その内容は晩年のロリーの演奏は信じられないくらいに情熱的でエネルギッシュだ。「Let's Go Work」と開口一番ステージに向かって放つ。すぐに演じる1曲目の「Continental Op」 という曲は私立探偵コンチネンタルオップのこれから始まる秘密捜査だとすればここで言うロリーの任務をこれから全うするという宣誓だということが読み取れる。さらにこの作品のインナーはこのコンセプトを土台とし、Meeting With the G Man (Report)として、
スイスのとオーストリアを含めて3週間の侵攻後〜略〜我々の知る限り、それまで我が部隊は盗聴マイクを仕掛けることなく過ごしていたのだが、今いる場所は海賊版の巣窟だった。〜略〜しかし数年後に我が部隊によって行われた掃討作戦によって紛失種類(コードネーム:「徹底的にやり通せ(Plying My Heart Out)」が発見されることになった〜略 ■Meeting With the G Man (Report)
■Rory Gallagher Meeting With the G Man Recorded at the Paradiso Club 、Amusterdam、Holland 20th December 1993
★★Operatinal staff★★ Richard Newman (Drums) Richard Levy (bass) Jim Leverton (Keyboards) Mark Felthman (harmonica) Rory (guitar&vocals)
1. Continental Op 2. Moonchild 3. Mean Disposition 4. The Loop (featuring Resurrection Shuffle & Jailhouse Rock) 5. Don't Start Me Talkin' (featuring Revolution) 6. She Moved Through The Fair (Exclusive track) 7. Out On The Western Plain (Exclusive track) 8. William Of Green (Exclusive track) 9. Mercy River (featuring Amazing Grace) (Exclusive track) 10. Walking Blues (Exclusive track) 11. Don't Think Twice It's Alright (Exclusive track) 12. Ghost Blues 13. Messin' With The Kid 14. La Bamba
1. Continental Op 「Let's Go Work」からザックリとシングルコイルのストラトらしからぬかつデカめのオーバードライブサウンドが予想外で驚く。ロリーはまだまだ現役第一線のミュージシャンの証拠物件を目の当たりにする。スライド・ギターも入るが特筆すべき点はオクターバーを使ってるのだ。リズム隊は出す音量が大きいのでその対策もそうだがシングルフレーズへの音の薄さの解消という観点から使用していると思われる。当局(曲)!?は1987年の「Defender」に所属している。
3. Mean Disposition マディー・ウォータースの曲だ。ローン・ウルフは女にも滅法強くなくてはいけない必要条件だ。しかし掲題に出てくる女はさすがのロリーも手を焼いているといったところか。スローブルースだがここでもハードに展開し気が抜けない。ギターソロに続きハープがソロを取るが客席から録音しているため指笛がすぐ耳元で聞こえる。逆に臨場感を際立たせる結果となった。
5. Don't Start Me Talkin' (featuring Revolution) エルモア調シャッフルブルース。(I Can't Hold On風)ここでも彼らの任務に引きこまれる。そしてロリーのスライドはここでも凶銃のごとく狙った獲物を確実に仕留めていく。睨まれたら最期だ。そして遊び心も「Revolution」も歌うがここでは秘密捜査官であるならば共産革命同胞への最後通牒といったとことろか。いつの世でも革命の妙案を聞きたければ寄付金が必要ってこと。ってジョンレノンも言ってるぜ。
6. She Moved Through The Fair (Exclusive track) 7. Out On The Western Plain (Exclusive track) 8. William Of Green (Exclusive track) そしてここで流れが変わる。アコースティックに持ち替える。DADGADチューニングだ。アイリッシュなフレーズを6で入れて7からカウボーイソングを歌うが聴衆は心得ており合唱だ。エレキ同様に客のハートを掴みきっている。ギターソロも早弾きフレーズが一瞬に流麗にはいるのが素敵だ。8.もDADGADチューニングで弾く。こっちの方がケルティックというかアイリッシュというか民族っぽい。
9. Mercy River (featuring Amazing Grace) (Exclusive track) 10. Walking Blues (Exclusive track) ハープも最初から入る。ロリーが掛け合い客にも適度にMCで間をつなぐ。そしてチューニングをオープンGに変えたギターを出し、Amazing Graceを弾きロバートジョンソンのWalking Bluesに移る。また言うまでも無いがロリーのアコースティックも安定感があり70年代と何ら遜色が無い。エレキとアコースティックと両方で魅了することができるギタリストは非常に稀有な人材だった。
12. Ghost Blues そして再びエレキにかわりZZ・TOPばりのハードブギが炸裂。彼らのライブ盤「Fandango」を聴いてるかのようだ。こう会場がモアモアした煙が立ち込めるようないかがわしさが充満してる。ハープソロとここでもスライドがオクターバーをかけて攻めてくる。ひょっとすると当時の彼は新しいスライド像を持っていたのかもしれない。70年代には無い鋭角さが備わっておりこれを発展させたいと構想を持っていたのかもしれない。この演奏も本当にハードだ。
13. Messin' With The Kid 14. La Bamba ここはハーモニクスも入り70年代の香りがして何か安心する。ライブインヨーロッパに感じも似ている。今日これまでのパフォーマンスにはない空気がある。ソロは早弾きでカッコいい。ていうかロリーは何をどうやってもカッコいいから個人的にはなんら問題が無い。テンションさえダレて無ければ別に良い。最期はなんと本邦初公開のラバンバだ。少しリップサービス気味で歌詞が飛ぶ部分があるが愛嬌だし聴けるだけでも今はありがたい代物というものだ。ハープソロも絶妙にフレーズを かましていく。そしてこのミッションも終え、サヨナラを告げると会場のワンモーの声も聞こえてくる。