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チェダゼミナールコミュの?選挙と政治参加 P76〜 資料231〜

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【もうすぐ有権者のみなさん】
 2010年に施行された国民投票法の有権者資格は1( 18 )歳以上であった。今後、国政選挙資格年齢もこの年齢に引き下げられる可能性は高い。

【民主主義と選挙の原則】
 いざ選挙権を得ても、「誰(どの政党)に投票したらよいのか分からない」と言う人も多いだろう。誰に投票するのか、その判断材料となるのが政党の公約、いわゆる2( マニフェスト )である。公約とは、国民との約束のことである。
 選挙の原則は4種類ある。
3( 普通選挙 ) 一定の年齢に達しさえすれば選挙権・被選挙権が与えられる
4( 平等選挙 ) 一人一票
5( 秘密選挙 ) 投票する人の名前は無記名で投票
6( 直接選挙 ) 直接候補者を選挙する

 普通選挙の対義語は7( 制限選挙 )<差別選挙>。身分や財産(税金をいくら払っているか)で選挙権が制限される。
 平等選挙について。例えば株主総会の投票権は一人一票ではない。持株数に応じて一人当たりの票数も変わってくる。つまり、大株主ほど沢山票を入れられる方式である。平等選挙はそれを認めないということ。
 秘密選挙は投票した人のプライバシーを守るものである。
 現在の日本では8( 20 )歳以上の男女に選挙権が与えられている<普通選挙>。日本で初めて選挙が行なわれたのは1890年であったが、当時は直接国税9( 15 )円以上納める10( 25 )歳以上の11( 男子 )にのみ選挙権が与えられていた<制限選挙>。全人口に対する有権者の割合は1.1%にすぎなかった。その後何度か選挙制度が改正され、12( 1925 )年に普通選挙法が制定され、25歳以上の男子には無条件で選挙権が与えられた。普通選挙法といっても、当時はまだ女性に参政権はなかった。女性参政権はWW?で女性が活躍したのと、アメリカの民主化政策の結果、戦後から認められるようになった。年齢も25歳から20歳に引き下げられ、現在の普通選挙制度が完成した。



【衆議院と参議院の選挙制度】
衆議院 参議院
選挙制度 13( 小選挙区比例代表並立制 ) 14( 選挙区制 )
定数 小選挙区15( 300 )人
比例代表16( 180 )人 選挙区17( 146 )人
比例代表18( 96 )人
重複立候補 19( あり ) 20( なし )
比例名簿 21( 拘束名簿式 )
あらかじめ当選順位を決める 22( 非拘束名簿式 )
得票数に応じて当選を決める
 衆議院は小選挙区と比例代表との重複立候補ありなので、たとえ小選挙区で落選しても比例代表で復活当選がありえる<資料231>。復活した議員を23( ゾンビ議員 )と揶揄する。09年の(衆議院)総選挙でのゾンビ議員は97人いる。
 ちなみに右写真の24( 杉村太蔵 )は比例南関東ブロック35位のみで自民党から出馬した。05年の郵政選挙で自民党が圧勝したときだ。小選挙区では立候補していない。衆議院選挙の比例区は候補者名で投票するのではなく、政党名で投票するため、杉村太蔵が人気がなくても、自民党に人気があれば当選する可能性が高い。南関東の比例区の定員は22人だが、名簿の上位者で小選挙区で当選した人は名簿から削除されていくため、35位の杉村氏がギリギリで当選を果したのだ。要は小泉人気のおかげで当選できたわけで、比例区の名簿下位当選者を小泉チルドレンと呼ぶ。
 一方で参議院の比例区は非拘束名簿式である。参議院の比例選挙は政党名または比例代表名簿に記載されている候補者個人名で投票することが出来る。最終的な各党の得票数は、政党名+個人名の合算(政党内における当選順位は候補者個人の得票数で決める)で、それをもとに25( ドント式 )で議席配分をする<資料232>。このやり方でどのようなことが起こるかというと、「タレント議員」が当選しやすくなる。タレント議員は客寄せパンダとして利用される。例えば2010年の参議院選挙で柔ちゃん<民主党>が当選した。投票者が柔ちゃんに当選して欲しいとき、柔ちゃんの名前を書くが、それは同時に民主党に投票したことにもなる。つまり好感度・知名度の高い人を党から出馬させることによって、その党からの当選者を多数出すことが出来るのである。
ドント式は衆議院の比例区でも行なわれる。名簿順位が同じ場合は小選挙区選挙での26( 惜敗率 )の上位者から当選する。つまり、落選したけど惜しくも落選した人から敗者復活していく仕組みである。ただし、小選挙区での得票が有効投票の10分の1を超えている必要がある。















【日本の選挙における問題点】
? 投票率の低さ 
? 27( 一票の格差 ) 1985年には違憲判決 
? 選挙運動の自由化
? 選挙権の年齢を28( 18歳 )以上に引き下げるか否か
? 永住外国人への29( 地方参政権 )付与

?に関して。最高裁の基準は1票の格差が衆議院の場合3倍、参議院の場合は6倍を超えれば違憲としている。

【さまざまな政治参加の方法】自由権・平等権⇒社会権⇒参政権⇒受益権(請求権)
 参政権は人類が長年をかけて得たかけがえのない権利である。基本的人権5つのうち、四番目に確立された、歴史的にもまだ100年も経っていない。選挙権は積極的に行使した方がよい。最終的に自分達の生活に跳ね返ってくるからだ。選挙に行かないことも確かに意思表示の一つだが、選挙に行かない人は世の中の制度に文句を言う資格はない。選挙に行かないのならせめて自分ならこんな制度を作る、こんな国をつくるといったことぐらいは考えておきたい。

〔族議員〕資料227
 特定の省庁で政策の決定に大きな影響力をもつ議員を30( 族議員 )という。族議員はしばしば官僚や企業・財界と結びつき、癒着を生む。この政官財(政官業)の強力な結びつきを31( 鉄のトライアングル )という。族議員の種類は郵政族、道路族、農林族、文教族、大蔵族などがある。国民新党は、郵政民営化に反対し自民党を離党した議員で結成された。つまり国民新党は郵政族である。








〔各選挙制度の傾向〕資料231

長所 短所
大選挙区
(1選挙区で複数当選) 32( 死票 )が少ない
少数派も当選できる 多党化、小党分立化をまねく。選挙費用が多額になる。
小選挙区
(1選挙区で1名当選) 33( 二大政党 )による政局の安定
選挙費用が少額 死票が多く、大政党に有利
34( ゲリマンダー )<刺客>の可能性
比例代表区 死票が少ない 多党化し、政局が不安定

完全な選挙制はない。それぞれ長所と短所がある。日本の衆議院選挙は35( 小選挙区比例代表並立制 )でそれぞれの短所を補い合っている。しかし、小選挙区から36( 300 )人、比例区から37( 180 )人ということは、若干小選挙区制の特徴が色濃く出るということで、今の日本は二大政党制に近いが、小党もそこそこいるよという状況である。

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