古寺巡礼コミュの楽土の道　京都　８番　天竜寺

嵐山の北に立つ巨刹であるが御朱印は真鍮製のゴム印でやはり場所柄修学旅行生など多くが訪れる為対応がしにくいのでしょうね
京都府、楽土の道
（88）霊亀山　
天龍資聖禅寺（てんりゅうじ）
住所　〠　616―8385　京都市右京区嵯峨天竜寺芒ノ馬場町68
電話番号　

　075―881―1235
本　　尊　釈迦如来
開山　足利尊氏、夢窓疎石（開山）
創　　建　康永4年（134年）
アクセス　京福電鉄嵐山駅下車徒歩1分
　　　　　阪急電車嵐山駅終点下車徒歩20分
＜寺歴・縁起＞　H/P http://www.wanogakkou.com/hito/0140/0140_tenryuji.html
臨済宗天竜寺派大本山　京都五山一位
神仏霊場巡拝の道第88番

　天龍寺の山門を入ると、観光地嵐山の喧騒とは一線を画した禅の大刹らしい厳しく引き締まった空気が流れている。門を入って左手には嵐山の緑を臨むことができる。昔は嵐山全体が天龍寺の境内だったのである。左右に塔頭が並んでいる。それぞれ固有の歴史を有し趣の異なるたたずまいを残している。さらに進むと端正な姿の選佛場(法塔）や、本堂、方丈(庫裡）が視界に入ってくる。庫裡の横手からは有名な「曹源池庭園」に入ることができる。天龍寺の魅力は、この方丈、庭園から後ろの領域が広く、庭園や建造物など見所が多いところにある。お寺で頂く案内の栞には、京都五山の第1位であるこの寺は、霊亀山天龍資聖禅寺（れいぎざんてんりゅうしせいぜんじ）といい、歴応2年（1239）に吉野で不遇の中に崩御された後醍醐天皇を慰めるために、足利尊氏が高僧夢窓国師を開山として、嵐山を背景とする亀山離宮を禅寺にあらためたのがはじまりである。天皇が幼少の頃を修学に過ごされた地に、敵味方の別なく南北両朝の戦死者の英霊を慰めること、「怨親平等の精神」もこの寺の開創の目的であった。これまで長く中絶していた中国との貿易を再開して、その利益をこの寺の建立資金とした夢窓国師の、この造天龍寺船による貿易事業は、その後も室町時代を通じて行われ、わが国の経済や文化に寄与するところが多かった。創建以来650余年、その間に8度も兵火にかかって今は殆ど古建築を見る事ができない。と記載されています。
天龍寺の地には平安時代初期、嵯峨天皇の皇后橘嘉智子（たちばなのかちこ、786～ 850）が開いた檀林寺があった。その後約4世紀を経て荒廃していた檀林寺の地に後嵯峨天皇（在位1242～1246）とその皇子である亀山天皇（在位1259～1274）は離宮を営み、「亀山殿」と称した。
「亀山」とは、天龍寺の西方にあり紅葉の名所として知られた小倉山のことで、山の姿が亀の甲に似ていることから、この名がある。天龍寺の山号「霊亀山」もこれにちなむ。
足利尊氏は、後醍醐天皇の始めた建武の新政に反発して天皇に反旗をひるがえした人物であり、対する天皇は尊氏追討の命を出している。いわば「かたき」である後醍醐天皇の死去に際して、その菩提を弔う寺院の建立を尊氏に強く勧めたのは、当時、武家からも尊崇を受けていた禅僧の夢窓疎石であった。
当初は年号をとって「暦応資聖禅寺」と称する予定であったが、尊氏の弟、足利直義が、寺の南の大堰川（保津川）に金龍の舞う夢を見たことから「天龍資聖禅寺」と改めたという。寺の建設資金調達のため、天龍寺船という貿易船（寺社造営料唐船）が仕立てられたことは著名である。落慶供養は後醍醐天皇7回忌の康永4年（1345）に行われた。
　天龍寺は京都五山の第一として栄え、寺域は約950万㎡、現在の嵐電帷子ノ辻駅（かたびらのつじえき）あたりにまで及ぶ広大なもので、子院150ケ寺を数えたという。しかし、その後のたびたびの火災により、創建当時の建物はことごとく失われた。中世には延文3年（1358）、貞治6年（1367）、応安6年（1373）
康暦2年（1380）、文安4年（1447）、応仁元年（1467）と、6回も火災に遭っている。応仁の乱による焼失、再建後、しばらくは安泰であったが、江戸時代の文化12年（1815）にも焼失、さらに幕末の元治元年（1864）、蛤御門の変（禁門の変）で大打撃を受け、現存伽藍の大部分は明治時代後半以降のものである。なお、方丈の西側にある夢窓疎石作の庭園（特別名勝、史跡）にわずかに当初の面影がうかがえる。
方丈の北側には、宮内庁管理の亀山天皇陵と後嵯峨天皇陵がある。

