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日本会議 新宿連合コミュのロシアとトルコは「全面戦争」に突入するのか? 世界の列強が「対テロ戦後」を睨んで動き始めた!

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2015年11月27日(金) 長谷川 幸洋

なぜトルコはロシア軍機を撃墜したのか

シリアとトルコの国境付近でトルコ軍機がロシア軍機を撃墜した。私は先週のコラム(http://gendai.ismedia.jp/articles/premium01/46454)で「世界は『テロと戦争の時代』に完全にモードチェンジした」と書いたが、まさに暴力が瞬く間に加速している。世界はどこに向かっていくのか。

トルコとロシアはつい最近まで友好的な関係にあった。トルコの輸入相手国第1位はロシアであり、とりわけ石油や天然ガスの多くはロシアからの輸入に依存している。ロシアはトルコとロシア産天然ガスを南欧に輸送するパイプライン建設の交渉も進めてきた。

これまでのように、両国が互いを必要とする相互依存関係を重視しているのであれば、たとえ一時的な領空侵犯があったとしても、いきなり相手を撃墜するような乱暴な事態は避けられたはずだ。北大西洋条約機構(NATO)のメンバー国が、よりによってロシア機を撃墜するような事態は何十年も起きなかった。

しかし撃墜に至ってしまったのは、相互依存の恩恵を忘れてしまうほど頭に血が上って、あっという間に双方で敵対意識が膨れ上がってしまったからだ。燃え盛る戦火は空軍パイロットからも民衆からも冷静さを奪ってしまう。代わって激情が支配するようになる。

ロシアがシリアの空爆を始めたのは、つい2カ月前の9月30日である。イスラム国(IS)掃討が目的と説明していたが、まもなくロシアはIS掃討よりもアサド政権の延命を狙って、政権に抗う反体制派勢力を攻撃している実態があきらかになる。

トルコは、同胞であるシリア内のトルクメン人が反体制派と目され空爆されていると知って、ロシアへの反感を募らせた。「仲間の敵は自分の敵」というロジックだ。

一方、アサド政権に肩入れするロシアの側も、トルコはトルクメン人を支援してアサド政権に敵対させているとみていた。こちらも「アサドの敵は自分の敵」である。「敵・味方関係」に基づく敵意が「相互依存関係」に基づく理性をおしのけ圧倒していった。その結果が今回の撃墜なのだ。

プーチンも参っている

いったん敵意に火が点いてしまうと、そう簡単には元に戻らない。かりに指導者たちが冷静に判断しようとしたところで、怒りをたぎらせた両国の民衆が許さないからだ。とくに兵士2人の死者を出したロシア側はなおさらだろう。

だからといって、ロシアとトルコの対立がエスカレートするのかといえば、必ずしもそうとは言えない。肝心かなめのISが勢力を伸ばしているからだ。

ロシアはISに対して当初、中途半端な立場を保っていた。空爆で狙ったのがISでなくシリアの反体制派だったのは「アサド政権を支援することがひいてはIS攻撃につながる」「敵の敵を応援するのが敵への打撃になる」という理屈である。

だが11月9日、エジプトのシナイ半島上空でロシア旅客機が墜落した事件はISによる爆破テロの可能性があると認めた後、ロシアはIS掃討に本腰を入れるようになった。

墜落原因をめぐって当初、ロシアがいかにも優柔不断に見えたのは、ISによる犯行と認めてしまうと、ロシア国内で「シリア空爆を始めたのが原因じゃないか」とプーチン政権批判が高まる事態を恐れたためだ。

今回のロシア軍機撃墜でも、ロシアは当初「地上から撃墜された」と言っていた。トルコ軍の関与を認めると、トルコとの関係悪化に加えて、世論が激昂し沈静化が難しくなるのを恐れたからだろう。プーチン大統領は強気一辺倒に見えて、実は世論を非常に気にしている。

そんな曲折はあったが、いまやロシアがISを敵とはっきり位置づけているのは間違いない。自国旅客機を爆破されているのに「敵でない」などとはとても言えない。

それはトルコも同じである。

日本のマスコミは各国の不協和を願っているのか?

トルコはISによる犯行とみられる自爆テロ、次いでトルコ軍兵士がISの攻撃で死亡した事件を受けて7月、初めてシリア内のIS拠点を空爆した。

それまでは米国などの空爆に追随していなかったが、自国民と兵士がISのターゲットになって方針転換に踏み切った(http://gendai.ismedia.jp/articles/premium01/44454)。

トルコにとってもロシアにとっても、いまや主要敵はISなのだ。ここが肝心だ。

トルコにとってのトルクメン人やロシアにとってのアサド政権は同胞、盟友にすぎない。戦いの渦中にある戦士に向かって「戦いの目的は友人を助けるためか、それとも自分の敵を倒すためか」と問えば、多くの戦士は躊躇なく「自分の敵を倒すため」と答えるのではないか。

つまり、こういうことだ。

ISをめぐる「敵味方関係」が激化しているからこそ、ロシアとトルコ、さらにはフランスや米国を含む有志国連合は対IS戦線で協調できる可能性が高い。

ISは人質殺害やテロなどで米欧はもとよりロシアを含めてあまりに多くの国を敵に回してしまった。もちろん日本もその1つである。

日本のマスコミでは、トルコによるロシア軍機の撃墜事件で「米欧とロシアの結束に亀裂が入った」とみる論調が多い。あたかも、各国がうまく協調できない事態を願っているかのようだ。そもそもマスコミは失敗やヘマが大好きなのだ。

だが、私の見立ては違う。

プーチン大統領がトルコの行為に憤る国内世論に配慮しなければならない難しさはあるだろう。だからといって、ロシアが対IS戦線から離脱する事態は考えられない。自国の旅客機を撃墜されているのだ。いずれ、IS攻撃を再開するに違いない。そうでなければ国内世論も収まらない。

むしろ、真の問題は「ポストIS戦」である。

かつて第2次大戦で米英仏中ソ連の5大国を中心とする連合国側が日本とドイツに勝利した後、同じ勝者側である米国とソ連の間で冷戦がただちに始まったように、ISに勝利した後は今回のロシアとトルコ、さらには米仏などと新たな主導権争いが始まる可能性が高い。

各国はみな冷戦の歴史に学んでいる。そうだとすれば、IS戦をどう戦うかは、IS戦後の秩序をどう自国有利に作り上げるかに直結していることを理解しているはずだ。

米仏、仏ロなど相次ぐ首脳会談を皮切りに、これから始まる各国の綱引きは「秩序が失われた世界の新しい秩序作り」をめぐる戦いでもある。
http://gendai.ismedia.jp/articles/-/46586

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