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本書は、「家庭医学書」として、アルコールの問題を「体」と「こころ」の両面から本格的にとらえた日本で最初の本です。実は、「家庭医学書」出版の話を聞いたとき、これは非常に役立つ本になると思いました。というのは、アルコールの問題を持つ人が最も長い時間を過ごして、最も多くの問題を起こしている「家庭」に、アルコールの問題、特にアルコール依存症についての正しい知識を届けることで、多くのアルコールにかかわる「家庭の不幸」を防止できると考えたからです。
本人も家族も「アルコール依存者は粗暴な言動を繰り返す人」「アルコール依存症者は朝から仕事もせず、一日中飲んでいる人」というような社会の通念に照らし合わせて、アルコール依存症を否認して治療のチャンスを遅らせてしまっています。本書を読めば、わかってもらえますが、「アルコール依存症」についての家庭や社会の通念「働き者のアルコール依存症」が多いのです。実際には、「静かなアルコール依存症」、「働き者のアルコール依存症」が多いのです。要するに、社会の通念は、初期段階の人々の特徴を見落としているのです。
本書は「家庭」にいながら、アルコールが「体」と「こころ」に及ぼす影響の最新の知識を得ることができます。同時に、「家庭」で、アルコール依存症かどうかを簡単にチェックすることができるようにしてあります。
本書を手にしたあなたや、あなたのご家族は、きっとアルコール依存症について持っていた疑問を解き、専門治療機関や断酒会、AAなど、自助グループの門をたたく決心をして、確かなあなたの人生を歩み始めることと確信しています。
☆監修者：猪野亜朗（精神科医）
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
アルコールの飲みすぎで起こる病気はいろいろあります。特徴は3つあり、ひとつは個人差があることです。同じように飲んでいても肝臓はびくともしない人もいれば、肝硬変まで進んでしまう人もいます。ある人は糖尿病になったり、ある人はがんになったりします。だからあの人よりは飲んでいないから安心だということはありません。
ふたつめは、酒をやめると速やかに改善することです。「もう酒はこりごり」と言っていても、よくなればすぐに飲み始めます。みっつめは特に重要なことです。アルコールによる病気は20年ぐらい飲み続けてようやく現れてくるので、どうして少量の酒で体を壊すようになってしまったのか納得できません。そこで、私はこう言います。「一生に飲める酒の量は個人個人決まっています。それを飲み干してしまうと、たとえ長く禁酒していても、少量飲めばすぐに体を壊します。だから断酒しかないのです。」
アルコール依存症の人は飲みすぎて体を壊すと内科医に救いを求めます。でも治るとまた飲み始め、再燃を繰り返し、最後は蚊取り線香の灰が落ちるように亡くなります。だから、体を壊してきたときこう言います。「この病気は、酒をやめない限り治りません。やめるなら一生懸命協力します」と。そして「素面でも人生を楽しめます。時間があるので好奇心がわき何か素晴らしい発見があるかもしれません」とも言います。
もし、酒がやめられない場合は、内科と精神科で連携して診ていきます。なぜ上手に飲めないのか。どうして酒におぼれるのか。寂しさと怒りの原因は何なのか。断酒に成功した人はどんな人かなど。己を知ることによって自分を愛することができます。そうなればもう酒の力を借りる必要はありません。
☆監修者：高木敏（内科医）
本書は、「家庭医学書」として、アルコールの問題を「体」と「こころ」の両面から本格的にとらえた日本で最初の本です。実は、「家庭医学書」出版の話を聞いたとき、これは非常に役立つ本になると思いました。というのは、アルコールの問題を持つ人が最も長い時間を過ごして、最も多くの問題を起こしている「家庭」に、アルコールの問題、特にアルコール依存症についての正しい知識を届けることで、多くのアルコールにかかわる「家庭の不幸」を防止できると考えたからです。
