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―――――――――――

…過去には…戻れない…

後悔、先に立たず…

ただ…

もし、あの時に戻れたら…

あの瞬間に戻ることが出来たら…

僕の人生は…

変わっていたはずだ…

…あの頃に…

…戻りたい…

―――――――――――

『いつ頃に戻りたい?』

「…え?」

『過去に戻って、やり直したいんだろ?…戻してやるからいつに戻りたいんだ?』

「…そ…そんな簡単に…出来るわけ…ないじゃないか…」

『はぁ!?今なんつった!?もういっぺん言ってみろコラァ!!』

「…ば…馬鹿じゃないのか!?…タ…タイムマシーンがある訳でもないのに…か…過去なんかに…行ける…もんか…」

『おい、ガキ…そのツルツルの脳ミソ使ってよーく考えてみろよ?…過去に行く方法は、タイムマシーンしかないのか?…お前の脳ミソは、そこまで幼稚なのか?あぁ!?』

「…」

『…まあいい…早く言え!いつに戻りたい?』

「…母さんが…生きてた…時…」

『…分かった…そしたら、お前の父ちゃんと母ちゃんが結婚したての頃に飛ばしてやる…お前はもちろん、生まれてねぇ…くれぐれもバレんなよ?』

「…うん」

『よっしゃあ!!そしたら行っといで!!ターイムトラベラーーー!!』

―――――――――――

「…し…」

「…」

「…もし…」

「…」

「…しもし…」

「…ん…」

「…し…うぶ…」

「…ん…んん…」

「…もしもし…?だいじょうぶ…?」

「…んんん…ん〜…」

「もしもーし!大丈夫ですかー!!」

「はっ!!…」

…目が…覚めた…

―――――――――――

「ほーんと、ビックリしちゃったー!あんなトコで倒れてんだもーん!」

「…はは…」

「ホンマに…もう大丈夫なんか?」

「え…ええ…はい…」

「もし、まだ気分が悪いならウチに泊まってってもいいからね?ちょーっと狭いけど…」

「あ…はい…」

「せやなぁ〜…もうこないな時間やしなぁ〜…家のモンに連絡しといたらどないや?心配してるんとちゃうかぁ?」

「え?…えっと…」

「何言ってんの『コウちゃん』!この子どー見たって二十歳越えてるよ?もう親の世話になんてなってないよねぇ?」

「あ…はぁ…まぁ…」

「おお…そかぁ…そら、スマンかったなぁ…よっしゃ!ほしたら、夕飯喰ってけや!『アズミ』の作った飯は、天下一品やでぇ〜…」

「ああ…はい…」

「よっしゃ!『アズミ』!飯や飯!ワシはもう、腹ペコやでぇ〜…!」

「も〜お、分かった!そんなに急かさないでよ〜!」

「…」

…この二人…仲…良さそうだ…

―――――――――――

「…家にまで泊めてもらいまして…有り難う御座いました…」

「ああ〜!気にせんでええ!人類皆兄弟!困った時は、お互い様や…」

「今度、あたしたちが困ってた時は、助けてね?」

「は…はは…」

「なんやお前〜、図々しいのぉ〜…」

「いいじゃん!人類皆兄弟でしょ!?」

「…せやな!」

「…」

「ん?…どないしてん?暗い顔して…」

「また、気分、悪くなっちゃった?」

「い…いや…」

「…なんや?お前、なに泣いとんねん!キッショイのぉ〜…」

「…ほんとに…どーしたの?あたしたち…なんか、気に障ること…言っちゃったかな…?」

「おいおい…勘弁せぇよ…」

「いや…大丈夫…です…本当に…大丈夫…です…ごめんなさい…」

「なんでお前が謝っとんねん…」

「ん〜…あっ!そうだっ!『名前』…訊いてなかったよね?」

「…!!」

「…せやな…確かにお前のこと、『お前』『お前』ゆーとんのが、なーんか違和感あったわ…『名前』、教えてくれや…」

「…あっと…えっと…」

「ん?どした?…『名前』、ないの?」

「んなわけあるかぁ!名無しの権兵衛やったらこいつ、めっちゃ可哀想やないかい…もしホンマにそうならワシ、こいつの親、末代まで怨んだるさかいな!覚悟しとけよっ!!」

「なんでこの子が覚悟しなくちゃいけないのよ!」

