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めがね または数学コミュの●群論

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群論についてまとめてみました

ガロア理論は数学専攻の4回生で学ぶことが多いと思いますが
代数系で院に進んで整数論近辺を学び続けなければ忘れるのが普通のようで
数学で博士課程を出た人であっても「ガロア理論ってどんなだったっけ?」
とこっそり聞いてくる、というのが「数学専攻あるある」だと感じています

ですので以下ごちゃごちゃ述べますが、敷居は案外低いです
何でも書き込んでください

■■■

 数の計算には + , - , ×, ÷ といった四則演算があって、これらは皆「2項演算」とも呼ばれます.

 3 + 4 = 7

のように「 3, 4 」という2つの数を指定すると「 5 」という演算の結果が出る、というのがその名の由来です.

 数に四則演算以外の2項演算を定めることもできます. たとえば「 ◦ 」という演算を

 a◦b = a + b - a×b

のように定めると、これも2項演算で、たとえば

 1◦1 = 1 +1 -1×1 = 1 +1 -1 = 1,
 1◦2 = 1 +2 -1×2 = 1 +2 -2 = 1,
 2◦3 = 2 +3 -2×3 = 2 +3 -6 = -1

のように計算されます.
 数の集合とは限らず、一般に集合の中で2項演算 ◦ を定めることを考えます.

 空集合でない集合 S において、次の4つの規則を考えてみる:

(0) S のどんな要素 a, b に対しても a◦b なる S の要素がある
(1) S のどんな要素 a, b, c に対しても ( a◦b )◦c = a◦( b◦c )
(2) S に特別な要素 e があって、S のどんな要素 a に対しても a◦e = e◦a = a
 (この要素 e のことを単位元という)
(3) S のどんな要素 a に対しても a◦b = b◦a = e(単位元)となる S の要素 b がある
 (この b を a の逆元といい、a^(-1) で表す)

このうち (0) が成り立つ集合 S のことを「2項代数」とか「亜群」とか「マグマ」と呼ぶ.
(0), (1) が成り立つ集合 S のことを「半群」と呼ぶ.
(0), (1), (2) が成り立つ集合 S のことを「モノイド」と呼ぶ.
(0), (1), (2), (3)全てが成り立つ集合 S のことを「群」と呼ぶ.


 身近な「群」の例としては
 ●演算 ◦ を + と考えたときの整数全体の集合 ZZ .
そのときの単位元は 0 で、整数 a の逆元は -a となる.

 ●演算 ◦ を×と考えたときの有理数全体の集合から 0 を除いたもの QQ* .
そのときの単位元は 1 で、0 でない有理数 a には逆数 a^(-1) が存在するので、これを a の逆元とする.

 ●行列式が 0 でない n 次実行列全体 GL( n, RR ).
演算 ◦ は通常の行列の積で、単位元は単位行列、逆元は逆行列.

(*)群 S では「 a◦b = b◦a 」は必ずしも成り立たない.
(4) S のどんな要素 a, b に対しても a◦b = b◦a
が成り立つ群のことを可換群、またはアーベル群という.

 ◎演算 - では ZZ は群とならない。(0)は成り立つが、たとえば
 ( 3 -2 ) -1 = 1 -1 = 0,
 3 -( 2 -1 ) = 3 -1 = 2
と両者が異なるので (1) が成り立たず、このとき ZZ は単なるマグマである.

 ◎ 集合 M の部分集合全体 P(M) は演算 ◦ を ⋂ としてモノイドとなる.
実際、M のどんな部分集合 A, B, C に対しても
 (A ⋂ B) ⋂ C = A ⋂ (B ⋂ C)
で (1) が成り立ち、全体集合 M に対しては、どんな部分集合 A についても
 M ⋂ A = A ⋂ M = A
となるから M が単位元となり、(2) が成り立つ.
ただ M が空集合でなければ、M に真部分集合 A があり
 A ⋂ B = M
となる B は存在せず、A には逆元がないことになるから
(3) が成り立たず、P(M) は群ではない.

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 以下 G を群とする. 演算 a◦b は単に ab と書くことにし、単位元を e とする.
 G の空でない部分集合 H が e を含み、G と同じ演算で群となっているとき
 H を G の部分群という。
 
 H が G の部分群であるとき、G の要素 a, b について
 a^(-1)b ∈ H であることを a 〜 b
と書くことにすると、〜 は G の同値関係となる.
というのも
 a^(-1) a = e ∈ H より a 〜 a. (ア)
{ a^(-1)b }^(-1) = b^(-1)a ゆえ a^(-1)b ∈ H ならば b^(-1)a ∈ H ,
よって a 〜 b ⇒ b 〜 a .(イ)
また a^(-1)b ∈ H , b^(-1)c ∈ H であるとき
 a^(-1)c = { a^(-1)b }{ b^(-1)c } ∈ H
となるから a 〜 b, b 〜 c ⇒ a 〜 c.(ウ)
(ア),(イ),(ウ)より 〜は G の同値関係である.

 aH = { ah | h ∈ H }
と書くことにすると
 a 〜 b ⇔ a^(-1)b ∈ H ⇔ b ∈ aH
であることから、a の同値類は集合 aH である.
 同値類の性質から G は
 G = ∐ [λ∈Λ] a_λH   (★)
のように共通部分のない和集合になる.

 以下 G を有限群(有限個の要素からなる群)とすると(★)は
 G = H ⋃ a_1H ⋃ a_2H ⋃ ... ⋃ a_( n-1)H  (★★)
のように表せる.

 i = 1, ... ,n -1 に対し、H と a_iH は同じ個数の要素からなる.
 というのも h ∈ H を a_ih ∈ a_iH に対応させるとき
 a_ih = a_ih' ならば両辺に左から ( a_i )^(-1) をかければ h = h'
つまりこの対応は 1:1 だからである.

 いま集合 S の要素の個数を #S で表すことにすれば
(有限群 G について #G は G の位数と呼ばれる)
上記の注意と(★★)から

 #G = n・#H (ラグランジュの定理)

となる. n はしばしば | G:H | で表され、H の指数と呼ばれる.
とくに #G は #H で割り切れる.

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