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ロックの名盤を聴け! コミュのRory Gallagher 「Meeting With the G Man」

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本日6月14日は孤高のギターヒーロー、ロリー・ギャラガーの
命日です。以前自分のブログに書いたライブアルバムのレビューを転載します。

晩年に近いロリーのライブですがかなり良いテンションを持ち、これまでのキャリアを総括し、さらに新しい境地に行くのではないかと期待を持った矢先の出来事でした。


以下長文ですが再評価してくださいませ。


■Rory Gallagher 「Meeting With the G Man」


ロリーギャラガーはギタリストとして天賦の才があるに加え決して妥協せずステージでは一切の手抜きがが無い稀有な人間だった。1993年12月20日、アムステルダムでのステージを収めたライヴ盤は彼の亡くなる2年前のオフィシャルブートレグだ。亡きロリーの版権管理をするマネージャーの実弟ドネルが何の権利も無しにロリーから音を盗んでファンに50ポンド(約一万円)で売ってる実情に憂いそして怒り、そのCDをわざわざ買って音質を良くして安く提供したいと考えの基にリリースされた作品だ。よってこのギグの評判は一部ブートまで買う熱狂的ファンからも伝説とされたギグである。

その内容は晩年のロリーの演奏は信じられないくらいに情熱的でエネルギッシュだ。「Let's Go Work」と開口一番ステージに向かって放つ。すぐに演じる1曲目の「Continental Op」 という曲は私立探偵コンチネンタルオップのこれから始まる秘密捜査だとすればここで言うロリーの任務をこれから全うするという宣誓だということが読み取れる。さらにこの作品のインナーはこのコンセプトを土台とし、Meeting With the G Man (Report)として、

スイスのとオーストリアを含めて3週間の侵攻後〜略〜我々の知る限り、それまで我が部隊は盗聴マイクを仕掛けることなく過ごしていたのだが、今いる場所は海賊版の巣窟だった。〜略〜しかし数年後に我が部隊によって行われた掃討作戦によって紛失種類(コードネーム:「徹底的にやり通せ(Plying My Heart Out)」が発見されることになった〜略 ■Meeting With the G Man (Report)


逆境を逆手にとり一夜のライブが任務を遂行するミッション現場はロリーであり戦後処理はドネルと言う訳だ。Gマン。よくテレビでGメン(ここではロリー単独ミッションなのでマン)とのダブルミーニングにも気づいて欲しい。そのことからもオップが重要なキーワードなのだ。そしてオップが乗り移った攻撃的ナンバーから「くよくよするなよ」とディランをカバーする叙情的アコースティックナンバーまで彼の音楽がワンパッケージされている。80年代のステージトラックのライブ盤はハードロックのロリーを収めているがさらにこの晩年の時代は初期の感覚と趣向も取り合わせある意味集大成的に包括しており今後の新しいロリーと再評価がいよいよ来る予感もさせる非常に惜しい内容だ。もっと聴きたかったと思わせる好盤だ。そして我々も彼のこの日の任務もウォッチせよ!

■Rory Gallagher Meeting With the G Man
Recorded at the Paradiso Club 、Amusterdam、Holland 20th December 1993

★★Operatinal staff★★
Richard Newman (Drums)
Richard Levy (bass)
Jim Leverton (Keyboards)
Mark Felthman (harmonica)
Rory (guitar&vocals)

1. Continental Op
2. Moonchild
3. Mean Disposition
4. The Loop (featuring Resurrection Shuffle & Jailhouse Rock)
5. Don't Start Me Talkin' (featuring Revolution)
6. She Moved Through The Fair (Exclusive track)
7. Out On The Western Plain (Exclusive track)
8. William Of Green (Exclusive track)
9. Mercy River (featuring Amazing Grace) (Exclusive track)
10. Walking Blues (Exclusive track)
11. Don't Think Twice It's Alright (Exclusive track)
12. Ghost Blues
13. Messin' With The Kid
14. La Bamba


1. Continental Op
「Let's Go Work」からザックリとシングルコイルのストラトらしからぬかつデカめのオーバードライブサウンドが予想外で驚く。ロリーはまだまだ現役第一線のミュージシャンの証拠物件を目の当たりにする。スライド・ギターも入るが特筆すべき点はオクターバーを使ってるのだ。リズム隊は出す音量が大きいのでその対策もそうだがシングルフレーズへの音の薄さの解消という観点から使用していると思われる。当局(曲)!?は1987年の「Defender」に所属している。

2. Moonchild
そして1977年の「Calling Card」からこれもローンスターな内容の曲を持ってくる。これもご存知の方はハードロックスタイルに変遷し始める過渡期の曲だがロリーはこの曲はライブでも取り上げる機会が多い。ファンからも好きな1曲としても人気が高い。これも途中スライドがはいり前曲同様に会場をたたみ掛ける掃討作戦である。ギターのフレーズもかなり凶暴だ。

