石原莞爾平和思想研究会コミュの日本国憲法と天皇陛下

イラク国内に先制攻撃を主張したのはネオコンの存在があったということは誰もが知っていることでしょう。ネオコンと過去の日本国の考えはよく似ていると思う。それは国家を手段とて世界革命を構想するというところです。

満州事変は、軍を動かしただけでなく、同時に通信、金融やジャーナリズム等を制したことにありました。石原莞爾は実に周到に準備を整え、張学良の軍隊に資金が流れないように銀行を押さえ、食糧の流通を握り、電信電話のネットワークを支配下に置いた。

満鉄は兵員輸送のために特別ダイヤを組み、電信局は通信を妨害し、満州協和会などの民間団体は自警活動で協力しました。満州のソフトパワーを事変のために集中的に活用するシステムを構築した上で、電信的な軍事行動に出たのです。

今までの日本の軍人にはなかった発想で、石原莞爾の天才性が十二分に示された。この点が軍事力一点張りの支那事変以降とは決定的に異なります。石原莞爾という人は軍の外では、誰に対しても寛容で礼儀正しく、日本人だけでなく中国人からも朝鮮人からも慕われていましたが、軍内での反発は本当に激しかった。

満州事変がはじまった石原莞爾の有力な動きの一つに、国柱会の田中智学らの影響がありました。田中智学は天皇を法華宗信者に改宗し、それを国民全体に及ぼし、天皇の改宗を拠り所として国立の戒壇を建て国教でもって道義国家をめざす計画です。

この田中智学の考えはネオコンによく似た亜細亜主義版のように見えます。革命を起こし世界を統一する「八紘一宇」とは国家による世界制覇の一つではないでしょうか。このように天皇を利用した形態がネオコンによく似て、その先駆者だったのではないかと思うのです。ちなみに石原莞爾は五族協和の理想を掲げて満州国を建国しています。

昭和天皇は、ネオコンやドイツのヒトラーまでには利用されなかった。日本国憲法の現在の天皇はどうでしょうか。天皇の象徴責任を論じれば、天皇は政治的な発言をしないという憲法に従っています。だが、天皇という象徴を利用して日本国憲法の秩序を破壊して正当化したり、人々を戦争やテロの危機に曝したりする勢力が拡大しつつあるときには、政治的発言を行うことは２２６事件などの発言を見ればよくわかります。

過去に昭和天皇に戦争責任があると発言した元長崎市長であった本島等氏が狙撃された時に、天皇陛下は「言論の自由がある」と語っていること、東京都の教育委員である米長邦雄が「日本中の学校に国旗を掲げ、国歌を斉唱させるのが私の仕事です」と発言した時にも「強制になると云う事ではない事が望ましい」と発言しています。いずれも象徴の悪用を阻む姿勢で一貫している点は立派だと思います。

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