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川柳月組コミュの12月度オープン句会投句一覧 

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「持つ」
1ただ一つ失うものを持つ不遇     

2持たざれば友には非ずネズミ講    

3柔らかい袋を持って忙しい

4まだ青い林檎を持っている机   

5持っているものをみんなに見せている

6代々の業に持ち手を付け直す  

7たったひとりで持たねばならぬ明日がある

8臍の緒を持って行っても赦されぬ

9生きて来た証し手元に孤のレシピ

10年経れば生きる小智恵は持っている

11右手に象左手に蟻を持つ

12運命(さだめ)持つ腹にいちもつ人は生く   

13空っぽの箱をいくつも持っている  

14人生がぶら下げている一升瓶

15持ち物に名前あなたには楔 

16本当のことを言われて持つ別意

17友達の座れる椅子は持っている   

18言うことを聞かぬ唇持っている

19重み持つ かすかであるが受精卵

20確かめる持って生まれてきた物を  

21さよならをいつまで持っているのです

22現金もキャッシュカードも持ってます

23決して旅立たないための荷物持つ

24重そうな仕草で軽石持ち上げる

25時々は光る命を持っている   

26紅葉狩り役に立たない箱持って

27紫の気持ちを持つや抽象画    

28冬山にぽつんと窯をもっている

29持ってから開けるか 開けてから持つか 

30左手に持って右手と考える

31隠し持ついじけた窪みまたいじる

32あの頃を捨てずに持っていてくれる

33持つべきは金か女か友情か

34出すことのない詫び状を持ち歩く  

35とどめ刺す言葉を一つ持っている

36会いましょう足りないものを持ち寄って

37あれもこれも持って沈没する私   

38持たされたバケツの数で群を抜く  


「玉子」

1暗殺を企てている生たまご

2ゆで玉子ところどころの火傷あと

3殻割ってメレンゲ気分までの道  

4投げつけた玉子の中の覚悟の眼

5結論を急ぐコロンブスの玉子

6急ぎます朝は玉子を飲み込んで

7甘すぎていつも焦げてる玉子焼き

8コロンブスのたまごになって立ち尽くす

9催促が玉子のような顔でくる   

10殻割れし玉子のような心かな

11発火点わからぬままに玉子割る  

12曇りなき心で抱いていた儀卵

13一年の終わりの方のたまご色

14貧しさは幸せだった茹で玉子

15固ゆでになる呑み込まれないように

16シンプルに生きていきます玉子かけ

17朝日照る今日の玉子もまた黄色   
 
18ラーメンの玉子ポケット昼日中 
 
19地続きの危機は温泉玉子から

20ゆるゆると産みたて玉子ひざに置く

21僕んちの育ちきれないたまごっち
  
22「はじめまして」そっと卵を渡される

23玉子立つ 地球の丸さ際だてて

24輪郭を保てわたしの生玉子   

25妻でもないに玉子焼き器の品定め  

26玉子産んでくれた鶏だが食っちゃった

27殻割りて玉子から雛生まれけり  

28つるりんとして薄情なゆで玉子

29薬物もしっかり摂った玉子です

30平凡な朝にツヤツヤゆでたまご

31ポケットで玉子が孵化を始めてる

32ふわふわのオムレツ突ッついてるこころ

33優しさを包み込んでるオムライス

34いい歳をして半熟で揺れている  

35吉報やポンポンポンと割る玉子

36たまご割るあとはまかせてくれますか

37試みに玉子を一つ割ってみる

38うやむやにするやさしさの玉子とじ


「次」

1次の人に渡すなまぬるいバトン

2鉛筆の転げ具合で決める次   

3赤や黒{怒}次々牡蠣の夜   

4何時までもお次の方にあまんじる

5この次はどんな姿で春となる  

6イベントが全て終わった次を待つ

7次というトンネルからの薄明り

8次々と話し本心など見せぬ   

9次という時間へ抜けるオフサイド

10次の風必ず来るよ奴凧

11検索の窓を次々閉じるサル   

12次の恋などはいらぬと言い放ち

13次の間に控えて候 ボク 端役

14さみしさの次がうどんになっている

15トロトロと黒豆炊いて次の日へ  

