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映画評論(ゲイのみ)コミュのサイドカーに犬

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監督/根岸吉太郎(2007日本)

性格も好みも合いそうになく、とても親しくなどなれないと思っていた奴が、ひょんなきっかけで話してみると意外と意気投合ってことがある。外見と内面のギャップに魅かれたり、自分にない感覚に魅了されたり・・・


この映画、母に家出された小4年の少女薫(松本花奈)と、父親の恋人(のような)ヨーコ(竹内結子)、一見、気の合わなそうな二人の心の交流を描いたもの。しつけの厳しい母親に育てられた薫は、悪ふざけなんて全くできない性格。一方ヨーコは自由奔放に見えて、読書好き、過去の屈託を払拭した感がある。

二人は結構饒舌だった。印象的な言葉も多く、一つ一つの台詞が心に染みては消える。時に歯の浮くような台詞もあり、僕はそんな作品が苦手なのだが、それをも違和感なく受け入れられたのは、行間に漂う感情を映像でしっかりと表現していたからだろう。大層な演出があるわけでもないのだが、二人の狭間に漂う余韻が僕には心地よかった。

さらに父親、母親、弟、父の同僚など、周囲との関係の中に、二人の関係が築かれているというところもいい。主演2人の瑞々しい演技に加え、脇役達の演技もさらりとしていて、それでいて不足はない。

ヨーコが「自転車のサドルを盗まれたので隣の自転車のサドルを盗んで帰った」と話すと、薫はその隣の自転車の持ち主のその後が気になってしょうがない。そしてそんな薫の関心の矛先に気づいたヨーコは、薫に「尊敬するよ」という。このささやかなエピソードが僕はとっても好きだ。

また、泣きっ面になるヨーコに「果汁飛んだ?」と聞く薫。ヨーコの涙を理解するには幼すぎた薫の無邪気さが、大人と子供の差を歴然と感じさせる残酷なシーンとして映る。世代を超えたほのぼの友情だけではおさまりきれない、厳しい視線を感じさる一場面として印象的だった。

あまり話題にもなってないようですが、なかなか味のある日本映画でした。

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