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瀬田に旗をコミュの出会い6

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「もう、終わりにするか、神平、帰ろう」
「はい・・・・・・」
「夕食はオレが作るから、今日も腕によりをかけて作るぞ」
「隼人様。私もお手伝いします・・・・・・」
 神平は一人で料理をするオレに何か手伝う事はないかと聞いてきた。
 
「特に無いけど、手伝いたいのか?」
「はい。隼人様が料理されるのに、私は見ているだけでは納得はいきませんので・・・・・・」
「なら、一緒に作ろうか!」
「喜んで・・・・・」
 神平はいつもの暗い口調に明るさを感じた。

 長屋に着くと、オレと神平は夕食作りに取り掛かった。

「隼人様。このように切るのですか?」
「違う、違う、これはこう切るんだ」
 包丁を手にしている神平の手の上から、オレは神平の上から手を握り切り方を教える。神平の項から女性ならではの甘い香りがオレの鼻孔をくすぶる。

「こうですか・・・・・・?」
「そうそう! その調子だ!」
 覚えの早い神平はオレが教えたとおり具材を切って行く。
 分散して料理をしていき、夕食はいつもより早く出来上がった。

「では、頂くか!」
「はい・・・・・」
 二人で食事をするのが当たり前になっていたが、本当はこの長屋でオレは一人で暮らすはずだったが、神平と出会いがこの日常をくれた。結局、じじいと暮らしていた頃と変わらないが、オレには嬉しく寂しさもない。

「本当に明日が出陣なんだな・・・・・・」
「隼人様にお伝えしておくべきことがあります・・・・・・」
「どうした?」
 オレの呟きに神平は何か思い出したのか、オレの呟きの返事はかえしてくれず、何かを伝えるようである。

「上杉には、謙信殿にも勝るとも言われる武将がいます」
「あの謙信公より勝る武将が謙信公の家臣に!?」
「その武将の名は柿崎景家と言います。私は一度、憲政様の所に謙信殿が謁見しに来た時に屋根裏から見ていました。柿崎景家殿の威圧感は只らなぬ威圧感でありました。まず、並み居る兵士はその威圧感に押し殺されます。私が見た場所が憲政様の館で良かったものの、戦場ではその威圧感は全面的に出して来るでしょう。くれぐれも、柿崎景家殿と出くわしても戦わないで下さい」
 神平が危険人物と忠告した柿崎景家にオレは恐怖感を覚えた。

「神平がそこまで言う豪傑な武将なら出くわしたら死は確実か」
「隼人様は私がお守りします・・・・・・」
「ありがとう。神平」
 夕食も食べ終り、オレたちは明日の出陣に備え早めに就寝した。

 夜の闇が長屋を照らしている月の光明を遮断するように暗くしている。
 その闇に何かが動き寝ているオレの背後にやって来たが、オレはその気配に気づくことなく夢の中にいる。

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