武士道に於て其の根幹を成すものこそ『道徳』といふことになるのではないでせうか。
特に、其の武士の規律に於てこの道徳観が失われてしまったならばもはや武士とは言えぬものです。
其等について私感を述べてみます。
最近の日本文化に對する流れは、やうやくではあるが、高くなってきてゐるやうに感ずることもある。
しかし、實感としてはそれ程顕れてこないのはどうしてだらうか？先日早稲田の杉山君と話していたときに「日本人のアイデンティティが失われてしまってゐるのではなからうか」と言っていたことを思ひ出す。
それでは日本人のアイデンティティとは何なのか。
日本語で表現したならば『日本民族精神』言い換えれば『日本人の特性』といへる。
東京帝國大学教授の芳賀矢一博士は日本人の特性として次のやうなことを述べてゐる。
「第一は、忠君愛国。第二は、祖先を尊び、家名を尊ぶ。第三は、現実的であり、実際的である。第四は、草木を愛し、自然を喜ぶ。自然に対する翫賞が豊かであって、その観察が細かい。第五は、楽天、洒落である、あまり悲観的にものを考えない。いつも楽天的である。第六は、淡泊、瀟洒である。あっさりしていて物事にこだわらない。第七は、繊麗、繊巧。小さいものに美を求める。或いは小さいものをこしらえる。小さいものに興味を持っている。これが大陸的人種とは大変違ったところで、古来小さなものに美を求める傾向が強い。第八は、清浄、潔白である。第九は、礼節、作法。礼儀正しい。第十が、温和、寛恕。おとなしく、ゆるやかである。」（『国民性十論』より）
これらが日本人の特性の基礎となっているものであるとしたならば、現代に於てはその殆どが消えかけてゐるとも言えるのではなからうか。
先日、ある方の本を戴いたが、そのタイトルが『國破れて自虐あり』(著者今村城太郎氏）となってゐた。將に、戦後私達は自らの國に對して自虐感に苛まれ生きてきたのではなからうか。
それでも、少しずつではあるが、其等に気付き始めた人も出てきてゐる。
しかし與の大勢に抗ふ事は、並大抵の覺悟では貫けぬ。
歌舞伎『元禄忠臣蔵』の日記で述べた所の『初一念』を信じ貫く強い心にこそそれが可能となるのである。
私達がめざすものは、一体何なのか。
私は政治が嫌いである。だから政治家の言葉は殆ど信用せぬ。
心ある人は、政治によって社會を變革しやうとしてゐる。
しかし、私は今の政治に希望を持つ事はしない。畢竟政治とは妥協の産物であり、美しい社會變格に適してはゐない。
私は教育でしか社會は變革せぬと思ってゐる。それもまずは、個人個人の道徳的�李辰魘�め深める事によってのみ實現すると考へてゐる。戦前大川周明師は次のやうに述べる。
「新しき國家は、常に偉大なる個人の魂に宿る」と。
私達が、眞に此の國を、此の社會を變革するは個人の魂を、其の道徳的�李辰魘�め、深める事しかないと思ふのである。
吉田松蔭先生の著した『講孟剳記』告子上篇第18章にある次の一節にその鍵があると思ふのであるが如何でありませうや？
「今、神州を興隆し四夷を撻伐するは仁道なり。之を礙ぐる者は不仁なり。仁豈不仁に勝たざらんや。若し勝たざれば仁に非ず。故に先ず一身・一家より手を下し、一村・一郷より同志同志と語り伝へて、この志を同じうする者日々盛にならば、一人より十人、十人より百人、百人より千人、千人より万人、万人より三軍と順々に進み進みして、仁を志す者豈寥々ならんや。この志を一身より子々孫々に傳へば、其の遺沢、十年、百年、千年、万年と愈々益々繁盛すべし。今、天下の勢、無事にして多難を伏し、至安にして至危を伏す。伏する者は必ず発す自然の勢なり。一旦多難至危の発泄するに至りては潰敗復た収むべからず。此の時に当たりて一人より三軍、一身より子孫に傳へたる所が大用を為し、神州興隆、四夷撻伐の功必ず成るべし。而して其の規模は今日に在るなり。願はくば此の説を読むの人、吾が言をして果して誇誕にならざる如く心を用ひ玉はば、神州の爲に大幸ならん。若し誇誕の言と云ひて誹謗し、自ら神州の陸沈、四夷の跋扈を座視する者は、其の罪、逆賊よりも百等も重きなり。吾、其の人と共に天を戴かざるなり。」
特に、其の武士の規律に於てこの道徳観が失われてしまったならばもはや武士とは言えぬものです。
