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石原莞爾平和思想研究会コミュの石原莞爾内閣

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石原莞爾が主導した「五ヶ年計画」は、極めて先進的であり、戦後日本の繁栄を準備したという点でも意義深いものでありましたが、同時にその包括的な性格ゆえに、単に産業の育成と、発展のみではなく、国家の性格全体を規定し、変革しようという独裁的にならないと、立案も実行もできない、革命的な意味をもっていました。

「革命」を実行するためには、当然のことながら、強大な政治力が必要でしょうが、この時期の石原莞爾には、それが不可能ではない、と思わせる勢いと雰囲気があったのです。石原莞爾の周りには、事変以来の盟友である板垣征四郎や片倉、それに軍務局長の磯谷廉介らがいました。さらに宮崎とともに満鉄経済調査会を作った十河信二や、八幡製鉄の争議指導者で、無政党から代議士に選ばれたこともある浅原健三が、財界人としては、三井財閥の池田成彬や日産の鮎川義介、鐘紡の津田信吾らと親しく、政界では中野正剛らと関係がありました。

こうした広い人脈は、石原莞爾の軍人としては型破りな性向によって培われたものであり、その人脈に支えられて、石原莞爾は鮮烈な構想を抱き、その実現を期すことができたのです。その点からすれば、石原莞爾は、軍の内部に根を張り、その官僚的なシステムの統御の上に政治的基盤をおいていた東條英機に代表される幕僚派とは異質であり、石原莞爾に連なる軍人たちは、満州派と呼ばれていました。この呼称は、鉄道員在籍時に汚職事件に関係して(公判では無罪)追放された経歴のある十河や、労働運動出身の浅原、モスクワで計画経済の研究をしていた宮崎などと交際を、いかがわしいものとして見る軍内部の雰囲気を、反映していたのです。

石原莞爾には、明確なビジョンがあり、そしてそれを実現しうる力量がありました。ただ問題は、それをどのように実現するかでした。石原莞爾の構想は、計画的であるとともに、極めて強力な指導力のもとでなければ実現されないものでした。「五ヶ年計画」が、満州では実行に移されたのに、日本では留保されたのも、完全な軍部主導の独裁体制にあった満州では何とか実現できたのです。普通選挙のもと、議会制が維持されていた日本国内では、無理です。確かにこの計画を実行するためには、アメリカ型の指導者民主主義か、ナチス型の独裁政権のような政治的統制が必要となります。

その点からすれば、この革命計画を実現するためには、政治的な革命が必要でした。それは何よりも石原自身の政治へのスタンスにかかわるものでした。合理的に考えれば、秦郁彦氏が指摘するように「石原は、自己の全構想を実現するには、好むと好まざると、みずから『独裁者』の地位にのぼる必要があった」(『軍ファシズム運動史』)のである。この辺りを石原莞爾はどう考えていたのだろうか。石原莞爾自身は、常々軍人の政治への関与を戒める発言をしていたし、実際にそれが本意であったのでしょう。しかし、国家全体が戦争に組み込まれてしまう総力戦の時代においては、戦争指導と政治は切り離せないものであり、総括的に軍事にかかわる者は、国政全体に関わらざるをえなかったのです。

果たして、石原莞爾には、自ら「独裁者」になる意志、覚悟があったのでしょうか。石原莞爾の依頼により、日満財政経済研究会では、11年秋に「政治機構改造案」を立案していますが、その中身は極めて過敏なもので、一国一党のもとでの内閣制の廃止、省庁の統合、特に予算と人事の双方を握った集権的な役所として経済参謀本部を設立し、銀行及び主要産業は国営化し、農業を共同化するというもので、そのまま共産主義、あるいはナチズム的な国家の建設計画なように見えたことでしょう。

この改造案は、そのあまりの急進性によって発表されずに葬られましたが、この中で結成されるはずの党(日本国権社会党)の党首として、石原莞爾は誰を考えていたのでしょうか。さらに石原莞爾の政治顧問格の浅原は、石原莞爾に対して五年で「日本国権社会党」の政権奪取をめざす計画を具申していたと言われています。このような党の首班は石原莞爾以外の人物ではありえなかったはずです。そして、この時点、広田内閣末期の時点で、もしも石原莞爾が、日本の独裁者を決断していたら、日本国は大きく変わっていた事でしょう。その可能性は決してゼロではなく、昭和11年末には、日本の独裁者に1番近い場所にいたのです。

コメント(2)

石原莞爾を語る時、満州を熟知することが、大切ですねクローバー
>>[1] ラミー&みみ同志、そうですね。本日も書くので読んでいただければありがたいです。

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