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やっぱり十番街!コミュの@の小説。題名は…まだ決めてません(爆

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ちなみに小説の設定は、@のHP『Sailor Memories』に掲載しております。こちらを一読されてからこの小説を読まれるとお判りになると思います。ちなみにアドレスはこちら↓
http://www.moon-stairs.com/moon_story/index.htm

題名「まだ決めてません(爆)」

「なんて早さなんだ!こっちの攻撃を避けまくる!!」
ジュピターが放ったシュープリームサンダードラゴンを軽快な身のこなしで難なくかわす黒いタキシード姿の巨漢。
「セーラージュピター、見かけだけで判断するのは…命取りになる。タキシード・ラ・スモーキング・ボマー!!」
タキシード仮面と同じ容姿…ただ体格が巨漢になったデブ仮面・タキシードでぶ仮面は、高出力の光線を放ってきた。体格が大きいだけに、放つ技までもが巨大化している。
「…っと!この風船デブ!これでも喰らいなさい!マーズ・フレイム・スナイパー!」
マーズが宙返りして光線をかわし、その体勢から炎の矢を素早く数本、でぶ仮面に放つ。が、でぶ仮面はその矢を全て叩き落とし、更に掌底でマーズに放ち返し始めた。
「な、なんですって!!」
着地したばかりのマーズに、炎の矢が襲いかかる。
「ウォーター・スクリーン!!」
そこに、マーキュリーが水の壁をマーズの前に張り巡らす。矢は水の壁に突っ込むが全て壁を通り越す前に消えてゆく。
「チームワーク、なかなかのものねぇ…。さすがはセーラーチーム。敵に回すとやっぱり厄介だわね」
アリンナ教枢機卿・紅い魔女の異名を持つ紅彩音は、目の前で起こっている戦いを楽しそうに見やっている。
「ミシェ18、あのおデブのタキシード仮面頑張ってるじゃない。ひょっとしたら、始末しちゃうかも?」
上空で佇みながら、横で巨大なぬいぐるみに乗って戦況を見守っているミシェ18に彩音が話しかける。
「まだ、わかりません。今現在、セーラージュピター、セーラーマーズ、セーラーマーキュリーが確認できていますが、セーラームーン、セーラーヴィーナスの所在が掴めていません」
ミシェ18は冷静に戦況を分析する。
「なるほどね…。伏兵、って訳?」
彩音はそう言いながら、再び戦いの場へ視線をやる。
「その程度かね、セーラー戦士の諸君!」
「きーっ!デブにバカにされるなんてくやしー!!」
マーズ、怒り心頭に発するが、
「セーラーマーズ。冷静に考えて。私たちは相手がデブだからという先入観だけで、攻撃していたんじゃないかしら?」
「どういうこと、セーラーマーキュリー?」
「つまりは、デブだから動きが鈍い。そう考えるから、攻撃パターンも読まれている…だろ?セーラーマーキュリー?」
「ご名答、セーラージュピター。相手はおデブさんだけど、動きは敏捷。だったら、どうするかしら?」
「セーラー戦士の諸君。言葉の端々に「でぶ」という言葉を付けるのはやめてくれないかね?失礼とは思わないのかね?これでも私はデリケートなのだ!」
でぶ仮面は3人を嘲笑するように言うと、無数の紫のバラを3人に投げつけてきた。
「おデブ仮面さん。『前門の虎、後門の狼』という言葉をご存じないのかしら?」
セーラーマーキュリーは、自分達に襲いかかるバラを前にして不敵に笑ってみせた。
「なに?」
マーキュリーの言葉に怪訝な表情になるでぶ仮面。すると、マーキュリー達の前面に巨大な水の壁…マーキュリーが作り出したウォータースクリーン…が立ち塞がり、全てのバラを打ち砕いていく。更に、その水の壁が不意にでぶ仮面目掛けて突進を始める。
「なに!壁が動くというのか!!しかし…」
でぶ仮面は慌てることなく再びタキシード・ラ・スモーキング・ボマーを出力最大で放ち、壁に大穴を開けて水の壁の突進を難なく突破したが、間髪入れずマーズのマーズ・フレイム・スナイパー、ジュピターのスパークリング・ワイド・プレッシャーがでぶ仮面に襲いかかる。
「これが、『前門の虎、後門の狼』かね?」
予期していた攻撃を見やって、皮肉たっぷりに言い放つでぶ仮面。が、背後から放たれた二条の光線がでぶ仮面に直撃し、流石のでぶ仮面も苦悶の表情で転げ回る。が、でぶ仮面も転がりざまに前から襲いかかる炎の矢とエネルギー弾に向け、タキシード・ラ・スモーキング・ボマーと紫のバラを放ってこれを相殺させると、跳ね上がるように起きあがった。が、ダメージを受けているらしく、肩で息をしているのが見て取れる。
「ま、まさか…」
ハァハァと喘ぐでぶ仮面が振り向くと、ビルの屋上に2人の人影が確認できた。