其等について私感を述べてみます。
最近の日本文化に對する流れは、やうやくではあるが、高くなってきてゐるやうに感ずることもある。
しかし、實感としてはそれ程顕れてこないのはどうしてだらうか？先日早稲田の杉山君と話していたときに「日本人のアイデンティティが失われてしまってゐるのではなからうか」と言っていたことを思ひ出す。
それでは日本人のアイデンティティとは何なのか。
日本語で表現したならば『日本民族精神』言い換えれば『日本人の特性』といへる。
東京帝國大学教授の芳賀矢一博士は日本人の特性として次のやうなことを述べてゐる。
「第一は、忠君愛国。第二は、祖先を尊び、家名を尊ぶ。第三は、現実的であり、実際的である。第四は、草木を愛し、自然を喜ぶ。自然に対する翫賞が豊かであって、その観察が細かい。第五は、楽天、洒落である、あまり悲観的にものを考えない。いつも楽天的である。第六は、淡泊、瀟洒である。あっさりしていて物事にこだわらない。第七は、繊麗、繊巧。小さいものに美を求める。或いは小さいものをこしらえる。小さいものに興味を持っている。これが大陸的人種とは大変違ったところで、古来小さなものに美を求める傾向が強い。第八は、清浄、潔白である。第九は、礼節、作法。礼儀正しい。第十が、温和、寛恕。おとなしく、ゆるやかである。」（『国民性十論』より）
これらが日本人の特性の基礎となっているものであるとしたならば、現代に於てはその殆どが消えかけてゐるとも言えるのではなからうか。
先日、ある方の本を戴いたが、そのタイトルが『國破れて自虐あり』(著者今村城太郎氏）となってゐた。將に、戦後私達は自らの國に對して自虐感に苛まれ生きてきたのではなからうか。
それでも、少しずつではあるが、其等に気付き始めた人も出てきてゐる。
しかし與の大勢に抗ふ事は、並大抵の覺悟では貫けぬ。
歌舞伎『元禄忠臣蔵』の日記で述べた所の『初一念』を信じ貫く強い心にこそそれが可能となるのである。
私達がめざすものは、一体何なのか。
私は政治が嫌いである。だから政治家の言葉は殆ど信用せぬ。
心ある人は、政治によって社會を變革しやうとしてゐる。
しかし、私は今の政治に希望を持つ事はしない。畢竟政治とは妥協の産物であり、美しい社會變格に適してはゐない。
私は教育でしか社會は變革せぬと思ってゐる。それもまずは、個人個人の道徳的�李辰魘�め深める事によってのみ實現すると考へてゐる。戦前大川周明師は次のやうに述べる。
「新しき國家は、常に偉大なる個人の魂に宿る」と。
私達が、眞に此の國を、此の社會を變革するは個人の魂を、其の道徳的�李辰魘�め、深める事しかないと思ふのである。
吉田松蔭先生の著した『講孟剳記』告子上篇第18章にある次の一節にその鍵があると思ふのであるが如何でありませうや？
「今、神州を興隆し四夷を撻伐するは仁道なり。之を礙ぐる者は不仁なり。仁豈不仁に勝たざらんや。若し勝たざれば仁に非ず。故に先ず一身・一家より手を下し、一村・一郷より同志同志と語り伝へて、この志を同じうする者日々盛にならば、一人より十人、十人より百人、百人より千人、千人より万人、万人より三軍と順々に進み進みして、仁を志す者豈寥々ならんや。この志を一身より子々孫々に傳へば、其の遺沢、十年、百年、千年、万年と愈々益々繁盛すべし。今、天下の勢、無事にして多難を伏し、至安にして至危を伏す。伏する者は必ず発す自然の勢なり。一旦多難至危の発泄するに至りては潰敗復た収むべからず。此の時に当たりて一人より三軍、一身より子孫に傳へたる所が大用を為し、神州興隆、四夷撻伐の功必ず成るべし。而して其の規模は今日に在るなり。願はくば此の説を読むの人、吾が言をして果して誇誕にならざる如く心を用ひ玉はば、神州の爲に大幸ならん。若し誇誕の言と云ひて誹謗し、自ら神州の陸沈、四夷の跋扈を座視する者は、其の罪、逆賊よりも百等も重きなり。吾、其の人と共に天を戴かざるなり。」
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コメント(22)
僕も吉田松蔭先生を尊敬しています。
教育の大切さを示してくれたのはまさに先生だと思います。
