ログインしてさらにmixiを楽しもう

コメントを投稿して情報交換!
更新通知を受け取って、最新情報をゲット!

川柳月組コミュの2016年2月投句一覧「ジャム」「看取る」「雑詠」

  • mixiチェック
  • このエントリーをはてなブックマークに追加
「ジャム」

 1 べっとりとジャムが付いてる舌の先   
 2 ジャム壜は空っぽ勇気持たないと   
 3 恥ずかしい話は全部ジャムにする  
 4 ほっぺたにジャム幸せはこの辺り   
 5 ジャムのままでいる覚悟はできてるか      
 
 6 どこにでも行こうおおめのジャム塗って  
 7 膝を抱く春の一日ジャムの瓶       
 8 適当に笑って済ますイチゴジャム   
 9 今は昔手作りジャムの艶っぽさ      
10 柚子のジャムことこと春が緩みだす   

11 追憶の端に残っていたかジャム   
12 無限の愛に甘えていたいミルクジャム   
13 ゆずジャムの甘さ苦さの女子である   
14 ジャムに黴いつから私このように     
15 指先のジャム厭わしくグッドバイ       

16 またいつかジャムになったら教えてね    
17 お砂糖は上物だからじっとして           
18 自尊心混ぜてぐつぐつジャムになる   
19 あますぎるジャムを二月にぬっている   
20 杏子じゃむこだわり今も解けぬまま   

21 意識なくなるまでジャムの中にいる   
22 ジャムにしてぎっちり蓋をした噂  
23 溺愛にあらねどジャムを煮る時間    
24 砂糖50愛が50であんずジャム     
25 春ごもりジャムを小瓶に分けている   

26 いいよいいよと許してくれるりんごジャム   
27 ジャム青く地平線まで塗りつぶす  
28 ここをこう曲がって光るジャムになる    


「看取る」

 1 犬四匹看取って古希を過ぎてゆく   
 2 白い服ばっかり買っているいつも         
 3 ひたひたと摺り足でくる看取りの日   
 4 看取られてタクシー止めるように逝く  
 5 はっきりとしない時間がくゆりゆく   
 
 6 一生のしばらく 静かに看とる     
 7 ゆるい絆を看取るさだめか春の雪    
 8 花全部なくした梅の木が看取る   
 9 母看取る 木の橋かすかに揺れている   
10 節分や看護師長の大きな手   

11 人知れず霧に犯され母の脳       
12 犬看取る 教えてくれてありがとう   
13 春風に看取られたしと言ったけど  
14 硬直はあっという間で夢で会う           
15 溜めていた毒一言で夫看取る  

16 なんにもできなかったとただ椅子に  
17 看とりとや薄い桜の匂いして      
18 買ってきた一輪挿しの花看取る   
19 いずれみな直線になる心電図       
20 窓からの夕日 仕方のない夕日      

21 看取ってくれるはずの猫も出てゆく   
22 凍蝶を看取るじれったきは恋   
23 手を握る だんだんだめになる わかる   
24 看取り終えた窓に再びのメジロ     
25 看取られることなく消えた野良の猫   

26 缶ココアふたりでしんと看取る星  
27 窓全部大きく開けて終の息        
28 看取ること看取られること雪しまく     


「雑詠」

 1 春一番もう聞こえないラブソング   
 2 ごめんねがおもいでの海になるまで   
 3 ずるいのも怖いのも君おもちゃより。        
 4 君想えばまだ如月のぼへみあん   
 5 妹は鳥になることだけを言う   

 6 諍いの二つ三つあり雛の箱   
 7 苦い飴溶けてなくなるまで他人   
 8 あいにいけばいぬやのいぬのからの檻  
 9 傾いているのは僕の方だった   
10 過ぎてゆくこぼれてゆくを良しとして   

11 冬にさよならふわふわとぼたん雪    
12 春ひとり かき揚げふたつあげている    
13 ざわざわとそわそわとして二月ゆく   
14 二月の雨がコンクリートにしみてゆく   
15 どの人も素顔がわからないお練り         

16 風船がときどきかけてくる電話  
17 引き算が得意になって誕生日   
18 あそこから母を歩いていたんだな   
19 優しさに耐えて裸足で立っている   
20 訃報から幾日吹雪く胸の中     