夢窓疎石像

大方丈（本堂）
　明治時代の建物で、法堂の奥に東面して建つ天竜寺最大の建物。正面約30ｍ
奥行き約20mという規模を誇る。曹源池を配した回遊式庭園の西の庭に対して、東の庭は白砂が敷かれ、素朴な美をたたえている。曹源池に西側の襖に描かれている雲竜図は大正期から昭和に活躍した日本画家の若狭物外の晩年の大作である。明治32年に落慶法要を行った。

釈迦如来坐像
木造　像高84.6Cm　平安時代　重文
　大方丈の本尊、本尊は天竜寺の歴史より古く、平安時代後期の釈迦如来座像である。天竜寺に伝わる由緒等は不詳ではあるが8度に及ぶ火災にもかかわらず、大切に守られてきた天竜寺最古の仏像である。台座や光背は失われているが、浅い衣文と眉間の大きな白毫、深い慈悲を湛えた穏やかな表情が印象的である。檜材の寄木造りで顔などに金箔の跡が残るが現在は剥落し白木の古色を呈している。瞑想の上悟りを開いた禅宗の祖としての姿を見出す仏である。
本像は畏怖を除き願いを叶える施無畏印と与願印を表し、一般的な禅刹の寺院の御釈迦様像とは異なっている。庭園とは反対側の正面、中央48畳敷きの間に祀られ、遠く広縁から拝することしかできない。

聖観音菩薩立像
大方丈　安置　秘仏　木造　像高111.2Cm　平安時代
　檜の一木造りで左手に蓮茎の基、右手に開、未開敷の蓮華を持つ姿にあらわされる。天竜寺では聖観音菩薩とするが、持ち物や像容から見て本来は薬師如来に侍す月光菩薩なのであろう。檜の一木から彫成し、背刳りを施している。、
衣文の彫りは浅く、11世紀頃の作であろうと思われる。制作当時は漆箔の上に彩色が施されてていたが現在わずかその跡が見受けられる。宝冠や瓔珞、蓮華は後補のものである。

法堂（選仏場）
　勅使門から直線に延びる参道の突き当たりに建つ法堂は経や論議を講説するためのお堂で禅宗では伽藍の中心となる堂である。元治元年（1864）の兵火で法堂、方丈、庫裏等を焼損し、現在の法堂は江戸時代後期に建立された雲居庵禅堂を移築したものである。禅堂は再建されなかった為、かっての天竜寺では法堂を坐禅堂（選仏堂）としても利用していた。桁行5間、梁行5間、寄棟造りで浅瓦葺の建物である。

雲竜図
平成時代　紙本墨画　縦12.6m　横10.6m　法堂　天井
　法堂内陣、天井には天竜寺開山夢想国師650年遠諱を記念して、平成９年（1997）現代日本画の巨匠加山又造画伯により新しい雲竜図が描かれた。天井に杉板159枚を張り合わせた漆と白土で造った下地の上に、紺と藍の二重円相内（直径9m）に日本の角と手足に五本の爪を持った八方睨みの龍が迫力満点に描かれている。

多宝殿
　　昭和9年に再建された後醍醐天皇を祀る建物。小方丈から長い廊下でつながる。鎌倉時代の様式を取り入れ、当時を偲ばせる。

後醍醐天皇像
制作時代不詳　木造　像高124.2Cm　多宝塔
　天竜寺は夢想国師が足利尊氏に説いて後醍醐天皇の菩提を弔う為に建立した寺である。この像は宮内庁や大徳寺蔵の後醍醐天皇像と同じく冠を頂き直垂姿で上畳上に坐す姿をあらわす。天皇尊像ゆえか制作年数等不明である。

神仏霊場　ご朱印
　天竜寺は観光地に立地するからか、修学旅行生や観光客が多く訪れるためであろうか、ご朱印はゴム印でセットされていた。僧侶や寺の寺務方が書いていただけるご朱印も記念的にノートなどに書かされる為であろうか不明ですが多くの寺院は手書きであるがここはちょっとせめて納経帳には手書きで印も押していただきたく思いました。流れ作業的なご朱印では参詣し、気分が落ち着いた時に急に現実に引き戻された感じを受けた。他方寺務方もいなく、高齢でと云う寺院であれば仕方ないかも（大阪に1寺ある）しかし残念である。