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チェダゼミナールコミュの下流社会 新たな階層集団の出現 三浦 展著 光文社新書 2005年

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P21ジニ係数

ジニ係数が0.5と言うのは、国民の総所得の4分の3を、所得の高い方の4分の1の人だけで占める状態。
因みに2002年の我が国のジニ係数は、0.4983である。

社会保障による所得再分配後のジニ係数は、

日本0.322

米国0.368

英国0.345

フランス0.288

スウェーデン・ドイツ0.252

P109

高度成長期は、低い階層の人ほど多くの希望と可能性を持ち、高い階層の人ほど、それまであった権利を縮小された時代であり、その意味で、個別具体的な事例はともかく、総じていえば、希望格差が縮小する時代であったと言える。

P153

恋愛結婚は1955年体制において発達した結婚形式だと言える。事実1955年当時35%ほどだった恋愛結婚率が、75年には65%にまで急増した。
そもそも民主化が進まないと自由恋愛はできない。個人の自由のない社会では恋愛結婚は難しい。階級や身分の壁が存在していては駄目である。そういう意味で、まさに恋愛結婚は中流化の時代にふさわしい結婚形式だったと言える。

P155

実際、結婚ほど同じ階層の人間同士を結びつけるものはない。個人だ、自由だとはいっても、そもそも異なる階層の人間と出会うチャンスがないし、出会っても、恋愛の、まして結婚の対象とは考えないのが普通である。一流商社マンはパチンコ屋で働くおねえちゃんとは結婚しないし、ミリオネーゼ系女性は自分のオフィスを掃除する男性とは結婚しない。なぜか。
所得、職業、学歴、趣味など、全てにわたって階層が違うからだ。階層が違うと話も合わないからだ。どんなに相手がいい人でも、結婚となると、その問題が頭をもたげる。

P165

出身階層が低い生徒にのみ見られる傾向として、「将来のことを考えるよりも今の生活を楽しみたい」という「現在志向」的な価値観が強い生徒ほど自己有能感が強い。同時に「あくせく勉強してよい学校やよい会社に入っても将来の生活に大した違いはない」という「成功物語否定的」な価値観の生徒ほど自己能力感が強い。つまり、出身階層の低い高校生ほど、学校、学習以外のところで、自己能力感を覚えているということである。自己能力感を自分らしさ志向や自己実現感覚と読み替えれば、下流ほど自分らしさ志向が強い事が説明できる。

P180

団塊ジュニアの「下流」の三種の神器

3P

パソコン 

ページャー pager 携帯電話

プレイステーション テレビゲーム

5P

上記3Pに加え、ペットボトル、ポテトチップスを加えて5P。

P186

朝のニュースを見るテレビ局として、「上」は33.3%がNHKで最も多いのに対して、「下」は39.6%がフジテレビである。

P205

「上」の男性は、性格が明るく、人の好き嫌いがあまり無く、人付き合いがよく、気配りができて、実行力があり、依存心が弱い。逆に「下」の男性は、性格が暗めで、優柔不断で、依存心が強めである。簡単に言えば、「上」の男性は、組織のリーダー的な男らしい男性、スポーツマンタイプの男性が多い。

P214
男性と女性が類としてではなく、個人として向き合うようになると、必然的に恋愛は困難になる。まして結婚という長期経営事業のパートナーを捜すとなれば、相手の持っている資源を事細かに吟味する必要が生じるし、そのためには相手をよく知るためのより高度なコミュニケーション能力が必要になる。
コミュニケーション能力が高い男女ほど結婚しやすく、仕事もでき、消費も楽しむと言う一方で、コミュニケーション能力の低い男女ほど結婚しにくく、一人でいることを好み、仕事にも、消費にも意欲がないという分断が生じる。つまり、男性であれ、女性であれ、コミュニケーション能力と言う性格によって、上流と下流に分かれていく。そして、言うまでも無く、上流の男性は上流の女性と、下流の男性は下流の女性と結びつきやすい。

