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川柳月組コミュの2月互選 「鰯」「ただす」

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【鰯】
1 鰯らは気をつけー右向けー右
2 終盤へどんどん渦を巻く鰯      
3 いわしだね涙のようないわしだね
4 手開きにされて鰯の自己嫌悪
5 マイワシの群れに迷ったのもご縁

6 丸くなる鰯を炊いている背中
7 胸一面打ち上げられし鰯かな
8 恨み節小出しに続く鰯雲
9 凄まれる畳みいわしの万の眼に
10 やっとこさ鰯をせせる仲となる

11 出来るものならば鰯の逃避行
12 反論も出来ぬ鰯の真っ赤な眼
13 きらきら生きる水族館で見た鰯
14 四六時中鰯の群れに隠れてる
15 連想ゲーム鰯溢れて止まらない

16 手開きにされてしあわせな鰯
17 一匹の鰯の腹に海がある
18 幼児期を引っぱり出して鰯雲
19 鰯叩く苦かったことも叩く
20 群れを出て背を光らせている鰯

21 それはもういわしになればわかります
22 大群の光 鰯の微苦笑よ
23 鰯から教わる空の青い色
24 山と有る鰯缶詰期限切れ
25 イワシ焼く女の眼にはパリ・ミラノ

26 はんなりと丸め込まれてつみれ汁
27 地震(なゐ)の地に鰯帰って来たという
28 鬼になる恐れもあって鰯食う
29 ひっそりと群れを離れてゆく鰯 
30 指で割く鰯の腹に桜咲く

31 くちゃくちゃと漬物飯を食う鰯 
32 豊漁の鰯の網にかかる思慕 
33 丸干しのイワシよ 潔い男 
34 光ってるたとえこの身をそがれても 
35 真夜中の鰯やっと力を抜く

36 ふるさとのいわしなりゃこそ舌鼓
37 魚ならわたし鰯の役所
38 鰯にも希望と未来有るんだよ
39 口角をあげて鰯の渦の中
40 まかしとき蒲焼きつみれ骨せんべい



【ただす】
1 懲罰をただすあなたの白いシャツ
2 こぼれぬように今日をただして呑んでます
3 夜を正して木の上に鳥がいる
4 変心のわけをただせば月おぼろ
5 さびさびと私をただす冬木立 

6 上書きをくり返すよに糺す指
7 芥さえ光に正す春の水
8 冷静に襟を正しているポーズ
9 しっかりと歯型残してただすもの
10 始める前の背骨をただす朝日影

11 白椿戻ってこない音ただす
12 これ何と家内が糺す長い髪
13 問いただすスプリットタンちらつかせ
14 棒は市中引き回しののち正すべし
15 こんにゃくはこんにゃくなりに襟正す

16 ただす襟なくタートルは反り返る
17 おもしろくないのはちゃんとするからよ
18 ただすこと山ほどあるが菜花摘み
19 あなたとの関係ただす梅の紅
20 膝頭正し 老後の話など

21 正す事有り過ぎてなお翁かな
22 ランニングフォームをただす急カーブ
23 天上が正したいとき降ってくる
24 問いただす私の罪はなんですか
25 何してたん猫の瞳に質される

26 毛づくろい済ませ一族をただす
27 はらわたの温みまだありたださねば
28 今日をただすと明日が曲がるわたくしは
29 わたくしをただす睫毛が濡れている
30 女には「女」を正すときがある

31 たださずに私のいびつ抱きしめる
32 コチコチをただす半身浴は三十分
33 問いただしたって曲がったままの虹
34 さり気なくただす背中へ深呼吸    
35 力づくでただした枝が今も泣く

36 まっすぐに君をただせば薔薇香る
37 粉雪が私を正すかのように
38 ほーほーと朝を正してくれる鳩
39 ただされているとは知らぬサスペンス
40 西高東低膝を正してやってくる

コメント(19)


【鰯】

3 いわしだね涙のようないわしだね
17 一匹の鰯の腹に海がある
21 それはもういわしになればわかります
特選
29 ひっそりと群れを離れてゆく鰯 

   03/きらきら光る、鰯のような涙だね。
   17/限りなく広がる世界を持っている鰯、そんな鰯になりたい。
   21/そうかもしれません。「それはもう」が狡い書き方ではあります。
   特29/都会へ行けば何とかなると、鰯を自覚せぬ鰯。


