石原莞爾平和思想研究会コミュの石原莞爾とはどんな人か

石原莞爾に初めて接した人は、この男だいぶ変わっているなと思うそうです。凡人は初対面で馬鹿にされたように感じて好感を持たないそうです。しかし二度三度と接すると、段々、人間味がわかってきます。度々、接すれば、その偉大な人柄に心をうたれ、敬慕の念が自然に深まってくるようになるのです。

よく言われることですが、初めから感じの良い八方美人的な人は、難局に直面した場合、頼りにならないものです。石原莞爾のすばらしい頭脳は、天才的で、学識は抜群、その上研究心が旺盛であったから、軍事学は勿論のこと、歴史、政治、外交、哲学などにも精通していたるその天才を活かすため、石原莞爾は学者として、政治家として、哲学者として進むべきであったと言う人がいます。

だが、やはり軍人タイプで、その性格、気骨、器量などは、石原莞爾の進んだ軍職が最も適していたと思います。石原莞爾は不世出の理想的軍人ですが、偉大なる点は、私心がなく事を進めるにあたり、まず正義を第一とし、大局的な視野の下に、先の先までのことを洞察して、判断を下し、自分一個の功名を考えず、ただ国民のために最善を尽したい、という一念しかなかったことです。

石原莞爾の透徹した識見と抱負は、実にその天才的な独特の器量によるもので、これによって卓抜な観察力が生れ、時には神秘的予言となり、またある時は当意即妙の機智として人の意表に出で、また如何なる困難に逢着しても明るい見通しの下に確固たる方策が生まれるのです。

石原莞爾は名誉心もなければ、出世慾もない全く綺麗な方です。また如何なる大権力に対しても、その節を曲げない剛直なところもあります。天才児だけにその気性も強烈、俊敏であり、とくに不正、不利に対しては寸毫も仮借せず、しかし相手が誠意を披瀝すれば、直ぐ許容するという柔軟性を有していました。

また固い信念と強固な意志を有するだけに、妥協性に乏しく、相手を愚弄することもあったが、これは自分と相手との考えの差が大きすぎたからでしょう。自分の考えを他人にやらせる立場にある時は立派な仕事をやるが、他人と協力して行動したり、上司に人を得ない場合、うまく使われることができませんでした。

また支那事変以後の日本には、石原莞爾をうまく使いこなせる上官がいませんでした。石原莞爾の言行は、無遠慮で、常軌を逸していたと言われます。全くその通りで、その論戦に当たっては、当意即妙、毒舌相手の意表に出で、発言簡明にして寸鉄人を刺すものあり、しかも相手が気を悪くするような事を、誰の前でもズケズケ平気で口外するなど傍若無人の振る舞いは、相手の感情を害し、その憎悪感を刺激させるものが少なくなかったのです。

しかしこれは私心なく、正義感が強い。俊敏な天才的頭脳の半面の表現と見るべきであると思います。同志は、石原莞爾のこうした毒舌は専売特許として、黙って聴くことにしていました。石原莞爾は、道徳的には非常に立派な人でした。不正行為や私利私欲のため職権を利用したりするものには反抗的でした。

例えば権力を笠に威張ったり、官僚的な役人に対しては、所かまわず手厳しい批判を加え、軍部内の派閥的対立、例えば皇道派と統制派の対立や、東條軍閥の横暴に対しては、階級の上下を問わず、職を賭して反攻したことは歴史書の通りです。石原莞爾が東条英機より先に生れていたら、日本の歴史は大いに変わっていたとよく聞きます。

この半面、立場の弱い後輩、とくに兵や一般民衆、又は婦女子などに対しては、極めて同情的で思いやりが深く親切でした。人格は非の打ちどころなく、清廉潔白、その生活信条は一生を通じて簡素の二字に徹し、酒も煙草も口にせず、職務上常に接待費、機密費などを使用し得る身分であったにもかかわらず、国民の税金は一文たりとも私用を許さないとして、公金により客をもてなすことを最も嫌い、官費の宴会にも出席しませんでした。この点は、乃木将軍に酷似しているという人もいます。

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