「…それもそやな?」

「…しょうご…」

「…え?」

「…『しょうご』って…いいます…」

「…『しょうご』…」

「『しょうご』って、ハマショーと同じ名前やんけ!漢字でどないに書くん?」

「…『省吾』…です…」

「まんまやんけーっ!ごっついなお前!ワシ、めっちゃハマショー好っきやねん!お前んとこの親、めっちゃセンスええのぉ〜!なんや?もしかしてハマショーファンか?」

「…た…たぶん…」

「ほなら会わせろやー!めっちゃ会いたいわー!リスペクトするわー!」

「も〜…『コウちゃん』落ち着いて!…ごめんね〜…『コウちゃん』、ハマショーのことになると周りが見えなくなっちゃうの…」

「…はい…知ってます…」

「…え?」

「あっ…い…いえ…」

「…ふ〜ん…」

「…」

「なあなあ、『省吾』は名字はなんちゅーの?…まさか!?」

「あ…『浜田』じゃないです…はい…」

「な〜んや…そーかー…ちょこっと期待しとったのに〜…」

「はは…」

「…で?ホンマのとこなんちゅーねん…」

「あ…えっと…と…『富田林』…です…」

「はあ!?お前、ワシと同じ名字なんか!?…えらい、偶然やなぁ〜…」

「…」

「…ちょっと待って『コウちゃん』…なんか…怪しい…」

「怪しい?…何がぁ?」

「…お前…誰だ!」

「…!!」

「お…おい…『アズミ』?…きゅ、急に…どないしてん…しょ、『省吾』…めっちゃ、怯えとるやん?…」

「『コウちゃん』の名字騙ってなにする気!?」

「あ…いや…その…」

「今すぐあたしたちの前から消えて!それから、もう二度とあたしたちの前に現れないで!!」

「…」

「おいおい…どないしてそこまで…」

「早く!!」

「…ごめんなさい…でも…ありがとう…『父さん』…『母さん』…」

「え?…」

「へ?…」

…空は、どんより曇り空…

…遠くでゴロゴロ哭いている…

…もうすぐ一雨…やって来る…

―――――――――――

『不合格!!』

「…なんだよ…それ…」

『本名は明かすし、去り際に言った一言…聞いてないと思ったら大間違いだからな!』

「…」

『これでお前は、彼等に印象付けてしまった…このことによって、お前の誕生時期がずれた…よって…お前は、10歳若返る…』

「え?…ってことは…今…21だから…」

『そう…11歳だ…』

「…そんな…」

『そして、お前には、5つ年上の姉と…2つ年下の妹ができる…』

「…あれ?確か母さんは、僕を生んだと同時に…死んだはずじゃ…どうして…妹?…」

『本来ならな…しかし、お前が自分を印象付けてしまったことで、長生きしちまった…だから、お前に下の妹ができたって訳だ…』

「…なるほど…」

『よし!お前の身体が10歳若返ったな!』

「…いつの間に…」

『若返りは、多少時間が掛かるんだ…老いるのは、あっちゅーまなんだがな…』

「…」

『さて…次だ!次は、いつに行きたい?』

「…もう…いいよ…」

『…は?』

「…母さんにも逢えたし…もう…思い残すことはなにもない…ありがとう…」

『…冗談キツイぜ…』

「…へ?」

『タイムトラベルは、無限ループだ…お前の意思とは、関係ないんだよ…』

「…どういう…こと…?」

『つまり、お前が死ぬまでずっと続くってこと…お前は、タイムトラベルの中でしか、「生」を維持できないんだ…俺と契約を交わしたということは、そーゆーことなんだよ…』

「…そんな…」

『でもまあ、別にいいんだぜ…もうこの世に未練がねぇんなら…途中でやめても…ただし、「死」しか選択出来ないがな…』

「…」

『さあ…どーする?』

「…未来へは…行けるの…?」

『お安いご用…』

「…僕の子供…僕の子供に逢いたい…」

『よっしゃ!そしたら…あ〜…ちょっと待った〜…』

「…な、なんだよ…?」

『…残念なお知らせだ…お前は、結婚もして、子供も授かるが…子供が生まれてまもなく…死ぬ…タイムトラベルは、生まれる前の「過去」へは自由に行けるが、死んだ後の「未来」へは…行くことが不可能…残念だったな…』

