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映画評論(ゲイのみ)コミュの博愛と友情

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イギリスの作家イヴリン・ウォーの「ブライズヘッドふたたび」の映画化。日本では吉田健一の訳が有名ですな。
監督は『キンキー・ブーツ』のジュリアン・ジャロルド。アメリカ等では劇場公開されましたが、日本では意味不明な邦題でDVDリリースのみ。

貧しい生い立ちのチャールズは、オックスフォード大学に入学し、貴族の息子であるセバスチャンと出会う。彼は裕福な家柄の同級生らとつるんでいるが、彼らは出自の異なるチャールズを露骨に軽蔑する。そんな自分とは対照的なチャールズに興味を持ったセバスチャンは、彼を度々遊びに誘う。
ある日、セバスチャンの屋敷である「ブライズヘッド」に招かれ、豪勢な貴族の暮らしに圧倒される。セバスチャンの母マーチメーン夫人は敬虔なカトリック信者で、彼女の夫はその厳格さに嫌気を指し、今では愛人と共にヴェネチアに住む。無神論者であることを公言するチャールズに驚きを隠さないマーチメーン夫人だが、息子の友人を家に迎える。
ブライズヘッドで過ごすうちに、次第にチャールズとセバスチャンは同性愛的な関係になっていくが、チャールズがセバスチャンの妹ジュリアを愛するようになり・・・。

「僕はあの夏、美しい青年に愛された」というコピーからして、ボーイズラブ的な売り方をしているのがバレバレ。でもそれを期待して見るとかなり肩すかしを食うのでは?
だけどオックスフォードやヴェネチア、モロッコを始めとする現地ロケは美しく、美男美女の織りなす愛と裏切りの物語は、メランコリックな音楽と相成り甘美な雰囲気を醸し出している。『アナザー・カントリー』やジェイムズ・アイヴォリー作品が好きな人はハマるのでは?

これってドラマとしての掘り込みが浅すぎ。というか脚本がダメダメ。何を考えているのかよくわからない登場人物たちがただ戯れているだけ、としか見えない。
信仰と同性愛というのがこの作品のポイントなんだろうけど、信仰に関して言えば深く突っ込みすぎると物議を醸してしまう、というのはわかるんだけど、同性愛に関しては今の時代だったらもうすこしはっきりと前面に押し出してもよかったような気がする。結果として何も残らない中途半端な作品になってしまった。
『眺めのいい「映画」』ではあるんですけどね。

原作者のイヴリン・ウォーは、主人公同様にさほど有名でない学校からオックスフォードに進み、ゲイの同級生らと知り合い、彼らが主催する華やかなサークルに紹介された、という。さらに、彼はオックスフォード時代、多くの学生と同性愛関係を持ったが、大学を出てからはノンケとしての生活を送るようになった。そして後にプロテスタントからカトリックへと改宗したという。
したがって、これは彼の自伝的作品なのだろう。もう一度原作を読み返してみたくなった。

チャールズ役は『マッチポイント』や『ウォッチマン』のマシュー・グード、セバスチャン役は『パフューム ある人殺しの物語』のベン・ウィショー、ジュリア役は『ある公爵夫人の生涯』のヘンリー・アトウェル。
そしてエマ・トンプソン、マイケル・ガンボン、グレタ・スカッキといったベテラン勢が脇を固める。若い主演3人の魅力が乏しいのもやや致命的かも。


公式サイト
http://www.movies.co.jp/brideshead/

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