本人も家族も「アルコール依存者は粗暴な言動を繰り返す人」「アルコール依存症者は朝から仕事もせず、一日中飲んでいる人」というような社会の通念に照らし合わせて、アルコール依存症を否認して治療のチャンスを遅らせてしまっています。本書を読めば、わかってもらえますが、「アルコール依存症」についての家庭や社会の通念「働き者のアルコール依存症」が多いのです。実際には、「静かなアルコール依存症」、「働き者のアルコール依存症」が多いのです。要するに、社会の通念は、初期段階の人々の特徴を見落としているのです。
本書は「家庭」にいながら、アルコールが「体」と「こころ」に及ぼす影響の最新の知識を得ることができます。同時に、「家庭」で、アルコール依存症かどうかを簡単にチェックすることができるようにしてあります。
本書を手にしたあなたや、あなたのご家族は、きっとアルコール依存症について持っていた疑問を解き、専門治療機関や断酒会、AAなど、自助グループの門をたたく決心をして、確かなあなたの人生を歩み始めることと確信しています。
☆監修者：猪野亜朗（精神科医）
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アルコールの飲みすぎで起こる病気はいろいろあります。特徴は3つあり、ひとつは個人差があることです。同じように飲んでいても肝臓はびくともしない人もいれば、肝硬変まで進んでしまう人もいます。ある人は糖尿病になったり、ある人はがんになったりします。だからあの人よりは飲んでいないから安心だということはありません。
ふたつめは、酒をやめると速やかに改善することです。「もう酒はこりごり」と言っていても、よくなればすぐに飲み始めます。みっつめは特に重要なことです。アルコールによる病気は20年ぐらい飲み続けてようやく現れてくるので、どうして少量の酒で体を壊すようになってしまったのか納得できません。そこで、私はこう言います。「一生に飲める酒の量は個人個人決まっています。それを飲み干してしまうと、たとえ長く禁酒していても、少量飲めばすぐに体を壊します。だから断酒しかないのです。」
アルコール依存症の人は飲みすぎて体を壊すと内科医に救いを求めます。でも治るとまた飲み始め、再燃を繰り返し、最後は蚊取り線香の灰が落ちるように亡くなります。だから、体を壊してきたときこう言います。「この病気は、酒をやめない限り治りません。やめるなら一生懸命協力します」と。そして「素面でも人生を楽しめます。時間があるので好奇心がわき何か素晴らしい発見があるかもしれません」とも言います。
もし、酒がやめられない場合は、内科と精神科で連携して診ていきます。なぜ上手に飲めないのか。どうして酒におぼれるのか。寂しさと怒りの原因は何なのか。断酒に成功した人はどんな人かなど。己を知ることによって自分を愛することができます。そうなればもう酒の力を借りる必要はありません。
☆監修者：高木敏（内科医）
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コメント(3)
第一章 こんなにある！お酒が原因の病気 「この1杯があるから仕事も頑張れる」と酒を生きがいにしてきたあなた、酒量が増えていませんか？酔い方が変わっていませんか？この章で自分の飲み方をチェックし、飲みすぎが万病の源になる事実を確認しましょう。
・肝臓の検査数値との見方で判定！ あなたの飲み方に問題は？セルフチェックだけでは不十分。周囲の人の意見や評価を聞く勇気はありますか？あなたの飲酒法をアドバイスします。
☆あなたのお酒は、どんなお酒？
この本を手にされたあなたは、肝機能検査のデータは悪化する一方。お酒を控えるようにさんざん医者から注意されているのに、つい飲みすぎている方でしょうか？
それとも、奥さんから、「あなたはお酒を飲むと何かトラブルを起こす。酒をやめるか私と別れるか、どちらかにして」と、責められている方でしょうか？