16次の手を打つも打たぬも散る紅葉

17おんぶして次の世界を見せた父  

18ゴミ箱に次から次にたまる嘘

19次々と難問奇問攻めてくる

20猫バスに灯す「降ります」のボタン

21優しさを胸に縫いつけ次の劇  

22次に来る大波もまた受け立とう

23次のドア開ける涙を拭ったら

24次を書き込んで重たくする手帳

25切り捨てた次が追いかけてくるよ

26最低のときにも次の駅がある

27この次はもうないと知る無言劇

28ひらひらと次のところにはらはらと

29バックヤード「次」の在庫がありません

30次までの羽を休めている男  

31次々と言うからややこしくなる

32次の次あたりがよろし幸せは

33決心を先送りして次の駅

34次々と嘘が穴から顔を出す   

35妖しげな紐をひいては次にいく

36次に来る波に溺れる冬木立   

37次世代に渡しておけば軽くなる 
 
38この次のない約束を迫られる







コメント(21)



「持つ」
3柔らかい袋を持って忙しい
5持っているものをみんなに見せている
8臍の緒を持って行っても赦されぬ
特選
28冬山にぽつんと窯をもっている

   3柔らかさと忙しさの対比。滑稽。
   5大した物でもないのに。
8えっ、臍の緒とは凄い、赦さぬ方も偉い。
特選28、美しく哀しい景色だ。



「玉子」
9催促が玉子のような顔でくる
14貧しさは幸せだった茹で玉子
38うやむやにするやさしさの玉子とじ
特選
34いい歳をして半熟で揺れている

9目も鼻もない怖い顔。
14贅沢は敵、卵があればよかった。
38「やさしさの」は不要か。卵とじが好きで採ってしまった。
特選34、成熟していない私を自省


「次」
7次というトンネルからの薄明り
33決心を先送りして次の駅
35妖しげな紐をひいては次にいく
特選
14さみしさの次がうどんになっている

  7次から次へと辛い日、薄明かりが支え。
  33何も決まっていないのにまた次の難題。
  35そして訳の分からない決断の紐
  特選14、熱い饂飩を啜って寂しさに耐えている男。
      その饂飩が旨くてまた泣けてくる。



「持つ」
    
 5 持っているものをみんなに見せている
    すべてを見せるのは、優越感からだろうか。
    それとも完全降伏なのだろうか。

 3 柔らかい袋を持って忙しい
    柔らかい袋は、なんでもかんでも呑み込んでしまう。
    袋の中は大忙しです。
   
 34 出すことのない詫び状を持ち歩く
    ずっと持って歩く、ごめんなさいの言葉。 

<特選>
 21 さよならをいつまで持っているのです
    それは告げられたさよならだろうか。
    それとも言い出せないさよならなのだろうか。
    捨ててしまえばいいものを、いつまでも持っている作者とわたし。


「玉子」   

 35 吉報やポンポンポンと割る玉子
    いいことがあった日は、オムレツもふわふわ。
    やさしい光のしあわせなキッチン。

 36 たまご割るあとはまかせてくれますか
    おまかせします。おいしいのをお願いします。

 13 一年の終わりの方のたまご色       
    玉子焼きの色、茶碗蒸しの色、オムライスの色。
    たまごの色はやさしいと、改めて気付かされる。

<特選>
 38 うやむやにするやさしさの玉子とじ
    玉子でとじると、だいたいのものがおいしくなる。
    それはまた、ごまかしでもあるのだろう。
    「うやむや」と「玉子とじ」がぴったり。


「次」

 2 鉛筆の転げ具合で決める次     
    鉛筆は、どんな次を指すのだろう。
    のんきな旅のような、重大な選択のような。

 28 ひらひらと次のところにはらはらと   
    「ひらひら」と「はらはら」の違いを考えました。
    ひらひらは美しく、はらはらはせつない。

 33 決心を先送りして次の駅         
    もう一駅、もう一駅と先送りにする答。
    追いつけるだろうか。手遅れになる前に。 

<特選>
 7 次というトンネルからの薄明り        
    トンネルの奥に、少しだけ見える明り。
    それだけを頼りにして、また進んでゆこう。
ゲスト くしださんの選評です。


