「ぎんなん」
1 ときめいてぎんなん茶碗蒸しの中
2 梅田まで踊る銀杏避けながら
3 ぎんなんを叩き潰さぬほどの愛
4 どいつもこいつも銀杏よりも臭いのだ
5 ぎんなんの主張に負けるいつもいつも
6 つと人を恋うぎんなんの翡翠色
7 尖らせた野望ほの見ゆギンナン少年
8 ぎんなんに何かあったら教えてね
9 ぎんなんが無ければ資格ありません
10 炒りぎんなんまた方舟に乗りそびれ
11 ぎんなんは媚薬 都会に灯がともる
12 お力になれずぎんなんかんにんな
13 天高く今年も君が落ちてくる
14 さあどうぞ風に包んだぎんなんを
15 ぎんなんの答え今年も待っている
16 ぎんなんも思い出も爆ぜ星月夜
17 五、六粒ぎんなん炒ってその後は
18 愛人が来ないぎんなんが降っている
19 帰り道潰れた銀杏更に踏む
20 銀杏葉に埋もれあの世もよかろうぞ
21 ぎんなんさいなん軽やかに跨ぐ
22 加齢臭させてぎんなんはうまい
「消える」
1 嵩張ってきたもの消えてしまうもの
2 嘘つきの次々消えるトンボ釣り
3 コスモスが呼び出す消えたはずの夢
4 上書きをすれば必ず消える罪
5 明け方に勇気が良心を食べた
6 わたくしのいつもが消える夜でした
7 泡であることを伝えてから消える
8 輝いて消える準備の絵蝋燭
9 あんなひとこんなひといてむそうさん
10 消え方の美学うんぬん縄のれん
11 兄が来ているサンダルが消えている
12 消化試合もやっと終わって秋桜
13 グルジアがワインの中に消えてゆく
14 みつめると消えるあなたのことですよ
15 正義感あゝ消えちゃった消えちゃった
16 消灯の刹那もぞもぞ決め台詞
17 冬の野へ転がってゆき消えてゆく
18 消えると思って油断してました
19 都合よくぽっかり消えている記憶
20 ここで消えだぶん烏瓜になるよ
21 泳がせて私は消えることにする
22 鱗一枚瓶に残してありました
「雑詠」
1 晩秋や紅葉おもいを語りだす
2 押せば押し返されていて死に易し
3 「下座にあれ」説いてる君の居丈高
4 ワケありのオトコだイヤダ木の葉髪
5 頼られる腕秋風に揺れている
6 部屋割りは要微調整ラ・フランス
7 落し前つけて飲み頃梅ワイン
8 戻そうとしてるのになる早送り
9 樹は伐った明日は私を斬りましょう
10 つぶやいてしまううどんになっている
11 きりぎりす辞書で探している余生
12 山の端に目から上出し母眠る
13 そうなのよそうとコロッケふたつ買う
14 リンダリンダリンダリンダと祭り果つ
15 びしょ濡れになればいいだけだったのね
16 目覚めいる６０燭や一人身に
17 言い出せぬことを書いてる箸袋
18 奥の歯の裏に隠してある名前
19 マニュアルの中に私はおりません
20 交信中 一人ぼっちのアンテナよ
21 針がとぶ空気が滑る音がする
22 十月の扉押す爪伸びすぎて
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コメント(9)
「ぎんなん」
入選
4 どいつもこいつも銀杏よりも臭いのだ
5 ぎんなんの主張に負けるいつもいつも
特選
22 加齢臭させてぎんなんはうまい
４／悪態をつきたい気持ちはよくわかります。皆人間ですものね。
５／確かにぎんなんの主張は強烈です。
２２／加齢臭とぎんなんの組み合わせが秀逸です。
「消える」
入選
7 泡であることを伝えてから消える
15 正義感あゝ消えちゃった消えちゃった
16 消灯の刹那もぞもぞ決め台詞
特選
18 消えると思って油断してました
７／私が消える時に伝えたいことは、、と考えました。
１５／「消えちゃった」の繰り返し。この軽い感じが好きです。
１６／「もぞもぞ」がおもしろいです。決め台詞はなんでしょう。