あるいは、お酒の飲み方を心配したり、迷惑を受けている家族の方でしょうか？
まずKASTというテストやってみてください。ただし、あなたひとりではなく、奥さん（またはご主人）や家族など、近親者にも同時に回答してもらい、一緒に採点されることをお勧めします。
http://www.kurihama-med.jp/alcohol/kast.html
問いの回答は、少しでも思い当たることがあれば「ある」か、無ければ「いいえ」を選んでください。
点数が出たら、次のように判定してください。
”マイナス5点以下の方、正常です。今まで通り、楽しいお酒を続けてください。
マイナス４．９〜0点の方、問題飲酒者の予備軍に入ります。
０．１〜１．９点の方、問題飲酒者です。
2点以上の方、深刻な問題飲酒者です。”
もしあなたのガンマーGTPという肝機能検査値が１００以上であれば、画像もご覧になって、このKASTの点数から、「アルコール依存症の兆候」がないかどうか、チェックして、アドバイスに従うようにしてください。
△KAST：KASTとは、久里浜式（K）アルコール症（A)スクリーニング（S)テスト（T)の略です。久里浜とはアルコール問題研究・研修センターである国立療養所久里浜病院：独立行政法人国立病院機構 久里浜医療センター（神奈川県横須賀市）のことです。
△ガンマ・GTP：体内でタンパクがつくられるとき、その材料であるグルタミン酸の代謝を仲介する酵素の一つです。肝炎や肝硬変などによって幹細胞が壊れ、肝機能が低下した時に、GOT（AST）やGPT（ALT）と一緒に血液の中にたくさん出てきます。正常値は一般に４０単位以下です。
・肝臓の検査数値との見方で判定！ あなたの飲み方に問題は？セルフチェックだけでは不十分。周囲の人の意見や評価を聞く勇気はありますか？あなたの飲酒法をアドバイスします。
☆あなたのお酒は、どんなお酒？
この本を手にされたあなたは、肝機能検査のデータは悪化する一方。お酒を控えるようにさんざん医者から注意されているのに、つい飲みすぎている方でしょうか？
それとも、奥さんから、「あなたはお酒を飲むと何かトラブルを起こす。酒をやめるか私と別れるか、どちらかにして」と、責められている方でしょうか？
あるいは、お酒の飲み方を心配したり、迷惑を受けている家族の方でしょうか？
まずKASTというテストやってみてください。ただし、あなたひとりではなく、奥さん（またはご主人）や家族など、近親者にも同時に回答してもらい、一緒に採点されることをお勧めします。
http://www.kurihama-med.jp/alcohol/kast.html
問いの回答は、少しでも思い当たることがあれば「ある」か、無ければ「いいえ」を選んでください。
点数が出たら、次のように判定してください。
”マイナス5点以下の方、正常です。今まで通り、楽しいお酒を続けてください。
マイナス４．９〜0点の方、問題飲酒者の予備軍に入ります。
０．１〜１．９点の方、問題飲酒者です。
2点以上の方、深刻な問題飲酒者です。”
もしあなたのガンマーGTPという肝機能検査値が１００以上であれば、画像もご覧になって、このKASTの点数から、「アルコール依存症の兆候」がないかどうか、チェックして、アドバイスに従うようにしてください。
△KAST：KASTとは、久里浜式（K）アルコール症（A)スクリーニング（S)テスト（T)の略です。久里浜とはアルコール問題研究・研修センターである国立療養所久里浜病院：独立行政法人国立病院機構 久里浜医療センター（神奈川県横須賀市）のことです。
△ガンマ・GTP：体内でタンパクがつくられるとき、その材料であるグルタミン酸の代謝を仲介する酵素の一つです。肝炎や肝硬変などによって幹細胞が壊れ、肝機能が低下した時に、GOT（AST）やGPT（ALT）と一緒に血液の中にたくさん出てきます。正常値は一般に４０単位以下です。
☆問題飲酒とは？
