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コピペの部屋コミュの【不思議・心霊】廃村の一軒家

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(転載元)
http://hobby10.2ch.net/test/read.cgi/occult/1198298725/ 
ほんのりと怖い話スレ その45
より

コメントに続きません
でははじまり

ーー


 『廃村の一軒家』


250 :本当にあった怖い名無し:2008/01/03(木) 23:19:12 ID:8iK5R4kZO

去年の夏の話。

職場の先輩から電話で、

「ドライブ&肝試しに行かないか?」

とお誘いが。

どっちも大好きな俺は喜んで
テンションを上げながら迎えの車を待った。


先輩の車が俺のアパートに着き、
助手席には先輩の彼女Sさんが。

後部座席のドアを開けると俺のテンションはMAXまで上がった。

そこにはSさんの友達、Mさんが足を組んで座っていた。


Mさんは俺より2才年上で、
小柄で童顔ながら巨乳でお洒落な女性。

だが、話しをする時は何だか
全てを見透かされているような、

常に人をからかうような笑顔を浮かべた
(しかし不快ではない)

なんとも言えず魅力的で、
俺がしきりにアプローチをかけている女だ。


Sさんが言うには、
第六感が強く霊感はもとより予知夢も見るとか。

特別美人という訳ではないが、
隣にいるだけで勃起しそうになるタイプ。

俺は喜び勇んで車に乗った。
先輩いわく、そう遠くはない

山中の廃村に行くとの事。
俺はそれよりMさんを口説くのに必死だった。
 

そうこうしてるうちに廃村の入口付近の
荒れ果てた一軒家に着いた。

そこでMさんが、いつもの人を
小馬鹿にしたような笑顔を浮かべたまま、

「私は車で待ってるから」

と言った。
それを聞いたSさんも
何かを感じ取ったのか

「車に残る」

と言い、
結局男二人で一軒家へ向かった。


251 :本当にあった怖い名無し:2008/01/03(木) 23:21:35 ID:8iK5R4kZO(主)
玄関の引き戸はもちろん
鍵なんか掛かっておらず、簡単に中へ入れた。

狭くて古い、二階建ての一軒家。
玄関を入ると左壁面が台所。

そして間仕切りのない居間。
台所の向かいの壁面中央あたりに階段。
 

しかしなんだか妙な感じがした。
生活感があるのだ。

外観は今にも朽ち果てそうだが
中は割りと綺麗で、ヌイグルミやカーペットなんかが、

ついさっきまで人がいた気配を漂わせている。
空気の乱れとでも言うのか。


俺は初めてだったが、
この廃村は割りと有名な心霊スポットだ。

そこに人が住んでる?
室内は外よりもヒンヤリして心地良いし、

浮浪者なら住み着いていてもおかしくはないか。

先輩も同じ事を考えていたらしく、
顔を合わせ白けたように、

「出ようか」

と言って、玄関に向かった時、

ギシッ!

と階段から音がした。

反射的に振り向くと、
階段に10才前後の女の子が立っていた。

女の子は無表情に俺達を見た。

俺達は驚き、とにかく家から出ようとすると、

その子が大きな声で二階に向かって

「お母さん!お母さ〜ん!!」

叫び始めた。
焦った俺達は急いで外に出て、車に転がり込んだ。

通報されて逮捕される!!

そんな感じで先輩も急いで車を発車させようとしてた。


だがそこでMさんが、

「大丈夫よ、女の子がいたでしょ」

と言った。

俺と先輩は顔を見合わせ、同時にMさんを見た。

そんな俺達を見て
Mさんはいかにも楽しそうにキャッキャと笑った後、

「大丈夫。あの女の子は生きてないから」
 

252 :本当にあった怖い名無し:2008/01/03(木) 23:28:54 ID:8iK5R4kZO(主)
確かに、女の子があれほど
騒いだのに灯かりもつかず、物音もしない。