P234

親は、そして行政、社会は、全ての子どもにできるだけ多様な人生の選択肢を用意してあげるのが義務である。

P238

山の手というのは、文字通り山の方、丘のほうである。丘の上には支配階級が住む。どこの国でも上流階級は高いところが好きである。山の上、丘の上に住む。アメリカならビバリーヒルズ、パリならモンマルトルの丘。丘が無ければ高層マンションを建てて、最上階に住む。六本木ヒルズも同様である。

P267

完全な機会均等とは、親の経済力、職業、地域社会の特性など、子どもが自分で選択できない外的な環境の差から来る全ての不平等をなくすということである。親が貧乏でも、低学歴でも、地位の低い職業についていても、教育観が間違っていても、無気力でも、そして住んでいる地域全体がそういう人の多い地域であっても、その子どもに能力があれば、どんなに高い教育でも受けさせる事ができ、どんなに地位の高い職業にも就く事ができるということである。能力があっても意欲がない子供もいるだろうと言う反論もありえるが、今日の教育社会学は意欲もまた階層が規定すると言っている。とすれば、完全な機会均等社会では、階層に規定された無気力は存在しない事になる。
しかし、こうした完全機会均等論は解決しがたい問題を内包している。すなわち、もし、完全なる機会均等社会が実現したら、結果の差は全て純粋に個人的な能力に帰せられる。しかしそれはそれで非常に苛酷な社会ではないかと思える。
お前の成績が悪いのは、親が貧乏だからでも、低学歴だからでもなく、ひとえにお前の頭が悪いからであり、勉強や仕事に意欲を持てない性格だからなんだということになってしまう。言い訳がまったくできない。そしてそれは究極的には、頭の悪さや無気力の原因を遺伝子に求める事になり、悪しき優生思想にたどり着く危険がある。

P269

入試には下駄履き入試を!!
親の階層が低い子どもは学力が低い傾向にあり、それは遺伝ではなく、家庭環境のためであるとするなら、大学入試で、親の所得の低い家庭の子どもは合格点を下げればよい。いわゆる「下駄を履かせる」と言う方法である。ついでに所得の高い親の子弟は合格点をあげればよい。それが無理なら「ドラゴン桜」のように偏差値の低い中学・高校ほど指導力のある教師を沢山送り込むべきである。

P271

一流大学の授業は全てインターネットで放送し、世界中のどこにいても受けられるようにする。地方在住者にとって、東京に集中している一流大学への進学は非常に生活費がかかり、そのために進学を断念せざるを得ないケースがある。インターネット授業をすれば、授業料が高くても、生活費が不要となるので、貧しい地方の貧しい家庭には朗報だ。地方の有為の人材を開拓できる事は社会全体にとっても有意義だ。
 インターネット授業が広がっても、やはり東京で暮らし、友人を作ることが階層上昇のためには有利だ。だから東京での生活を支援する資金が欲しい。そこで、地方自治体がお金を出して、優秀な人材、意欲的な人材を選び、東京への進学、生活費を補助する。

P282

昔なら、階層の高い人より低い人のほうが昼夜を問わずに沢山働いていたはずだ。が、現在は階層の高い人ほどハードに働き、低い人ほどあまり働かない。というか、そもそも職がないという状況がある。だとしたら、今もハードに働いている人は、どうして働いているのだろうか。

第一の説はやはり階層である。上流に生まれた人ほど勤勉な生活態度や、社会や国家のためにものを考え行動をすると言う習慣が身についているが、下流に生まれた人ほど怠惰に気楽に生きようとする、と言う説である。

語句調べ

干物女(かまやつ女)
恋愛を放棄している、様々な事を面倒くさがり、適当に済ませてしまう女性のこと。
ひうらさとるは、干物女は「恋愛は面倒臭いからしない」という考えを持っていると語っている。 
基本的には20~30代後半の面倒臭がり、恋愛を放棄する女性を指す。特徴は
メールの返事が極端に遅い、短い
簡単な食事なら台所で立って食べる
忘れ物を靴を履いたまま、部屋に上がり取りに行く
休日はノーメイクでノーブラ
半年ほど美容室に行っていない
冬場は、毛の処理を怠る、又はしない
1人で居酒屋に入れる
最近ドキドキしていない
名古屋嬢
名古屋市とその近郊に在住する18歳から20代の女性を指し示す言葉の1つ。広い意味では名古屋周辺のギャルやお姉ギャル、狭い意味では名古屋の裕福な家庭で育った、コンサバファッションの若い女性(いわゆる「お嬢様」)と広範囲の意味で使われる。