１８／もしかしたらすごく重い内容かもしれないのだけれど、「油断してました」がなんともかわいらしいです。
「雑詠」
入選
9 樹は伐った明日は私を斬りましょう
14 リンダリンダリンダリンダと祭り果つ
22 十月の扉押す爪伸びすぎて
特選
6 部屋割りは要微調整ラ・フランス
９／ついに明日は自分を斬る番。ドキドキします。
１４／ブルーハーツの「リンダリンダ」でしょうか。祭りは必ず終わりますね。
２２／作者の苦悩がそこにあるのでしょうか。いろいろ想像します。
６／「ラ・フランス」の危うい感じがでていて、ぴったりきていいなと思いました。
入選
4 どいつもこいつも銀杏よりも臭いのだ
5 ぎんなんの主張に負けるいつもいつも
特選
22 加齢臭させてぎんなんはうまい
４／悪態をつきたい気持ちはよくわかります。皆人間ですものね。
５／確かにぎんなんの主張は強烈です。
２２／加齢臭とぎんなんの組み合わせが秀逸です。
「消える」
入選
7 泡であることを伝えてから消える
15 正義感あゝ消えちゃった消えちゃった
16 消灯の刹那もぞもぞ決め台詞
特選
18 消えると思って油断してました
７／私が消える時に伝えたいことは、、と考えました。
１５／「消えちゃった」の繰り返し。この軽い感じが好きです。
１６／「もぞもぞ」がおもしろいです。決め台詞はなんでしょう。
１８／もしかしたらすごく重い内容かもしれないのだけれど、「油断してました」がなんともかわいらしいです。
「雑詠」
入選
9 樹は伐った明日は私を斬りましょう
14 リンダリンダリンダリンダと祭り果つ
22 十月の扉押す爪伸びすぎて
特選
6 部屋割りは要微調整ラ・フランス
９／ついに明日は自分を斬る番。ドキドキします。
１４／ブルーハーツの「リンダリンダ」でしょうか。祭りは必ず終わりますね。
２２／作者の苦悩がそこにあるのでしょうか。いろいろ想像します。
６／「ラ・フランス」の危うい感じがでていて、ぴったりきていいなと思いました。
「ぎんなん」
入選
8 ぎんなんに何かあったら教えてね
15 ぎんなんの答え今年も待っている
特選
21 ぎんなんさいなん軽やかに跨ぐ
8/強烈な匂いが無くなったら…？大変です。
15/そう、たぶん答えはわかっているけれど。
特21/リズムがあって軽やかな句。
「消える」
入選
6 わたくしのいつもが消える夜でした
18 消えると思って油断してました
特選
10 消え方の美学うんぬん縄のれん
6/いつもと違う夜もあって欲しい秋。
18/ ありそうなお話。
特10/この美学については、さぞ話題沸騰でしょうね。
「雑詠」
入選
6 部屋割りは要微調整ラ・フランス
19 マニュアルの中に私はおりません
特選 なし
6/人間関係の微妙なところをついている。
19/私の取り扱いはちょっぴり難しいのです。
入選
8 ぎんなんに何かあったら教えてね
15 ぎんなんの答え今年も待っている
特選
21 ぎんなんさいなん軽やかに跨ぐ
8/強烈な匂いが無くなったら…？大変です。
15/そう、たぶん答えはわかっているけれど。
特21/リズムがあって軽やかな句。
「消える」
入選
6 わたくしのいつもが消える夜でした
18 消えると思って油断してました
特選
10 消え方の美学うんぬん縄のれん
6/いつもと違う夜もあって欲しい秋。
18/ ありそうなお話。
特10/この美学については、さぞ話題沸騰でしょうね。
「雑詠」
入選
6 部屋割りは要微調整ラ・フランス
19 マニュアルの中に私はおりません
特選 なし
6/人間関係の微妙なところをついている。
19/私の取り扱いはちょっぴり難しいのです。
【ぎんなん】
＜入選＞
12 お力になれずぎんなんかんにんな
うまく料理ができないことだろうか。
その気持ちが「かんにんな」から伝わり
さわやか。
