ログインしてさらにmixiを楽しもう

コメントを投稿して情報交換!
更新通知を受け取って、最新情報をゲット!

「失われた時を求めて」読破会コミュの囚われのみにい

  • mixiチェック
  • このエントリーをはてなブックマークに追加
昨年「はじめまして」でご挨拶させていただいたみにいです。

鈴木道彦氏の抄訳版と集英社新書「プルーストを読む」を読了して準備万端整ったので、いよいよ全巻読破に挑戦&読書日記を開設します。トピック名は、プルーストの世界にどっぷり浸かって囚われたい!ということで、「囚われのみにい」にしてみました。

なお、挑戦するのはやはり鈴木道彦訳です。同居人が以前完読した井上訳も家にあるのですが、初心者にはハードルが高そうなので・・・。

このトピで完読された方たちを励みに、私もじっくりと楽しみながら読んでいきたいと思います。今年中に完読・・・できるかな?

コメント(8)

はじめまして! 「しんや」と申します。

抄訳版をすでに読み終えられているのですね。同居人さんも、井上訳を完読されたなんてすごい!

みんなで励まし合って読み進めていきましょう!
しんやさん、はじめまして!

しんやさんの日記も楽しみに読ませていただいています。順調にすすんでいらっしゃいますね! 

長いお付き合いになると思いますが、どうぞよろしくお願いします〜。
さて、それでは日記をはじめます。

現時点で第1巻228ページあたりまで読了していますが、とりあえず途中まで。

・P96〜97あたり

「これは母にとってきっとつらいことだったろう、私のために心に抱いていた理想を、母ははじめて自分から放棄した、あれほどしっかりしていた母がはじめて敗北を認めたのだ、そう私には思われた。」

ママンが一緒に寝てくれるのは嬉しいけれど、自分のわがままでママンに彼女の信念を裏切らせてしまったことに対し、激しい後悔と罪悪感を感じる「私」。これ、よくわかります。子供にとって親は絶対に敵わない、服従すべき(だからこそ自分を絶対的に保護してくれる)存在なのに、思いもかけず自分の主張が親の主張に打ち勝ってしまったときの罪悪感、喪失感。皆こういう親へのささやかな裏切りを経て、親を傷つけ自分も傷ついて大人になっていくんですよネ・・・。

P99〜101あたり

「知的な利益を引き出せないようなもの、とりわけ快適さや虚栄心の満足とは別な楽しみを求めることを教えながら、知的な利益をもたらしてくれるような美しいもの以外の品は、何ひとつ買う気になら」ず、「贈られた本人がそれを使ってみようと腰を下ろすやいなや、たちまちその重みでめりめりと壊れてしま」う肘掛椅子をプレゼントしてしまう祖母。いいですね〜、素敵なおばあさんです。この祖母は常識や見た目といったバイアスに囚われない自由な精神の持ち主で、個人的には大好きな登場人物のひとりです。

・P108〜114

ハイ、いわずと知れた、紅茶に浸したプチット・マドレーヌのシーンですね。いまさら一介のヘボ読者が言うまでもありませんケド、誰もが思い当たることだけど誰もあえて語らないような現象をここまで言語化できるというのは、驚異的ですよね。でも、ここまで言語化しないではいられないというのは、いかにもフランス人らしいですよね(←思いっきり偏見)。プルーストがイタリア人だったらこんな作品あり得ないですよね(←やっぱり偏見)。

・P145〜153

「サン=ティレールの鐘塔は、コンブレーがまだあらわれないうちにその忘れられない姿を地平線に刻みこんでおり、はるか遠方からでも見分けることができた。復活祭の週に私たちをパリから運んでゆく汽車の窓から、この鐘塔が、その鉄製の小さな雄鶏を四方八方にぐるぐるまわしながら空に描かれた雲の畦を次々と移ってゆくのを見ると、父は私たちに言うのだった。「さあ、膝掛けをしまいなさい。もう着いたんだよ」。」

「「お前たちはたんとわたしのことを笑うがいいよ。あの塔は、美の規則にははまっていないかもしれないけれど、でもあの奇妙な古い形がわたしは気に入ってるの。もしあの塔にピアノが弾けたら、けっしてかさかさした音は出さないでしょうよ」。」

「コンブレーの町にあるすべての仕事、すべての時間、すべての物の見方に形を与え、これを完成し、聖なるものたらしめているのは、サン=ティレールの鐘塔だった。」

サン=ティレールの鐘塔が描かれるこのシーン、何度読んでも胸がいっぱいになってしまうのは私だけでしょうか。 ここには、ヨーロッパ人にとっての教会の存在感が見事に描かれてますよね。