「もう一回見てきなよ」

相変わらず楽しそうにMさんが言った。

Mさんに言われるとそうしなくてはいけないような気になる。

先輩と二人でもう一度見に行くと、
先程とは全く見る影もない荒んだ家。

カーペットもヌイグルミもそこには無かった。
 

Mさんはいつもと変わらない。
俺と先輩は無言で放心状態。

Sさんはそんな俺達をニラニラ眺め、
先輩と運転を変わって帰路についた。


先輩いわく、MさんとSさんのコンビは
色々と面白い話があるとの事。

確かにMさんと出会ってから、
不思議な体験をいくつかしたような。

暇があれば書くが、
俺は最近ようやくMさんの携帯アドをゲットし、

どうやって二人きりのデートに誘い出すか頭を悩ませている。

映画没、カラオケ没、夜景ドライブ没、ワインバー没、etc没。
なんかアドバイスくれ。
 

254 :本当にあった怖い名無し:2008/01/03(木) 23:50:42 ID:EfibQds00
>>252、面白かった

他の話を期待してアドバイス

キャットカフェとか小動物の触れるところを薦める

彼女のアンテナが霊以外に向くような場所にさそうべきだなw
 

266 :本当にあった怖い名無し:2008/01/05(土) 00:03:49 ID:0IJqtj7MO(主)
>>254
アドバイスかたじけない。

では俺が必死にアプローチかけているMさんとの出会いを。
 

事の起こりは俺が妹から受けた相談を、
会社の先輩に話した事から始まる。

相談とは、妹の彼氏の身の回りに
やたらと不幸が続いているという内容。

彼氏の職場での事故。
彼氏兄の交通事故。
彼氏母の病気。
彼氏父の左遷。

内容的には関連は全くなく、
不運な偶然だとしか言いようがないが、

妹が気にしているのは、
彼氏の家で霊のようなものがよく目撃されている事。

彼氏は実家住まいだが、オープンな家庭で、
彼氏の友達のたまり場になっているらしく、
これまでに彼氏の友達二人と彼氏姉が目撃したらしい。

妹と彼氏は若干DQN気味だが彼氏はいい奴だし、
真剣に結婚も考えていると
以前から聞いていたので、
力になりたくオカルト好きな先輩に意見を求めた。


先輩は

「俺はそういう話は好きだがなんの能力もねーよw」

とかいって
その場は流されたんだが、
夜に先輩から電話がかかってきて、

「週末夜空けとけ。会わせたい奴がいる。妹も連れて来い」

とのこと。

先輩いわく、霊感の強い女友達がいて、
アドバイスくれるかもしれん、と。

それがMさんだった。


267 :本当にあった怖い名無し:2008/01/05(土) 00:04:33 ID:0IJqtj7MO(主)
約束の夜、時間は19時過ぎだったと思う。
季節は初夏。暖かい日だった。

妹と共に先輩の車に乗り、
助手席にいた先輩の彼女Sさんを紹介された。

そしてMさんを迎えに行くとのこと。
Sさんと高校からの親友らしい。

向かう途中でSさんがMさんの能力や
今までのオカルティックな体験話をしてくれた。

Mさんは霊感が強いのと、
軽い予知能力もあり、予知夢も見るらしい。

先輩が

「仕事終わりのMを拾ってそのまま彼氏宅に行く」

と言った。


しばらくして車はファッションビルが立ち並ぶ、
〇日本最大都市のど真ん中。

その街を代表するファッションビルの前に、
Mさんが立っていた。

漠然とTVで見る霊能者タイプをイメージしていた俺は拍子抜けした。


車に乗ってきたのは小柄で
可愛らしい女の子だったからだ。
そのビルのアクセサリーショップで
店長をしているというMさんは、センスも良く、
なにより薄着から覗く谷間に釘付けになってしまった。

(こんな人が霊能力を持っている?)

疑いたくなる程意外なタイプだった。
 

268 :本当にあった怖い名無し:2008/01/05(土) 00:05:14 ID:0IJqtj7MO(主)
ここからようやく本題です。長くてスマソ。
 

全員が揃い、問題の彼氏宅に着いたのは21時近く。
山側で暗い住宅街だ。

彼氏宅に着いてすぐ、
Mさんが二階の窓を指差して言った。

「あそこ。女の子が立ってる。金髪っぽい長い髪。まだ10代の今風のコ」

そして妹を見て、

「あんたみたいな系統の女の子。でももう少し若いかもね」

それを聞いて妹が軽い悲鳴を上げた。

実は彼氏宅で目撃された霊というのが、
まさにMさんの言う通りの若い今風な女の子で、
彼氏姉が見た時は廊下の水槽の前に佇んでいて、
彼氏姉は俺の妹がそこに立っていると思ったらしい。

だがこの話は先輩にはしていない。
Mさんが知る筈はなかった。

そしてMさんが指差した窓は、
女の子を見かけた水槽のある廊下の窓だった。

車内はMさんSさん以外はみんな鳥肌MAXだったよ。

しかしMさんは、その女の子が直接影響してるわけではないと言う。
 

269 :本当にあった怖い名無し:2008/01/05(土) 00:06:00 ID:0IJqtj7MO(主)
そう言った後、Mさんは暫く腕を組み無表情に黙り込んだ。

そして唐突に話出した。

「壁が板張りの部屋がある。
床が見えないくらい乱雑で汚い。
ポスターが異常な程貼ってある。
壁に赤い傷?か落書きがある」


そして妹に「彼の部屋?」と聞いた。

妹「そうです」。


Mさんは言った。

「だらしない生活を送っている人は、
心の中もだらしなく隙だらけ。
霊はそういう心の隙につけ入ってくる。
彼の部屋は居心地がいいみたい。
ポスターなんかも、霊ってヒトガタのものに近寄ってくるから」

妹すでに半ベソ。

「だけど、根本はお兄さんの車みたいよ。
事故車なのかはわからないけど。
男の人が憑いて“乗って”る。その車が好きみたい。
彼がリーダー格みたいだから車をお祓いすればいい」

そして、こう続けた。

「一連の不運は確かに霊の影響もある。
霊が側にいると、知らず知らず運気や生気が擦り減っていくから。

「だけど、この家の人達は
彼氏だけじゃなくみんながだらしない。
このあたりは山も近いし、色んなものが流れてくる。
だから、身の回りを常に整理し明るく保つ。
庭に明るいお花を植える。玄関回りを片付ける。
車の彼以外はそれだけでいなくなる程度のもの。
それだけで防げたものだから」

そう言うとMさん腕を上に上げては伸びをした。


270 :本当にあった怖い名無し:2008/01/05(土) 00:20:22 ID:0IJqtj7MO(主)
その後、彼兄と彼姉だけに事情を話し、
車はお祓いしてもらい、
彼母が入院してる間に彼姉や妹も手伝い、
彼宅を大掃除。

荒れ果てた庭を手入れしたのがきっかけで
彼姉はガーデニングにハマったらしい。
 

Mさんが後日

「身の回りを綺麗にする事は
変な者を寄せ付けない為に確かに大事な事。
だけど彼母の病気はたぶんノイローゼ的なもの。
原因まではわからないけど。
退院してきて家が明るく綺麗だと良くなるのも早いと思って」

と言っていました。
 

>>254
確かに動物は好きみたいだが、
彼女の実家は猫10匹飼っているらしい。。。 



(了)

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