肉体は死しても志は受け継がれ明治維新の原動力になったことは間違いありません。
今の日本には義務教育というものがせっかくあるのだから、正しい歴史認識、民族の誇りをしっかり教えるべきだと思います。
といっても今の現状では学校教育はあてにならない状況なので、つくし丸さんの言う通りまずは自分達にできることから・・・
子供というのは好奇心旺盛なものだと思います。
僕は祖父の家にあった金の家紋入りの額が単純にかっこよく見えて興味を持ち、祖父にこれがどういうものなのか、家によって違うことなどを聞き、誇らしく思ったことがありました。
祖父のおかげで今では家名ならず、国も誇らしく思うことができる人間になりました。
というわけでやはり教育ですね（笑）
教育の大切さを示してくれたのはまさに先生だと思います。
肉体は死しても志は受け継がれ明治維新の原動力になったことは間違いありません。
今の日本には義務教育というものがせっかくあるのだから、正しい歴史認識、民族の誇りをしっかり教えるべきだと思います。
といっても今の現状では学校教育はあてにならない状況なので、つくし丸さんの言う通りまずは自分達にできることから・・・
子供というのは好奇心旺盛なものだと思います。
僕は祖父の家にあった金の家紋入りの額が単純にかっこよく見えて興味を持ち、祖父にこれがどういうものなのか、家によって違うことなどを聞き、誇らしく思ったことがありました。
祖父のおかげで今では家名ならず、国も誇らしく思うことができる人間になりました。
というわけでやはり教育ですね（笑）
私見を申し上げさせていただきます。
今の日本には「帯刀令」が必要だと思います。
実際の刀ではなくともそれと同じような役割をするもの。
昔であれば刀を持つということは自分がそれを持つにふさわしい人間か、またそれにふさわしい人間になろうという気持ちがあったように思われます。
また、相手も刀をもっているわけですから、あまり無礼な態度をすれば切られるわけです。そこから相手の気持ちを理解する能力を身に付けることができました。
相手と衝突したときだって自分の意見を押し通す為には例え相手に切られてもいい！！
そんな態度で臨むわけですから正に命がけの発言であり、そのような姿勢だから説得力が違う。
今の世の中にかけているもの、それを武士道に見つけることができると思います。
今の日本には「帯刀令」が必要だと思います。
実際の刀ではなくともそれと同じような役割をするもの。
昔であれば刀を持つということは自分がそれを持つにふさわしい人間か、またそれにふさわしい人間になろうという気持ちがあったように思われます。
また、相手も刀をもっているわけですから、あまり無礼な態度をすれば切られるわけです。そこから相手の気持ちを理解する能力を身に付けることができました。
相手と衝突したときだって自分の意見を押し通す為には例え相手に切られてもいい！！
そんな態度で臨むわけですから正に命がけの発言であり、そのような姿勢だから説得力が違う。
今の世の中にかけているもの、それを武士道に見つけることができると思います。
マロさんの意見は大変嬉しい御意見です
刀は、武士にとって魂といふ言葉がありますが、一般的に武家の家では仰有るとおり、相応しいと家長が判断するまでは木剣を腰に差していたと言います。
であればこそ、しっかりとした人間が育まれたと私も思ひます。
帯刀令の禁止は、日本人を怖れた欧米諸国がそれを求めたがために施行されたと私は考えております。
白人どもにとって、日本の武士への恐怖感は半端ではなかったやうです。
特に、刀を見る度、いつも切られるのではないかと思ひ、諂いや媚びを売っていたと言います。
彼等の常套手段ですが、牙を抜き、自分たちの都合いいように政府に働きかけて、帯刀禁止令が出されたのではないでせうか？
橋本景岳先生や、吉田松陰泉が存命であれば、このやうな外國の圧力に負けなかったやうのも思っております。
マロさん、もし良ければ１月１１日の『眞心の學問會』に参加なさいませんか？
あなたのやうな方に来ていただけると、内容が充実するやうに思ひます。
ぜひご検討ください。
