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ショルティコミュの「ショルティ自伝」

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ハンガリー生まれのユダヤ人ということで、ナチスの台頭により、危機にさらされるが、スイスでに逃れ、終戦後は、アメリカに渡らず、ドイツの廃墟で、ひたすらコレペティトゥーア(オペラのリハーサルで個別に歌手にピアノで伴奏をつける)をしてチャンスを窺っていたことが、よかったという。(ショルティはジュネーブ国際ピアノコンクールの優勝者でもある)。当時アメリカに渡っても亡命した巨匠が大勢いて、自分の活躍の場はなかっただろうと書いている。そして徐々に指揮や音楽監督をこなし、ロンドンのコベントガーデンのシェフになり、その後満を持してシカゴ響と22年という蜜月を過ごすことになる。ショルティによると、ヨーロッパのオーケストラはスケジュールがタイトで、後進の教育に割く時間がないが、アメリカはその点ゆとりがあるので、オーケストラの水準が高いという。シカゴ響のシェフを退任したあとは、フリーの立場でウィーンフィルとの共演を果たす。まさに、幸運に恵まれた指揮者だったといえるだろう。


リスト音楽院ではバルトーク、コダーイ、ヴェイネルらに教えられ、修行時代にはトスカニーニやR・シュトラウスらとの交流を通じて音楽的成長をとげた。そして今世紀屈指の名指揮者となったショルティは、今度はその生涯でかち得たものを若い世代に伝えるべくこの本で饒舌に語りはじめる。大戦に揉まれた青春時代、指揮する歓びと苦労、奏者や楽団との関わり、20世紀の音楽界、大作曲家の作品解釈についての示唆などなど―本書は、人生における幸福ということについても多くをわれわれに語りかけてくる。オペラに管弦楽に、比類ない輝きにみちた演奏を指揮して逝った名匠の回想記。
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