語源は、語呂合わせで「名古屋城」に「名古屋のお嬢様」を掛けたものだと思われる。
概要
名古屋市またはその近辺に在住の大学生から20代前半を中心とした一部の女性のことをさす、近年そのファッションやヘアースタイルが注目され「名古屋巻き」という髪型が生まれた。

典型とされるスタイル
彼女達はたいてい「長く派手な縦巻きカール」という髪型をしており、これが東京のファッション誌で注目されいつしか「巻き髪」「名古屋巻き」などと呼ばれるようになった。 この髪形を考えたのは東京南青山の美容室「BLANCO」で活躍されている愛知県出身の美容師土屋雅之さんで、名古屋に勤務していた頃に考案したと言われている。

服装はマイクロミニのスカートにロングブーツといった「派手好きな名古屋人」というイメージそのままのである。逆に落ち着いたコンサバファッションの名古屋嬢達は、その分をバッグやアクセサリーの派手さで補っている。ちなみに洋服は基本的にヴィッキー、クイーンズコート、インディヴィといった国内アパレルメーカーの若者向けブランドに装飾品をシャネル、エルメスなどの海外の高級ブランドで合わせるスタイルが一般的である。海外高級ブランドの洋服を着るというスタイルはごく稀である。


典型とされる家柄・学歴 ・ライフスタイル
近年は名古屋を中心とする中京圏で、無理やりこのようなスタイルをする女子学生が多く見受けられるが、一般的なイメージでは、あくまでも彼女達は家庭が裕福なためブランド物を買うために汗水流して働くわけではなく、小遣いなど親からの支出によると思われている。しかし、洋服やアクセサリーなどの購入の際、中京圏の若い女性は、ファッションに関心の高い母親と同伴である場合が首都圏・京阪神の若い女性に比べて多いのは事実である。彼女たちの服装が落ち着いたデザインであるのは、母親との同伴では、品物の選択でその意見が反映されることも一因である。

名古屋嬢と呼ばれる若い女性は概ね、ローマ字の頭文字を取って「SSK」と呼ばれている椙山女学園・愛知淑徳・金城学院の、全国知名度は弱いが名古屋など中京圏では伝統のある女子教育を主とする3つの学校法人の大学(ただし現在、愛知淑徳の中学・高校は依然女子校だが、大学は共学化、他の2法人は現在も中学・高校・大学ともに女子校・女子大学)の在学生またはOGでないと認められないとする説があるが、そのような女性が名古屋嬢の典型であるに過ぎず、名古屋嬢は彼女達に限られるものではないと見るのが妥当であろう。先述の3つの学校法人の系列では、中学校から大学までエスカレーター制(学内進学)で進学する者が多い。そのような彼女達は受験勉強もなく、親から好きなものを与えられ、金銭にも困らず、大学卒業後は就職先も秘書や受付もしくは一般職につき、5年以内には結婚するという穏やかな少女時代を送っているとの、旧来からのイメージがある。
便乗商品、ブランド店舗
このブームに乗っかり、リカちゃん人形では「名古屋嬢リカちゃん」なる商品も発売し、テレビでも名古屋嬢をテーマとしたドラマ『加藤家へいらっしゃい! 〜名古屋嬢っ〜』(メ〜テレ)や、ワイドショーで度々名古屋嬢特集が放映されている。また小学生女児向けのブランドもナルミヤ・インターナショナルが人気で、デパートでは孫に買い与える祖父母にターゲットし絞った営業戦略を行っている。そうしたことで名古屋嬢予備軍も成長している。メーカー直営ショップも名古屋駅やその近辺のデパート内や繁華街の栄で直営店を出店したりと、『名古屋でブランド物といえばコメ兵』という構図が崩されつつある。
名古屋嬢が主に買い物をするところ
松坂屋
三越
名鉄百貨店
丸栄
上記4つの百貨店を総称して4Mと呼ぶことがある。どのデパートでも名古屋嬢に人気のブランドショップが立ち並んでいる。特に人気なのは規模の大きい松坂屋と三越であろう。丸栄は他の3店舗とは趣が異なるブランドが入店しており、ややギャル系よりのブランドが多い。三越の別館であるラシックはややカジュアル向けのブランドが多い。
高島屋 (ジェイアール名古屋タカシマヤ)
名駅地区最大の百貨店である。