15 ぎんなんの答え今年も待っている
待っている「答え」はおいしいこと。
そして、ひとりで味わうのではない
集いの楽しさかもしれない。
＜特選＞
19 帰り道潰れた銀杏更に踏む
何かあったかもしれない「帰り道」を
想像させてくれる。
「更に」であるからなおさらである。
【消える】
＜入選＞
6 わたくしのいつもが消える夜でした
「いつも」は誰ものいつもなのでしょう。
そして、そうではなくなる「夜」
どうしてもうれしい夜を想像してしまいます。
18 消えると思って油断してました
気楽に考えて何かに触れたとき
そんなときに限り、二度と手に入らないものに
出会ったりするものです。
＜特選＞
11 兄が来ているサンダルが消えている
いつも愛用のサンダルを履いていた兄。
この句、もう亡くなっている兄さんと
読ませていただくと深い。
【雑詠】
＜入選＞
1 晩秋や紅葉おもいを語りだす
聞いてみたい紅葉のおもい。
青空を背中に、日にあたりながら
枝はゆっくり揺れている。
15 びしょ濡れになればいいだけだったのね
イルカのショウ、遊園地のボート
突然のどしゃぶり。
難儀を乗り越える方法が書かれている。
＜特選＞
17 言い出せぬことを書いてる箸袋
「箸袋」がとてもいい。
それをみつめている姿がいい。
そして、何かがはじまりそうな予感がいい。
「ぎんなん」
入選
2 梅田まで踊る銀杏避けながら
4 どいつもこいつも銀杏よりも臭いのだ
6 つと人を恋うぎんなんの翡翠色
特選
21 ぎんなんさいなん軽やかに跨ぐ
コメント
2/若いころの御堂筋を思い出します。
4/と仰るあなたは？
6/翡翠色に参りました。
特選21/なんと伸びやかな句でしょう！
「消える」
入選
1 嵩張ってきたもの消えてしまうもの
11 兄が来ているサンダルが消えている
19 都合よくぽっかり消えている記憶
特選
6 わたくしのいつもが消える夜でした
コメント
1/どちらもいやだ！でも、そういう現象はあるんです。納得しちゃいました。
11/なんだか意味深ですね。サンダルは誰の？
19/都合よくなのか？？記憶の消えることの怖さは計り知れない。
特選6/どんな夜だったのでしょうか…。いろんな想像ができる。
「雑詠」
入選
13 そうなのよそうとコロッケふたつ買う
15 びしょ濡れになればいいだけだったのね
19 マニュアルの中に私はおりません
特選 なし
コメント
13/今日私はそう言ってコロッケを買ってきました。
15/なんだ他愛もない！こんなにびしょぬれになったのに！
19/どんなマニアルなのでしょう。
入選
2 梅田まで踊る銀杏避けながら
4 どいつもこいつも銀杏よりも臭いのだ
6 つと人を恋うぎんなんの翡翠色
特選
21 ぎんなんさいなん軽やかに跨ぐ
コメント
2/若いころの御堂筋を思い出します。
4/と仰るあなたは？
6/翡翠色に参りました。
特選21/なんと伸びやかな句でしょう！
「消える」
入選
1 嵩張ってきたもの消えてしまうもの
11 兄が来ているサンダルが消えている
19 都合よくぽっかり消えている記憶
特選
6 わたくしのいつもが消える夜でした
コメント
1/どちらもいやだ！でも、そういう現象はあるんです。納得しちゃいました。
11/なんだか意味深ですね。サンダルは誰の？
19/都合よくなのか？？記憶の消えることの怖さは計り知れない。
特選6/どんな夜だったのでしょうか…。いろんな想像ができる。
「雑詠」
入選
13 そうなのよそうとコロッケふたつ買う
15 びしょ濡れになればいいだけだったのね
19 マニュアルの中に私はおりません
特選 なし
コメント
13/今日私はそう言ってコロッケを買ってきました。
15/なんだ他愛もない！こんなにびしょぬれになったのに！
19/どんなマニアルなのでしょう。