【ただす】

32 コチコチをただす半身浴は三十分
33 問いただしたって曲がったままの虹
35 力づくでただした枝が今も泣く
特選
5 さびさびと私をただす冬木立 

   32/コチコチはタイマー設定のことだろうが、固くなった心身と読み替えてみた。
   33/夢の象徴であり儚いものの代表である虹。
   35/体罰はいけません。
   特05/他に言いようのない「さびさび」の語感。充分に納得。



【鰯】

9 凄まれる畳みいわしの万の眼に
よく見れば、そうなんですよね、食べられなくなっちゃうかも。

21 それはもういわしになればわかります
さぞ恐ろしい、連続で襲い掛かる捕食魚の恐怖、怖い。

35 真夜中の鰯やっと力を抜く
唯一気の休まるときが深夜なんですね。

特選
30 指で割く鰯の腹に桜咲く
作者の残酷さに怖さを感じました。なんて言いながら、私も食べるんですがね。



【ただす】

15 こんにゃくはこんにゃくなりに襟正す
上五、面白い。とっても面白い。発想の素晴らしさに、思わず頂きました。

30 女には「女」を正すときがある
どんな時って、思っちゃうんです、こう言う事を言われると。困るんです。

36 まっすぐに君をただせば薔薇香る
綺麗な句、ロマンチックでエレガントな女性の景が見えました。

特選
23 天上が正したいとき降ってくる
これぞまさしく天罰、人類奢ってはいけません。反省の念を噛み締め頂きました。
「鰯」
入選
13 きらきら生きる水族館で見た鰯
19 鰯叩く苦かったことも叩く
26 はんなりと丸め込まれてつみれ汁
特選
21 それはもういわしになればわかります

コメント
13)限られた空間でもキラキラと生きる。素晴らしいことです。
19)叩いてください!苦しかったことも!そして、美味しいつみれにして食べましょう。
26)いいですね!はんなりと・・・その中に19)の事情も入っているかも。
特選21)「それはもう」といわれれば、まったく!まったく!そのとおりです。

「ただす」
入選
15 こんにゃくはこんにゃくなりに襟正す
17 おもしろくないのはちゃんとするからよ
28 今日をただすと明日が曲がるわたくしは
特選
18 ただすこと山ほどあるが菜花摘み

コメント
15)ふにゃふにゃぐにゃぐにゃでも、それなりに・・・
17)諧謔的で面白いです。
28)私もそうです。曲がることもなければ面白くないです。それで均衡が保たれるのです。
特選18)そんなに目くじら立てないで、春の野に出てみましょうや。
【鰯】
     
 5 マイワシの群れに迷ったのもご縁
21 それはもういわしになればわかります
26 はんなりと丸め込まれてつみれ汁

<特選>
17 一匹の鰯の腹に海がある

5群れの中で見つけたご縁は、きらきらしてるでしょうね。
21わかりたいような、わかりたくないような
26つみれの中身がちょっとこわい。
17一匹分の腹の一匹分の海。居心地の良い海です。


【ただす】

9 しっかりと歯型残してただすもの
40 西高東低膝を正してやってくる
26 毛づくろい済ませ一族をただす

<特選>
17 おもしろくないのはちゃんとするからよ

9噛みついてでもただしたいものって何だろう。もしかすると作者の腕に歯型?
40学生の頃に習った天気図。冬の天気図だけは覚えています。
 規則正しい立てのライン。今日も寒いです。
26のら猫の会議でしょうか。迫力ありそう。
17ここ数年、私のすべての基準は「おもろいか、おもろないか」になりました。
 こうやっておこってくれる人が欲しかったです。
    
「鰯」
入選
9 凄まれる畳みいわしの万の眼に
20 群れを出て背を光らせている鰯
28 鬼になる恐れもあって鰯食う

特選
7 胸一面打ち上げられし鰯かな

9/眼に意識を向ければ恐ろしい。
 「凄まれる」の上五がピッタリ。
20/一匹になってもプライド高く泳ぐ鰯。
  「背を光らせて」が美しい。
28/時には鬼になるのもいいかもしれません。
  必要とあれば。

7/どんな鰯が押し寄せてきたのか。
 大きな悲しみでしょうか。

「ただす」
入選 
4 変心のわけをただせば月おぼろ
28 今日をただすと明日が曲がるわたくしは
34 さり気なくただす背中へ深呼吸

特選
15 こんにゃくはこんにゃくなりに襟正す

4/きれいな句。変心のわけはただしていいのか
 いけないのか・・・わかりません。
28/反省などしませんというわたくし。
 元気をもらいました。
34/最近自分の深呼吸のやり方が間違っているのでは
 ないかと思っています。背中にも空気をいれてみます。