「タキシード仮面さまを名乗っちゃう、どこからど〜みたって全然似てないデブデブ仮面!!このセーラームーンと!!」
「このセーラーヴィーナスが!!」
「月に代わっておしおきよ!」
仮面を付けたセーラームーンとセーラーヴィーナスが、不敵に笑いながら言い放つ。
「今までのセーラー戦士如きなら、いとも簡単に気配を感じ取れたはず…。それが…」
でぶ仮面、予想外の展開に驚愕の表情にうってかわる。
「これで、ゲーム・オーバーよっ!」
ムーン、ここぞとばかりに見得を切るとヴィーナスが、
「いけっ!ルナティック・ツイスター!!」
と叫び、2人同時に何かを放った。
それは、ムーンのムーン・ティアラ・アクション、ヴィーナスのクレッセント・ブーメランが同時に放ち、互いを螺旋状に回転させ光のドリルともいうべきモノを作り上げる、ムーン・ヴィーナスのリンク技であった。互いのティアラは激しく回転し、蛇行や直進を繰り返し、照準が定まっていないように見える。それを見たでぶ仮面は、大ジャンプをしてその光のドリルをタキシード・ラ・スモーキング・ボマーでうち消そうとしたのだが、今度は背後に回った3人のセーラー戦士から攻撃を受け、ダメージを受けつつ落ちていく。その隙を逃がさなかったルナティック・ツイスター、突然スピードアップして、でぶ仮面目掛けて一直線に突進を始めた。
「ぎゃーっ!!」
断末魔の叫び声を残し、でぶ仮面は光のドリルに体を貫かれ、シルクハットを残して消え去った。
「いぇい!!」
ムーンとヴィーナスが親指を立て合って、ニヤリと笑う。
「アリンナから離れて、一時的には無力化していたようだけど…。まぁ、これからが楽しみだわ。ミシェ18、帰るわよ」
「はい、彩音さま」
上空で戦況を見ていた2人は、リンク技を見ても特に驚いた様子もなく姿を消した。
「今までどこうろついていたのよ!セーラームーン!!」
マーズの厳しい叱声が飛ぶと、
「ちょっとマーズちゃん。あたしと、ヴィーナスちゃんがいなかったら、あ〜んな風船デブに負けちゃうトコだったのよ!!感謝の一言ぐらい、言ってくれたっていいんじゃない?」
「あ〜ら、あんな風船デブ。あたし達3人で適当にあしらってあげただけよ。それを、あんたが美味しいトコ取りしただけじゃないの」
「うっわ〜!!マーズちゃんひっど〜い!!今度ピンチになってもぜ〜ったいに助けてあげないから」
ムーンとマーズがケンカを始めると、
「ちょっと、セーラームーン。そんなに怒らなくたって…」
とヴィーナスが止めようとすると、
「ヴィーナスちゃん!!マーズちゃんを甘やかしちゃダメなのよ!!たまにはね、びしーっ!!と厳しい事も言わなくちゃいけない…」
ムーンがヴィーナスに反論していると、目の前を赤いバラが通り過ぎていった。
「赤いバラ…ってことは…タキシード仮面さま!?」
すっかりラブリーモードに入ったムーンが、バラを投げてきた方を見る。そこにはやはり、タキシード仮面が立っていた。が、タキシード仮面の口から出た言葉に5人のセーラー戦士は肝を冷やす。
「セーラー戦士の諸君、油断大敵とはこの事だな…。後ろを見てみるがいい」
言われるがまま、5人のセーラー戦士が後ろを振り向いてみると、でぶ仮面がかぶっていたシルクハットが牙をむいて、今まさにムーンの首筋に噛みつこうとしていた光景が飛び込んできた。タキシード仮面のバラによって息の根を止められたシルクハットが、断末魔の叫び声を上げながらムーンの足下に落ち、やがて粉末状になり、かき消えていった。その光景を見た5人のセーラー戦士は息を呑んだ。
「あのでぶ仮面を操っていたのは、このシルクハットだな。あのデブは奴のダミー。ダミーを操って、君たちと戦っていたのだ。それを見抜いていたかね?」
タキシード仮面の言葉が重くのしかかる5人の戦士。
「敵はアリンナ教だけじゃない。ウィヒト髑髏旅団、スヴァルトアールヴヘイム社もいるのだ。常に注意を払い、備えておくのだ。そういう奴らこそ、セーラーマーキュリーが言った『前門の虎、後門の狼』になりかねないからな」
タキシード仮面の言葉を重く受け止め、互いの顔を見合わせて頷き合う5人の戦士。
「今までの戦いとは訳が違う。気を引き締めてかからなくちゃ、私たちがやられてしまうわ。それに、アリンナ教に残ったままのちびうさや、ウラヌス・ネプチューン・プルート。そして、ミストレス9に戻ってしまったサターンも助け出さなくちゃ…」
タキシード仮面に諭されたムーンの言葉に、残りの戦士達は黙って頷いた。と、その時だった。
「あっ!雪だ…」
ムーンが目の前にちらつき始めた雪に気づく。
「今晩は積もるかもしれないわね…」
ヴィーナスがどんよりと広がる真っ黒の雲を見やりながら、誰とも無く呟いていた。

ご意見・ご感想などございましたら、ど〜ぞ。

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