21 老犬の背骨ゴツゴツ春寒し   
22 菜の花のきいろきいろに誰かいる     
23 取り出せば恥の多さよにょろにょろと     
24 合格を祈る日咲いた紅椿         
25 ヒヤシンスつくづく一歳上の兄  

26 懐に負い目ひとつと春立ちぬ       
27 どのように泣けば明るくなるだろう    
28 またいつかそんな別れを繰り返す  

コメント(17)

お待たせいたしました。一覧をUPしましたので、ご自分の句を確認してください。
間違いがありましたらメッセージでRyuukoまでお寄せください。
明日月21日(日)日付変わるまでに選評の書き込みをよろしくお願いします。
集計はでき次第作者名発表と一緒にいたします。
投句できなかった方も選評だけでもどうぞ!

「ジャム」

 2 ジャム壜は空っぽ勇気持たないと   
 5 ジャムのままでいる覚悟はできてるか      
25 春ごもりジャムを小瓶に分けている   
特選
27 ジャム青く地平線まで塗りつぶす  


    02/あとはもう勇気で満たすしかない。
    05/ぐじゃぐじゃのままで、甘いままでこの世を泳ぎ切る覚悟。
    25/春を小瓶に分けている。後のちの楽しみ。
   特27/青いジャムを海の水平線までのように。端から端まで、
塗って塗りつくして、口いっぱいにほおばる、食パン。



「看取る」

 2 白い服ばっかり買っているいつも         
 4 看取られてタクシー止めるように逝く  
27 窓全部大きく開けて終の息        
特選
 1 犬四匹看取って古希を過ぎてゆく   


    02/看取るためなんだろうか。
    04/愛する人に、ああタクシーが来ましたからと。
    27/月に帰るのか、冬の星になるのか。
   特01/犬四匹を看取るために生まれてきたのかと思う。
     犬を残して死ねないから五匹目は飼えない。
     古希を過ぎた人の軽やかな死生観。



「雑詠」

 1 春一番もう聞こえないラブソング   
 4 君想えばまだ如月のぼへみあん   
 9 傾いているのは僕の方だった   
特選
16 風船がときどきかけてくる電話  


   01/冬の間は暖かな歌を二人で歌った。
   04/如月のぼへみあん、って何?
       分からんけど2月だからまだ片思いのぼへ〜としたものなんだろう。
   09/そうゆう事が分かって世間から離れてゆく。
  特16/ふわふわした男、直ぐに壊れる男、ふらふら飛ぶ男。


「ジャム」
 4 ほっぺたにジャム幸せはこの辺り
23 溺愛にあらねどジャムを煮る時間
特選
 6 どこにでも行こうおおめのジャム塗って

4/きっとソントンイチゴジャム
23/溺愛の相手は息子か猫か
6/先日見たDVD「マイ・インターン」の主役ロバートデニーロみたい


「看取る」
 8 花全部なくした梅の木が看取る
26 缶ココアふたりでしんと看取る星 
特選
20 窓からの夕日 仕方のない夕日

8/病室から見える自然は励ましだったり看取りだったりする
26/缶コーヒーでなく缶ココアがドラマを深くする
20/覚悟して迎えた日の夕日が切ない


「雑詠」
 6 諍いの二つ三つあり雛の箱
10 過ぎてゆくこぼれてゆくを良しとして
特選
25 ヒヤシンスつくづく一歳上の兄  

6/向田邦子のドラマになりそう
10/こんなしなやかさを持って人生の後半を過ごしたい
25/水栽培のヒアシンスを思い浮かべた。
微妙な関係性の中「つくづく」に作者の兄妹愛の深さを感じる。
「ジャム」

