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読み人倶楽部の読書会コミュの令和4年3月 読書会☆報告☆『ツナグ』

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2022年3月読書会報告

課題本「ツナグ」辻村深月

木々に花が咲き始め、ようやく春になってきました。
今月は、先月に引き続き「死」をテーマとした課題本、辻村深月著 「ツナグ」となりました。

今月も対面とオンラインのハイブリッド開催で、対面参加が2名、オンライン参加が3名、計5名の参加となりました。
以下、読書会中に出た感想・意見を紹介します。

○本全体の大まかな感想
・映画(「ツナグ」は映画化されています)は場面場面がとぎれとぎれでよくわからない
・小説を読んでから映画を観た方が理解しやすい
・感動はそれほどしないがグッとくる。
待ち人の心得がロマンチストの僕には一番グッときた。こんな恋愛してみたかった。
・こわかったのが親友の心得。友情かぞっとする見方か。
・辻村深月は「かがみの孤城」を読んだ。最後にすべてを回収し読者にすごいと思わせる構成がうまい。
・原作と映画両方楽しめる
・親友の心得は復讐と友情とどちらともとれて辻村作品らしい
・死んでもなお女の復讐心恐ろしい
・使者(ツナグ)の心得は歩美くんの視点が初めて出てきておもしろかった
・「ツナグ」の続編「想い人の心得」もよかった
・「長男の心得」の章は身近な部分がありグッときた
・「使者の心得」の章が一番グッときた
・最後のどんでん返し。両親の死の真実は違っていた。うるうるきた
・死者が生者のなかで生き続けられるのか。死者に会いたいとか生者のための死者というのは死者に対する冒涜か。
・歩美くん(小説全体の主役)を通して生者は会いたいと思っていい。傲慢でいいという一つの答えが提示されていておもしろい

以下、各章に関する感想、意見
○アイドルの心得
・平瀬さんから見た両親や同僚が怖い
・水城さんすごくいい人。人の死を止めてかっこいい。

○長男の心得
・母親ががんだということを知らせなかった。実際に母親はどう思っていたかは話の中からははっきりしない。
・ツナグによって呼び出された死者は生きている人が作り上げた死んだ人(像)かもしれない
・靖彦(この章の主人公)の母親への信頼感があった
・依頼人にとっての真実ならそれでいい

○親友の心得
・小説ではよくある嫉妬心や心のドロドロ
・嵐(本章でのヒロイン)の罪悪感がすごく伝わってくる

○待ち人の心得
・出会いの所は男性にとって理想の展開
・騙されていた可能性
・歩美くんが土谷さん(本章の主人公)に怒るシーンが印象的
・騙されていたのかもしれないのに7年間想い続けていた
・大切ににしまってあったポップコーンの空箱にぐっときた

○使者の心得
・前章までは依頼人目線で書かれているが、歩美くん目線がわかっておもしろい
・ツナグ自身はどう死者と向き合うのか?なぜ両親と会わなかったのか
・両親の死について言い聞かされてきた不名誉な話ではない真実に気づいてそれを信じた
・妬み恨みはいろいろあるけれど(「親友の心得」「長男の心得」の内容を承けて)それはある意味自分自身がつくりだしている

○読書会の感想
・文体がライトだけれども意外なほど感動させられる
・他の作品も読んでみたい
・すごく深い 自分にとっての課題について考えさせられた
・普通だったら読まない本を読まされたことは刺激だった。普通だったら読まない本について自分なりにどう考えたかを人に説明するのは頭を使う。違う意見についてなぜかということを整理するから。


今回は、久しぶりに読書会報告を担当しましたが、最後に執筆のモチベーションに繋がったエピソードを紹介させてください。

今月は図書館で課題本を借りたのですが、最寄りの図書館になかったので市内の別の図書館から取り寄せました。
文庫版を希望したのですが、図書館から到着の連絡があって取りに行ってみると新書版でした。

図書館あるあるなので、しょうがないかと思ってそのまま借り、読書会の前日に読了。

予想以上に読みやすくて感涙し読後感も良く、私には珍しく読み返し、内容的に続編がないと理解できないなと思った部分があったため、続編が出てないかとググった所、何と、この度借りた本が続編「ツナグ 想い人の心得」でした!
貸し出し票を見ると「ツナグ」としか書いてないので、図書館の人も気づかなかったようです。

気づいた時点でもうすぐ21時、一瞬迷ったものの、速攻近所の本屋で今回の課題本「ツナグ」を買ってきました。
ここで本を入手したのは、「ツナグ 想い人の心得」が面白いことに加えて、今の自分の在り方を考えさせられたので、「ツナグ」も読みたいと思ったからです。

読者の心を動かす作品が書ける辻村深月氏、凄いです。

そして、辻村深月氏、「ツナグ」を続けて書いていきたいそうで嬉しいです。

https://www.bookbang.jp/review/article/590674?all=1

コメント(1)

読書会報告ありがとうございました!
「ツナグ」の続編是非読んでみたいです。

「ツナグ」は、死んでしまったあの人に会いたいと願う心を描いた小説でしたが、おもしろいのは、呼び寄せた死者があの世から呼び出したのではなく、この世に残っているその人の欠片や記憶をいろんな場所からかき集めてどうにか一人分の形にしたものなのかもしれないというところで、物語の中でもそれははっきりしていないということ。
そしてもし魂ではなく残像のようなものであるとしたなら、会うことに意味はあるのか?会いたいと願うのは生きている側のエゴじゃないのかと主人公の歩美が葛藤し、後に答えを出すところ。
そしてそして、歩美が、亡くなった両親のどちらかとの再会できる選択を悩み、考えた最後の決断をするところ。
小説なのに、しかも現実離れした設定なのにもかかわらず、哲学的要素があって、非常に深く、そして感動的な物語でした。

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