『失恋ショコラティエ』コミュのオリヴィエ・トレルイエ役溝端淳平

フランスの老舗パティスリーの御曹司で、日本人とフランス人のハーフのオリヴィエ役を演じていていかがですか？
二次元のマンガの世界では成立しても、それを映像でうまく見せるのは難しいことだと日々感じています。このドラマは原作のマンガに割と忠実に描いているんですけど、その分、オリヴィエをいかに自然に演じるかってことが大事になっていて。原作のオリヴィエがキメキメで言うカッコイイセリフを、僕がそのまま言ったら絶対に寒いことになるじゃないですか(笑)。日本人が「頑張って外国人役を演じています」と見えても違うわけですし、かといってそこを無視してはオリヴィエの感じが出せませんので…。今は、原作のいいところをもらいつつ自分らしさも出しながら、自然に見えるようにということを意識して演じています。
基本は穏やかで優しいのに、ふと核心を突いた鋭い事を言うのもフランス人っぽいと感じます。
周囲の人が驚くようなことでもサラッと言えるのがフランス人らしいなと思います。印象的だったのは、爽太(松本潤)が紗絵子さん(石原さとみ)を好きになったお陰で「ショコラ・ヴィ」が出来たなら、爽太の恋はすごく価値のあることだと思う、という(第２話の)セリフです。なかなかそんな風には考えられないものだし、素敵なセリフだと思いましたが、実際に言うときはどういうトーンで言えばいいのか、すごく考えました。

そんなオリヴィエも爽太の妹のまつり(有村架純)に恋をしていて…。
爽太には残酷なことも言いながら、自分の恋愛では余裕ぶっていたのに、だんだんと気持ちを抑えられなくなっているんです。恋愛モードになったらブレーキが効かなくなるというのは国籍が違っても同じでしょうし、そういう人間臭い部分がオリヴィエにもあってよかったな、と感じています。恋愛面のお芝居では考え過ぎることもなく、彼の気持ちに自分の思いを乗せて演じることができています。
ちなみに、溝端さんご自身も恋愛ではストレートなほうですか？
そうだと思います。オリヴィエほど、ストレートに振る舞うことはできませんが、好きになったら一直線、みたいなところはあるかな(笑)。だから、オリヴィエの気持ちもよくわかります。

爽太のような長い片想いについてはどう感じますか？
どうしても忘れられない人がいるというのは理解できますけど、その人が結婚してしまったとなれば、思いは断ち切るしかないのかな、と思います。それもできないくらいに好きで奪う覚悟があるというのならまだわかりますけど、爽太の場合は妄想とか紗絵子さんとのちょっとした接点で満足しちゃっているところがあるから、それは時間をムダにしているようにも感じます。視野を広げれば、周りには素敵な人がいっぱいいるのに、って。
撮影の合間にいつも松本さんと談笑されているのが印象的ですが、現場はいかがですか？
久々の恋愛ものですし、こういった同世代がたくさんいる群像劇をやらせていただきたいと思っていたときですので、とても楽しいです。潤くんには、いつも気にかけてもらって、いじってもらえてありがたいです(笑)。最初に後輩の僕に「タメ語でしゃべろうよ」と言ってくださったので、すぐに打ち解けられました。さっきチョコレートを作るシーンでは、「下手だな、お前」ってダメ出しされました(笑)。潤くんは器用で、上手なので仕方ないですけど…。

溝端さんが松本さんのリクエストで鍋を作った、なんてこともあったそうですが。
そうなんですよ。潤くんが現場でふと「鍋食べたいんだけど、淳平作って」と言ったんですよ。現場でですし、冗談かと思うじゃないですか(笑)。そうしたら、翌日の空き時間にお金を渡されて買いにいくことになりまして。鍋の材料から、食器や鍋、IHのコンロまで買ってスタジオに戻って、鍋を作りました。潤くんもみなさんもすごく喜んでくれたのでよかったな、って。
撮影はそろそろ中盤に入りました。今後の撮影について意気込みを聞かせてください。
原作のオリヴィエは、爽太よりも年上で「ショコラ・ヴィ」のことも冷静に俯瞰で見ていたりする、爽太にとってはアドバイザー的な存在でもあるんです。今回のドラマでは同世代という設定で、でもだからこそ、オリヴィエが天真爛漫に発した一言が人を動かしたり、人の心に響いたりするようにできればいいなと思っていて。そこが一番難しいことだったりするんですが、丁寧に演じていこうと思っています。
最後に視聴者のみなさまへメッセージをお願いします！
みなさんから、いろいろな反響をいただいていることを日々感じながらやらせていただいています。月９らしくキラキラして見えるけど、中身は結構ドロドロという恋愛ドラマを新鮮に見ていただけたら嬉しいです。そして、学校や職場で、これを見ていないと話題に入れない、というくらいに盛り上げてもらえたらありがたいです。よろしくお願いします！