名古屋嬢が好む主なブランド

バッグ、財布など
ルイ・ヴィトン
シャネル
エルメス
グッチ
コーチ
クリスチャン・ディオール
プラダ

アクセサリー類、時計
ティファニー
カルティエ
ブルガリ
ロレックス

雑誌類
名古屋嬢達が手本とするファッション誌の中でも特に人気があるものを挙げる。

JJ
CanCam
Ray
ViVi

主な名古屋嬢
浅井香名
浅井千愛
平田香織
湯地祐文

ミリオネーゼ

「ミリオネーゼになりませんか?」という本を出した出版社、ディスカバー21の造語。アメリカの本「Six Figure Women」の翻訳。Six Figureとは6桁、つまり10万ドルということで、約1000万円以上の年収を意味する。これが日本だと、月収100万円相当ということで、ミリオネーゼとなった。現実のミリオネーゼ系は年収500万円程度だろうが、それでもかなりリッチ気分は味わえる。

コンドミニアム condominium

分譲形式集合住宅。分譲マンション。

ロハス(LOHAS)Lifestyle Of Health And Sustainability

健康で持続可能な生活様式。いわゆるスローライフ志向である。
健康や環境問題に関心の高い人々のライフスタイルとされる。
概要
1998年、アメリカの社会学者ポール・レイと心理学者のシェリー・アンダーソンが、15年にもわたる調査により、カルチュアル・クリエイティブズ(en:Cultural Creatives)と呼ばれる環境や健康への意識が高い人々の存在を確認したことを元に、レイと起業家のジルカ・リサビ(後のGAIAM創立者)が協力して開発したマーケティングコンセプトが "LOHAS" である。アメリカでは毎年LOHAS市場を拡大するためのLOHAS会議が開催されている。2002年に大和田順子が日本人として初めて[要出典]LOHAS会議に参加し、日経新聞などでLOHASを紹介した。

アメリカにおける LOHAS
アメリカの調査機関NMIが、LOHAS層を「環境と健康に関心、社会に対する問題意識、自己啓発・精神性の向上に関心が高く、実際の行動に移す人々」と定義し、2002年よりその割合を調査している。この調査にはカルチュアル・クリエイティブズを提唱したレイもアドバイザーとして協力している。2005年の調査によるとアメリカの成人人口の23%がLOHAS層だという(他、LOHAS層に近いが行動に至らない NOMADICS:39%、価値観を特に持たないCENTRISTS:27%、日々の生活に追われる INDIFFERENTS:12%)

アメリカでは「LOHAS」という「言葉」はビジネス用語として普及しており、一般消費者にはほとんど知られていない。一般消費者向けの「LOHAS」という「言葉」は、アジア(日本、韓国、台湾)から発信されていると言える。

日本におけるロハス
2002年9月に日経新聞が、当時イースクエアに所属していた大和田のLOHASを紹介する記事を掲載。その後、月刊誌『ソトコト』が2004年4月号でロハス特集を組むなど、マスメディアが注目したことでロハスが広まっていった。 2005年より、イースクエアがNMIと同様の調査を日本でも行っている。2005年の調査によると、日本の成人の29%がLOHAS層だという(他、NOMADICS:27%、CENTRISTS:28%、INDIFFERENTS:16%)。

日本では、「健康と環境を志向するライフスタイル」と意訳され、スローライフやエコに続いて広まった。一般的には、健康や癒し・環境やエコに関連した商品やサービスを総称してロハスと呼び、ロハス的な事・物に興味を持つ人をロハスピープルと呼ぶ。