[持つ]
3柔らかい袋を持って忙しい
「特選」
28冬山にぽつんと窯をもっている

3頬袋系川柳。冬ごもりの前は、なにかと忙しいものです。
28心象と現象のはざま。上手いと思う。

[玉子]
26玉子生んでくれた鶏だが食べちゃった
36たまご割るあとはまかせてくれますか
「特選」
22「はじめまして」そっと卵を渡される

26食べてしまうのが人間。
36「くれますか」に、「割る」人と作者の関係性がみえる。
22極端な話、テロとも性愛とも、どのようにも読める句だが、迷ったあげくの特選。東直子系カワドロ。

[次]
1次の人に渡すなまぬるいバトン
「特選」
31次々と言うからややこしくなる

1確かに、なまぬるかろう、バトン。
31そのとおり!


くしだ
「持つ」

入選
4まだ青い林檎を持っている机   
17友達の座れる椅子は持っている   
19重み持つ かすかであるが受精卵
特選
7たったひとりで持たねばならぬ明日がある
コメント
4)難解
17)心の余裕
19)具体的には精子分の重さが有り、抽象的には宿った命の重さがある
特選
 7)明日を持つというのがいい

「玉子」

入選
1暗殺を企てている生たまご
9催促が玉子のような顔でくる   
22「はじめまして」そっと卵を渡される
特選
4投げつけた玉子の中の覚悟の眼
コメント
1)難解
9)なんとなくおかしい
22)この玉子どうすればいいのか
特選
4)玉子が眼を剥いて飛んで行った

「次」

入選
1次の人に渡すなまぬるいバトン
14さみしさの次がうどんになっている
38この次のない約束を迫られる
特選
32次の次あたりがよろし幸せは
コメント
 1)政権交代
14)難解
38)ギリギリのところまで来てしまった。「次」の否定
特選
32)“よろし”おっとりしていていい
「待つ」

<入選>
3 柔らかい袋を持って忙しい
   NOと言えない袋、何でも受け入れる袋。
   もう身がもたない。

8 臍の緒を持って行っても赦されぬ
   背負ってしまった重い過去。
   凄みすら感じさせる句。

21 さよならをいつまで持っているのです
   さよならを持ち続けている、
   という表現の巧みさ。

<特選>
15 持ち物に名前あなたには楔
   これが俳句でいう二句一章なのだろうか。
   「持ち物」と「あなた」、「名前」と「楔」、
   この対照の際立ち。

「玉子」
  玉子には二つの顔がある。

9 催促が玉子のような顔でくる
   表情のない顔で、しらっとして、
   言いにくいことを言う玉子。

22 「はじめまして」そっと卵を渡される
   温かいのか冷たいのかまだわからない、
   何か思惑を秘めていそうな玉子。

38 うやむやにするやさしさの玉子とじ
   何でもやさしく包み込んでしまう玉子。
   これにとじられたらおとなしくしているほかはない。

<特選>
14 貧しさは幸せだった茹で玉子
   豊かではないが温もりのある時代があった。
   愛を失いつつあるこの時代の閉塞感を、
   玉子に語らせる。

「次」

<入選>

1 次の人に渡す生ぬるいバトン
   この世をうまく渡る秘訣。
   僕もそうしてきたような気がする。

11 検索の窓を次々綴じるサル
   検索の窓を開けるのではなくて、閉じてゆく。
   サルは、あるいは作者自身は、
   「検索」で何かを得ることの空しさを知ってしまった。

14 さみしさの次がうどんなっている
   身も心も温まるうどん。
   これがそばではそうはいかない。
   もちろん、カレーライスでも。

<特選>

20 猫バスに灯す「降ります」のボタン
   トトロも乗っている猫バス。
   「灯す」の暖かさが何とも言えずいいですねえ。
   それに「次」というお題からの転じ方も見事。




   
すいません。
グッド(上向き矢印)「待つ」ではなくて「持つ」でした。
「持つ」
入選
3柔らかい袋を持って忙しい
15持ち物に名前あなたには楔
28冬山にぽつんと窯をもっている
特選
36会いましょう足りないものを持ち寄って

コメント
3)柔軟性のあるあなたにアクセスが引きもきらない。「柔らかい袋」がいい。
15)所有を誇示するのに楔を打つとは強烈。
28)「ぽつんと」でよけいに窯が温いものに感じられる。
特選36)「足りないものを持ち寄って」その上、冒頭に「会いましょう」と来れば肯かざるを得ない。

