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箱庭展開図コミュのシナリオタイトル「夜行」

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システムはインセインを仮定
舞台:現代日本
リミット:3〜4サイクル

参加PLはハンドアウトの表書きの【使命】と【秘密】を自分で作製。
その後【秘密】の内容をGMがシナリオに合わせて修正。
【秘密】が思いつかない場合はGMが作成。

初期情報
―――――――――――――――――――――――
 深夜の新宿駅。
 時計の表示は0時59分。
 終電は25時なのでギリギリだ。
 残業で疲れた身体に鞭を入れ、ホームへの階段を駆け上った。
 ホームにはすでに電車が止まっている。
 あわてて飛び込んだ。
 ほぼ同時に音を立ててドアはしまり、列車は動き出した。
 一息ついて気がつく。
 終電なのに車内には他の乗客は一人もいなかった。
 聞こえてくるのは走行音だけ。
 ……静かだ。
 隣の車両に移動してみる。
 そこにも乗客は一人もいない。
 次の車両も。
 次の次の車両も。
「……もしかして回送電車に乗っちゃった?」
 少し焦る。

 先頭車両まで来ると運転席に運転手の背中が見えた。
(電車が止まったら説明して降ろしてもらおう)
 座席に腰を下ろし、なんとなく窓の外を見る。
 この時間でも無数のネオンが光っている。
 じっと見ていると窓ガラスに雨粒が当たりはじめた。
 天気予報では今日は雨は降らないはずだったのに。
 その時、車内にアナウンスが響いた。

『次は終点、新宿。新宿。お出口は左側です。この電車は新宿止まりです』

(……?)
(新宿から乗ったはずなのになんで……)
 わずかな困惑の後で背筋を冷たいものが走る。
 そんな馬鹿な。
 ありえない。
 何かの間違いであってほしいと願う。
 けれど。
 アナウンスは通勤時にいつも聞いている女性の音声じゃなかったし、英語での復唱も無い。こんなことあるはずが……!
 ブレーキの音。
 慣性に体がかしぐ。
 電車は止まった。
 おそるおそる見上げた駅名標に書かれた文字は。


 新宿駅


 ……!
 ショックに身体がこわばる。
 冷や汗がふきだす。
 そこで、いつの間にか列車を出ている自分に気がついた。
 あわてて振り向いた目の前でドアは閉まる。
 発車放送も発車メロディーも無かった。
 待って、という叫びも無視され、そのまま列車は去っていく。走って追いつけるはずもない。
 すぐに見えなくなった。
 膝から崩れ落ちた。
 助けを求めて周りを見る。
 ホームはまだ明りで照らされているが、職員の姿は見えない。いや、職員どころか誰もいない。
 聞こえてくるのも雨音だけ。
 恐怖と孤独感に押しつぶされそうになる。
 パニックをおこしかけた時、ポケットの中でスマホが鳴った。

 ◆  ◆  ◆

 駅近くのスタバで時間つぶしにスマホをいじっていると、隣の席の女の子のおしゃべりが聞くともなしに聞こえてきた。
「そだ。めーちん、新宿駅の怖い話って知ってる?」
「轢死体の幽霊が出るとか?」
「ちげー。そんなのが出たらそれはそれで怖いけど。もう一つの新宿駅の話よ」
「もう一つ?」
「そそ。知らないかー。ほら、都市伝説ってやつ?」
 又聞きなんだけど、と断りを入れて彼女は話しはじめた。
「その人は13日の金曜日に新宿駅の13番線ホームから出る山手線の終電に乗ったらしいんだ」
 身を乗り出したのか、椅子が動く音。
「そしたら」
 もったいぶるように一呼吸置いた。
「確かに新宿を出たのに次の駅も新宿だったんだって」
 わずかな沈黙。
「……で、降りてみたらしいのよ」
「その新宿駅に?」
「うん。駅はまるっきり同じだったんだけど、でも人っ子一人いなくて、これはおかしいって。
「誰かいないかと探しても探しても一人も見つからない。駅ナカの店は全部閉まっている。仕方がないから改札を出て外へ向かったらザアザアと雨が降ってる。困ったなと思ったら……」
 話している声が気持ち小さくなった。
「携帯が鳴ったの。呼び出し音で電話だと解って」
「……」
「出たら、聞き覚えのある声が『雨が降ってるから傘をもって駅まで迎えに行く』って。それだけ言って切れた」
「……」
「そこで思い出したんだって……その声の人はもう死んでることに」
「……」
「……反応薄いね?」
「その話、そこで終わりなの?」
「うん」
「なんか尻切れ蜻蛉だね」
「……そういわれればそうかな。普通こういうののオチって実はすでに後ろに立ってるってのがパターン? それすらないし」
「誰から聞いたのそれ」
「演劇部の先輩。先輩のしゃべりはもうちょっと怖かったんだけどなー」
「というかさ。その話、もう一つの新宿って部分いらないよね。オチに絡んでないし。雨で駅に足止めされた時に電話が鳴った、だけで十分じゃない?」
「……そだね」
「携帯に電話がかかってきた時も、知り合いだったら表示ディスプレイで気がつきそうなものだよね。気づかなかったってことは知らない番号だったのかな? それなのに出たのかな?」
「さあ……」
 つい聞き耳を立ててしまった。
 相方の女の子が突っ込んでるが、突っ込みどころということなら、そもそも新宿駅の山手線は14、15番線で13番線は中央・総武線だ。
 ネタとしては細部の詰めも甘いかなと思いつつ、冷めたコーヒーを飲みほすと店を出た。
 日はすでに傾いている。
 うん。今日も営業頑張ったな、俺。

 ◆  ◆  ◆

 ポニーテールに紺のブレザーの女子高生が道端の献花に手を合わせている。
 隣には死亡事故現場と書かれた警視庁の看板。赤い夕日を照り返す。
 彼女は少しの祈りの後立ち去ろうとしたが、足を止めて振り向いた。
 誰かに呼び止められたようにも見える。
 何か独り言をつぶやいている。視線は献花の上。そこには何もない。
 最後にひらひらと手を振ると再び歩き出した。
 今度は振り返らなかった。

 ◆  ◆  ◆

「あれ。吉見のやつ今日休み?」
「そうなんですよ。でも携帯に電話してもかからないみたいで……」
「へえ……どうしたんだろうな」

―――――――――――――――――――――――
NPC名

 吉見 ゆかり
 ゲーム会社に勤めるシナリオライター。
 現在連絡が取れない。

 矢田 満
 ゲーム会社の営業マン。
 能天気。

 小野 芽衣莉
 ポニーテールの女子高生。
 目つきがきつい。

コメント(2)

あー、PCは全員、吉見ゆかりの関係者とか、そういった縛りがあればこのままでもいいかもす。
シンプルですが間違いない縛りですね。
参加者全員が「実は吉見ゆかりの彼氏」という秘密を書いてきたら面白いのですが。こいつはどんだけ浮気者なんだよって(笑)

冗談はさておき。みゅーさんのおっしゃるPCごとにある程度のアウトラインを出うというのはいいですね。

PC1:NPC○○に関わる。○○にはNPCの名前を入れてください。
PC2:裏新宿という都市伝説の調査をする。
PC3:裏新宿で○○する。○○には具体的な行動を入れてください。

とかでしょうか。
もう少し考えてみます。

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