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パワーファクトリーコミュの8耐決勝 レポート 長いので心してお読みください

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2005コカコーラ鈴鹿8時間耐久レース決勝
スタート
朝一番、決勝前のフリー走行が行われる。ここで前日の夜にメカニックが徹夜で仕上げたエンジンやサスペンションの様子を見る。エンジン・サスペンションともに異常なし。この走行で転倒車両も出てすでに波乱含みの決勝になりそうだ。気温は30℃前後というところだが、空が曇っている。この天候が後でドラマにつながっていくことをスタッフはまだわかってはいない。
フリー走行が終わって即座にスタート進行への準備を進める。当然ながらガソリンは満タン。タイヤも新品。スタート前のアトラクションが行われる中、祈る想いでマシンをコース上に送り出した。グリッドで選手紹介が始まる。順番に選手紹介が行われる。我々は予選36番手。このポジションを掴み取るために今日まで何ヶ月も数々の人々と苦労を共にしてきたことを思い出すと感無量である。72台のチーム紹介が終わり各車がウォーミングアップラップをスタートさせる。モニターで見守ること5分、全ての車両がグリッドについてスタートへの秒読みが開始された。西の空に黒い雲が近づいてきている11時30分であった。
グランドスタンド全員で10秒前からのカウントダウン。決勝スタート!スタート時の混乱に巻き込まれないことを祈りながらスタッフ全員モニターにくぎ付けになった。清水選手は無事に帰ってきた。順位は31位。胸をなでおろしながらここから始まる8時間の戦いにメカニック竹中を音頭にスタッフ全員で声をかけあった。「よろしくお願いします!」
 スタートライダーは清水選手、最初のピット作業は燃費の確認の意味を含めて50分後の予定。ここで燃費をしっかり測って1時間以上の全開走行が可能かどうかをチェックする。

1時間
最初のピットワークだけに全員が緊張の面持ちで清水選手が帰ってくるのを待つ。Fタイヤ 竹澤・丸山 Rタイヤ 竹中・高野 給油 池口・岡田 というメンバー構成でピット作業を行う。燃料は24リットルタンクに満タンするまで7秒。タイヤ前後交換に15秒、合計25秒以内に行うことが要求される。ワークスチームは平均20秒以内で行う作業である。練習では25秒が精一杯であったが、実際のレースでは確実性を重視して30秒というスケジューリングを組んである。予選の時点でマフラーから出火するというトラブルが発生したので、その対応策も準備してのピット作業になる。
 清水選手がピットに戻ってきた、タイヤ交換・給油も問題なく終了、30秒前後の作業で無事に的場選手がコースインしていった。この時点で総合32位クラス1位である。エンジン・水温・足回りなど問題なくマシンは走っている。燃費のも確認したところ1時間以上の走行が可能と判断。これからレースマネージメントを立てていくことになる。場内放送で大雨注意の放送が流れる。当然スタッフもレインタイヤの用意に抜かりは無い
2時間
的場選手は安定したタイムでラップを刻んでいく。少しずつではあるがポジションも上がってきている。しかし気になるのは西の空である1時間半を経過した時点でかなり黒い雲が空を覆ってきている。レインタイヤでの走行はある一定量の水が路面上に無ければコンパウンドがボロボロになってしまって使用は出来ない。しかし急な雨に降られてはスリックタイヤには全く溝が無いので氷の上を走っているような状態になってしまう。このタイヤ交換のタイミングをしくじってしまうと大きく順位に影響を及ぼす。もうすぐ2回目の交代が近づいている。スリックタイヤ・レインタイヤを両方用意してピットインを待つ。
 的場選手は予定通り1時間でピットインしてきた。今回もトラブルなくピット作業をこなす。今回も30秒くらいで作業がおわり、清水選手がコースインをしていった。しかしここからドラマが始まることになる。西コースで雨が降り出したのだ。それも大粒の夕立が始まった。清水選手はスリックタイヤのまま走りつづける。1周目、2周目まだピットインしてこない。スタッフ全員路面が濡れていく状況を見ながら転倒しないことを祈りつづける。3周目に入ってもまだピットインしてこない。完全に路面が濡れきった4周目、ようやくピットインとなった。暖めつづけていたレインタイヤをここで装着、給油も済まして交代することなくそのまま清水選手はコースインしていった。スリックタイヤでの我慢比べに耐え切れずいくつかのチームが転倒しているなか清水選手はギリギリの状態でなんとかピットに戻ってこれたことが我々のチームに一つのツキを生み出したのだった。
この時点で総合24位 クラス1位である。