入選
2 ジャム壜は空っぽ勇気持たないと   
22 ジャムにしてぎっちり蓋をした噂
26 いいよいいよと許してくれるりんごジャム   

特選
6 どこにでも行こうおおめのジャム塗って  

2/「勇気」は大切。またジャムを詰めましょう。
22/なるほど。ジャムにして保存してしまえばいいのですね。
26/素直な句。ありがたいりんごジャムです。

6/春はおしゃれをして外へ行こう!と明るい気分になれました。


「看取り」

入選
9 母看取る 木の橋かすかに揺れている   
28 看取ること看取られること雪しまく     

特選
17 看とりとや薄い桜の匂いして      

9/作者の悲しみが伝わってきます。
28/深い句です。しっかり生きたいです。

17/看取りの辛さの中にほのかな桜の香りがあるのであれば救われます。


「雑詠」

入選
2 ごめんねがおもいでの海になるまで   
13 ざわざわとそわそわとして二月ゆく   

特選
 6 諍いの二つ三つあり雛の箱

2/静かな人生の時間が流れます。
13/二月は逃げるといいますが、ざわざわそわそわが言葉がピッタリです。

6/おもわずクスリと笑ってしまいました。どこにでも諍いはありますね。
【ジャム】

 8 適当に笑って済ますイチゴジャム 
22 ジャムにしてぎっちり蓋をした噂
28 ここをこう曲がって光るジャムになる 

特選
16 またいつかジャムになったら教えてね

8/廉価のイチゴジャムの一応イチゴ味みたいな風味と「適当に」やり過ごす気分がぴったり。
22/「きっちり」ではなく「ぎっちり」のお手柄。心情に含みを持たせた。
28/曲がった先のジャムもまた春の光を反射している。
特選/キュートなセリフについ立ち止まってしまった。松本隆の詞に出てくるみたいな、こんな女の子いますね。好きになってしまったら大変だろうけど。
  
【看取る】

27 窓全部大きく開けて終の息 
7 ゆるい絆を看取るさだめか春の雪 
20 窓からの夕日 仕方のない夕日 

特選
1 犬四匹看取って古希を過ぎてゆく

27/看取り看取られる一瞬を息に集約させて見事。
7/「春の雪」を取り合わせて、ふっと句が軽くやわらかくなった。
20/「仕方のない」、それでも、の目に美しい夕日。
特選/恬淡とした詠み口に深さがある。この古希は動かない。

【雑詠】
 
18 あそこから母を歩いていたんだな  
10 過ぎてゆくこぼれてゆくを良しとして

特選
12 春ひとり かき揚げふたつあげている

18/振り返ればあそこからだったと。そこからの母の道。
21/きれいにまとまった句。ゆえに下五にあと1歩の踏み込みがあっても良いかと思う。
特選/ひとりの時間を愉しむひとり。それでいてちょっと春愁も感じさせるところが心にくい。かき揚げはサクッとカラッと上出来の味。桜エビも入っているでしょう、きっと。
「ジャム」

入選

24 砂糖50愛が50であんずジャム
25 春ごもりジャムを小瓶に分けている
28 ここをこう曲がって光るジャムになる

特選
16 またいつかジャムになったら教えてね

24/これでおいしくないはずがないジャム
25/これからの楽しさを小瓶に分けているような気持ちになる
28/曲がるがポイントですね。なんともおいしそうなジャム

16/今ではなくいつか、その時はジャムというかたちであいたい

「看取る」

入選

8 花全部なくした梅の木が看取る
4 看取られてタクシー止めるように逝く
20 窓からの夕日 仕方のない夕日

特選
9 母看取る 木の橋かすかに揺れている

8/梅の木のたたずまいが切ない
4/すうっという感じでしょうか。「タクシー止めるように」がすごいです
20/いずれは沈んでゆく夕日、それは仕方のないことです

9/木の橋がまさしくおかあさんでしょうか。

「雑詠」

入選

12 春ひとり かき揚げふたつあげている
16 風船がときどきかけてくる電話
18 あそこから母を歩いていたんだな
9 傾いているのは僕の方だった

特選
27 どのように泣けば明るくなるだろう

12/寂しい気持ちもあるが、かき揚げをあげるほっこり感も感じられる
16/この風船は気ままで、時にはしぼんだ声で、時にはルンルンとした声で
18/母を想って歩くと、母として歩くと両方を想像させる
9/何かがきっかけとなって僕の方とわかった。想像が大きくふくらむ