問題飲酒とは、一度飲み始めると歯止めが利かないこと。体（臓器）に何らかの障害（病変や異常）が出ていること、そして、酔うと必ず何らかの不始末や迷惑行為、事故やトラブルなどの「問題」を起こしていること、です。
さらに、「自分の飲み方はおかしいのでは…？」と感じていて、節酒や断酒が必要だと自覚しているにもかかわらず、飲酒がやめられないでいることを指します。
重い問題飲酒者あるいは問題飲酒者に入った方は、直ちに専門の医療機関に相談されることをお勧めします。これはあなたひとりの問題ではありません。
問題飲酒予備軍に入ったあなたは、アルコールとあなた自身の関係を修正しなければならない可能性があります。
それを確認するためにも、お酒の入らない時と入った時のあなたにどれほどの「差」があるか、つまり、お酒の入ったあなたは周囲の人を和ませ楽しませているのか、それとも悲しませたり、苦しませたり、不安を与えたりしてはいないかを、勇気をもって、まず周囲に聞いてみましょう。
☆γーGTPが１００以上のあなたへ
”γーGTPという肝臓の検査値は飲酒によって上がりやすいものです。”胆石、脂肪肝、肝硬変、肝がんなどの肝臓障害の場合に、血液中に増えてきます。正常値は４０単位以下です。
お酒が抜けると、アルコールによる幹細胞の破壊が止まるので、GOTやGPTという肝臓の検査値は、すぐに下がるのに対して、γーGTPはなかなか下がらない傾向があります。
飲酒のせいで上がったγーGTPの値をその半分にするには、３週間アルコールを体内に入れないでおかないといけません。ところが、日ごろあまり飲まない人のγーGTPの値はすぐに下がるのに対し、大量飲酒者のγーGTP値は高いままで、酒をちょっとやめた程度では下がりません。
γーGTPはアルコールの処理工場に多くあって、その工場をすぐにたたむわけにはいかないので、下がるまでに時間がかかります。大量飲酒やアルコール依存症の診断に、γーGTPが使われるのは、そのためです。
γーGTPは胆石、脂肪肝、肝硬変、肝がん、腎臓障害などでその値が上がりますが、GOTやGPTが下がったのにγーGTPは１００単位以上というのは、アルコール性肝障害が進んでいる可能性大です。
このような検査値が出た場合は、”アルコール依存症が疑われます。”
”アルコール依存症は断酒、つまり今後一生１適も飲まずにい続けない限り回復しません。
KASTの結果と前述の画像を見てください。KAST０〜１．９点の方は節酒を、それ以上の方はただちに断酒すべきです。”
△節酒とは？：かつて適正飲酒ということばがありました。「ほろ酔い程度でやめておく飲み方」と理解されていましたが、アルコール耐性には個人差があり、ほろ酔いになる飲酒量が特定できないために、今はあまり使われていません。
「健康日本２１」を提唱している厚生労働省は、節酒とは「危険性の低い飲み方のことで、1日１合（日本酒換算）まで」としています。
△AA：アルコール依存者が集まって、お酒をやめていく自助グループ。
◆体験談：KASTの数値を無視して、飲み続け、死にかけた！
KASTを会社の同僚たちとやってみたら、２けた以上の点数の問題飲酒者ばかり。「飲んで記憶をなくすなんて、みんないつものこと。笑い話だよ」「うちの職場の人間は、大半γーGTPは異常値さ」などと、たいして気にせずにいた。
数年後、飲めばいつも、記憶もないまま酔いつぶれるようになり、最後は朝から晩まで何日も飲み続け、精神科病院に入院。今はAAに入って、酒をやめられたが、同僚たちも肝臓を壊したり、酒のせいか、会社の部署を変えられたりしている。（自助グループメンバー）
問題飲酒とは、一度飲み始めると歯止めが利かないこと。体（臓器）に何らかの障害（病変や異常）が出ていること、そして、酔うと必ず何らかの不始末や迷惑行為、事故やトラブルなどの「問題」を起こしていること、です。
さらに、「自分の飲み方はおかしいのでは…？」と感じていて、節酒や断酒が必要だと自覚しているにもかかわらず、飲酒がやめられないでいることを指します。
重い問題飲酒者あるいは問題飲酒者に入った方は、直ちに専門の医療機関に相談されることをお勧めします。これはあなたひとりの問題ではありません。
