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本当は私はそんな人間ではない――それだけは信じて読んで下さい。


先日、仕事のプレゼンがあって大阪に出張しました。
業界最大手の得意先にプレゼンをするのですが、大事なプレゼントだけに緊張して


「場所を間違えないように」

「時間を間違えないように」


と気持ちを落ち着かせようと、私は得意先の前の交差点で立ち止まって、スマートフォンを取り出すと予定の確認をしました。


その時です。


ドン


っと後ろから誰かがぶつかり


「チッ」っと舌打ちをされました。

見ると同い年くらいのサラリーマンが私を追い抜いていきます。
携帯を見るために止まった所にぶつかってきたのです。
私は腹が立って、「チッじゃねーだろ」と思いましたが、大事なプレゼンの前なのでトラブルになりたくありません。

ですので、心の中で「死ね」と呟くだけにしました。


すると


キーキキキキー!!!!


とブレーキ音が聞こえ、「ドン!」という鈍い音がしました。

見ると偶然にもその男性が大型車にはねられたのです。

当たり前ですが偶然です。しかし「死ね」と思った私は非常に後味が悪い思いをしました。
通報しようと思いましたが、大事なプレゼントがあることから思いとどまりました。


「お前が悪いんだからな」


とひかれたヤツに心の中で呟くと、私は得意先に急ぎました。

ひかれた男性を見ながら何度も何度も心の中で呟きます。

男性の方はまだ意識があるのでしょうか。苦しそうに口をパクパクさせながら私の動きを目だけで追っていました。


助 け て く れ 


まるでそう言っているようでした。


そんな彼を上手くまたいで私は道路先の得意先に入りました。


プレゼンが終わった帰り、一階にいる受付の女の子が


「さっきの事故、ダメだったらしいね。病院で亡くなったらしいよ」と話しているのが耳に入りました。
この話を聞いて私は男性が亡くなった事を知ったのです。

その日の夜です。梅田駅近くのビジネスホテルに宿泊していると、ふいに携帯が鳴りました。
もうベッドに入っていた私がウトウトしながら電話にでると、昼間に訪問した得意先からでした。


「明日、もう一度来てほしい」


後から考えればそんな時間帯に電話があることはおかしいのですが、寝ぼけていた私は気付きませんでした。


「宜しくおねがいおねおねします」とだけ返事をして、電話を終えました。


次の日、私は指定された時間に得意先に向かいました。

指定された時間は昨日と同じ――ということは同じ時間帯に事故現場を通ることになります。

何か嫌な予感がしましたが、行かない訳には行きません。
事故現場は得意先の真ん前。当然ですが道を変えることもできません。

嫌だな…

そう思いながら事故現場の交差点で車の通りが切れるのを待ちました。
なかなか切れない車の流れに私がスマートフォーンを出して画面を見たその時です。


ドン


私は何者かに背中を強く突き飛ばされました。

カバンと携帯で両手が塞がっていた私は、受け身もとれずアスファルトに頭や体を強く打ち付けました。


「ひかれる」


私は覚悟しましたが、幸い来たのが小型犬だったので命に別状はありませんでした。


私は倒れたまま突き飛ばした相手を確かめようと振り返りました。

そして、集まってきた野次馬の中に見てしまったのです――


昨日この場所で事故に遭った


あ の 男 を


男は私と目がアウトすっと消えていきました。

その男は昨日の事故で既に死亡しているはずです。
まさか幽霊になって復讐に現れたとでもいうのでしょうか。


それ以来、私は交差点と消える男とチワワを避けるようにして生きています。



あとプレゼンが何の略だかわかりません。

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