刀は、武士にとって魂といふ言葉がありますが、一般的に武家の家では仰有るとおり、相応しいと家長が判断するまでは木剣を腰に差していたと言います。
であればこそ、しっかりとした人間が育まれたと私も思ひます。
帯刀令の禁止は、日本人を怖れた欧米諸国がそれを求めたがために施行されたと私は考えております。
白人どもにとって、日本の武士への恐怖感は半端ではなかったやうです。
特に、刀を見る度、いつも切られるのではないかと思ひ、諂いや媚びを売っていたと言います。
彼等の常套手段ですが、牙を抜き、自分たちの都合いいように政府に働きかけて、帯刀禁止令が出されたのではないでせうか？
橋本景岳先生や、吉田松陰泉が存命であれば、このやうな外國の圧力に負けなかったやうのも思っております。
マロさん、もし良ければ１月１１日の『眞心の學問會』に参加なさいませんか？
あなたのやうな方に来ていただけると、内容が充実するやうに思ひます。
ぜひご検討ください。
時代おくれ侍 様
私の書き込みにこのようなコメントをいただきまして大変恐縮しております。
普段から日本刀に変わる何かを考え私自身人間的に優れていないものですから武士道にその道標を模索している日々を送っております。
時代おくれ侍 様からコメントいただきまして１月１１日の『眞心の學問會』とはどういった集まりであるのか貴方様のページから拝見させて頂きました。
大変興味深い内容であり参加できるかどうか検討もしたのですが、定期的開催ということと地理的な問題で参加が難しいという結論に達しました。
折角のお誘いですが申し訳ありません。
更に興味深かったのが宇都宮でタウンミーティングが開催されていたことに驚きました。あまり現実世界でそういうことに触れる機会がないものですから恥ずかしい限りです。
現状の問題は過去の積み重ねであると思いますし、それを変えるには今の教育を変えるしかないと思っております。
この度は私のような者の書き込みにコメント並びにお誘いを頂き誠にありがとうございました。
今後の時代おくれ侍 様のご活躍をお祈り申し上げます。
私の書き込みにこのようなコメントをいただきまして大変恐縮しております。
普段から日本刀に変わる何かを考え私自身人間的に優れていないものですから武士道にその道標を模索している日々を送っております。
時代おくれ侍 様からコメントいただきまして１月１１日の『眞心の學問會』とはどういった集まりであるのか貴方様のページから拝見させて頂きました。
大変興味深い内容であり参加できるかどうか検討もしたのですが、定期的開催ということと地理的な問題で参加が難しいという結論に達しました。
折角のお誘いですが申し訳ありません。
更に興味深かったのが宇都宮でタウンミーティングが開催されていたことに驚きました。あまり現実世界でそういうことに触れる機会がないものですから恥ずかしい限りです。
現状の問題は過去の積み重ねであると思いますし、それを変えるには今の教育を変えるしかないと思っております。
この度は私のような者の書き込みにコメント並びにお誘いを頂き誠にありがとうございました。
今後の時代おくれ侍 様のご活躍をお祈り申し上げます。
のぶトモ様
いま、いい大人が自らの進むべき道を見失ってゐる。
それが現實ではないでせうか。
大體、道を見失った大人達が「今の若い者は」などと言ふのではないかと私は感じております。
「子供や若者は大人達の鏡」そう考えたならば現代の世相やその姿は大人達の迷いがこのやうにしてゐると思ひます。
己をたゞさずして、他人のことなどいふことはできないと私も思ひます。
烏様
本居宣長が次のやうに述べております。
「人の萬物の靈たる所以は、もっと根本的なものに基づく。『夫レ人ノ万物ノ靈タルヤ、天�鍛狼瀬涼�靈ニ頼ルノ故ヲ以テナルノミ』從つて、吾が国には、上古、人心質朴の頃、『自然ノ神道』が在って、上下これを信じ、礼儀自ら備るという状態があったのも当然のことである」
これは、弟子との『和歌』についての書簡のやり取りの中で宣長が述べたことであります。
また、藤田東湖もその著『弘道館記述義』の中で、同じやうなことを述べております。