ロハスに対する批判
「LOHAS」はあくまでもマーケティングのために生まれたコンセプトであり、健康や環境にどれだけ良いのかという科学的視点が欠如しているのではないか。アメリカで開催されている「LOHAS会議」は元々はナチュラリストのための自然食品などがテーマの会議であり、「カルチュアル・クリエイティブス」を対象としていた本来の「LOHAS」とは異なった概念になってしまっているのではないか。 (上記は日本におけるサイトやブログなどを元に得た印象から書いているため、事実認識の時点で誤っている可能性があります)

ロハスとして取り上げられるものに対する批判
ロハスの定義の不明確さ
『ソトコト』は様々な製品・サービスや団体・個人をロハスであるとしているが、明確な基準を示してはいない。例としてマイナスイオン商品やリサイクル品でもない長靴をロハスプロダクツとしていることがあげられる。健康と環境問題を最優先事項とするライフスタイルがロハスであるはずだが、それに該当しない製品や個人をロハスだとすることも多く、それまで『ソトコト』が特集を続けていたスローライフをそのままロハスに取り込んでいる可能性がある。また、LOHASのSであるSustainability(持続可能性)という言葉を、活動の持続可能性や個人の健康の持続可能性といった地球の持続可能性とは異なった意味で用いることが多く、拡大解釈をしていると言わざるを得ない。
ロハス関連製品の高価さ
ロハス関連会社は環境保護を理由に高価な製品を売っているとの批判がある。このような批判に対し、環境保護だけに特化した製品では個人のエゴが満たされず、世の中に広まらないとする反論もある。だがこのような批判は、ロハス関連製品を購入して満足してしまわないためにも必要な視点である。
『ソトコト』自体がロハスでない点
環境がテーマであるにもかかわらず、『ソトコト』が再生紙を使用しているとする記述は無い。再生紙などを用いることで『ソトコト』そのものもロハスになるべきである。
NPO法人によるロハスビジネス化
NPOローハスクラブが開催するロハスをテーマにしたセミナーは、アメリカのロハス関連企業を事例にロハスを学べるものであるが、高額であることや、ロハスコンセルジュに認定することを強調していることから批判の声も多い。

トリクルダウン理論(trickle-down theory)とは、富める者が富めば、貧しい者にも自然に富が浸透(トリクルダウン)するという経済理論あるいは経済思想である。

トリクルダウン(trickle down)とは徐々に流れ落ちるという意味で、政府のお金を公共事業や福祉などで国民(特に低所得層)に直接配分するのではなく、大企業や富裕層の経済活動を活性化させることによって、富が低所得層に向かって徐々に流れ落ち、国民全体の利益となることを示したものである。日本においても、所得税の最高税率を引き下げる時に、この考え方を根拠として用いている。

トリクルダウン理論は、サプライサイド経済学の代表的な主張の一つであり、この学説を忠実に実行したレーガン大統領の経済政策、いわゆるレーガノミクス(Reaganomics)について、その批判者と支持者がともに用いた言葉でもある。サプライサイド経済学は実行に移され、実際に経済は回復したが、何が回復原因となったについては議論が続いている。多くの専門家の意見として、連邦準備理事会議長(アメリカの中央銀行総裁)であったヴォルカー(Volcker, P.)はスタグフレーションを解決するために既に正当な政策を始めており、回復要因はこの金融政策にあったと見ている。また、レーガンの経済顧問を務めたストックマン(Stockman, D.)は後に、サプライサイド経済学やトリクルダウン理論はレトリックだったと述べている。

トリクルダウン理論の発想の原点は、マンデヴィル(Mandeville, B.)の主著『蜂の寓話:私悪すなわち公益』 (1714)に求めることができる。この本の副題「私悪は公益」("private vices, publick benefits”)は、資本主義社会の本質を端的に示す言葉として有名である。私悪とは利己心のことである。利己心にもとづく各個人の行動が、結果的に(個人が意図したわけではないのに)全体の利益(公益)をもたらすという考え方である。この考え方は、レッセフェール(自由放任主義)につながるものであり、アダム・スミスなど古典派経済学の経済学者に大きな影響を与えた。

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