川柳月組コミュの９月句会作者発表

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　特選　☆　　入選　★

「台詞　せりふ」

1 「わかんない」続く秋には秋の空　　キリン ☆
2 ありきたりな台詞に落ちて四十年　　あやめ ★★
3 いつもと違う台詞かみなり光ってる　よしの ★★
4 かしましい台詞を買ってきた夫　りりー ★
5 きっちりと言えないさよならの台詞　ききょう ★★

6 きめ台詞考えながら寝てしまう　Ryuuko ☆ ★★
7 そのセリフみんなあんたに倍返し　あやめ ★
8 てのひらに書いた台詞も汗まみれ　杜野街 ☆
9 ブーメラン母の話は台詞だな　ルイ ★
10 芋焼酎今日もすっ飛ばしたセリフ　みかん ☆ ★

11 雨の日のせりふ紅茶を添えている　よしの ☆ ★★★★★★
12 横顔を見せて男を黙らせて　キリン
13 街角で偶然会った捨て台詞　sakurara
14 金魚にもそれぞれセリフあるらしい　 sakurara ★
15 健さんのセリフをちょっと借りている　みかん ★★★★

16 見送れば絞り出したか「ありがとう」　ルイ ★
17 後半の台詞はいつもアドリブに　ききょう
18 昨日の台詞きれいさっぱり忘れ去る　Ryuuko ★
19 生臭い台詞　旅支度に添える　抹茶 ☆
20 地方訛りの抜けぬ遠山花吹雪　杜野街 ★

21 藤十郎なら「芸の肥やし」と見得を切る　きなこ
22 棒読みで許してほしい日曜日　りりー ☆ ★★★
23 名台詞ひとつ吐かぬが花は咲く　きなこ
24 欲張りな秋野に台詞など無力　抹茶

「越える」

1 あちらでもこちらでもない越えてみる　Ryuuko ☆ ★★★
2 いくつかの山がさよならしてくれる　よしの ☆ ★★
3 うかうかと超える兎の後ろ足　りりー ★★
4 こんな線ちょいと跨げば越えられる　 Ryuuko ☆☆
5 テキストは古びてからも待っている　りりー ★

6 フワフワを越えたところにツノが立つ　あやめ ★★
7 越えましたすいかも甘くなくなって　キリン ★
8 越えようと見上げる空のひとつずつ　キリン ★
9 越冬す君の手袋にひそみ　みかん ★★★
10 現実を越えぬと会えぬ乙姫も　きなこ

11 黒ユリの花恋の花越えて行く　ルイ
12 砂山を越える還暦さえ越える　ききょう ★
13 再会や菊の香をまた越えて　抹茶 ★
14 山越えるリュックに一冊の詩集　みかん ☆ ★★
15 四方拝　峠を越えて来た者へ　抹茶 ☆☆

16 姉越える越えると焦るニートな日　ルイ
17 千切りのキャベツ盛り上げ越える溝　ききょう ★★
18 年金をもらう　おとんの歳超える　きなこ ★
19 氷点を越えて静かになってゆく　杜野街 ☆☆ ★
20 父母と越えた昭和の灯が消える　杜野街 ★

21 平熱を越えてようやく恋になる　sakurara
22 毎日の付箋をつけて山こえる　よしの ★★★
23 涼しくなって眠たくなって越えた夏　あやめ ★★★
24 六十越えた　百の海まで泳ぎ着く　sakurara

「アボカド」

1 アボカドがごろん　秋雨がぽつん　みかん ☆ ★★★
2 アボカドが約束もなくゴロンと来る　Ryuuko ★
3 アボカドサラダ女子会の火ぶた　みかん ★
4 アボガドとランチご一緒しています　ききょう ★
5 アボガドと男の鼻を並べてる　きなこ ★★★

6 アボガドにチーズ溶かすや午後の恋　ルイ
7 アボカドのああと叫んでみたい空　キリン ☆ ★★
8 アボガドの強さ本物かもしれぬ　ききょう
9 アボカドの種に到達する本音　りりー
10 アボカドは私と同じ脂肪体　sakurara

11 アボガドは滅入っています雨続き　あやめ ★★
12 アボカドは冷蔵庫　わたくしはデート　Ryuuko ☆☆☆☆ ★★
13 アボガドも言われてみたいかわいいと　きなこ ★
14 アボガドや打ち明けられぬ腹の内　杜野街
15 オリーブ色の鎧の下の卵肌　sakurara

16 ぽつねんとアボカド波浪注意報　抹茶 ★★★
17 外見は問題ないとアボカドが　よしの
18 完熟すポーカーフェイス保ちつつ　りりー ☆ ★★
19 熟れるとは腐ることかやアボカドよ　抹茶
20 冗談のようにつるっとアボカドほんね　よしの ★★

21 生きるってことねアボカドころころと　キリン ★
22 答えならアボガドの種に訊けばいい　あやめ ☆
23 特売のアボガドを選るエコバッグ　ルイ
24 不幸とは言わせぬアボガドのサラダ　杜野街 ☆ ★★