ログインしてさらにmixiを楽しもう

コメントを投稿して情報交換!
更新通知を受け取って、最新情報をゲット!

Amis コミュの輝く新星たち13

  • mixiチェック
  • このエントリーをはてなブックマークに追加
 ―ガチャ
「次、君の番だよ」
 ドアが開きイケメンが俺の番だと告げて来た。
「ああ。わかった」
「君、あの時も居たよね? ここでも会えるとは、どうやら、同じ感性の持ち主かな。僕の名前は柊歩夢。よろしく」
「俺は鷹月凱斗。よろしく」
 軽く握手をしたが、今後、俺の前に立ち塞がるライバルになるかもしれない。
 微笑む歩夢から何か圧されているような気がした。
『負けない』と言っているような。
「次はドラフト会議で会おう」
 歩夢は控室を後にして帰って行った。
 俺は心美の所へ。
 何度もアイドル生たちと話しては交渉失敗をしてきたが、次があると前向きに考えて来たが。
今は不安しかない。
歩夢から感じ取れた静かで笑顔の中に隠している威圧感に圧された。
心美は歩夢に取られたと仮定して話すしかない。

 ―コンコン
「いいでやがるよ」
 心美のきょかを得て俺は入室した。
「凱斗でやがるね。そこに座ってでやがる」
 椅子に座り心美との交渉スタート。
「さっきのライブ盛り上がってたな。歌っている時は普通なんだな」
「これは口癖出やがる。普段はこれで話してやがり、歌う時は治してやがる」
「いつから、そんな喋り方を?」
 普通に気になる心美の口調の生まれた時期を訊きたい。
「う〜ん。昔見たアニメのキャラクターの真似をしていたら、こんな風になったでやがる」
「それって、『戦国戦隊、カイレンジャー』か?」
「それでやがる。あれは面白かったでやがるよ。凱斗もみていたでやがるか?」
「見てたよ。本当に面白かったな。毎日、カイレンジャーごっこをして遊んだぐらいだ」
『戦国戦隊、カイレンジャー』は俺が子どもの時に(幼稚園生時期)に放送されていた戦隊ヒーローアニメ。
 戦国武将をモチーフにした戦隊ヒーロー。
 レッド、ブルー。ミドリ。クロ。シロといた。
男の子なら誰でも見ていた。
 放送された次の日には幼稚園で感想を言い合い、熱くなったシーンなど語った。
 外での遊びはもちろんカイレンジャーごっこ。
 運命のジャンケンで役決め、この時に何を出すか必死に考え戦う。
 ジャンケンではめっぽう強い俺は敗けたのが覚えている範囲で一桁に留まっている。
 憧れのレッド役を何度もした。
 そのレッドが今の心美の口調で喋っていた。
 俺も真似した時期はあったが、すぐに普通の口調に戻った。
 ここまで、引きずる心美はそうとうカイレンジャーにハマったに違いない。
「やっぱりレッドが人気あったでやがるよ。そのレッドの真似をしていたらこうなってしまったでやがる」
 申し訳なそうに心美は言った。
「でも、歌っている時は普通だが良いんじゃないか?」
「そうでやがるが、いつ、これが出るんじゃないかと怖いでやがる。直そうとは思っていてもなかなか」
 不安げな顔になった心美は自身の口調を恐れている部分がある。
 先ほどのライブでは普段の口調を出した事に後悔があるのかと。
「さっきのライブでは普段の喋りで喋っていたじゃないか」
「そうでやがるが。あそこにいたファンは馴染みのファンでやがる。今こうして喋っているのは、いずれはバレると思っているからでやがるから……」

コメント(0)

mixiユーザー
ログインしてコメントしよう!

Amis  更新情報

Amis のメンバーはこんなコミュニティにも参加しています

星印の数は、共通して参加しているメンバーが多いほど増えます。

人気コミュニティランキング