問題飲酒予備軍に入ったあなたは、アルコールとあなた自身の関係を修正しなければならない可能性があります。
それを確認するためにも、お酒の入らない時と入った時のあなたにどれほどの「差」があるか、つまり、お酒の入ったあなたは周囲の人を和ませ楽しませているのか、それとも悲しませたり、苦しませたり、不安を与えたりしてはいないかを、勇気をもって、まず周囲に聞いてみましょう。
☆γーGTPが１００以上のあなたへ
”γーGTPという肝臓の検査値は飲酒によって上がりやすいものです。”胆石、脂肪肝、肝硬変、肝がんなどの肝臓障害の場合に、血液中に増えてきます。正常値は４０単位以下です。
お酒が抜けると、アルコールによる幹細胞の破壊が止まるので、GOTやGPTという肝臓の検査値は、すぐに下がるのに対して、γーGTPはなかなか下がらない傾向があります。
飲酒のせいで上がったγーGTPの値をその半分にするには、３週間アルコールを体内に入れないでおかないといけません。ところが、日ごろあまり飲まない人のγーGTPの値はすぐに下がるのに対し、大量飲酒者のγーGTP値は高いままで、酒をちょっとやめた程度では下がりません。
γーGTPはアルコールの処理工場に多くあって、その工場をすぐにたたむわけにはいかないので、下がるまでに時間がかかります。大量飲酒やアルコール依存症の診断に、γーGTPが使われるのは、そのためです。
γーGTPは胆石、脂肪肝、肝硬変、肝がん、腎臓障害などでその値が上がりますが、GOTやGPTが下がったのにγーGTPは１００単位以上というのは、アルコール性肝障害が進んでいる可能性大です。
このような検査値が出た場合は、”アルコール依存症が疑われます。”
”アルコール依存症は断酒、つまり今後一生１適も飲まずにい続けない限り回復しません。
KASTの結果と前述の画像を見てください。KAST０〜１．９点の方は節酒を、それ以上の方はただちに断酒すべきです。”
△節酒とは？：かつて適正飲酒ということばがありました。「ほろ酔い程度でやめておく飲み方」と理解されていましたが、アルコール耐性には個人差があり、ほろ酔いになる飲酒量が特定できないために、今はあまり使われていません。
「健康日本２１」を提唱している厚生労働省は、節酒とは「危険性の低い飲み方のことで、1日１合（日本酒換算）まで」としています。
△AA：アルコール依存者が集まって、お酒をやめていく自助グループ。
◆体験談：KASTの数値を無視して、飲み続け、死にかけた！
KASTを会社の同僚たちとやってみたら、２けた以上の点数の問題飲酒者ばかり。「飲んで記憶をなくすなんて、みんないつものこと。笑い話だよ」「うちの職場の人間は、大半γーGTPは異常値さ」などと、たいして気にせずにいた。
数年後、飲めばいつも、記憶もないまま酔いつぶれるようになり、最後は朝から晩まで何日も飲み続け、精神科病院に入院。今はAAに入って、酒をやめられたが、同僚たちも肝臓を壊したり、酒のせいか、会社の部署を変えられたりしている。（自助グループメンバー）
・これだけある！こんなに危険！お酒が原因の病気：は百薬の長ですが、飲み方を誤れば万病の源…。全身の臓器だけでなく脳神経もおかし、廃人になる危険も！
☆お酒は肝臓を悪くするだけではない…。「肝臓組」と「脳組」
お酒は、適量を楽しく飲むのであれば、緊張をほぐし、気持ちを高揚させ、人間関係を滑らかにするというすばらしい効用があります。しかし、酔いを求めるあまり、飲酒量の度が過ぎ、それが長年続くようになると、体とこころの両面をおかす毒に変わります。また、一気飲みなどによる急性アルコール中道など、酔いすぎれば、生命の危険を招くこともあります。
アルコールは感覚、知能、循環、消化、代謝、運動にかかわる器官のほぼ全部に影響を与えます。なかでも”「肝臓組」と言われる肝臓障害＝脂肪肝、肝炎、肝線維症、肝硬変、肝がんなどと、「脳組」といわれる脳神経障害、脳委縮による認知障害や記憶障害、末しょう神経障害の影響は深刻”です。健康を脅かされ、さらにこころのはたらきも低下することで、下手をすると廃人同様になり、その後の人生に大きな影響を及ぼします。そこに至らないまでも、さまざまの臓器障害や機能障害をたくさん起こします。