15/こんにゃくが愛しいです。
 滑稽だけれどなんだかジーンときます。 
「鰯」
入選
10 やっとこさ鰯をせせる仲となる
21 それはもういわしになればわかります
40 まかしとき蒲焼きつみれ骨せんべい

特選
3 いわしだね涙のようないわしだね

10/「鰯をせせる仲」の景が浮かびます。「やっとこさ」も効いています。
21/「鰯」という題でここまで展開させる面白さ。
40/リズムも良いし、まかせますという気分になります。

3/いわしの形を涙のようと捉えた発想が見事です。誰に話しかけているのでしょう。

「ただす」
入選
5 さびさびと私をただす冬木立
7 芥さえ光に正す春の水
29 わたくしをただす睫毛が濡れている

特選
15 こんにゃくはこんにゃくなりに襟正す

5/「さびさびと」がいいです。冬木立はそう思わせます。
7/「春の水」の清々しさ、高潔さが伝わってきました。
29/じいんとしました。泣くとかでなく「睫毛が濡れている」という客観的表現に内省の静かな時を感じました。

15/こんにゃくの襟を想像しました。ユーモアがあり、説得力がありました。
 

【鰯】
入選
3 いわしだね涙のようないわしだね
    姿かたちだけでなく、存在そのものも涙。
    いわしのイメージをとらえている。
21 それはもういわしになればわかります
    いわしの気持ちはいわしでなければわからない
33 丸干しのイワシよ 潔い男 
     丸かぶりするなとせせるなと好きにしてくれ
特選
10 やっとこさ鰯をせせる仲となる
     やっとこさ、がいいですね。初老の夫婦の朝の食卓の風景が目に浮かぶ。

【ただす】
入選
18 ただすこと山ほどあるが菜花摘み
     いちいち目くじらをたていたら身が持たない。心は穏やかでいよう。
20 膝頭正し 老後の話など
     向き合うべきときはきっちりと向き合う。夫婦生活は馴れ合いだけではダメ。
25 何してたん猫の瞳に質される
     猫は何でも知っている。
特選
15 こんにゃくはこんにゃくなりに襟正す
     僕がまだコンニャク野郎だった頃も、それなりの矜持は持ち合わせていました。
     
【鰯】
  3 いわしだね涙のようないわしだね
 12 反論も出来ぬ鰯の真っ赤な眼
 40 まかしとき蒲焼きつみれ骨せんべい

 「特選」
 17一匹の鰯の腹に海がある

 3 小さくて無力に見える鰯。
  群れで自分たちを守っているんだね。
  鰯は海の涙なんだ・・・。
 12 ほんとに・・・
  心の中でごめんなさいと言っていただいております。
 40 エライ!鰯はなんにだってなれる。
  まかしときが頼もしい。

 「特選」
 17 ちっぽけな魚ではあるが、その腹を割けば鰯の生きてきた時間や
   広大な海が見えてくる。
   鰯への慈しみを感じさせつつ、壮大な句になっていると思う。

 【ただす】
  9 しっかりと歯型残してただすもの
 15 こんにゃくはこんにゃくなりに襟正す
 37 粉雪が私を正すかのように
  「特選」
 31 たださずに私のいびつ抱きしめる


  9 ただしつつもしっかり自分の歯型だけはのこしておこうなんて
   敵もさるもの。
 15 ぐにゃぐにゃしてるようでいて襟を正していたんですね。
   こんにゃくはエライし、オモシロイ。
 37 そうそう、雪にはなんか責められますよねえ。
   明日からはちゃんとします。

 「特選」
 31 自分で自分をだきしめているんだろうか。
   それとも抱きしめてくれるだれかがいるんだろうか。
   いびつのままでいいんだよって。いいな・・・。
選のみで申し訳ありません

