ワンピースなりミク愛好会コミュの11/11の愛好会

少し過ぎてしまったけれど、誕生日おめでとう、ゾロ！

本日21時から愛好会を開催いたします( ﾟ∀ﾟ)ﾉｼ
欠席の方は、このトピックにReお願いします(-人-;)

サンジが信頼して頼む相手が、ゾロでよかった

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では、11月11日のお昼頃の出来事です。
ゾロとサンジの特別な一日

荒れることもない穏やかな朝、昼前の長閑時間。
サニー号ご自慢の芝生の甲板で朝のトレーニングを終えたゾロは寝転がっていた。
別に眠っていたわけではない。
見聞色の覇気を磨くため、船と中と外に覇気を巡らせていた。
と、鋭い殺気が近づいて来るのを感じるが、これがゾロが気に留める類のものではないことは分かっている。
ザッパーン…
一羽の海鳥が海面近にいた魚を見事にゲットした。
その本気で生きようとする様に思わず見惚れてしまう。
グランドラインの基本は弱肉強食。生きること食べること以外の欲に駆られて海の上にいるのは海賊ぐらいのものだ。
「… おい」
ゾロが海鳥の本気に見惚れている間に近くに来ていたらしいサンジに声を掛ける。
タバコを吸いに来たとこらしく、火を点け終えたところで返事が返ってくる。
「あぁ？」
「サンマの塩焼が食いてェ」
一瞬、キョトンとしたサンジだが直ぐに口角が上がる。
「… ほう。ワノ国料理だな」
「あ？ … そうなのか？おれの故郷の島じゃ季節になると当り前に食ってたぞ」
「ワノ国の定食屋のメニューにあったぜ」
「へぇ～」
「ま、長い鎖国の歴史の中でもワノ国を飛び出して行った奴らってのはいたらしいからな。そいつらから伝わったんだろうな」
「ふーん」
「で、サンマはっと… あぁ、けっこう泳いでいやがるな。オーケー。いいぜ」」
タバコを咥えたまま、どこかに行くと手に釣り竿を持って戻って来た。
慣れた手つきでヒュッと、釣り竿を投げる。
ふと、サンジが釣りをするところは初めて見る。
船縁で釣糸を垂れているのはたいていウソップ、ルフィ、チョッパー、そして自分である。
ゾロとの狩り勝負でもない限りサンジが自ら狩りを行うことはない。
海に針を落として数秒、ピンと糸が張った瞬間を逃がさず竿を上げる。
糸の先には脂が乗って丸々太った美味そうなサンマが一匹喰らいついていた。
「おお！いい感じだな」
そのまま糸を引き手元に寄ってきたサンマの口元に引っ掛かっている糸を掴む。
「おら、寝っ転がってねェで来い。焼きたて喰わしてやるよ」
「ん？今からか？昼メシじゃなくて」
「新鮮なうちの方が美味いぜ。みんなと昼メシで食いてェと言うならそれでもいいが」
様々な考えが一瞬頭を過ぎるが、ゾロは考えるのを止めた。
「いや、それなら今、食う。」
「おう。」
サンマを一尾持って食べさせてもらうゾロよりも嬉しそうな顔をしたサンジと、少し寝ボケ眼でその後ろをついてラウンジに入って行くゾロ。
幸いなのかその姿を見ていたクルーはいなかった。

…… つづく

[2] mixiユーザー 11月14日 14:33

ゾロとサンジの特別な一日②

サンジがサンマの塩焼きを作る間、ゾロは大人しくテーブルでサンジが料理をする様を眺めていた。
相手がサンジなので、面と向かって言うことはないが、一流の職人が仕事をしている様を見るのは好きだ。
動作一つ取っても芸術と称していいと思うほど動きに無駄が無い。
サンマの焼ける良い匂いがラウンジに立ち込める。
恐らくラウンジの外にも漏れていることだろう。
と、なれば当然 …