「玉子」
入選
15固ゆでになる呑み込まれないように
28つるりんとして薄情なゆで玉子
38うやむやにするやさしさの玉子とじ
特選
34いい歳をして半熟で揺れている

コメント
15)玉子の意思がいじらしい。生玉子ならくいと飲み込まれるから…。
28)15)の句と対句みたいだ。飲み込まれまいと固ゆでになる玉子を、他者が見たらこのようになるのだろう。薄情にユーモアすら感じる。
38)玉子とじはそんなうやむやが許されそうだ。
特選34)いい歳とはどのくらいを言うのだろう。少なくとも固ゆでほどに若くはない。「半熟で揺れている」がとても気に入った。

「次」
入選
7次というトンネルからの薄明り
14さみしさの次がうどんになっている
23次のドア開ける涙を拭ったら
特選
35妖しげな紐をひいては次にいく

コメント
7)次が吉と出るか凶と出るか分からないが薄明かりが微妙で動かない。
14)寂しさとうどんの取り合わせ、。さみしくてもお腹は空くのだ。「次がうどんになっている」、ここに川柳がある。
23)そうありたい。
特選35)「妖しげな紐」に生きてゆく途中を感じる。








「持つ」

<入選>

3 柔らかい袋を持って忙しい
     「忙しい」がいい。
      やわらかい人の忙しい笑顔がいい。

4 まだ青い林檎を持っている机
      現在の川柳の見本のような書き方。
      そして、ここからがむずかしくなる。

21 さよならをいつまで持っているのです
      自分自身に言い聞かせていると読みたい。
      その方が味わい深くなる。

14 人生がぶら下げている一升瓶
      お酒の力を借りてでも
      やはり楽しいひとときがほしい。

<特選>

32 あの頃を捨てずに持っていてくれる
     「いてくれる」に惹かれる。
      思い出をなつかしいことを大切にしたい。
      そして、語りたい。


「玉子」

「玉子」と「卵」の使い分けがあるかもしれませんが、
 そのことにこだわらず選びました。

<入選>

20 ゆるゆると産みたて玉子ひざに置く
     「ひざに置く」がいい。
      うれしさが素直に伝わってくる。

38 うやむやにするやさしさの玉子とじ
     「玉子とじ」を食べるときに思ってみたい
     「うやむやにするやさしさ」

37 試みに玉子を一つ割ってみる
      何かのはじまりは試みから
      それもなんでもない日常での試み。

<特選>

22「はじめまして」そっと卵を渡される
     「はじめまして」の発見に特選。
      落としたら割れてしまう卵のような出会い。
      いつまでも忘れたくない出会い。


「次」

<入選>

5 この次はどんな姿で春となる
      生きていることは変わること。「春」の明るさがいい。
     「春になる」との違いを考えている。

15 トロトロと黒豆炊いて次の日へ
      次の次の日あたりはお正月だろうか。
     「トロトロ」がおいしそう。

20 猫バスに灯す「降ります」のボタン
      夢の世界から現実へ。「降ります」がおもしろい。
     「猫バス」は一番のシーンですね。思いだします。

17 おんぶして次の世界を見せた父
     「おんぶ」から「肩ぐるま」へ
      お父さんのうれしそうな顔。

23 次のドア開ける涙を拭ったら
     「拭ったら」に希望を感じる。
      ドアの向こうの明るさが想像できる。



「持つ」

<入選>
18言うことを聞かぬ唇持っている

私もそんな唇を持っています。だから分かるのですが
やっかいです。

28冬山にぽつんと窯をもっている

荒涼の中の潤い。対比が何かを訴えてきます。

32あの頃を捨てずに持っていてくれる

こんな女性がいたらいいなあ。希望を持たしてくれたので
入選です。

<特選>
7たったひとりで持たねばならぬ明日がある

辛いですねえ!でも、そんな明日の連続です。人生のエール
と解釈して特選です。

「玉子」

<入選>

2ゆで玉子ところどころの火傷あと

ゆで玉子といえども火傷するんだと思わせてくれたので
入選です。

15固ゆでになる呑み込まれないように

世の中、油断するととたんに危険が迫ってきます。
せいぜい固くなりましょう!疲れるけど!