【アルコールが原因の身体疾患】
神経系ー記憶力低下、脳委縮、アルコール性痴呆、ウェルニッケ・コルサコフ症候群、ベラグラ脳症、視神経炎、小脳変性症
食道ー食道炎、マロリーワイス症候群、食道静脈瘤、食道がん
心臓ー心筋症、不整脈、高血圧
胃・十二指腸ー胃炎、胃潰瘍、十二指腸潰瘍
膵臓ー急性膵炎、慢性膵炎、糖尿病および合併症
骨ー骨粗しょう症、大腿骨骨董壊死
足ー末しょう神経炎、ミオパチー、痛風
皮膚ー酒やけ、血管腫、皮膚炎
歯の障害
口腔・咽頭がん
肝臓ー脂肪肝、肝線維症、肝硬変、アルコール性肝炎、肝臓がん（B型、C型肝炎ウイルス）
大腸・小腸ー吸収障害、栄養障害、S状結腸癌、直腸がん
生殖器ー男性：インポテンツ、睾丸収縮 女性：月経不全、卵巣機能不全、胎児性アルコール症候群
造血器ー血小板減少症、免疫力低下
☆アルコールで体とこころを壊した人の特徴
少量のアルコールは、各器官に刺激を与えてそのはたらきを活発にします。食欲を増し、体温を上げ、精神をはつらつとさせてくれます。百薬の長といわれるのは、まさにこの効果ゆえでしょう。
ところが、この喜ばしい効果は短時間しか続きません。しかも、飲酒量に反比例して、体とこころのはたらきを鈍らせ、やがては機能そのものを障害するようになります。
この機能の鈍化や障害は飲酒をやめれば回復しますが、飲酒量が増えるに従って回復は遅れるようになります。こういう状態が続くようになると、ついには病的状態に至ります。
アルコールが原因で病気になった人には次のような特徴があります。それは、
�。横闇�ぐらいの飲酒期間を経て初めて、病気や自覚症状が出てくる
��個人差が大きい
��酒を少しでもひかえると表面的な病状はすぐに回復するが、また飲んで悪化させる
�き�をくり返し、”平均すると５２歳前後で亡くなることが多い”、などです。
表面化するまでに時間がかかり、飲酒を控えるといったんは治まりますが、くり返すうちに若死にしてしますのです。
△事故・自殺も短命の原因に：大量飲酒者または問題飲酒者の死亡率が高いのは、飲みすぎによる臓器障害で亡くなる例に加え、事故や自殺などで亡くなる例が少ないためです。次のどれかに当てはまる方、それも何度か繰り返している方は、アルコール依存症の疑いがあります。
�ー鬚魄�んでけんかしたり、転んだり、転落して外科で治療を受けたことがある
�⊆鬚魄�んで救急車や救急外来、夜間外来の世話になったことがある
�０�酒運転、酒気帯び運転で事故・違反を起こしたことがある。または何度か飲酒運転や酒気帯び運転をしたことがある
◆コラム：飲める体質、飲めない体質
アルコールに強いか弱いかは、その人のALDHという分解酵素のはたらきが強いか弱いかでほぼ決まります。
日本人の５０％は活性型（NN型）で、このタイプはお酒に強く、相当飲んでもあまり悪酔いや二日酔いもしません。しかし、アルコール依存症になる危険はあります。
１０％が不活性型（DD型）で、このタイプはビールを一口なめただけでダウンしてしまう「下戸」です。
４０％が低活性型（ND型）です。最初はそう飲めませんが、だんだんと飲めるようになるため、アルコール性の臓器障害や、アルコール依存症になるのはこのタイプに多いのです。この低活性型で毎日飲酒し、喫煙する人の発がん率は、活性型の１７．６倍も高いことが確認されています。
☆お酒は肝臓を悪くするだけではない…。「肝臓組」と「脳組」
お酒は、適量を楽しく飲むのであれば、緊張をほぐし、気持ちを高揚させ、人間関係を滑らかにするというすばらしい効用があります。しかし、酔いを求めるあまり、飲酒量の度が過ぎ、それが長年続くようになると、体とこころの両面をおかす毒に変わります。また、一気飲みなどによる急性アルコール中道など、酔いすぎれば、生命の危険を招くこともあります。
