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映画評論(ゲイのみ)コミュの白いリボン

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☆☆

 本日最終日だったので、最後の回で観てきました。カンヌのパルムドールだし、これは絶対見逃してはイケないと…

 お叱り承知で敢えて言います… 「この映画、嫌いだ!!!!」

 人間 "性悪説"を説きたかったのですか??それにしても、各事件の犯人はなんとなく分からせますが、どうしてそういう事件を起こしたかがあまりにも不明確なため、最初から最後まで混沌悶々としたままなのです。宣伝文句に「そして戦争の足音が云々…」とありましたが、事件と「戦争」関係ないですよね??自分が何か見落としてますか???

 結局どの事件も解決されない世の中の不条理。妬み、恨み、反抗心がどんな人間にもあって、「厳格さ」はそれらを抑制するどころか生み出す原因になり助長もする、「偽善」以外の何ものでもないのだ。そんな事を言おうとしているのは分かりました。でもそれに対して作品としての結論なり見解なり、提示しないでイイんですか???

 ベルイマン監督の「ファニーとアレクサンデル」が自分大好きで、あの映画も「厳格さ」によって「人間性」を否定する司教(牧師?)が出てきて、それがどれほど偽善であるかを分かりやすく見せてくれます。そして映画は、人間性を取り戻す方向に落ち着きます。(茶目っ気のあるオチは大ラスにありますが)

 それに比べてこの「白いリボン」… 語り部の教師が恋人を馬車で池にピクニックに連れて行こうとするシーンで、「絶対コイツには下心ある」と思わせてしまうくらい、観客を人間不信にさせます。そう思った自分に気付いて、自己嫌悪になります。
ああ、嫌な映画です!!

 撮影、演技演出、SE音のバランス 全て素晴らしいです。脚本、というか、映画のストーリーに嫌悪しているだけです。あるところまでじっと動かずに描写するカメラワークは、怖いくらい映画の中の世界に観客を引き込みます。だからこそ、そこで描かれる「性悪説」をリアルに感じ取ってしまうのです。

 ああ、良く出来た映画です!
 でもやっぱり、嫌いです!

コメント(3)

生理的にちょっと苦手な作品でした。

画は素晴らしく目を見張るものがあり、それなりに緊張感も漂っています。すぐに映像に引き込まれます。
しかし、控えめな演出は物語をリアルに感じさせるけど、どの事件も解決されないまま終わってしまうので、最期は観てる側が取り残されるような…。
どんな人間の心に潜む嫉妬や暴力性を描きたいのだろうけど、なんだか箱のフタだけ開けて、ちゃんと見るのが怖くてまた閉めちゃったみたいな感じ。描ききるのが怖いような。ホント中途半端な印象。

受け付けなかったです…。
例えば、事件を起こした容疑者に関する報道で「まさかあの人が」というコメントがよく飛び交うものですが、人間の内面というのは他者からはそう簡単にわからないものだと思うのです。
見た目だけでは人の内面などは解ることもない。何気ない日常(もしかしたら只そう見えているだけの日常かもしれないけど)からその解らない人間の内面からこぼれおちる邪悪な何かが見える。シンプルに言ってしまえば、それを映像化した映画ではないかと私は思いました。

もちろんその邪悪さはどこから出てくるかと言えば、既にコメントを書かれているSATOSHIさんやくろすけさんも指摘されているように封建制度や様々な階層、様々な家族における抑圧、宗教や教育の厳格化の行きついた先に生まれてしまった人々の心の変質だと思います。白く清いものだと思ったものが実は邪悪を孕み始めていたわけです。

またSATOSHIさんが「ファニーとアレクサンドル」の司祭の例を挙げられていましたが、この映画の中心はキリスト教の教義で村人たちに精神的なバランスを保とうとする牧師の家族にあるように私は思っています。その牧師こそ宗教によって村を厳格な精神でまとめようとする存在でありながら、その彼は最後のほうで学校の先生の指摘(自分の子供の嫌疑)に抗って偽善をつくろうとします。私はここがこの映画の最大のクライマックスではないかと思っています。

この映画の副題が「ドイツの子供の歴史」というのは意味深いと思います。厳格な精神は何をもたらしたのか?
考えてみれば我が国の国民も他国から礼儀正しく、道徳的で勤勉だと言われてきましたが、かつてはその精神が違う形に導かれ、不幸な変容に至った歴史がありました。
この映画で子供に巻かれた白いリボンは、その後に赤く染まった腕章(鉤十字が付いた!)へと変容していったドイツの歴史を我々も知っています。あの子供たちはそのような運命をたどることをこの映画は白いリボンに託したのではないかなと思いました。

そういえば、この映画のあまりにも美しい白さはどこか不気味な美しさです。
そして白い色は何色にでも染まる危険も孕んでいます。白だから清廉なのではなく、その裏には限りない危険性があるということではないでしょうか?


余談ながら、ハネケ監督の映画って挑発的な映画が多いですし、音楽をあえて使わなかったりして息詰る感覚を強いらせますが、今回も久しぶりに緊張感あるエンド・クレジットを体験いたしましたw
ハネケの映画、私は嫌いではないです☆

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