34いい歳をして半熟で揺れている

これ私のことです。見抜かれたので入選です。

<特選> 

24輪郭を保てわたしの生玉子

凛とした生玉子になりたいものです。
このような、気持ちを引き締めてくれる句が
好みです。

「次」

<入選>
1次の人に渡すなまぬるいバトン

もらった人は困るけど得てしてこうなります。
なまぬるいバトン、良い表現です。

7次というトンネルからの薄明り

希望ですかね。薄明りでも明りならしがみつきます。

14さみしさの次がうどんになっている

よく分からないけど面白い!

<特選> 
5この次はどんな姿で春となる

この句は最高です。前向きな人格を感じます。 








「持つ」
25時々は光る命を持っている
 こいつがなかなか光らない。確かに持っているのは持っているのだが。
32あの頃を捨てずに持っていてくれる
 誰にも捨てられないものがあって、それがちょうどあの頃と重なったのです。
38持たされたバケツの数で群を抜く
 持たされているけど思い出を持っている。本当に群を抜くですね。
特選
36会いましょう足りないものを持ち寄って
 足りないものだから持ち寄ることができる、補うことはできなくても。

「玉子」
14貧しさは幸せだった茹で玉子
 価値観の違いだけではなく、人の心も一緒だったような気がする。
33優しさを包み込んでるオムライス
 ケチャップが駄目で、でもやさしさを包んでいるのならチャレンジしてみようか。
37試みに玉子を一つ割ってみる
 若い頃、左手でぽんと割る練習ははしたが、いつも真剣だったけど。
特選
38うやむやにするやさしさの玉子とじ
 このふわふわ感、とろとろ感がうやむやにしていたのか。

「次」
17おんぶして次の世界を見せた父
 そして子どもの目の高さから世界を見たとき、僕は親になれたのかな。
20猫バスに灯す「降ります」のボタン
 まさに次です。あの灯り、僕の下りる番がやってきたようです。
33決心を先送りして次の駅
 決めていはいるのですが、はっきりとさせきらない、駅はもうありませんよ。
特選
35妖しげな紐をひいては次にいく
 次のステージに立つには、どうしても引かなければならない妖しげな紐。
【持つ】
<入選>
 3 柔らかい袋を持って忙しい
   許容範囲が広くなるだけいろいろなものが入ってくる袋。
 
 4 まだ青い林檎を持っている机  
   赤くなるのか?机上の林檎はピンナップされた青春のようなもの?

32 あの頃を捨てずに持っていてくれる
   共有する過去を持つひとがいて、それがアリバイのようで頼もしい。

<特選>
 34 出すことのない詫び状を持ち歩く 
   むやみに出さないのだが自戒として持ち続けるのだろうか。
   振り返れば詫びるべきことが山積。そして多分これからも・・・。

【玉子】
<入選>
9 催促が玉子のような顔でくる  
   何かを要請されているのだがそれはノッペラボウのように不確定。 

15 固ゆでになる呑み込まれないように
   いつまでも流動的であれば自分の形を失ってしまうかも知れない。
   
34 いい歳をして半熟で揺れている  
   上の句と一対のような句。こちらは柔軟性を選んだのだろうか。

<特選>
 38 うやむやにするやさしさの玉子とじ
   玉子とじの魔力。何でもとじ込む不定形な曖昧さが・・・。
   でも、固定した形に決めつけないところがやさしさなのであろう。

【次】
<入選>
 7 次というトンネルからの薄明り
   常に不確定な「次」。だからトンネルの向こうは薄明かりでしかない。

 17 おんぶして次の世界を見せた父
   父の背中越しに見る次の世界。父よりも遠くへ行けるのだろうか。

 33 決心を先送りして次の駅
   次の駅の次にはまた次の駅が・・・。終点のない先送りの旅程。

<特選>
 24 次を書き込んで重たくする手帳
   次を書き込む度に重くなる。それは私の将来の時間と空間の限定。
   しかし、その手帳を無視して生きることは出来ない。
[持つ」

 <入選>
    21.さよならをいつまで持っているのです
        *未練がましさが面白い
    35.とどめ刺す言葉を一つ持っている
        *恐い人だ
 <特選>
    25.時々は光る命を持っている
        *光る命に期待感がある