「鰯」
26 はんなりと丸め込まれてつみれ汁
10 やっとこさ鰯をせせる仲となる

<特選>
17 一匹の鰯の腹に海がある

「ただす」
31 たださずに私のいびつ抱きしめる
33 問いただしたって曲がったままの虹
3.夜を正して木の上に鳥がいる

<特選>
2 こぼれぬように今日をただして呑んでます





【鰯】

13 きらきら生きる水族館で見た鰯
15 連想ゲーム鰯溢れて止まらない
25 イワシ焼く女の眼にはパリ・ミラノ

特選
33 丸干しのイワシよ 潔い男 

13/いろいろに解釈できる句。が、個人的には「きらきら生きる」に対し「水族館にいる」ではなく「水族館で見た」の素っ気なさ、ヒトゴト感になにか空疎なものを感じ、むしろそこに立ち止まった。
15/「鰯溢れて止まらない」がおもしろい。ただ「連想ゲーム」が句を難解にしているような。上五がシンプルであれば、より句がすんなりと胸に落ちたように思う。
25/この俗っぽさ、「女の眼」に映るいかにもなパリ・ミラノが目を引いた。
特選/逆に特選句はとっても正統派。旨み、苦み、カルシウムたっぷりの男もさることながら、句の仕立てもまたとても潔い。

【ただす】

3 夜を正して木の上に鳥がいる
15 こんにゃくはこんにゃくなりに襟正す
28 今日をただすと明日が曲がるわたくしは

特選
27 はらわたの温みまだありたださねば

3/孤独というより孤高の姿。
15/まあこんにゃくなりに、がおかしい。
28/開き直り? でも憎めないリクツ。
特選/「はらわたの温み」とは生の温みか死の温みか。まさに「吐く」一句の凄味に脱帽。
 選だけで お赦し下さい    ルイ

鰯  17 一匹の鰯の腹に海がある

   26 はんなりと丸め込まれてつみれ汁

   29 ひっそりと群れを離れてゆく鰯

  特選
   
    7 胸一面打ち上げられし鰯かな


ただす
   5 さびさびと私をただす冬木立

  31 たださずに私のいびつ抱きしめる

  39 ただされているとは知らぬサスペンス

  特選

   15 こんにゃくはこんにゃくなりに襟正す    
 

【鰯】

<入選>
23 鰯から教わる空の青い色
    「空の青い色」にもう一工夫ほしいが、
     鰯の群れの銀色の向こうの空の色を
     想像させてくれる。

37 魚ならわたし鰯の役所
     もしこの「役所」を「役どころ」と読まずに、
     そのまま「役しょ」と読んだらどうだろう。
     そうすると、魚ならわたしは鰯で、
     わたしはその鰯たちの役所の役割を果たしているとなる。
     おもしろさは、
     それではなぜ「役所」なんだということになる。

17 一匹の鰯の腹に海がある
    「鰯」が生きている。
     そして、その「腹」から、鰯の内側から
     見えてくる「海」がある。

29 ひっそりと群れを離れてゆく鰯
     群れを離れてゆく鰯は
     死ぬことを覚悟しなければならない。
     そう読むと、
    「ひっそり」がなんとも味わい深い。


【ただす】

<入選>
15 こんにゃくはこんにゃくなりに襟正す
     こんにゃくの本来はこんにゃく。
     そんなこんにゃくとの出会いがあったのか、
     作者はその本来を大切にしたいと思っている。

30 女には「女」を正すときがある
     男なのでよくわかりませんが、
     女の人にしかできない役割があるとすれば、
     それは男の人からの願い、あこがれでもあるでしょう。

<特選>
3 夜を正して木の上に鳥がいる
     題「ただす」からの
     ここに到るまでの過程を思う。
     そして、正しくいる静かな鳥の姿を思う。
     夜は生きている。
【鰯】
入選
3 いわしだね涙のようないわしだね
17 一匹の鰯の腹に海がある
29 ひっそりと群れを離れてゆく鰯
特選
21 それはもういわしになればわかります

3/いわしだねのリフレイン。
キラキラとした鰯の様子、鰯は涙なのだ。
17/小さな鰯にもお腹には大きな海があるのです。
29/せつなさが漂っています

21/「それはもう」がいい。
   いわしでなくては分らないことが一杯あるのです。
  そのことをひらかな表記にしているところも良いと思いました。

【ただす】
入選
5 さびさびと私をただす冬木立
25 なにしてたん猫の瞳に質される
特選
15 こんにゃくはこんにゃくなりに襟正す

5/「さびさび」と冬木立 
ただすことの厳しさがさびさびに表れている。
25/じっとこちらを見る猫 もっと早く側に来てやればよかった
ゴメンごめんと猫に質される作者の姿が見える。

