チェダゼミナールコミュの地理A　教科書P16～　資料集P１8～　国家の領域

【国家の領域】　
国家は現在190以上ありますが、国家の構成要素とは自分達の国のことは自分達で決める　1（　主権　）、そしてそこに住む2（　国民　）、その国の支配する場所である3（　領域　）の三つとなる。日本の領域について説明すると、領土面積は4（　38万平方ｋｍ　）で世界第60位と、そこそこ広めです。かつてフランスの外交官が「日本の家はまるで豚小屋のように狭い」と言った事がありました。そこそこ広い面積の日本の家が狭い理由は、日本の面積の70％が5（　山　）だからだ。そのため住める土地が限られ、一部の平野部に人口が集中しているため、日本の家は狭くなっている。日本の面積の覚え方としては
四国：九州：北海道：本州＝（１：２：４：１２）×２（日本）＝38万平方ｋｍ
つまり四国＝2万平方ｋｍ九州＝4万平方ｋｍ北海道＝８万平方ｋｍ本州24万平方ｋｍ
これは覚えておくとなかなか便利で、例えば韓国の面積が10万平方ｋｍというデーターが出たとするなら、北海道と四国をあわせたぐらいの面積だとイメージできるし、今回のサッカーワールドカップでの対戦相手オランダ・デンマークの面積が4万平方ｋｍ、つまり九州とほぼ同じ大きさしかないということがイメージできる。
　国家の三要素の一つ領域＝領土+領海+領空であるが、領土の海岸線から200海里まで、その国が独占的に水産資源を確保できる6（　排他的経済水域　）（EEZ）が認められている。日本は四方を海に囲まれた島国であり、本州・北海道・九州・四国のメインの島以外にも沢山の島があるため、この排他的経済水域は405万平方ｋｍ、日本の海洋面積は世界６位となる。そのため日本は他国に比べて肉よりも魚を多く食べ、寿司が国民食となっているのだ。日本の領土は東端7（　南鳥島　）西端8（　与那国島　）北端9（　択捉島　）南端10（　沖ノ鳥島　）である。最南端の沖ノ鳥島は今にも沈みそうなのだが、護岸工事が施され、沈まないようにしている。もし沖ノ鳥島が沈んでしまうとどうなるか計算してみよう。200海里というのはおよそ370ｋｍである。円の面積＝半径×半径×円周率であるので、370×370×３＝41万平方ｋｍとなり、およそ日本の領土面積分の排他的経済水域が消滅してしまうことになる。水産資源というのは単に魚のみならず、天然ガス・マンガン・石油などの資源が採掘される可能性もあるため、これが消滅すると日本にとっては命取りとなる。
　領土は時に隣国と領有をめぐってケンカになることがある。例えばロシアとは北方領土問題がある。北方領土とは北海道の北東にある11（　択捉島　）12（　国後島　）13（　色丹島　）14（　歯舞諸島　）を示すが、WW?後のドサクサにまぎれてロシアに不法占拠された状態が今でも続いている。島根県の北にある15（　竹島　）は韓国とその領有をめぐってあらそっているし、沖縄付近にある16（　尖閣諸島　）は中国と争っている。国境問題は島国に住む我々にとって意識しにくい問題である。しかし陸続きの他国にとって国境問題は日常茶飯事なのである。陸続きということは、簡単に侵略できるからだ。

【様々な国境】　教科書P18
国と国の境目である国境には色々な決め方がある。一般的には17（　自然的国境　）といって、海・河川・山脈などで決めるパターンが多い。特に昔は自然に勝てないケースが多く、今のように交通手段も発達していなければ立派な橋を架けることも出来なかった。だから自然が国境となりえたのだ。例えばドイツとフランスの国境には18（　ライン　）川、スペインとフランスの国境には19（　ピレネー　）山脈が、メキシコとアメリカは20（　リオグランデ　）川、チリとアルゼンチンは21（　アンデス　）山脈が国境となっている。メキシコと国境をなす、カリフォルニア、アリゾナ、ニューメキシコ、テキサスはスペイン語（メキシコの公用語は昔スペインに支配されていたためスペイン語）を話す22（　ヒスパニック　）が多い。経済的に豊かなアメリカに移民するメキシコ人が多いということだ。そのため不法入国も多いため、メキシコ側からアメリカに入国する際の検査は厳しいチェックが入る。一方でEU加盟国同士の移動はパスポートなしでもOKなためドイツ人が「ちょっとフランスに買い物に行こうかな」と思えば手軽に行くことができる。
自然的国境は日本国内の県境にも使われる。例えば福岡県と佐賀県は23（　筑後　）川で、東京都と千葉県は24（　江戸　）川で、千葉県と茨城県は25（　利根　）川によって分けられている。また箱根山には関所があり、この箱根関所より東側を26（　関東　）とよんだりもしている。日本という国は四方を海に囲まれている島国であるため、簡単には外国から侵略を受けない。だからこそ江戸時代、200年以上鎖国をすることも容易だった。
一方で27（　人為的国境　）（数理的国境）というものもありこれは経線や緯線を利用して国境を定めている。例えばアフリカのスーダンとエジプトの間、カナダとアメリカの間などがある。アフリカに敷かれた人為的国境は植民地支配の時期に先進国が自分たちの都合のいいように勝手に引いたものが多く、現地の民族境界線と不一致となる。そのため民族がゴチャ混ぜとなり紛争の温床になっている。