「玉子」

 <入選>
    26.玉子産んでくれた鶏だが食っちゃった
        *あっけらかんとしたユーモアを買う
    33.優しさを包み込んでるオムライス
        *包み込んでるにほのぼのさを感じる
    38.うやむやにするやさしさの玉子とじ
        *うやむやにするとは上手い表現

 <特選>
    21.僕んちの育ちきれないたまごっち
        *たまごっちを思い出す。いつも育ちきれなかった

「次」
 <入選>
     1.次の人に渡すなまぬるいバトン
         *引継ぎの難しさ
     4.何時までもお次の方にあまんじる
         *決断力の無さ
    24.次を書き込んで重たくする手帳
         *計画の難しさ

 <特選>
    38.この次のない約束を迫られる
         *ドラマがあって面白い  
「持つ」 

入選
 25 時々は光る命を持っている
     時々が効いている。ずっと光っていたら疲れてしまうから。

 35 とどめ刺す言葉を一つ持っている
     決して口にはしない言葉。したたかに生きる作者。
 
 37 あれもこれももって沈没する私
     捨てるのはとてもむずかしい。でも沈没する前に捨てなければ。

特選
 4  まだ青い林檎を持っている机
     とても静かな世界。魅力を感じました。

「玉子」

入選
 38 うやむやにするやさしさの玉子とじ
     やさしさの匙加減がむずかしいところ。

 28 つるりんとして薄情なゆで玉子
     確かに薄情に見えてきました。

 34 いい歳をして半熟で揺れている
     本当にいくつになっても揺れますね。

特選

 24 輪郭を保てわたしの生玉子
     背筋を伸ばそうとする作者に共感しました。

「次」

入選
 8  次々と話し本心など見せぬ
     そうゆうこともあるなと、納得してしまいました。

 17 おんぶして次の世界を見せた父
     強くて優しい父親の姿が目に浮かびました。

 18 ゴミ箱に次から次にたまる嘘
     ゴミ箱からあふれたらどうなるのでしょうか。

特選
 24 次を書き込んで重たくする手帳
     次の予定がないと不安になることも。いろいろなことを考えさせられた句です。
     
 
今回、投句はしなかったのですが、選評には参加させてください。
よろしくお願いします。では

「持つ」
1ただ一つ失うものを持つ不遇
    不遇と言いつつあまりネガティブに感じない。
    むしろ覚悟のようなものか。

36会いましょう足りないものを持ち寄って
    私だったら何を持っていくんだろう。
    足りないものってなんだろう。想像が膨らむ。
     
<特選>
28冬山にぽつんと窯をもっている
    情景を思い浮かべるとほっとする。


「玉子」
22「はじめまして」そっと卵を渡される
    渡す勇気、受け取る勇気。
    大切に大切にしたい。

38うやむやにするやさしさの玉子とじ
    うやむやと玉子とじ、
    このふたつの相似に気がついた作者の感性。
    素敵です。

<特選>
2ゆで玉子ところどころの火傷あと
    たまにやります。ゆで玉子さんごめんなさい。


「次」
11検索の窓を次々閉じるサル 
    サルが人間の比喩だとは思わない。サルはサル。
    その方がサクサクと事が進みそう。人間は混沌としている。

17おんぶして次の世界を見せた父 
     そういえば父親が連れて行ってくれるところは
     およそ子供には似つかわしくないところばかりだったなー。
     たった17文字にそれが凝縮されている。

<特選>
14さみしさの次がうどんになっている 
     なんだろう、とっても感覚的なんだけど共感できる。
     さみしさって特別なものじゃないよね、おいしいうどん一杯で
     癒されたりするもんね。





【持つ】

14 人生がぶら下げている一升瓶
32 あの頃を捨てずに持っていてくれる
38 持たされたバケツの数で群を抜く

特選
8 臍の緒を持って行っても赦されぬ

14/人生をさらりと戯画化。手慣れた筆致。
32/素直な気持ち、飾り気のない表現に好感。
38/そのバケツの数がきっと人生の強みになっている。悪ガキ魂よ健在なれ。
特選/一体どういう状況か。血の濃さ、おどろおどろしさに圧倒されて特選。