15/頼りなさそうにみえるのですが、それなりの自負と自戒があるのです。
【鰯】

2 終盤へどんどん渦を巻く鰯
一糸乱れぬ渦巻きは終盤のかたちですか?
哀しいまでの迫力です。      
 
33 丸干しのイワシよ 潔い男
飾りっ気なくほどよく乾いたイワシ。
潔いがピタッと決まりました。

特選
21 それはもういわしになればわかります
なんでもかんでもその身にならなければ
わからないことだらけ。納得です。


【ただす】
17 おもしろくないのはちゃんとするからよ
ちゃんとしないのだけは自信があるのですが、
誰もおもしろがってはくれません。

31 たださずに私のいびつ抱きしめる
たださずと云いながらさんざん省みたあげくに
辿りついた自己愛か。   

38 ほーほーと朝を正してくれる鳩
ぐだぐだの自分に「しゃんとなさいよ、あなた」
とやんわり言われたような気がする。

特選
37 粉雪が私を正すかのように
粉雪だから説得力があるのですね。
これがぼたん雪とかみぞれだったら……。

【鰯】
<入選>
2 終盤へどんどん渦を巻く鰯 
  渦巻きながらの大移動。鰯たちの終盤とは?イメージが膨らむ。
12 反論も出来ぬ鰯の真っ赤な眼
  鮮度の問題ではない。そこには応答不能な訴えが確かにあるのだろう。
20 群れを出て背を光らせている鰯
  孤高への旅立ち。自意識に背を光らせながら大いなる賭けへと挑む。

<特選>
17 一匹の鰯の腹に海がある
  一寸の鰯も大海をはらみ、かつ大海を生きている。尊厳というべきか。


【ただす】
<入選>
8 ただすこと山ほどあるが菜花摘み
  正論、反論、俗論などはひとまずおいて、菜花を愛でようではないか。
23 天上が正したいとき降ってくる
  日頃は不義理をしている天も、何かをただすときのみ降ってくるのか。
33 問いただしたって曲がったままの虹
  どう問いただしても自ずからなるものをただし切ることなどできない。

<特選>
31 たださずに私のいびつ抱きしめる
  すべてをただすことなどできない。私のいびつは私のアイデンティティ。
【鰯】
2 終盤へどんどん渦を巻く鰯      
21 それはもういわしになればわかります
33 丸干しのイワシよ 潔い男 
特選
3 いわしだね涙のようないわしだね

2)いわしの群れに人類の危機感!?を重ねたのでしょうか。
21)魚のなかでの鰯の位置づけを思いました。なんだかちょっとせつない。
33)「潔い」と「イワシの丸干し」の組み合わせがいいなぁ。
3)なんでかな、なんだかこれだけで泣けてきます。いわしを涙と見た発想がいいです!

【ただす】
5 さびさびと私をただす冬木立 
38 ほーほーと朝を正してくれる鳩
26 毛づくろい済ませ一族をただす
特選
17 おもしろくないのはちゃんとするからよ

5)美しさときびしさ。さびさびがしみます。国宝の松林図を思い出しました。
38)どんな夜であったとしても、朝になる。そのとき鳩のほーほーが聞こえるあたたかさを思いました。
26)発想が独特。楽しいですね。
17)こんな言葉で、私がただされてしまいます。 説得力あります。

入選
15 連想ゲーム鰯溢れて止まらない
21 それはもういわしになればわかります
25 イワシ焼く女の眼にはパリ・ミラノ
33 丸干しのイワシよ 潔い男

15 この奇妙さが面白かった
21 軽妙だが、この句、「いわし」を入れ替えて別物にしてみると
  なかなかしっくりこない気もする。大衆魚の真骨頂かも。
25 イワシは海外でもけっこう食べられている。あっちで日本を思うのかも。
  イワシとファッションの聖地の組み合わせに1票
33 すっと読めた句 丸干しが新鮮


ただす

入選
13 問いただすスプリットタンちらつかせ
15 こんにゃくはこんにゃくなりに襟正す
28 今日をただすと明日が曲がるわたくしは
特選
3 夜を正して木の上に鳥がいる

13スプリットタンが効いている。映画の1シーンみたい。
15作者が作者自身のことを書いているように読めた。こんにゃくなりに、が何とも言えぬ
 味を出す。
28 厄介なワタクシを充分把握している。

特選
3 非常に静謐な空間、精神と実景が重なって端正な句境

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