27/泣き方によっては明るくもなれる。とにかく気持ちが晴れるまで泣いてみよう

「ジャム」

  入選

   8   適当に笑って済ますイチゴジャム

             適当に・・見事な処世術

   22  ジャムにしてぎっちり蓋をした噂

             で 何事もなく75日経ちました

  特選

   4   ほっぺたにジャム幸せはこの辺り

             ぽっぺたのジャムを指先でぬぐってくれたあなた

「看取る」
 
  入選

   3 ひたひたと摺り足でくる看取りの日

             それは前触れもなく 身近に立っておりました

  16 なんにもできなかったとただ椅子に

             懸命の毎日の果て・・は きっとこんな状態でしょう

  特選

   6 一生のしばらく 静かに看取る

            一生のしばらくなんだ  我が身に言い聞かせながら 今日もお傍にいるのです


「雑詠」

  入選

    4 君想えばまだ如月のぼへみあん

             ぼへみあん の ひらがな表記に惹かれました

   10  過ぎてゆくこぼれてゆくを良しとして

             流れてゆく 花いかだのわたし

  特選

   27  どのように泣けば明るくなるだろう
  
             まさに 昨今の わたし 教えて下さいまし
「ジャム」
 
入選
4 ほっぺたにジャム幸せはこの辺り   
18 自尊心混ぜてぐつぐつジャムになる   
26 いいよいいよと許してくれるりんごジャム

特選
16 またいつかジャムになったら教えてね    

  4/この平凡を大事にしたい
  18/いろいろ混在していますね、このジャムは。
  26/母の作ったジャムは甘かったっけ。

  特16/教えてもらうまでには、まだ時間がかかるのかな。


「看取る」

入選
 
19 いずれみな直線になる心電図       
20 窓からの夕日 仕方のない夕日      
26 缶ココアふたりでしんと看取る星  

特選
9 母看取る 木の橋かすかに揺れている

 19/確かなる現実
 20/どうしようもない別れの日も、夕日は赤く…。
 26/缶ココアの温もりに、看取るふたりの愛情を感じた。

 特9/木の橋、に母の人生が…。共感句


「雑詠」

入選
5 妹は鳥になることだけを言う   
6 諍いの二つ三つあり雛の箱   
16 風船がときどきかけてくる電話  

特選     
27 どのように泣けば明るくなるだろう    

  5/妹はどこへ飛んで行きたいのだろう?
  6/お雛様を出しながら、そういえば、と思うことが。
  16/風船もときどきさびしいんだね。

  特27/私も聞いてみたいです!
ジャム」
 5 ジャムのままでいる覚悟はできてるか      
    他にどんな道があったかしら、ひたすら黴ないように外気にあたらず、、、、
18 自尊心混ぜてぐつぐつジャムになる   
    やっかいな自尊心が消えないのです。
25 春ごもりジャムを小瓶に分けている   
    花粉も飛んでいるし、紫外線は強いし、お家で紅茶でも楽しみましょうか。
特選
16 またいつかジャムになったら教えてね    
    こんどはどんなジャムになるのかしら。 素敵なジャムになったら誘ってね。  

「看取る」
 8 花全部なくした梅の木が看取る   
    桜を楽しみにしていましたのに。
17 看とりとや薄い桜の匂いして      
    薄い桜の匂い、、、そうですね。
24 看取り終えた窓に再びのメジロ     
    長い冬が終わって、メジロがまた庭にやってきました。亡くしたひとは、もう帰ってこないのに。
特選
27 窓全部大きく開けて終の息        
そして、全てから解放されて、、、、、

「雑詠」
 9 傾いているのは僕の方だった   
    そうなんです。気付かないのは私だけでした。
16 風船がときどきかけてくる電話
    きっと砂漠を飛んでいるときね。
25 ヒヤシンスつくづく一歳上の兄  
    兄弟もみな歳を取りました。独り暮らしの男兄弟が何かと気がかりです。
特選
18 あそこから母を歩いていたんだな   
    あんなに母の生き方はしないと思っていたのですが、、、、

「ジャム」
入選
4 ほっぺたにジャム幸せはこの辺り
8 適当に笑って済ますイチゴジャム  
26 いいよいいよと許してくれるりんごジャム   
特選
16 またいつかジャムになったら教えてね 

コメント
4/この辺りとさりげなく言える日常にジャムを持ってくるところがいい。
8/ 「適当に」には一般的なイチゴジャムが一番。
26/ これはリンゴジャムでなきゃあこうは言ってくれない。
16/ 教えたらどうしてくれるの?でも、言われたらドキドキしたりして。これは凄い殺し文句かもしれない。