【玉子】

2 ゆで玉子ところどころの火傷あと
13 一年の終わりの方のたまご色
24 輪郭を保てわたしの生玉子

特選  
36 たまご割るあとはまかせてくれますか

2/あり得ないはずの火傷あと。あれはやっぱり恋だったのかも。
13/たまご色って何色? 辞書にも「殻の色」「黄身の色」の二通りあった。殻にしたって白あり桜色ありだし。けれど「たまご色」という言葉のやさしさ。色合いに揺れながらふわふわ穏やかな気持ちになれた。
24/題がひっぱりだした思わぬ「わたし」、思わぬ書き方。
特選/さりげなくも有無を言わせぬ物言い。たまご1個からさあ、なにがはじまる。

【次】

11 検索の窓を次々閉じるサル
14 さみしさの次がうどんになっている
35 妖しげな紐をひいては次にいく

特選
7 次というトンネルからの薄明り

11/サルに賢者の風格。本当の知とはなんだろう。
14/一見詩的でありながらこの「さみしさ」は充分に俗。ダシがたっぷりきいてます。
35/引かなければ次に進めないわけで。
特選/希望と絶望は一体かもしれない。次を見据える作者の眼差しはどこまでも澄んでいる。
「持つ」

入選
 4 まだ青い林檎を持っている机  
 14人生がぶら下げている一升瓶
 32 あの頃を捨てずに持っていてくれる
特選
 36会いましょう足りないものを持ち寄って

4/読後の爽やかさが際立つ1句。青い林檎は青春性の象徴と読んだ。
14/「持つ」を使ってませんが、このペーソス。こうやって乗り越えていくんですね。
32/「あなたも」や「えっあなたが」がこの句の中に隠れている気がしました。それはきっと若い頃の私を大事にしてくれている、というしみじみとしたうれしさかな。
特選句 ミッシングピースという絵本が好きだったけど。ここには諦観と包容力がある。

「玉子」

入選
14貧しさは幸せだった茹で玉子
22「はじめまして」そっと卵を渡される
37 試みに玉子を一つ割ってみる
特選
13一年の終わりの方のたまご色

14/貧しさ幸せだったと言い切った所がいい。茹で玉子との取り合わせも。
22/危険ですね、お見合いもこんなものかも。卵を孵すか相手にさしもどすか。
柔らかい読み口の中に危機感があった。
37/勇気ある行動ですが、沈黙を破らなければ、行動せねば何も変わらない。
特選句 たまご色、こうきましたか、の感あり。だが、たまご色のやわらかな暖かさ
を思うと納得。年末から年始にかけて、人はちょっと再生するからね。

「次」

入選
15トロトロと黒豆炊いて次の日へ  
20 猫バスに灯す「降ります」のボタン
35 妖しげな紐をひいては次にいく
特選
14 さみしさの次がうどんになっている

15/作者の次の日の来ることを待っているのか?いやあんまり望んでないのでは
と読ませるのは煮豆の時間か。
20/[次]がもつワクワク感に通じる句。明るさもある。
35/世の中を渡っていくってこんな修羅場をくぐっていくんですね。
特選句 うどんの白、さみしいけど腹持ちよく・・・というより絶対に忘れることのできない句。オリジナリティーに脱帽です。
【持つ】
32あの頃を捨てずに持っていてくれる
20確かめる持って生まれてきた物を  
5持っているものをみんなに見せている
特選
3柔らかい袋を持って忙しい

32)そういう人がいてくれる幸せ。
20)さて、どうだろう。今更ながらの自分という存在。
5)なんでもなくて通り過ぎそうなところで、呼び止められた。20の句とつながるような。
3)そうか忙しい人の袋は柔らかいのか。そんな袋にはきっと、清濁問わずさまざまなものが。


【玉子】
9催促が玉子のような顔でくる   
24輪郭を保てわたしの生玉子   
11発火点わからぬままに玉子割る  
特選
13一年の終わりの方のたまご色

9)目の付け所がおかしい。しれっとした玉子の顔。
24)時間が経つほどぐずぐずか、主張がなくてぐずぐずか。いずれにしろ「保て」は命令かつ願いですね。
11)繰り返す日々の焦燥感。
13)始まりのピュアなたまご色も、今ではくすんでいる。玉子の題に、「たまご色」が新鮮。


