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御沈沈劇場コミュの黄昏の地平線

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 「御沈沈にポテトはいかがでしょうか?」

 紗耶香は、鼻にかかる高い声で呼びかける。紗耶香は、このファーストフード店に
入店して半年になる。田舎から上京して親の仕送りを得ながらアルバイトと大学に通
いながら一人暮らしをしている。

 「お前ふざけてるのか!客に対して御沈沈とは破廉恥だぞ!」
 厨房の奥のほうから大声をあげながら現れたのは店長の良夫だった。

 「今度同じようなことをしたら御沈沈を半分にするぞ!」
 良夫はとても興奮している様子だった。

 「じゃあ私が御沈沈を一杯にしてあげるわ!」
 紗耶香は見かけの可愛らしさとは裏腹に気が強かった。店長に食ってかかったのだ。

 「ちょっと!その辺にしませんか?お客様を待たせてますよ。」
 間に入ったのは、古株の先輩の雅代だった。
 雅代は、ハキハキした態度でいつもテキパキと動いている。目上に対しても物怖じ
しない態度は時として裏目に出ることもある。先月、それが災いして直営店からここの
勤務に異動となった。世にいう左遷と言うべき待遇だろうか。

 すると、外の遠くのほうからサイレンが鳴り響き、店の前で止まった。しばらく
すると警官が現れた。

 「先ほど、卑猥なことを言うおかしな人がいる、と通報がありました。心当たりは
ありませんか?」
 警官の名は裕史。交番勤務に努めて3年になる。最近になってようやく交番勤務に
やりがいを見つけた。大学時代はラグビーのサークルに所属し、肩幅が広く屈強な体格
を誇っている。

 「御沈沈は、まだですか?」
 しびれを切らした客の忠司がとうとう口にしだした。忠司は、柔和な顔立ちで背が
ヒョロッとしている。身なりは清潔だがどこか頼りない印象を与える。

 「???御沈沈とはどういうことですか?その件につきまして署までご同行願えませ
んか?」
 裕史は、顔を赤らめながら忠司をパトカーに乗せて署まで連れて行ってしまった。
 
 −完−

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