　　バァン！！

勢いよくラウンジの扉が開く。
「サンジー！！　いい匂いがする！！」
ルフィが目をキラキラさせて、鼻をクンクン鳴らす。
「おう、サンマ焼いてんだ」
「おれも食う！」
「あー、おまえの分は釣ってねぇから、食いたきゃ自分で釣ってこい。群れが移動してなきゃまだその辺泳いでんじゃねぇか？」
「うぉっ！」
ルフィはすぐに踵を取って返しウソップを呼びにいく。
そして、ゾロの前に皮目はパリッと中ふっくら。と焼きあがったサンマと大根おろし、半分に割った酢橘と炊き立てのご飯、ワカメと豆腐の味噌汁が置かれる。
それは、いつものみんなで食べる食事とは違い、ゾロのためだけのお膳だった。
ゾロのためにサンジが釣ったサンマ、ゾロのためだけの大根おろし、ゾロのためだけに炊かれたご飯、ゾロのためだけに作られたお味噌汁。
と、続いて匂いに釣られてなのか、ラウンジに入ってきたのはナミだった。
「いい匂い　お魚？　なぁに？　ソロだけ先にお昼？」
「って、ワケじゃなかったんだが、泳いでんの見たら美味そうだったんで塩焼きを頼んだだけだ」
「へぇ、美味しそうね。サンジ君、アタシも同じのちょうだい」
「あ、ごめんよ、ナミさん。サンマが釣れてないんで、すぐには無理なんだ。ちょうど、甲板でルフィ達が釣ってるはずだから、ナミさんの分も頼んでくるといいですよ」
「そう、わかったわ♪」
ナミは上機嫌でルフィに自分の分も釣ってもらおうとラウンジを出て行った。
しばらくするとラウンジの外が騒がしくなっていく。
「おう！なんだ、オメーラ！みんなで仲良く釣りか？」
「楽しそうね。何が釣れるの？」
「サンマが泳いでんだ！自分の分釣ってサンジのとこに持ってくと焼いてくれんだ！」
「フフ。今日のお昼ご飯は自分で用意しろってことなのかしら？」
「サンマの塩焼きが良ければね。サンジ君のことだから、ちゃんと用意はしてると思うけど」
「おーっし！季節のモンは美味ェからな！おれもいっちょ、自分の分は自分で調達するとすっか！」
「いいですねぇ～♪命の恵みに感謝しながらいただくとしましょ～　ヨホホホホ～」
「サンマは美味いのぅワシも好きじゃ。釣りもいいもんじゃな」
どうやら、今日の昼ごはんはサンマの塩焼きになりそうだ。仕事を増やしたなと思いつつもそれはサンジの仕事なので、問題はないだろう。
「そう、上手くはいかねーと思うけどな」
ボソッと呟くサンジの声が聞こえた。

…… つづく

[3] mixiユーザー 11月14日 15:50

ゾロとサンジの特別な一日③

外の騒ぎを一旦無視して、ゾロはサンマ御膳に箸を伸ばす。
思っていた通りの絶品のサンマの塩焼き。
白いご飯との相性もいい。そして、大根おろしがいい仕事をしている。
魂に染みる食事と言うと大袈裟なのかも知れないが、みんなで食べるいつもの食事とは少し違った満足感と幸福感に満たされる。
ゾロは美味いと感じた食事の際は一言も発することなく黙々と食べる。
サンジもそれを知っているので、調理器具の後片付けをしながら箸の止まらないゾロに満足だ。
そして、そのまま本来の今日の昼食の支度を始める。
「ご馳走様」
米粒一つ残すことなく完食し、丁寧に手を合わせる。
「おう。お粗末様」
一旦手を止めて、食後のお茶を出す。
お替わりはご自由にどうぞとお茶のポットをそのままテーブルに置いて作業に戻る。
「で、今日の本来の昼飯はなんだったんだ？」
「あ？　今日はロコモコ風プレートだ」
「あの平べったい肉団子に目玉焼き乗ったやつか…」
「ああ、どうする？　食うか？」
「ん？　サンマじゃねぇのか？　あいつら、釣ってくんだろ？」
「さあて、そりゃ、どうかねぇ？」
「ジンベエもいるんだ。どうとでもなるだろ？」
「魚人は魚を食うことに抵抗はねぇと聞くが、逃げる魚を追っかけてまで食おうとはしねぇだろ」
それもそうかと、ジンベエのヒトとナリを思い浮かべる。
お茶を飲み終えると、キッチンのカウンターにポットと湯呑みを置き、
「その、ロコ… なんとかってのになるんなら食う」
「オーケー」
人数分のひき肉を捏ねるサンジに軽く手を上げて感謝の意を表してからラウンジを出ると、まだ船縁で糸を垂れるルフィ達の姿が見える。
「ルフィ、もう諦めんか。サンマの群れはとっくにいなくなっとるぞ」
「いやだ！　おれもサンジのサンマ焼きを食うんだ！」
「しっかし、あんだけ群れでいたのに、一匹も釣れねぇとは、ゾロのやつ、よっぽど運が良かったんだな」
「サンマも生き残るのに必死じゃ。そう簡単にひっかかりゃせんじゃろ」
「くっそー！」
「あー、残念。アタシもサンジ君の塩焼き食べたかったわ～」
「そうね。残念ね。でも、きっと今日のお昼も美味しいわ」
「… うん。そうよね！」
みんなは、てっきりゾロが釣ったサンマをサンジが焼いたのだと思っている。
「なんだ、おまえら、まだ釣れてねぇのか？」
「あ！ゾロ！ずりぃぞ！！　なんで、おれ達の分も釣っておかねーんだ！！」
「あ？　しょうがねぇだろ。たまたま一匹引っかかってきたんだ」
わざわざ言う必要はないだろう。
それに、なんとなく感じるこの少しだけの特別扱いを心地よく思っていた。
サンジにそんなつもりはないのかも知れない。
それでも、確かにあの「サンマ御膳」はゾロのためだけに用意されたものだ。

「ま、ここはグランドラインだ。サンマの群れなんてまたそのうち出くわすだろ」

その夜、サニー号ではサプライズでゾロの誕生日の宴会が催された。

おわり。

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