2年前イタリアに行った際、フィレンツェで2泊した後にレンタカーを借り、トスカーナやウンブリア地方を5日かけて南下してローマに辿りついたことがありました。その間、イタリアの美しい田舎の町(ヴォルテッラ、サン・ジミニャーノ、グッビオ、スペッロ、アッシジ等々…)を巡りましたが、丘陵地帯をワインディング・ロードに沿ってひたすら上り下りし、オリーブや葡萄の畑の向こうに忽然と町が姿を現すとき、いつも必ず、強い日差しに照りつけられる鐘塔が目に留まりました。到着して小さな町の中を歩くときも、このシーンで描かれているように、教会が自分の居場所を確認する目安になっていました。そして、入ってみればどんな小さな教会にも共通する、あの冷たくて荘厳な空気。

ヨーロッパの人達にとって教会がいかに“世界の中心”で、彼らの精神的支柱になっているのかを実感させられました。神様なんて普段は意識していないという人でさえ、自分の故郷を思い出すとき、教会が必ず記憶の片隅に浮かんでくるのではないかと思います。そういう精神的・文化的支柱が町の中心に具体的なかたちで存在しているということが羨ましく感じられます。

好きなシーンが多いのでのっけからノリノリで書いてしまいました…今日はこのへんまで。今後もできればしっかり感想を書いていきたいですが、どうでしょうね・・・。
フミさん、コメントありがとうございます。

西洋の教会と日本の寺や神社では何かが決定的に違いますよね。
神聖さの質が違うというか。

読破めざしてがんばりましょ〜!
本日現在、第1巻350ページまで読了。

美しい旋律のような文章(ヴァントゥイユの音楽のような?)と深い洞察、面白いエピソードがどのシーンにも散りばめられていて、逐一感想を書いていたらキリがないですね。少なくとも、後から読み直すときに備忘録として役立つように、印象に残るページは記しておきたいと思います。

・P165〜169

きましたね〜、妄想少年!芝居を観たこともないのに女優の品定めやらランク付けやら・・・ヒマですね、はっきり言って(笑)幼いということ、まだまだ未知のものばかりだということは素晴らしいですね。自由な想像の世界がどこまでも広がっていく。この少年はその想像力の豊かさの分だけ失望も味わうわけですが。

・P169〜178

「だれでもそうだろうが、私は他人の頭脳を生気のない従順な入れ物のように考え、そこに持ち込まれるものに特殊な反応を示すことなどできないと想像していた。だから、叔父のおかげである人と知合いになれたという話を両親の頭に入れれば、同時に自分の望んだとおりこの紹介を歓迎する気持をも両親の頭脳に伝えられると考えて、疑いもしなかった。ところが不幸にも両親は、いざ叔父の行動を評価するときになると、私が採用をすすめる原理とはまったくちがった原理に頼ったのだ。」

かくして「私」の一家はアドルフ叔父と二度と会うことはないわけですが。子どもが無邪気ゆえに犯してしまう、ある種の罪ですね。でも、どんな大人でも「自分がこう思うのだから相手も当然同じように思うに決まっている」という思い込みから自由になることは難しい・・・。

・P188〜195あたり

一日が果てしなく長く感じられる少年時代の、時間を惜しまずに本の世界に没頭する至福の様がいきいきと描かれていますね。特にP193〜194にかけての、読書の合間にサン=ティレールの鐘が時の経過を教えてくれるくだりが好きです。

「また、時を告げる鐘が鳴るたびに、私には、前の時刻の鐘が鳴ってからまだいくらもたっていないような気がした。いま鳴った時刻は、これに先立つ時刻のすぐ傍らで空に記され、この二つの金の印にはさまれた小さな青い弧のなかに六十分が含まれ得るとは、どうしても考えられないからだ。」

青い空に響きわたる鐘の音が聞こえてくるようです。

最後まで鳴り終らないと何時だかわからない、というのもイイですよね〜。時刻を知るのに下手すると1分くらいかかってしまうわけですよね。豊かな時の流れ。

・P198〜220

ベルゴットを読むきっかけをつくってくれたブロック〜そのブロックの強烈な個性が発揮されたエピソード〜ベルゴットの文学の素晴らしさ〜そのベルゴットがスワンの知人であり、しかもスワン嬢とベルゴットは親友だという事実〜スワン嬢への憧れがいっそう強まる・・・と、あるエピソードが次のエピソードを呼び、ひとつの大きな流れとして繋がっています。このあたりの登場人物やエピソードはいずれも後々の展開への鍵となるものばかりですが、どれ一つ無駄がなく、また息切れすることなくスラーで繋がるように滑らかに流れてスワン嬢へとたどり着き、ひとつの楽章のような印象を受けました。もの凄い筆力ですね。

訳注によればベルゴットのモデルはアナトール・フランスのようですね。こちらもいつか読んでみなくては・・・。
>訳注によればベルゴットのモデルはアナトール・フランスのようですね。こちらもいつか読んでみなくては・・・。

読んでみたいものって、どんどん増えていきますよね! バルザックについての記述も多いので、気になっています……。

ログインすると、みんなのコメントがもっと見れるよ

mixiユーザー
ログインしてコメントしよう!

「失われた時を求めて」読破会 更新情報

「失われた時を求めて」読破会のメンバーはこんなコミュニティにも参加しています

星印の数は、共通して参加しているメンバーが多いほど増えます。

人気コミュニティランキング