「看取り」
入選
4 看取られてタクシー止めるように逝く  
17 看とりとや薄い桜の匂いして 
27 窓全部大きく開けて終の息 
特選
20 窓からの夕日 仕方のない夕日

コメント
4/ 幸せなひとですね。「タクシー止めるように」なんてなかなか思いつかない表現。
17/「薄い桜の匂い」というフレーズに惹かれました。
「看取り」は難しい題でした。いろんな看取りがあるなか、こんな看取りもありなんだ。ふと亡夫のことなど思いました。
27/ 窓全開にする看取る人の気持ちがひしひしと感じられる。
20/ この窓はどこの窓?自宅の?、病院の?どこの窓にしてもこうなるさだめだった。仕方がないと自分に言い聞かせている諦観が夕日を重ねることで読むものに迫ってくる。


「雑詠」 
入選
6 諍いの二つ三つあり雛の箱   
10 過ぎてゆくこぼれてゆくを良しとして   
12 春ひとり かき揚げふたつあげている    
特選
16 風船がときどきかけてくる電話  

コメント
6/ 二つ三つではないだろう。一年間たまったものが出てくる雛の箱を開けるのは怖い。
10/ 時がたてば忘れてゆくことも失うこともたくさん。でも、あるがままにということ。
12/ 春のある日、ひとりの時を何となく楽しんでいる。かき揚げ二つがいいですね!
16/ ふらふらといつもはどこを彷徨っているのか、でも時々かけてくる電話。来なくても心配、きたらロクなことはない話。なんか頼りない弟みたいな…。姉の心境。
【ジャム】
入選
1 べっとりとジャムが付いてる舌の先   
22 ジャムにしてぎっちり蓋をした噂  
26 いいよいいよと許してくれるりんごジャム   
特選
4 ほっぺたにジャム幸せはこの辺り 
 
 1/その話なにかウソくさい、舌の先のジャム。
 22/誰にも言わないと蓋をしておきました。ジャムにして・・。が面白い
 26/リンゴジャムの懐の深さを思います。
特選句
 4 幸せそうな様子がみえる。

【看取る】
入選
20 窓からの夕日 仕方のない夕日  
28 看取ること看取られること雪しまく
特選
17 看とりとや薄い桜の匂いして      

 20/夕日のリフレインにやるせない思いが。
 28/看取ることの寂しさきびしさがみえる。
特選句
 17/薄い桜の匂い に心惹かれた。

【雑詠】
入選
20 訃報から幾日吹雪く胸の中
28 またいつかそんな別れを繰り返す
16 風船がときどきかけてくる電話
 
特選
5 妹は鳥になることだけを言う 

 20/年頭からの訃報に吹雪いたまま、いつの日か吹雪のおさまる日の来ることを。
 28/会うは別れのはじまり(またいつか)に切なさが。
 16/楽しさが伝わる、風船は 好きな人?子供?孫?誰なのでしょう?
 
特選句
 5/〈自由)を憧れ続けている妹のことを案じているのであろうか
   だけをいう・・に思いが。
 ジャム

入選
4 ほっぺたにジャム幸せはこの辺り   
16 またいつかジャムになったら教えてね    
22 ジャムにしてぎっちり蓋をした噂  
特選
28 ここをこう曲がって光るジャムになる    

4ほっぺたにジャムの明るさ、そのささやかな平和、「幸せはこの辺り」が妙味
16実ではなく加工されたら、乞うご一報。いろいろに解釈できておもしろい
22封印した感じ
特選
28光るジャムにするには、かなり熟達がいる。ジャムの艶を「光るジャム」と言った
所がさわやか


看取る

入選
1犬四匹看取って古希を過ぎてゆく   
9 母看取る 木の橋かすかに揺れている   
26 缶ココアふたりでしんと看取る星  
特選
27 窓全部大きく開けて終の息      

