めちゃくちゃ面白い論文を見つけた！
クィア理論がなぜ「男女の区別」を消滅させようとしているのか、その理由と方法に関する京都大学の研究者の論文！
田多井, 俊喜. <論文>クィア理論とトランスジェンダー --性的差異につ いて--. 京都社会学年報 : KJS 2018, 26: 51-61
https:/
https:/
本当に面白かったので、少し内容を紹介してみる。
ちなみにこの論文によると、クィア理論はトランスジェンダー（特にトランスセクシャル、性同一性障害の人）に寄り添えるものではないらしい。むしろ彼らの存在を否定しちゃうタイプの理論なんだとか。
言説分析（バトラーも使っている哲学の手法）をそのまま適応しちゃうと、生物学的身体の存在自体が否定されちゃうんだってさ！🤣
しかもその中では、ホルモン投与のみを受けつつ、「男らしい/女らしい」振る舞いをしないトランスジェンダーを男女二元論を破壊する英雄として扱ってるらしいw
つまりアメリカとかにいる、女性を自認しつつ、髭とか胸毛とか生やした状態で「自分らしく生きるのが大事！」と主張してる"トランス女性"は、この理論的には英雄ということになるだろう。
https:/
クィア理論の論者として、K. ボーンスタインと R. ウィルキンスの2人の研究者が紹介されている。
K. ボーンスタイン
「男と女という区別によって階級制度が作られてしまっている。→よし、男女の区別を消滅させよう」
かwげwきwすwぎwるwww🤣
ボーンスタインによれば、男女の区別を維持したまま男女平等を実現しようとすることは、根本的解決にならないらしい。
ジェンダーそのものをなくしてしまうことによって、はじめてジェンダーという差異に組み込まれた階級制度がなくなると彼女は主張する。
>男性と女性のいわゆる「生来的な差異」に焦点をあてることは、ジェンダー制度そのものの存在を看過または否定することになり、それゆえジェンダーの制度を存続させてしまう。
だからクィア理論では、男女の生物学的違いをあえて見ないふりしてるんですね。分かります。
ボーンスタインは、性差を「権力が具現化したもの」として考えている。
そして、性差自体を、 つまり男女のふたつの差異を無くすことが、ジェンダーの問題への抜本的解決であると考えている。
マジで過激派。
でも、トランスジェンダーはむしろ男女に拘る人達だから論理破綻してると突っ込まれてる。
R. ウィルキンス
「ジェンダーとは意味を産出するシステムである。このシステムにおいては、男が普遍的で所与のものとされ、女は男の定義にあてはらまらない残り物とされる」
キリスト教的価値観が強すぎるだろwww
ウィルキンスは、男と女という二元的（binary）なジェンダーへの批判を行っており、これを解体する事が重要であると主張する。
ウィルキンスとボーンスタインは2人とも「性差自体を消滅させる」ことが性差別や性支配をなくす解決策だと考えている点で一致している。
そして差異というものが解体されるところにマイノリティの解放というユートピアを描いている。彼らは、二元的とされる性差という差異そのものをあらゆる性差別や偏見の根源と見ているからだ。
だが、ジェンダーという差異を解体した後に残るユートピアとはどういう状態の世界な のか、どういった秩序づけのもとで異なる性のあり方をしている人々が共存するのかについては、具体的なヴィジョンはない。
そして、トランスジェンダーの多くはジェンダーの解体など望んでいないという大きな矛盾。
クィア理論には生物学的性差にこだわることは権力関係に巻き込まれることだという認識がある。そのため「性別適合手術」によって生物学的性差を変えるというトランスセクシュアルの人々の意志は、クィア理論からすれば医療という権力装置に回収されてしまい、
結果的に男女という差異を再生産することだという見解につながりや すい。
一部の研究者は手術を志すトランスセクシュアルを「ジェンダーのカモ」とまで呼んでいる。
ひどい言い様だ
でも、クィア理論の支持者が「くたばれGID」とかいう謎のスローガンを掲げてた意味がわかった気がする。
以上、論文で特に面白いと思ったところを取り上げてみた。
非常に読みやすくて興味深い内容だったので、関心のある人は読んでみてほしい。
何気に2週間前、クィア理論という言葉すら知らなかった頃に書いた私のツイート、的を射てたのでは？
クィア理論がなぜ「男女の区別」を消滅させようとしているのか、その理由と方法に関する京都大学の研究者の論文！
