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長岡鉄男コミュの”高潔なる魂の伝達装置” 拭漆BLHスピーカー(多少、長文となります)

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らいらいけんさんの拭漆バックロードホーンスピーカーが発売となりました。

http://ww3.tiki.ne.jp/~makotochan/speaker.html

 私はたまたまの知遇を得て、らいらいけんさんのバックロードホーンスピーカーの試作段階からの試聴の機会が与えられていました。試作を重ねるごとにより高い次元にひきあげられる過程をつぶさに見てきました。
 
 先日、完成品第一作を試聴しました。一聴して”手に入れたい”、一見して”欲しい”と所有欲が沸々とわき起こる逸品です。
 10cmフルレンジユニット一発なのに、この素直で豊かな低音はらいらいけんさんの設計技術によるところでしょう。
 そして、日本工芸会正会員(この工芸会のトップにいる人たちがいわゆる人間国宝です。近畿には木竹工分野の正会員は8人しかいません。http://www.nihon-kogeikai.com/index.html)であることで実証されるように、精密な指物製作技術による完全気密の音道製作、そしておそらく日本一と考えられる拭漆による仕上げ。長岡教では日曜大工的な釘と木工ボンドによる接着あるいはダボによる組み上げが主流ですが、サネツギという高度な指物技術が存分に発揮されています。またふつうのトールボーイは側面が単純な長方形ですが、これは側面は下の方にゆくほどわずかに広がってゆき、寸詰まり感の無いデザイン。音道を追求すると自然とこの形になったということです。

 まず試聴したのはジェリーニ指揮のフォーレ・レクイエム。キャスリーン・バトル、アンドレアス・シュミットの歌声が前に自然な感じで出てきます。また、その歌声の奥にあるオーケストラ。そう、シングルウエイのならではの定位感のみならず、前後感をも表現する高解像力があります。
 そして、ギターではジム・ホールとパット・メセニーのデュオ、スティーブ・ホウとマーチン・テイラーのデュオ。これはギターボディーの振動がそのまま伝わってきます。デュオならではの奏者の対話が聞こえてきます。らいらいけんさんいわく、「ギターの材質とおなじ、スプルースを使っているから」という言葉が、何の疑問もなく、すっと心の中に入ってきました。
 ヨーヨー・マの『プレイズ・ピアソラ』やロン・カーターと須川展也の『Air』にも同じことがいえます。木を使った弦楽器の響きは木としての暖かみのある音、サクソホーンの音はバックロードホーンから音が出てくる”ホーン”としての音が澄み渡り、時には人間の歌声のように表現されます。
 個人的にはフルートが好きなため高木綾子の『ジェントル・ドリームス』も試聴させてもらいました。奏者の息づかい、そして金や銀で作られていてもフルートは木管楽器に分類されていることを改めて実感させられる伸びやかな音。
 
 言葉にすると尽きることがありませんが、音楽家の技術や技能、日頃の精進、そして音楽に対する魂、精神をつたえるもの、”高潔なる魂の伝達装置”としての拭漆バックロードホーンが完成しました。

 らいらいけんの住むところはいわゆる日本の秘境(私にとっては実家のある桃源郷)ですが、ぜひ試聴においでください。近畿圏なららいらいけんさん自らが出張試聴に行かれます(しかも無料)。

 日本の文化、そして手の力が生み出した”高潔なる魂の伝達装置”がそこにあります。

(写真はらいらいけんさんの了承をもとに転載させていただきました)

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