「げ…原因は…なんだったんだよ…!」

『…自分の目で…確かめてきたらどーだ?』

「…!!」

『なんだったら…助けられるかもしれないぜ…ただし!…また、未来が変わることになるがな…』

「…連れてけ…」

『ん〜?なんだって?』

「僕が、死ぬ前の時に…!」

『…そ〜だな〜…そしたら…「死」の前日にしてやるよ…猶予は、24時間…次の日の夜7時キッカリに死ぬことになってる…ま、がんばれや…』

「…きたねぇぞ…」

『よっしゃ!そしたら行っといで!!ターイムトラベラーーーー!!』

―――――――――――

「…富田林君…?」

「はっ!…はい…」

「今から家に来て、マンツーマンで補習授業を受けなさい…」

「え?…」

「君、このままじゃ…みんなに置いてかれる一方だよ?もう五年生でしょ?今から勉強しとかないと…有名私立中には合格できないよ…」

「は…はあ…」

「そうと決まったら、帰る支度しなさい…先生も今日は、この時間に帰れるから…じゃあ、校門で待ってて…」

「は…はい…」

…夕焼けが…

…目に滲みます…

…噎せるような夏の空気に…

…一筋の風が心地いい…

―――――――――――

「…でも…すごい不思議…すごい偶然…」

「…え?」

「君があたしと同じ名字で…しかも名前が兄貴と同じ…信じられない…」

「はは…」

「しかも…なんとな〜く、子供の頃の兄貴に似てるんだよね〜…」

「へ…へぇ〜…」

「そうだっ!写真、見せてあげるっ!」

「え!?…あ…」

「ただいま〜…ん?誰や?その少年…」

「あ、パパ、お帰り…えっと…この子はね…あたしが担任してるクラスの子…『富田林 省吾』君…」

「はあ?ウチのバカ息子とおんなじ名前やないか…しかも…名字まで…」

「でしょー?すっごい偶然なんだよ…しかもさぁー、小学生ん時の兄貴にソックリじゃない?」

「…」

「ほ〜ん…そー言われると…そーやなー…」

「でしょ?でしょー?パパ、写真どこだっけ?」

「あ〜…分からん…『アズミ』にでも聞いてみぃ…ってか、今日、『コトネ』連れて来るんちゃうか?…『省吾』の奴…」

「え?そーなんだ…でも、『コトネ』ちゃん…予定日、今日じゃなかったっけ…」

「まあ、こっちゃで産気づいたかて、病院も近いし、問題ないやろ?付き添える人間もぎょーさんおるし…」

「まあね…」

「あの〜…僕…そろそろ…」

「え?ああ、大丈夫よ…夕飯食べていきなさい…帰りは、あたしが送るし…遅くなることは、あなたの『おじさん』と『おばさん』には、ちゃんと伝えてるから…」

「は…はあ…」

「それより、早く兄貴が来ないかしら…本人もビックリするわよ…」

「…」

「ただいま〜!そこで偶然『ハナエ』と『省吾』と『コトネ』ちゃんに会ってさぁ〜…って、『ミズキ』…その子…誰?」

「あ、ママ…この子は、あたしが担任してるクラスの子…『富田林 省吾』君…」

「へ?…『省吾』と同じ名前?しかも…名字まで…」

「へぇ〜…この子が『省吾』君かぁ…噂には聞いてたけど…な〜んか、ちっちゃい頃の『省吾』ソックリじゃん!ウケる!」

「お姉ちゃんもそー思うでしょ?ママもそー思わない?」

「ん〜…まあ〜…なんか、面影ある感じかな?」

「…」

「あっ!ちょうど本人がいるから確認させよ!」

「『ハナエ』!あんまり『省吾』君に失礼なことしないようにね!…あ、ウチの『省吾』には、別に気使わなくていいけど…」

「あはは!」

「きゃはは!」

「は…はは…」

「『省吾』ーっ!こっち来てみぃーっ!面白いもんがあるからーっ!」

「…」

「ごめんね『省吾』君…ウチのお姉ちゃん、ちょーっと口悪くて…」

「…」

「ああ?なに?…」

「見てみっ!あそこにいる子っ!あんたと同じ『省吾』って名前らしいよ…」

「はあ〜?だからなんだよ…おんなじ名前くらい、この世にゃゴマンといるだろ…?別に珍しくもなんともねぇよ…」

「それがさっ!名字も同じ『富田林』なんだって!しかも…ちっちゃい頃のあんたソックリ!」

「…名字が一緒…?俺にソックリ?…」

「…!!」

「…!!…ちょっと待て…お前…2階に来い…」

「…」

…胸騒ぎがします…

―――――――――――

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