4しみじみ、淡々と
9母と木の橋 母との別れはやはり堪えるものでした
26星を看取る、ここは二人の別れと読みました
特選
27窓を大きく開けては開放ですね

看取るは題詠だけれども、題に寄りかかり過ぎてないかを、何度か
読み返しました。


雑詠

入選
5 妹は鳥になることだけを言う   
6 諍いの二つ三つあり雛の箱   
25 ヒヤシンスつくづく一歳上の兄  
特選
27 どのように泣けば明るくなるだろう   

5宮沢賢治の世界のような。これはなぜか兄の作のような。
6雛はお家に代々つけ継がれていくものですが、母、嫁、娘といろいろありましょう。
25一読うまい句だと思った。が、ヒヤシンスのイメージがなかなか浮かばず
花言葉を調べたがスポーツ、ゲーム、遊び、哀しみを越えた愛、ということですっきりしない
きっと、音感と2月の花という感じで、ポイントはつくづくのようだ。
特選
27 句を作るポイントが絶妙。泣くのはなくのだけれど、明るさへ向かってという
心理スケッチが特選たりえた。
【ジャム】
19 あますぎるジャムを二月にぬっている   
3 恥ずかしい話は全部ジャムにする  
特選
4 ほっぺたにジャム幸せはこの辺り

19 そっけない二月に塗るのですからね。
3 とろとろにして原形が分からぬように、ですか。
4 そんな小さな幸せを感じることができることが幸せ。


【看取る】 
3 ひたひたと摺り足でくる看取りの日   
特選
20 窓からの夕日 仕方のない夕日      

3 「ひたひた」の実感を受け入れるしかありません。
20 「仕方のない」。よくぞこの一言がと思います。


【雑詠】
9 傾いているのは僕の方だった   
17 引き算が得意になって誕生日   
特選
27 どのように泣けば明るくなるだろう    

9 はっとしました。まっすぐでないのは相手ではないということに。
17 ほんとうによくわかります。
27 せめて明るくなれる涙でありますように。。


【ジャム】

<入選>
3 恥ずかしい話は全部ジャムにする
      その人が恥ずかしいと思う話は
      おもしろい話。
      おいしいジャムのような話。

5 ジャムのままでいる覚悟はできてるか
      もうもとにはもどれないジャム。
      ジャムはジャムの役割を果たすしかない。
      ジャムを欲しがる人たちのために。

21 意識なくなるまでジャムの中にいる 
     「意識なくなる」がおもしろい。
      甘くて溺れそうなジャム。
      そこからぬけ出すのはとてもむずかしそう。

26 いいよいいよと許してくれるりんごジャム 
      いろいろあるが
      やはり「りんご」がいちばん許してくれそう。
      そう思いながら今日もいただいている。


【看取る】

<入選>
10 節分や看護師長の大きな手
     「鬼は外、福は内」
      たくさんの豆を掴んだ師長さんの大きな手。
      頼りになるその声が聞こえてきそう。

17 看とりとや薄い桜の匂いして
     「薄い」がとてもいい。
      まだまだの桜ではあるが
      窓から青い空が見えたりする。

27 窓全部大きく開けて終の息
      ここは部屋の窓と読みたい。
      心を、なにもかもを
      自由にさせてあげたい気持ちになる。

<特選>
16 なんにもできなかったとただ椅子に
      よくわかります。
      病院に、医師にまかせるしかない現実。
      長い椅子に座りながらこう思うのである。


【雑詠】

<入選>
2 ごめんねがおもいでの海になるまで
     「海」が生きていて
     「ごめんね」「おもいで」の世界をひろげている。
      波が「ごめんね」を洗い流している。
 
5 妹は鳥になることだけを言う
      ここは「妹」である。
      弟ではだめ。
      言ったら聞かないのが「妹」

18 あそこから母を歩いていたんだな
     「を」がとてもいい。新鮮である。
      くり返すことの大切さを思う。
      いろいろあったであろういろいろを思う。

<特選>
16 風船がときどきかけてくる電話
     「風船」はたくさん詠まれてきたが
     「電話」で新しくなった。
      忘れかけた頃にふっとかかってくるのである。


ログインすると、残り2件のコメントが見れるよ

mixiユーザー
ログインしてコメントしよう!

川柳月組 更新情報

川柳月組のメンバーはこんなコミュニティにも参加しています

星印の数は、共通して参加しているメンバーが多いほど増えます。

人気コミュニティランキング