P１９　【地域区分でとらえる世界】
　地理では住んでいる場所や文化によってその呼び方がことなる。P19の図５は文化による呼び方を示しているが日本は28（　東アジア文化圏　）に属している。この文化圏には日本以外に29（　中国　）の東側と30（　朝鮮　）が含まれている。朝鮮は元々一つの国であり民族も言葉も一緒であるがWW?後の冷戦により二つの国家（北朝鮮と韓国）に分断されたままになっている。そのため国際連合にも国際サッカー連盟31（　FIFA　）にも別々に加盟している。日本と北朝鮮には現在のところ正式な国交はないため、北朝鮮に旅行に行くことは出来ない。だからここでは日中韓を東アジア文化圏とする。この東アジア文化圏に共通する文化は何があるだろうか。まず今から1万年以上前は日本と大陸は陸続きであったため、中国や朝鮮からも日本への人の往来が容易であった。日中韓は人種で分けると、黒人でも白人でもなく、その中間の黄色人種となる。人種での分け方を表にまとめると、
黒人ネグロイド
白人コーカソイド
黄色人種モンゴロイド
となり、日中韓はモンゴロイドとなる。そのため顔つきや肌の色が似ているという特徴がある。そのため我々日本人が欧米などの海外に行った場合、しばしば中国人に間違われることもある。なぜなら中国の人口は日本のおよそ10倍の32（　13　）億人、つまり欧米人からしたらモンゴロイドといえばほとんど中国人しか浮かばないのである。我々からしてみれば中国と一緒にされては困るかもしれないが、我々も例えば見た目でアメリカ人とカナダ人、イタリア人とフランス人を一瞬で判断できないのと同じである。
2000年以上前、中国が33（　漢　）と呼ばれていたころ文字が統一され、それがやがて日本や朝鮮に伝わった。例えば巨人で活躍するイ・スンヨプは韓国独自の文字34（　ハングル　）では이승엽と書き、中国の文字である漢字では李承燁と書く。韓国では漢字はあまり使われていないようだが、韓国は1910年～45年まで大日本帝国に含まれており、日本語による教育が施されていたため、日本語がかなり通じる。中国では漢字で街の看板などが表記されているため、中国語が喋れなくとも観光するだけならあまり困ることはない。宗教においては中国から朝鮮半島の渡来人を経由して伝わった35（　仏教　）が共通している。またご飯を食べるときには箸を使う点も共通している。箸はナイフやフォークを使う場合よりも使い方が難しく、そのため手先が器用となりやすい。調味料に味噌や醤油を使っているのも東アジアの共通点である。
　注意が必要なのは、白人＝皆金髪ではないということ。金髪が多いのは36（　ゲルマン文化　）である。つまりドイツ・イギリス・スウェーデン・アメリカ・カナダでは金髪が多いが、ローマン文化やスラブ文化では黒髪か茶色か赤である。
世界を六つの州に分けると
アジア州東アジア・南アジア・東南アジア・中央アジア・西アジア
ヨーロッパ州西欧・東欧・南欧・北欧
アフリカ州北アフリカ・中南アフリカ
オセアニア州
北アメリカ州
南アメリカ州
大陸で分けると
　北アメリカ大陸（北米）、南アメリカ大陸（南米）、ユーラシア大陸、オーストラリア大陸、南極大陸、アフリカ大陸となる。
アメリカと普段我々が言っているのはアメリカ合衆国のことであるが、正式にはアメリカとはアメリカ大陸（北米+南米）のことを示す。ユーラシア大陸はアジア州とヨーロッパ州にある大陸で、EURO＋ASIA＝EURASIA（ユーラシア）となる。
そしてサウジアラビア付近、西アジア付近を37（　中東　）、日本などの東アジア付近を38（　極東　）と呼んでいるのは、元々世界の中心であった本初子午線の走るイギリスから見た場合、西アジアは東の真ん中付近、東アジアは東の果て、つまり極東となるからである。

P２３【人口ピラミッド】
その国の人口の年齢構成がどのようになっているかをあらわしたものを人口ピラミッドという。これは三種類に分けられ、
39（　富士山　）（ピラミッド）型多産多死発展途上国
40（　釣鐘型　）多産少死アメリカ・フランス
41（　つぼ型　）少産少死日本
富士山型については発展途上国に多く、医療の未発達により子どもがすぐに死んでしまうため、なるべく沢山の子どもを産む。また子どもは農村において貴重な働き手となるため、沢山子どもを産む。
釣鐘型は先進国に多いが、特に移民を受け入れるアメリカ・フランスには移民を受け入れるため若年者層が多くなり、釣鐘型となる。
つぼ型は釣鐘型よりさらに出生率が低い国。象徴的なのが日本で、日本の合計特殊出生率（女性が一生の間に何人子どもを産むか）は42（　1.3　）と一人っ子多くなっている。日本の場合、教育費の高騰で何人も子どもを産むことが出来ない、女性の高学歴化、晩婚化が進み、一人しか子どもを産めない、将来が不安で子どもが産めないなど様々な理由がある。

P２４　【ドットマップ】
ドット（点）マップは分布地点の数量を点で示したものである。P24のドットマップ（米と小麦の生産）と等値線図（年降水量）を見比べると、小麦は年間降水量43（　500ｍｍ～1000mm　）ぐらいで生産可能で、多少乾燥してても生産できることが分かる。一方で米は年間降水量44（　1000mm　）以上必要で、米作りには大量の水が必要だと読み取れる。