3時間
清水選手がレインタイヤで滑る路面と格闘しながらも、ピットでは別の戦いがあった。ダンロップタイヤとの交渉であった。これまでは17インチのレインタイヤを使用していたのだが、ドライタイヤと同じサイズである16.5インチのレインタイヤを供給してもらうための交渉であった。選ばれたチームにしか供給されないレインタイヤを我々のチームにも供給してもらうため、現場で福園監督の頑張りがあったこと。そしてそのレインタイヤがかなりの性能を発揮してくれたため、レインコンディションでのいいタイムを連発することにもつながったのだ。ここで異例にもライトオンのサインが出された。8時間耐久で2回もライトオンのサインを見ることになろうとは思わなかった。それほどまでに雨が強く降りだしたのだった。大雨雷警報が発令される状態の中、順調に周回を重ねる清水選手の走りに危なげな様子は感じられない。予定よりも若干長い1時間20分の走行で清水選手にピットインのサインを出した。いわくつきのレインタイヤを交換し、的場選手がコースインしていった。ピット作業も30秒で無事に終了。この時点で総合21位 クラス1位である。


4時間
我々のチームのエントリークラスはSPPクラスといってエンジン以外の改造については規制が無い。逆にいうとエンジンの改造は一切出来ない。通常ならば直線やコーナーの立ち上がりでは改造がフリーのクラスには全く歯が立たない。しかし雨が降れば話は変わってくる。エンジンパワーをフルに使えない今の状況は、マシンの性能よりもライダーの操縦技術がタイムに大きく影響を及ぼすのだ。幸いにして清水選手も的場選手も雨に強いライダーであった。特に的場縁主の雨の中での走りは特筆するものがあった。その速さはこれからのポジションにしっかり現れてくるのだった。的場選手のホームコースである鈴鹿サーキットを安定したタイムで刻んでくる的場選手。他チームのトラブルや転倒をよそに着実にポジションをアップさせてきている。的場選手の順調な走りを見て、大きく作戦を変更させることになった。フルスロットルできない状態が続いているので燃費が向上している。ここは1時間で交代のところを1時間20分走行させてトータルのピットインの回数を減らして更なるポジションアップをめざすということだ。作戦をサインマンに告げて予定通りの時刻にピットサインを出した。ピット作業もここでもトラブルなく完了。レインタイヤを装着して清水選手がコースインしていった。この時点かなりのポジションアップに成功する。で総合13位クラス1位である。

5時間
清水選手も雨の中安定したラップタイムで周回を重ねる。順位はピットインする前と変わらない13位をキープしつづける。上の順位には名だたる有名なチームしかいない。もちろんその中にはワークスチームや、海外招待チームも含まれている。その中に我々のチームの名前があるこの状況は一瞬信じられない状態でもあった。レースは後半戦に入っているがまだ3時間も残っている。このあと路面もドライへと変わっていく。またもやタイヤ交換のタイミングに神経を注がねばならない。
 清水選手に1時間20分走行でピットインのサインを出す。天気は晴れの方向になりつつあるが西コースはまだ濡れている模様。念のためスリックタイヤも用意する。他のチームはどちらのタイヤを選択するのだろうか?様子を見ているとトップを走るセブンスターホンダがピットインする様子である。トップはレインタイヤをチョイス、しかしいくつかのチームはスリックを選択するというギャンブルするチームもあった。様子を見るためにもギリギリまで清水選手には走行させることになる。ここでトップが緊急ピットインしてレインからスリックタイヤに交換。ここで珍事件が発生する。もう2位を走行するワークスホンダのマシンを清水選手がシケインの進入でパスした光景がモニターで映し出されたのだ。ピット内は大騒ぎとなった。当然1ラップ周回が遅れていたのを回復したのである。
8時間耐久でも非常に珍しい光景であっただろうし、ワークスホンダをたとえタイヤチョイスを誤っていたとしても、レース中に抜くなんてことはありえないことである。数周走行を重ねた時点で急激に路面が乾いてきたため緊急のピットインでスリックタイヤに交換することになった。ここで痛恨のミス。ライダーを乗車したままでタイヤ交換を行ってしまったのである。このルール違反で30秒のペナルティイストップを課せられることになった。ペナルティストップを受けた後的場選手にスイッチ。この時点で総合13位クラス1位である。