3. Mean Disposition
マディー・ウォータースの曲だ。ローン・ウルフは女にも滅法強くなくてはいけない必要条件だ。しかし掲題に出てくる女はさすがのロリーも手を焼いているといったところか。スローブルースだがここでもハードに展開し気が抜けない。ギターソロに続きハープがソロを取るが客席から録音しているため指笛がすぐ耳元で聞こえる。逆に臨場感を際立たせる結果となった。

4. The Loop (featuring Resurrection Shuffle & Jailhouse Rock)
オクターバーはそのままでブギ調インストにハープもユニゾンで絡む。にしても今日のライブ(任務)は全員音量がデカイ。しかし聴いてて気持ちいいのは彼の技量と経験のなせる技だろう。Resurrection Shuffle & Jailhouse Rockとあるが何とも皮肉にも「監獄ロック」を歌うロリー。ヤクザな歌いっぷりが最高。

5. Don't Start Me Talkin' (featuring Revolution)
エルモア調シャッフルブルース。(I Can't Hold On風)ここでも彼らの任務に引きこまれる。そしてロリーのスライドはここでも凶銃のごとく狙った獲物を確実に仕留めていく。睨まれたら最期だ。そして遊び心も「Revolution」も歌うがここでは秘密捜査官であるならば共産革命同胞への最後通牒といったとことろか。いつの世でも革命の妙案を聞きたければ寄付金が必要ってこと。ってジョンレノンも言ってるぜ。


6. She Moved Through The Fair (Exclusive track)
7. Out On The Western Plain (Exclusive track)
8. William Of Green (Exclusive track)
そしてここで流れが変わる。アコースティックに持ち替える。DADGADチューニングだ。アイリッシュなフレーズを6で入れて7からカウボーイソングを歌うが聴衆は心得ており合唱だ。エレキ同様に客のハートを掴みきっている。ギターソロも早弾きフレーズが一瞬に流麗にはいるのが素敵だ。8.もDADGADチューニングで弾く。こっちの方がケルティックというかアイリッシュというか民族っぽい。

9. Mercy River (featuring Amazing Grace) (Exclusive track)
10. Walking Blues (Exclusive track)
ハープも最初から入る。ロリーが掛け合い客にも適度にMCで間をつなぐ。そしてチューニングをオープンGに変えたギターを出し、Amazing Graceを弾きロバートジョンソンのWalking Bluesに移る。また言うまでも無いがロリーのアコースティックも安定感があり70年代と何ら遜色が無い。エレキとアコースティックと両方で魅了することができるギタリストは非常に稀有な人材だった。



11. Don't Think Twice It's Alright (Exclusive track)
そして1年半後の死を見す越していたかのようなディランの選曲。

窓の外を見てごらん。俺はいなくなっているはず。
俺が旅に続ける理由はお前にある。
くよくよするなよ済んだことだ。
俺はあの長く孤独な道を歩いて行く。
行き先は言えないけどさよならなんて言葉は素敵過ぎるから
ごきげんようとだけ言っておこう。

そしてハープの哀愁溢れるソロも交え彼は皮肉にも本当に永遠の旅立ちをしてしまった・・・。

12. Ghost Blues
そして再びエレキにかわりZZ・TOPばりのハードブギが炸裂。彼らのライブ盤「Fandango」を聴いてるかのようだ。こう会場がモアモアした煙が立ち込めるようないかがわしさが充満してる。ハープソロとここでもスライドがオクターバーをかけて攻めてくる。ひょっとすると当時の彼は新しいスライド像を持っていたのかもしれない。70年代には無い鋭角さが備わっておりこれを発展させたいと構想を持っていたのかもしれない。この演奏も本当にハードだ。


13. Messin' With The Kid
14. La Bamba
ここはハーモニクスも入り70年代の香りがして何か安心する。ライブインヨーロッパに感じも似ている。今日これまでのパフォーマンスにはない空気がある。ソロは早弾きでカッコいい。ていうかロリーは何をどうやってもカッコいいから個人的にはなんら問題が無い。テンションさえダレて無ければ別に良い。最期はなんと本邦初公開のラバンバだ。少しリップサービス気味で歌詞が飛ぶ部分があるが愛嬌だし聴けるだけでも今はありがたい代物というものだ。ハープソロも絶妙にフレーズを
かましていく。そしてこのミッションも終え、サヨナラを告げると会場のワンモーの声も聞こえてくる。

こんなライブだったら是非観に行きたかったと必ず思わせるこれまでリリースされた歴代のライブ盤と充分肩を並べることができる再評価作品だ。最高の任務はもうこの地球上では行えないのが残念だと思うのは筆者だけではない筈だ。








以上

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