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Amis コミュの輝く新星たち2

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う〜ん。イマイチ俺の直感がこないな。
 これだと! と思う。どーん! が来ない。
 愛実ではないな。
メモ帳に評価を書き、この場を後にして別な場所に移動する。
「次はどこのエリア行くか?」
 アイドル生がライブしているエリア地図を見る。
 路上、ビルの一室、ライブハウス。地下ライブハウス。
 ここが主にアイドル生たちがライブしている場所。
「地下ライブハウスに行くか」
 夏真っ盛りの季節、世間では夏休みです。
 海、プール、夏祭り、花火、青春謳歌している学生がいる。
俺たちはそんな暇はない。
戦いの夏だ。野球でいう甲子園!
アイドル生たちは、球児に負けないくらい照りつける太陽の下でよくライブしている。
 熱中症で倒れている生徒を何人か見た。
 俺でも歩いてて汗が出る。
 携帯している水も三本目突入。
 しかも、この暑さが三日連続続いている。
 俺も三日連続ここを歩き続けているのだから、熱中症になっても可笑しくはない。
 本当はこの活動は強制ではない。アイドル生もプロデュース科の生徒も自己責任の元で活動している。
 この視察活動期間だけ先生たちは関与しない。
 自分が求めるアイドル生がいたら、そこで接触し談合し目星を付ける。
 アイドル生も同じこと。
 俺は今だ目星を付けたアイドル生がいないから、この暑い空の下を歩き回っている。
 あと、残り一週間で視察活動(アイドルはアピール活動)が終わるのに。
 もし、選べなかったり、ドラフトで契約出来なかった場合、残ったアイドル生はプロデュース科の生徒の中から、獲得したアイドル生が少ない順に交渉する権利が与えられる。
それでも、契約できなかったら、普通科に強制的に回される。
だから、俺は三日続けて自身が求めるアイドルの卵を探している。
 アイドルのためなら俺は元気百倍だ! どやーーーーー。
奮起している所に前方から赤色制服の学生が見えてきた。
 ライバル登場。
『聖桜歌学園』の制服は男女とも赤色ブレザー。
同じ学科の生徒と通りすがると、互いに何も無い。
 俺たちの勝負、軽く掌を見せない。
 同じ卵を狙っている敵かもしれないのだ。
 ここは戦場なのだ。
歩いているうちに、目的地の建物に着いた。
 上に行く階段に地下に行く階段。
 ここからでも聴こえてくる歌声、俺はゆっくりと階段を降りて行く。
 扉を開けると、俺は立ちつくした。
 人が数えるほどしかいない。ざっと数えて十人くらい。
 さっき見た愛実は観客が数えても五十人ほどいたのに。
 これが、ドラフト有力候補との差だと知った。
「こんな観客が少ないのに一生懸命に歌っているなんて。それに、笑顔が眩しい」
 分る。彼女は全力で歌って踊っている。
『海崎絢音。あなたの心に火を付けちゃうぞ! 紅い声援を送る元気一杯な女の子』
 あながち間違っていないかもしれない。
壁に寄りかかり絢音の歌声を耳を起てて聴き入る。
 
何だろう? 絢音の声を聴くと俺の意気が上がって行く。
 こう、暗闇の中から小さな火が付き、それが徐々に燃え盛るように。
来た!
俺の心がどーーーーーん! と言っている。
 俺が育ててやる。彼女はきっと開花する。
 いや、俺が開花させてやる!
決めた。彼女を取ろう。
 たぶん、ドラフト有力候補には上がっていないから、交渉権は貰えるだろう。
 けど、油断はしない。
眼に映っている客の中にライバルが二人いるから、いなくても油断はしないけど。
 二人は立ち寄ったかもしれない可能性がある。
俺は絢音と話して好感触を掴み交渉時に畳み掛けよう。
 自身の算段を考えて絢音の歌を聴く。

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