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即興表現コミュの宮崎・川南町のご報告と福岡・英彦山WSのご案内

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皆様へ。

セラピストや治療家の視点から見れば、問題の多い生き様に
見え、自己破滅的な態度を持っていて、それに苦しんでいるのが
明らかな人なのに、決してセラピーやカウンセリングを受けず、
頑固に自らの生き様を変えない人々がいます。


僕が先日出会った宮崎県川南(かわみなみ)町の内の宮さんという
イチゴ農家のおじさんもそんな頑固者の一人です。


口蹄疫被害の拡大予防のため、健康な家畜(牛、豚、山羊など)
を処分するようにと国からの命令があり、一つの町の中だけで
16万頭を超える牛たちを、自らの手で殺処分して埋めた川南町の人々。


感染経路封鎖のため県外との交通を厳重に制限される中、
家族同様に可愛がっていたペットのヤギ達まで殺さなければならないときに、小学校の子供たちは泣きながら互いを支え合ったそうです。


他県への感染を防ぐためになぜ我々の家畜達が全滅しなければ
ならないのか、という悲痛極まりない町民の猛烈な抵抗を押さえて、
憎まれ役に甘んじ、全頭処分へ向けて町民を説得した内の宮さん。


町の仲間たち御用達の居酒屋さんの一室で、ガラッと引き戸を開け、
「代行(タクシー)を待つ間だけじゃ」と入ってきて、ひとしきり
仲間とイチゴ栽培の話(満月とイチゴの甘味の関係!)をした後、


初めて僕の姿をじっと見て、ヤクザの親分のような凄みのある声で
「お前は誰よ?」と見抜く目は、
まさしく命のやり取りをしてきたサムライの眼光であり、
僕の心身は一瞬恐れに満たされ、そして、
あ、この人にはどんな些細な偽りを含む言葉も通じない、と
自分のすべての真剣さを持って座り直さざるを得ないのです。


「お前は誰よ?」という生存のかかった言葉の前に、
「今日、この町に来た者です。」と正面から向かい合うほかなく、
なお僕を射抜き続ける眼光に対しては、ただ裸の自分であるのが
唯一の在り方である、と本能的に了解させられるような人物。


彼を知る町の仲間に聞けば、彼は2度の結婚に破れ、
一度は町を捨て、傷心のうちにひっそりと帰郷した今は、
ヘタの白い部分まで甘いイチゴを作ることにこだわり続ける、
年老いた両親と犬と暮らす「偏屈な」男。


しかし口蹄疫という町始まって以来の危機に見せた彼の行動に
町民ひとりひとりが密かに敬意と畏れを抱いている漢(おとこ)。


自らは日々変わりもなくジャージに長靴で、イチゴハウスを見つめながら
タバコをくゆらす、里山の地面に張り付いて生きる一人の男。


なぜか僕にとっては彼の生き様が懐かしく、愛しく、うれしいのです。


どれを口にしても、へたの白い部分まで甘さ抜群の彼のイチゴハウスで、
イチゴを直に摘ませてもらいながら、イチゴに賭ける彼の情愛が、
僕の存在にも伝わってきて、この土地に来てよかったとしみじみ感じます。


それは僕の人生そのものへの暖かい肯定感(祝福)となって
腑に落ちていきます。


日常の人間関係では、愛も平和も語らず、とっつきにくい怖い人。
普通に生きていくことに生涯を通じて苦労し、彼を包む雰囲気には
深い悲しさが揺れている人。


なのに彼の育てる作物からは、どんなカウンセラーやセラピストからも
味わったことのない具体的な慈愛が届いてきます。


ここ、宮崎県川南町、未だ復興せず、日本中の関心が東北に向かう時に
自ら生きる活力を生み出し、外から来る者に慈愛を与えることのできる町。


一時は「目に見えるような」(町民談)黒い怨みの雲が町全体を覆い尽くした
この土地に、セラピーもカウンセリングもどんな援助技法もないまま慈愛が
立ち上がって来ていることに深い納得を感じます。


この町に最初からあって、そして今もそれしかないのは、
ただのイチゴ農家の内の宮さんであり、ただのシモネタジョーク好きで、
なのに町の復活に命を賭ける町長の日高さんであり、


他県から移住してきてこの町の魅力にとりつかれ、バラやイチゴの栽培に
全てを投入する小高さん達地元の若者連絡協議会(通称若連)の面々や、
川南町トロントロン(正式な地名です!)の通りで行き交う日焼けした笑顔の
老若男女のお一人お一人なのです。


彼らがこの土地の慈愛を生み出している「生産者」達です。


僕の残りの人生を思うとき、必要な質はひとつだけであると思います。
お前は誰よ?という抜身の言葉に呼ばれて立ち上がって来る僕自身の真剣さ。


真剣さとは、裸の自分の、大きくも小さくもないただの姿と、
へたの白い部分まで甘いイチゴのこと。


日々の生存をかけてただ生きる人間仲間との「イチゴ一会」だけで
僕の人生には句読点を打つことができます。


5月にまた川南町に参ります。
よろしければご一緒いたしましょう。

     
       フェンスワークス 傾聴空間建設部長(笑) 橋本久仁彦  
        http://fenceworks.jp/



PS. 今週末は福岡に参ります。独身の方も関心ある方はお問い合わせを。
   

日時
2012年1月28日 9:00〜2012年1月29日 17:30
場所福岡県立青年英彦山の家, 福岡県

対象:ひとり親家庭の親子15組
講師:橋本久仁彦(カウンセラー/大阪)※親のプログラム
   伏見武(演劇家/福岡) ※子どものプログラム

参加費:大人5000円 子ども(中学生以下)4500円
   (貸切バスにて博多駅〜現地まで移動します。)

詳細=http://www.show-guys-stageprojects.com/    

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