田多井, 俊喜. <論文>クィア理論とトランスジェンダー --性的差異につ いて--. 京都社会学年報 : KJS 2018, 26: 51-61
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本当に面白かったので、少し内容を紹介してみる。
ちなみにこの論文によると、クィア理論はトランスジェンダー（特にトランスセクシャル、性同一性障害の人）に寄り添えるものではないらしい。むしろ彼らの存在を否定しちゃうタイプの理論なんだとか。
言説分析（バトラーも使っている哲学の手法）をそのまま適応しちゃうと、生物学的身体の存在自体が否定されちゃうんだってさ！🤣
しかもその中では、ホルモン投与のみを受けつつ、「男らしい/女らしい」振る舞いをしないトランスジェンダーを男女二元論を破壊する英雄として扱ってるらしいw
つまりアメリカとかにいる、女性を自認しつつ、髭とか胸毛とか生やした状態で「自分らしく生きるのが大事！」と主張してる"トランス女性"は、この理論的には英雄ということになるだろう。
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クィア理論の論者として、K. ボーンスタインと R. ウィルキンスの2人の研究者が紹介されている。
K. ボーンスタイン
「男と女という区別によって階級制度が作られてしまっている。→よし、男女の区別を消滅させよう」
かwげwきwすwぎwるwww🤣
ボーンスタインによれば、男女の区別を維持したまま男女平等を実現しようとすることは、根本的解決にならないらしい。
ジェンダーそのものをなくしてしまうことによって、はじめてジェンダーという差異に組み込まれた階級制度がなくなると彼女は主張する。
>男性と女性のいわゆる「生来的な差異」に焦点をあてることは、ジェンダー制度そのものの存在を看過または否定することになり、それゆえジェンダーの制度を存続させてしまう。
だからクィア理論では、男女の生物学的違いをあえて見ないふりしてるんですね。分かります。
ボーンスタインは、性差を「権力が具現化したもの」として考えている。
そして、性差自体を、 つまり男女のふたつの差異を無くすことが、ジェンダーの問題への抜本的解決であると考えている。
マジで過激派。
でも、トランスジェンダーはむしろ男女に拘る人達だから論理破綻してると突っ込まれてる。
R. ウィルキンス
「ジェンダーとは意味を産出するシステムである。このシステムにおいては、男が普遍的で所与のものとされ、女は男の定義にあてはらまらない残り物とされる」
キリスト教的価値観が強すぎるだろwww
ウィルキンスは、男と女という二元的（binary）なジェンダーへの批判を行っており、これを解体する事が重要であると主張する。
ウィルキンスとボーンスタインは2人とも「性差自体を消滅させる」ことが性差別や性支配をなくす解決策だと考えている点で一致している。
そして差異というものが解体されるところにマイノリティの解放というユートピアを描いている。彼らは、二元的とされる性差という差異そのものをあらゆる性差別や偏見の根源と見ているからだ。
だが、ジェンダーという差異を解体した後に残るユートピアとはどういう状態の世界な のか、どういった秩序づけのもとで異なる性のあり方をしている人々が共存するのかについては、具体的なヴィジョンはない。
そして、トランスジェンダーの多くはジェンダーの解体など望んでいないという大きな矛盾。
クィア理論には生物学的性差にこだわることは権力関係に巻き込まれることだという認識がある。そのため「性別適合手術」によって生物学的性差を変えるというトランスセクシュアルの人々の意志は、クィア理論からすれば医療という権力装置に回収されてしまい、
結果的に男女という差異を再生産することだという見解につながりや すい。
一部の研究者は手術を志すトランスセクシュアルを「ジェンダーのカモ」とまで呼んでいる。
ひどい言い様だ
でも、クィア理論の支持者が「くたばれGID」とかいう謎のスローガンを掲げてた意味がわかった気がする。
以上、論文で特に面白いと思ったところを取り上げてみた。
非常に読みやすくて興味深い内容だったので、関心のある人は読んでみてほしい。
何気に2週間前、クィア理論という言葉すら知らなかった頃に書いた私のツイート、的を射てたのでは？
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