アルコールは感覚、知能、循環、消化、代謝、運動にかかわる器官のほぼ全部に影響を与えます。なかでも”「肝臓組」と言われる肝臓障害＝脂肪肝、肝炎、肝線維症、肝硬変、肝がんなどと、「脳組」といわれる脳神経障害、脳委縮による認知障害や記憶障害、末しょう神経障害の影響は深刻”です。健康を脅かされ、さらにこころのはたらきも低下することで、下手をすると廃人同様になり、その後の人生に大きな影響を及ぼします。そこに至らないまでも、さまざまの臓器障害や機能障害をたくさん起こします。
【アルコールが原因の身体疾患】
神経系ー記憶力低下、脳委縮、アルコール性痴呆、ウェルニッケ・コルサコフ症候群、ベラグラ脳症、視神経炎、小脳変性症
食道ー食道炎、マロリーワイス症候群、食道静脈瘤、食道がん
心臓ー心筋症、不整脈、高血圧
胃・十二指腸ー胃炎、胃潰瘍、十二指腸潰瘍
膵臓ー急性膵炎、慢性膵炎、糖尿病および合併症
骨ー骨粗しょう症、大腿骨骨董壊死
足ー末しょう神経炎、ミオパチー、痛風
皮膚ー酒やけ、血管腫、皮膚炎
歯の障害
口腔・咽頭がん
肝臓ー脂肪肝、肝線維症、肝硬変、アルコール性肝炎、肝臓がん（B型、C型肝炎ウイルス）
大腸・小腸ー吸収障害、栄養障害、S状結腸癌、直腸がん
生殖器ー男性：インポテンツ、睾丸収縮 女性：月経不全、卵巣機能不全、胎児性アルコール症候群
造血器ー血小板減少症、免疫力低下
☆アルコールで体とこころを壊した人の特徴
少量のアルコールは、各器官に刺激を与えてそのはたらきを活発にします。食欲を増し、体温を上げ、精神をはつらつとさせてくれます。百薬の長といわれるのは、まさにこの効果ゆえでしょう。
ところが、この喜ばしい効果は短時間しか続きません。しかも、飲酒量に反比例して、体とこころのはたらきを鈍らせ、やがては機能そのものを障害するようになります。
この機能の鈍化や障害は飲酒をやめれば回復しますが、飲酒量が増えるに従って回復は遅れるようになります。こういう状態が続くようになると、ついには病的状態に至ります。
アルコールが原因で病気になった人には次のような特徴があります。それは、
�。横闇�ぐらいの飲酒期間を経て初めて、病気や自覚症状が出てくる
��個人差が大きい
��酒を少しでもひかえると表面的な病状はすぐに回復するが、また飲んで悪化させる
�き�をくり返し、”平均すると５２歳前後で亡くなることが多い”、などです。
表面化するまでに時間がかかり、飲酒を控えるといったんは治まりますが、くり返すうちに若死にしてしますのです。
△事故・自殺も短命の原因に：大量飲酒者または問題飲酒者の死亡率が高いのは、飲みすぎによる臓器障害で亡くなる例に加え、事故や自殺などで亡くなる例が少ないためです。次のどれかに当てはまる方、それも何度か繰り返している方は、アルコール依存症の疑いがあります。
�ー鬚魄�んでけんかしたり、転んだり、転落して外科で治療を受けたことがある
�⊆鬚魄�んで救急車や救急外来、夜間外来の世話になったことがある
�０�酒運転、酒気帯び運転で事故・違反を起こしたことがある。または何度か飲酒運転や酒気帯び運転をしたことがある
◆コラム：飲める体質、飲めない体質
アルコールに強いか弱いかは、その人のALDHという分解酵素のはたらきが強いか弱いかでほぼ決まります。
日本人の５０％は活性型（NN型）で、このタイプはお酒に強く、相当飲んでもあまり悪酔いや二日酔いもしません。しかし、アルコール依存症になる危険はあります。
１０％が不活性型（DD型）で、このタイプはビールを一口なめただけでダウンしてしまう「下戸」です。
４０％が低活性型（ND型）です。最初はそう飲めませんが、だんだんと飲めるようになるため、アルコール性の臓器障害や、アルコール依存症になるのはこのタイプに多いのです。この低活性型で毎日飲酒し、喫煙する人の発がん率は、活性型の１７．６倍も高いことが確認されています。
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