烏様の言われるとおり、古事記、日本書紀の神話の時代まで遡らねば日本�李辰諒ジ擦聾�えてこないやうに私も思ひます。
『道徳�李叩戮蓮�畢竟善悪、正邪を判断する意志と実行力になると考えますが、如何でせう。
特に実行力といふことに於ては武士道の存在は大きなモノとなるやうに考えます。
現代の日本人の道徳�李辰砲弔い討蓮△笋呂蠕気靴討罎�べき事は正してゆかねばならないと思ひます。
社會の趨勢と別の価値判断こそ武士道であってよいのではないかと考えるのですが如何でありませう。
いま、いい大人が自らの進むべき道を見失ってゐる。
それが現實ではないでせうか。
大體、道を見失った大人達が「今の若い者は」などと言ふのではないかと私は感じております。
「子供や若者は大人達の鏡」そう考えたならば現代の世相やその姿は大人達の迷いがこのやうにしてゐると思ひます。
己をたゞさずして、他人のことなどいふことはできないと私も思ひます。
烏様
本居宣長が次のやうに述べております。
「人の萬物の靈たる所以は、もっと根本的なものに基づく。『夫レ人ノ万物ノ靈タルヤ、天�鍛狼瀬涼�靈ニ頼ルノ故ヲ以テナルノミ』從つて、吾が国には、上古、人心質朴の頃、『自然ノ神道』が在って、上下これを信じ、礼儀自ら備るという状態があったのも当然のことである」
これは、弟子との『和歌』についての書簡のやり取りの中で宣長が述べたことであります。
また、藤田東湖もその著『弘道館記述義』の中で、同じやうなことを述べております。
烏様の言われるとおり、古事記、日本書紀の神話の時代まで遡らねば日本�李辰諒ジ擦聾�えてこないやうに私も思ひます。
『道徳�李叩戮蓮�畢竟善悪、正邪を判断する意志と実行力になると考えますが、如何でせう。
特に実行力といふことに於ては武士道の存在は大きなモノとなるやうに考えます。
現代の日本人の道徳�李辰砲弔い討蓮△笋呂蠕気靴討罎�べき事は正してゆかねばならないと思ひます。
社會の趨勢と別の価値判断こそ武士道であってよいのではないかと考えるのですが如何でありませう。
烏様
非常に見識有る御意見有難う御座います。
「武士道は孤高の価値観」なるものである。といふことについては、現代に生きてゐる私達にとってといふことにならうかと思ひます。
しかし、孤高の価値観なるモノにこれだけ多くの人達が興味を持ち、探求しやうとなさっておられる方が居られるといふことは、孤高が孤高ではなく普遍なるモノとなるやうに私は思ひます。観念的なお話で申し訳ありません。
私は社會に普遍化するといふこととは、メディアなどを除けば一人一人がどれだけ己の志や行動で周囲を變へて行くことができるかといふことであらうと思ひます。
周囲を變へるには、己自身が變へるだけのちからを身に付けなければならないのではないでせうか。
そこに武士道の價値があるのではないかと私は考へております。
吉田松蔭先生の「先ず一身・一家より手を下し、一村・一郷より同志同志と語り伝へて、この志を同じうする者日々盛にならば、一人より十人、十人より百人、百人より千人、千人より万人、万人より三軍と順々に進み進みして、仁を志す者豈寥々ならんや。この志を一身より子々孫々に傳へば、其の遺沢、十年、百年、千年、万年と愈々益々繁盛すべし。」
この一節は、「人に語ることよりも、先づ一身を高めることを優先することである」と私は捉えております。
ですから、武士道と言ふものは學究し、道を求めるのは個であらうとも友と語らひ、志を少しずつ共有してゆくことで社会は変わるやうに思ひます。
そして、その結果などは顧みないことも重要なことであらうと思ひます。
今の世は、欧米思想が蔓延し、結果が出なければすぐに止めやうとする。
私は、それでは永久の良図からは益々離れてゆく。
そう考えております。
社會に普遍化されるものとは、何でありませう。
普遍化されるモノとは、総じて價値無きモノが多いやうに私は感じております。
非常に見識有る御意見有難う御座います。
「武士道は孤高の価値観」なるものである。といふことについては、現代に生きてゐる私達にとってといふことにならうかと思ひます。
しかし、孤高の価値観なるモノにこれだけ多くの人達が興味を持ち、探求しやうとなさっておられる方が居られるといふことは、孤高が孤高ではなく普遍なるモノとなるやうに私は思ひます。観念的なお話で申し訳ありません。