【ぎんなん】
2 梅田まで踊る銀杏避けながら
6 つと人を恋うぎんなんの翡翠色
14 さあどうぞ風に包んだぎんなんを
特選
8 ぎんなんに何かあったら教えてね
2／関西の人ですね。梅田は大阪の中心地。梅田に至るイチョウ並木を踊りながら、けれどギンナンは踏まないようにちゃんと気をつけながら。単純にこの絵がおかしい。
6／端正にまとまった一句。そしてちょっとほろ苦い。
14／あ、ありがとうと微笑でいただく。
特選／一句にぎんなんのまるさ、小ささ、健気さを愛おしく思う気持ちがぎゅっと。
【消える】
5 明け方に勇気が良心を食べた
7 泡であることを伝えてから消える
18 消えると思って油断してました
5／ついにお日様がのぼる前に？ で、なにが起こったのだろう。
7／真面目でちょっとめんどくさい泡だが、消えてしまうとさびしい。
18／読みなんでもありならば、コメディを想像したい。
【雑詠】
5 頼られる腕秋風に揺れている
7 落し前つけて飲み頃梅ワイン
15 びしょ濡れになればいいだけだったのね
5／腕ぶらんぶらんと、そこはかとなくコワイ。
7／こんな風に日常を乗り切ってゆく。
15／どこか昭和歌謡の味わいもユーモラス。
2 梅田まで踊る銀杏避けながら
6 つと人を恋うぎんなんの翡翠色
14 さあどうぞ風に包んだぎんなんを
特選
8 ぎんなんに何かあったら教えてね
2／関西の人ですね。梅田は大阪の中心地。梅田に至るイチョウ並木を踊りながら、けれどギンナンは踏まないようにちゃんと気をつけながら。単純にこの絵がおかしい。
6／端正にまとまった一句。そしてちょっとほろ苦い。
14／あ、ありがとうと微笑でいただく。
特選／一句にぎんなんのまるさ、小ささ、健気さを愛おしく思う気持ちがぎゅっと。
【消える】
5 明け方に勇気が良心を食べた
7 泡であることを伝えてから消える
18 消えると思って油断してました
5／ついにお日様がのぼる前に？ で、なにが起こったのだろう。
7／真面目でちょっとめんどくさい泡だが、消えてしまうとさびしい。
18／読みなんでもありならば、コメディを想像したい。
【雑詠】
5 頼られる腕秋風に揺れている
7 落し前つけて飲み頃梅ワイン
15 びしょ濡れになればいいだけだったのね
5／腕ぶらんぶらんと、そこはかとなくコワイ。
7／こんな風に日常を乗り切ってゆく。
15／どこか昭和歌謡の味わいもユーモラス。
「ぎんなん」
8 ぎんなんに何かあったら教えてね
12 お力になれずぎんなんかんにんな
22 加齢臭させてぎんなんはうまい
特選
11 ぎんなんは媚薬 都会に灯がともる
08／訳あってそれは教えられません。
12／返事するまもなく弾け飛ぶ銀杏。
22／加齢の味。
特選11／キタからミナミへ二人連れ。
「消える」
7 泡であることを伝えてから消える
14 みつめると消えるあなたのことですよ
22 鱗一枚瓶に残してありました
特選
6 わたくしのいつもが消える夜でした
07／何の意味もない報告でした。
14／目を見ようとしないあなた。
22／思い出して欲しかったのでしょう。
特06／いつもの私でなくなった夜。
そんな夜を重ねてまともになってゆくのです。
「雑詠」
9 樹は伐った明日は私を斬りましょう
15 びしょ濡れになればいいだけだったのね
19 マニュアルの中に私はおりません
特選
10 つぶやいてしまううどんになっている
09／私利私欲を切り捨てるのは難しい。
15／結果論。分かってもびしょ濡れにはなれないのだけど。
19／お手本は気にしない。私が定石だと言った棋士がいた。
特10／何の気なしに零した言葉が災いして、
饂飩を食べる破目になったのだろうか。
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