勿論ショウ･ブラザースでも主演作を撮るようになった。80年代に入ると折から台頭してきた新勢力の映画会社シネマ･シティ(新藝城)制作の話題作にも出演。その後も2000年代に至るまでアクションからコメディー､エロチックな作品まで､のべ130本を超える出演作を誇った。私生活では3度結婚している。
2017年10月9日､肺がんの為死去。享年69歳。

＜主な出演作品＞
フィスト･バトル/拳撃(71年)、ドラゴン怒りの鉄拳、必殺ドラゴン鉄の爪(72)、帰って来たドラゴン(73)、必殺!少林拳涙の復讐、燃えよジャッキー拳(74)、少林寺三十六房、必殺鉄指拳(78)、大金塊(79)、酔馬拳･クレージーホース、燃えよデブゴン２/正義への招待拳、邪ゴースト･オーメン(80)、醒拳、妖刀･斬首剣、悪漢探偵、魔界天使(82)、悪漢探偵２、活劇･盗聴大作戦(83)、ニンジャ･サンダーボルト(85)、極悪ニンジャ部隊/シャドー･ウォリアーズ(86)、マッスルモンク(2003年)