川柳月組コミュの８月句会　作者発表

☆特選　★入選

【ずれる】

1　三日月のはしっぽからもずり落ちる　　★★★　よもぎ
2　人類のこのずれかたは癖になる　　　　★　雷公
3　輪唱の愉快にずれてゆく議会　　　　　★　みかん
4　蓋少しずらしてワタシ取り戻す　　　　☆★★★　あやめ
5　病む時期がずれてコロナと鉢合わせ　　　Ryuuko

6　芯のないリンゴのほうへずれてゆく　　☆★★　遊飛
7　バイアスをかけてまんまとずれてやる　　抹茶
8　通勤のダイヤのずれが生んだ恋　　　　　コッコ
9　ブーフーウー印籠だすの誰だっけ　　　　みかん
10　ラストパスずれる蛍が飛んでいる　　　☆　遊飛

11　老優の武器ずれずれの目鼻立ち　　　　★　コッコ
12　酷暑かな何でも彼でも煮くずれて　　　☆★　あやめ
13　お互いの余生がずれる赤とんぼ　　　　☆★★★　Ryuuko
14　人間をずらしてやっとしあわせに　　　☆☆★★　雷公
15　半音をずれたまんまの最適解　　　　　★　抹茶

16　くらくらっ感覚ずれる永田町　　　　　よもぎ

【おぼろげ（おぼろ）】

1　年取って二人で眺む朧月　　　　　　　よもぎ
2　ちびちびの酒にちょこなん朧こぶ　　　★　コッコ
3　次に来る波がおぼろに見えている　　　☆☆★★　遊飛
4　死ぬまでのおぼろ朝蝉の姦しい　　　　☆　抹茶
5　大切なものはおぼろになるばかり　　　 ★★　Ryuuko

6　おぼろげな記憶　新聞紙にかき氷　　　　あやめ
7　冷や汗を貯めておぼろにしてしまう　　　★　雷公
8　あの森はとうにトトロに返したさ　　　　★★　みかん
9　歩いてた手をつないでた赤い靴　　　　　☆　よもぎ
10　おぼろげに三年先の胃の痛み　　　　　★　遊飛

11　おぼろげに聞いたガンバレから落ちる　　★★　Ryuuko
12　かき氷キーンのあとのおぼろかな　　　　★　抹茶
13　おぼろげが未だに飯を炊いている　　　　☆☆☆☆★　雷公
14　父の手のおぼろな温み吊りしのぶ　　　　★★★　コッコ
15　女王蜂うつらうつらと語り出す　　　　　★★　みかん

16 おぼろげな日々だ探しもんばかり　　　　★　あやめ
　

【写真から一句】

1　寒いのは苦手で大の字で眠る　　　　　遊飛
2　嫌なことみんな忘れるここが好き　　　★★★　あやめ
3　縄張りにいい潮風の吹く日暮れ　　　　★★★　みかん
4　食べて寝る僕には僕のルーティン　　　☆★★★　よもぎ
5　輪廻転生ぜったい猫に戻ります　　　　雷公

6　寝返りを打つたび向日葵が遠い　　　　☆★　みかん　
7　凡としてかけがえのない昼下がり　 ☆★　抹茶
8　土壇場のワタシの本気猫パンチ　　　　　コッコ
9　伸びている猫に誘われ午後の避暑　　　　Ryuuko　　
10　伸びて伸びて幸せだなぁいい日だなぁ　　あやめ

11　人間のなんでわたしがここにいる　　　　☆★★　雷公
12　なんたってうちの子たちが一番よ　　　　よもぎ
13　養生してまんねん　まだ生きる　　☆☆★★★　抹茶
14　暑いなあつい無防備になるお腹　　　　　Ryuuko
15 夜勤まで死んではいない風通し　　　　☆　遊飛

16 叶わない夢と知りつつドラえもん　　　 ☆　コッコ