【次】
5この次はどんな姿で春となる  
38この次のない約束を迫られる
24次を書き込んで重たくする手帳
特選
14さみしさの次がうどんになっている

5)次に向かうための今がある。
38)今を受け入れるための次もある。
24)次がないと不安。次があると安心。「重たくする」に説得力あり。
14)「さみしさ」の次が「うどん」だなんて。あったかいうどんの湯気までがみえてくる。
【持つ】
11右手に象左手に蟻を持つ
32あの頃を捨てずに持っていてくれる
36会いましょう足りないものを持ち寄って

11/右に大きな象 左手には小さな蟻 両方のバランスをとって生きている
32/持っていてくれる優しさを感じる
36/持ち寄って補い合っていい知恵がわくかもしれません

【玉子】
13 一年の終わりの方のたまご色
35吉報やポンポンポンと割る玉子

特選
9催促が玉子のような顔でくる

13/そうです一年の終わりはまっ白ではなくてたまご色になっているものです
35/うれしさが伝わる このご時世に嬉しくなります

9/玉子の様な顔がいいと思いました

【次】
5この次はどんな姿で春となる
28ひらひらと次のところにはらはらと

特選
14さみしさの次がうどんになっている

5/変化しているものを楽しんでいる様子が好きです
28/ひらひらからはらはらへ言葉と情景が面白い
 次のところにの「に」がいいと思いました。

14/ほっこりと暖かい。私にもうどんにしたいことが一杯あります。
持つ

     30 次までの羽を休めている男

          母性愛に感謝を!

     34 出すことのない詫び状を持ち歩く

          ア わたしも 同じです・・。

     36 会いましょう足りないものを持ち寄って

          こんな 優しい お気持ち に 救われます


  特選
     25 時々は光る命を持っている

          残念ながら 時々光る命 なのですネ?
          だけど 時々でも光る アナタを尊敬します!


玉子   22 「はじめまして」そっと卵を渡される

          アレから大切に 正直に 抱いているのです・・。


    特選
     
     34 いい歳をして半熟で揺れている

          どっちつかずも また 魅力


     8  次々と話し本心など見せぬ

          アナタの周りにいるのは ワタシかも

     18 ゴミ箱に次から次にたまる嘘

          あれもこれも ゴミ箱に。薄の七色・・。 

     24 次を書き込んで重たくする手帳

          技アリ。カタチ壊して 重たくした ワザ!

   特選
     38 この次のない約束を迫られる

          気息エンエン。終焉近い ワタシです・・ 
     

雅清羅さんの選評 です。
(入選・特選に関して問い合わせましたがお返事がないので入選でカウントします)

持つ

23 決して旅立たないための荷物持つ

玉子

1 暗殺を企てている生たまご



33 決心を先送りして次の駅


以上でお願いいたします。

遅くなりました。失礼いたしました。
「持つ」
   
5持っているものをみんなに見せている
自分を曝け出すことのできる人の強みをいくつ見てきたか。

8臍の緒を持って行っても赦されぬ
恥も外聞もなく赦しを乞うているのに否とは原因は何?

29持ってから開けるか 開けてから持つか 
サンダルを高く蹴り上げて決めましょう。散々迷った挙句の決断。

特選

32あの頃を捨てずに持っていてくれる
本当のことは過ぎ去ってから気付くもの。優しさはそうそう
あるものではないと思うこの頃。


「玉子」

8コロンブスのたまごになって立ち尽くす
堂々巡りをもう何時間したことか。どなたか妙案を!

9催促が玉子のような顔でくる
ガミガミやられるとクソッと反発するけれど、つるりんと
邪気のない顔には実に弱いのです。  

31ポケットで玉子が孵化を始めてる
心を注げば羽化する夢を持っている幸せ。割れないように
大切に大切に。

特選
38うやむやにするやさしさの玉子とじ
うやむやと玉子とじがピッタンコ。云い得て妙ですね。

「次」

8次々と話し本心など見せぬ
核心を少しずらして多弁な人。乗せたり乗せられたり。   

17おんぶして次の世界を見せた父
父の背中で見たもの。今頃になってやっと分かった父の本心。

特選
1次の人に渡すなまぬるいバトン
ゴメンと心の中で詫びながら渡す来し方。


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