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石原莞爾平和思想研究会コミュのヒトラーのプログラム

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石原莞爾の日米世界最終戦争論(この時期の用語では「日米決戦戦争」)は、石原莞爾を特徴付けるものとして、よく知られています。しかし、自国とアメリカとの世界最終戦争というアイデアは、必ずしも石原莞爾の独一的なものではありません。

例えば、ドイツの歴史家ヒルグルーバーやヒルデブラント(プログラム学派)によれば、ヒトラーも、ドイツとアメリカによる世界の最終的支配をめぐる戦争(世界最終戦争)を考えていました。ヒトラーの考え(「プログラム」と呼ばれる)はこうです。

第一段階。オーストリアの併合、チェコスロバキアの解体ののち、フランスを打倒する。さらにソ連を軍事的に壊滅させ、ウラル以西のロシアを含めたヨーロッパに、ドイツ支配下の東方帝国を建設する。同時に、人種主義的イデオロギーに基づいて、ドイツ民族を頂点とするヨーロッパの人種的再編を実現する。

その間、海外進出·植民地獲得は断念して、イギリスとの関係を良好に保ち、ドイツのヨーロッパ大陸支配を容認させる。こうして、ウラルからジブラルタルに至る世界強国としての地位を獲得する。

第二段階。海外進出、植民地獲得へと進む。大西洋やインド洋における海洋拠点を確保し、中央アフリカに植民地を獲得する。そのため日本と同盟を結ぶ。この段階では、イギリスを敵とする場合もありうる。こうして、ヨーロッパ・植民地帝国ドイツの建設を達成する。

第三段階。アメリカ(もしくは米英)との世界支配を賭けた全面対決、全面戦争に挑む。ヒトラー以後の課題として、次の世代にゆだねられる(田嶋信雄『ナチズム外交と「満州国」』、クラウス、ヒルデブラント『ヒトラーと第三帝国』)。

石原莞爾のこの時期の戦略構想も、三段階からなっていました。第一段階は満蒙領有。第二段階は日米持久戦争。第三段階は日米最終戦争、と。石原莞爾の構想とヒトラーのプログラムとの間には、実際上はまったく関連がないが、両者がともにアメリカとの世界最終戦争を考えていたことは、とても興味深い事実です。

ただ、現実には、ヒトラーの計画どおりには事態は進行しませんでした。対仏戦争時にイギリスの介入を招き、イギリスを屈服させるために、日独伊三国同盟を結びました。そして先にソ連を打倒しようとして、独ソ戦となってしまいました。

この独ソ戦が泥沼化する間に日米戦となり、ドイツもアメリカに宣戦しました。結局、米英ソ連合軍にドイツは敗北することとなるのです。では、石原莞爾の構想どおりに進行していたとしたら、その後どのような道筋を辿ったのであろうか。

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