6時間
ライダーの体力と集中力を考えて次のピットインは40分後の予定。的場選手はスリックタイヤに履き替えた後も安定したラップを刻みつづける。のこりは1時間20分となった。
この時間帯は魔の時間帯である。上位陣に様々なトラブル、転倒によりペナルティで一度下がった順位が上がったのである。同じようなトラブルが我々のチームにも起こらぬことを祈りつつもモニターを見つめる。ようやく清水選手から的場選手へのスイッチ。若干のセッティングを行ったので1分でピットアウト。残すは1回のピットストップとなった。この時点で総合14位クラス1位である

7時間
清水選手が走行中も順位が目まぐるしく移り変わる。ドライグリップでのパワー勝負では改造フリーのマシンにはかなわない。ジリジリと順位を下げてくるのは致し方ないのであるが、上位陣の転倒もあり総合15位のポジションを維持しながらの周回となった。しかし後方から打倒ワークスチームに燃える二チームが5秒ずつその差を詰めてくる。のこり40分というところで最後のピット作業である。清水選手から的場選手にスイッチ。全員に声をかけて気合を入れなおすメカニックの竹中。清水選手はスタッフ全員の拍手でピットに出迎えられた。6時半になり、今日2回目のライトオンのサインが出る。我々のマシンの独特のブルーHIDライトがストレートを通過する。
 義務を果たしたライダーとメカニックが床に座り込んでモニターを見つづける。全員の想いは一つ。最後まで無事に走りきって欲しい。ストレートを走り抜ける的場選手にとにかく祈った。背後にはFCCテクニカルスポーツのマシンが迫る。しかし焦らすことを防ぐためにもあえてその情報はライダーに伝えることはしなかった。

ゴール
残りを20分を切ったあたりから、もう全員がモニターの前に並び、ただひたすらに的場選手が無事通過することだけを祈った。そして残り5分を切った時スタッフ全員でプラットホーム飛び出した。サインマンが的場選手が通過することを告げるたびに壁に乗り出して声援を送った。そして8時間が経過。トップが大きくガッツポーズをして通過、それから2分後、最終コーナーに独特の青白い光が見えた。的場選手は大きく手を振って目の前を駆け抜けていった。総合16位クラス優勝の瞬間だった。

ライダーから
清水 秀一
資金を提供してくださったINT株式会社様、オイル、タイヤ、パーツを供給してくださったテクニカルスポンサーのみなさま、今日まで支えてくれたスタッフのみんな、応援してくださったすべてのみなさまに心よりお礼を申し上げます。ありがとうございました。
新しいマシンの導入の遅れや、直前でのエンジン破損にもめげずにみんなでがんばってきた結果が報われたのが本当に嬉しく思います。最高のレースができました。本当にありあとうございました。

的場 浩晃
皆様本当にお疲れ様でした。無事に8時間耐久を走りきることができました。初めての8時間耐久レースでしたが、最高の結果が残せたのも応援してくださった皆さん、支えてくれたスタッフのおかげです。最高の体制でレースが出来たことに心より感謝しております。本当におつかれさまでした。そしてありがとうございました。

監督 福園 豊
資金を提供してくださったINT株式会社様、オイル・パーツ・タイヤ・ツナギ・ヘルメットマシン製作などの支援をしてくださった全てのテクニカルスポンサーの皆様。応援してくれた全ての皆様、ありがとうございました。
総合16位、クラス優勝、世界耐久選手権シリーズ6位入賞、SPPコースレコード樹立
プライベータ−としては最高の結果でレースを終えることが出来たと思います。
 最後まであきらめずに力をあわせて頑張ることが、どれだけ凄い力になるか。これこそが私たちパワーファクトリーロードウェイが示したかったことなのです。
 これからも私たちはこのことを胸に刻み付けて残りの全日本選手権を戦い抜きます。
このたびは支援・応援してくださった方々全てに心よりお礼申し上げます。ありがとうございました。

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