私は社會に普遍化するといふこととは、メディアなどを除けば一人一人がどれだけ己の志や行動で周囲を變へて行くことができるかといふことであらうと思ひます。
周囲を變へるには、己自身が變へるだけのちからを身に付けなければならないのではないでせうか。
そこに武士道の價値があるのではないかと私は考へております。
吉田松蔭先生の「先ず一身・一家より手を下し、一村・一郷より同志同志と語り伝へて、この志を同じうする者日々盛にならば、一人より十人、十人より百人、百人より千人、千人より万人、万人より三軍と順々に進み進みして、仁を志す者豈寥々ならんや。この志を一身より子々孫々に傳へば、其の遺沢、十年、百年、千年、万年と愈々益々繁盛すべし。」
この一節は、「人に語ることよりも、先づ一身を高めることを優先することである」と私は捉えております。
ですから、武士道と言ふものは學究し、道を求めるのは個であらうとも友と語らひ、志を少しずつ共有してゆくことで社会は変わるやうに思ひます。
そして、その結果などは顧みないことも重要なことであらうと思ひます。
今の世は、欧米思想が蔓延し、結果が出なければすぐに止めやうとする。
私は、それでは永久の良図からは益々離れてゆく。
そう考えております。
社會に普遍化されるものとは、何でありませう。
普遍化されるモノとは、総じて價値無きモノが多いやうに私は感じております。
烏様
私も、若いとき司馬遼太郎の『坂本龍馬』を讀み、『武士道』に疑問を持ちました。
武士の偏った考え方が平和をみだし、混乱させてしまったと思ひ、龍馬のやうな生き方に憧れもしました。
しかし、烏さんは違ふとは思ひますが、私の場合の龍馬像は司馬遼太郎の世界、即ち彼の考え方によって創り出されたものであるといふことに気付いたときから、『武士道』に對する考え方が変わりました。
その後、司馬遼太郎の考え方を知るに随ひ、彼は欧米思想こそ最高の物と云ふ考え方に立脚して歴史人物を書き上げております。言はば唯物論に立脚した考え方と私は考えております。
勿論異論もあるとは思ひますが、私はそう考えたのです。
しかし、そのやうに考えたとき龍馬の真の姿も見えてきたと信じていますし、昔は過激すぎて受け入れられなかったモノがわかるやうな氣がしてきたのであります。
評論家小林秀雄や本居宣長は、古書から直接學ぶことを求めてゐます。それは、訳者のモノを読んだとしたならば、その訳者の考えで受け入れてしまひ、本質は永久にわからないといふことです。
學問とは、本質を見極め自らの考えの中に入れるといふことではないでせうか。
『武士道』を講究するといふことは、『武士道』の本質を自らのモノにすることと思ひます。
私も、若いとき司馬遼太郎の『坂本龍馬』を讀み、『武士道』に疑問を持ちました。
武士の偏った考え方が平和をみだし、混乱させてしまったと思ひ、龍馬のやうな生き方に憧れもしました。
しかし、烏さんは違ふとは思ひますが、私の場合の龍馬像は司馬遼太郎の世界、即ち彼の考え方によって創り出されたものであるといふことに気付いたときから、『武士道』に對する考え方が変わりました。
その後、司馬遼太郎の考え方を知るに随ひ、彼は欧米思想こそ最高の物と云ふ考え方に立脚して歴史人物を書き上げております。言はば唯物論に立脚した考え方と私は考えております。
勿論異論もあるとは思ひますが、私はそう考えたのです。
しかし、そのやうに考えたとき龍馬の真の姿も見えてきたと信じていますし、昔は過激すぎて受け入れられなかったモノがわかるやうな氣がしてきたのであります。
評論家小林秀雄や本居宣長は、古書から直接學ぶことを求めてゐます。それは、訳者のモノを読んだとしたならば、その訳者の考えで受け入れてしまひ、本質は永久にわからないといふことです。
學問とは、本質を見極め自らの考えの中に入れるといふことではないでせうか。
『武士道』を講究するといふことは、『武士道』の本質を自らのモノにすることと思ひます。
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