ログインしてさらにmixiを楽しもう

コメントを投稿して情報交換!
更新通知を受け取って、最新情報をゲット!

村上玄一ゼミOB会コミュの村かミGen1のゴミ箱 1

  • mixiチェック
  • このエントリーをはてなブックマークに追加
※村上先生からのメッセージです。

  手紙・ロンドン在住の友へ


○○○○様

大学は2月から春休みです。もう1か月が過ぎてしまいましたが、まだ1か月も残っています。
今年の東京は花粉も酷くなく、過ごしやすい気候ですから、この時期に充実した日々を送らなくはならないと思うのですが、
WBC(ワールド・ベースボール・クラシック)が始まっていますし、選抜高校野球ももうすぐです。プロ野球の開幕も間近です。
野球ファンには楽しみな季節の到来です。英国はベースボールをどのように見ているのでしょうか。

『小さな文章』は編集プロダクション経由の仕事で、直接の担当者は編プロの30数歳の女性でした。
編集を始めて日の浅い人でしたが、真面目で丁寧で話は通じました。
幻冬舎には直接の担当者はいなくて、企画のときに一回しか会ったことのない局長と編集長が窓口で、編プロの編集者と
社長がやりとりをしていました。
昨年9月に原稿を(手書きです)書き上げ、10月末には校了にし、幻冬舎に渡したのですが、なかなか本になりません。
11月末になって、「校正しましたので、疑問点を確認してください」と校了紙を戻されました。
ページごとに疑問点が書き込まれ、確かに単純な誤植もあり、私としては、ここまでやってもらえるのかと、有難い思いでした。
できるだけ直しを少なくするよう配慮して、再度、校了にしました。
これで12月中に刊行の運びとなるだろうとホットしました。
今年1月、編プロの担当者から連絡があり、「校了紙をもう一度、社内で回覧し、校正を見てもらったそうで、あと一回、それを
チェックして欲しいそうです」と伝え、宅配便で送られてきました。局長が「念のためだから、問題なければ、どこも直さなくても大丈夫です」
と言ってくれたらしいが、この校了紙にも鉛筆でほとんどページごとに、よくもここまで色々なことが指摘できるものだ、と感心してしまうほど
書き込みがあり、どうでもいいことだとは思っても助かった部分もありました。引用文の一字一句にまで、裏をとる気の遠くなるような作業を
してくれているわけで、この時代に、まだ「こんな本作りをしているのか」と感動してしまいました。
「文章読本」ではなく、たかが「文章の書き方」の本です。私のことをまったく信用していなかったのかもしれません。
○○さんの場合とは、まったく逆のケースです。

講談社の仕事も昨年やりましたが、このときも予想外に熱心で驚きました。
文芸文庫の野坂昭如の「年譜」と「著書目録」作成の地味な原稿でしたが、
編集長(女性)が直接担当で、校正者とともに色々と調べたのでしょう、いままでにはなかった疑問点を何か所か指摘してくれました。
これまでに多くの出版社と「野坂年譜」の仕事はしていますが、すべての編集者が、わたしの言いなりでした。
さすがに講談社は「一流か?」と感じさせました。

春休みは、倉庫状態になっている部屋の本の整理をする予定でしたが、三島由紀夫、澁澤龍彦、種村季弘、稲垣足穂の意外な
著作や関連本が出てくると、ついつい眺めてしまい、はかどりません。
最近、読んだ本で凄いと思ったのは、堂本正樹『回想 回転扉の三島由紀夫』(文春新書)です。三島に関心のない人には、
どうでもいいでしょうが、三島の「正体みたり」といった内容です。ミシマファンの女性は、腰を抜かすか、気絶するかもしれません。

ではまた。
次の作品、期待しております。

 06年3月5日

                                            村上玄一                          

コメント(0)

mixiユーザー
ログインしてコメントしよう!

村上玄一ゼミOB会 更新情報

村上玄一ゼミOB会のメンバーはこんなコミュニティにも参加しています

星印の数は、共通して参加しているメンバーが多いほど増えます。

人気コミュニティランキング