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自由小説コミュのベンチは汚れるものだ ?

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「うるせー。」

窓の外から夏の暑さを更に引き上げようと蝉達が奏でている。

蝉達の地上での一生は短い。
俺の人生でいったらほんの僅かな時間に過ぎない。
俺は蝉のように一生懸命に何かしたことがあるのかな。
蝉は確か8年ほど地中の中で過ごしている。
それまでの間は外の光を見るために頑張り、
そして一週間という短い人生を全うして、、。

俺は今年で17歳。
俺はなんかしてきたのかな。
だめだ、だめだ。なんだか考えてるとおかしくなりそうだ。
まっ人生どうにかなるか。あーうるせ〜。
てか、
頑張っているのは分かるよ、蝉さん。

けど、俺には関係の無い話であって夏の暑さプラス耳障りの何事でもない。
じゃー窓を閉めればいいと考えるのは当たり前だけれど、うちは田舎の県立高校。

わかりますよね、みなさん。

机には俺の上半身が机の少しでも冷たい部分を探してはグテッ、探してはグテッとゆっくりながらうごめいていた。
夏休みだってのに、なんなんだよ、。

高校2年の夏休み。

俺は大の英語嫌いで、そのお掛けで今英語の補習を受けている。

「お〜い〜捺(なつ)起きてるかぁ〜?」

隣の机に同じように寝そべってる高校入学からの数少ない仲のいい友達の涼矢(りょうや)が声をかけてきた。

こいつは悪い奴じゃないんだけど、何を考えているのか、さっぱりわからん奴だ。
典型的なO型でどちらかというと嫌いな性格だ。けれど、涼矢に頼まれると何故か断れずに何事もやってしまう。くそー、お前その性格は俺には脅威だよ。

「なんだよ。絶対やらないからな」
きっぱりと頑なに断った。こいつに頼まれると後が大変だ。

「後ろ後ろ、見てみろよ」
ニヤニヤしながら涼矢は俺に小さな声で言ってきた。

なんだよ、思いながら何の気なしに後ろを振り返った。

あっ

俺は直ぐに姿勢を整えた。いつ以来だろうと感じるくらい、そう、確か中学の入学式以来かな。

「捺、どうしたの?」

後ろから小さな声がする。
けれど、俺は反応できなかった。

俺の隣の席では涼矢がクスクスと笑っている。

あのやろう。俺は涼矢を睨み付けた。

それをみて更に涼矢はクスクスと笑っている。

なんて奴だと苛立ちがより込み上げた時、

「どうしたの、捺?」

またしても、後ろから声が。


「なんでもないですから」

俺は後ろを軽く向き言った。

彼女は寂しそうに

「そっか」

と言った。

いいきみだ。

彼女の名前は冬樹(フユキ)男みたいな名前だと
よくからかわれたらしい。

彼女とは最近まで付き合っていんだ。
しかし、マンネリ化なのかなんなのか突然フラれてしまった。
彼女がいるのが当たり前になってしまっていたのは事実。
学校が休みの日にどこか出掛けようとよく言ってたが俺はまた今度なっと、いってほとんど断っていた。
だって、また今度でいいだろ。明日居なくなる訳じゃないんでからさ。

その考えが打ちのめされたのは、つい最近なんだけどね。

涼矢はまだカタカタと机を小刻みにゆらしながら笑っている。

これはキレていいなぁ〜と思った瞬間、

「おまえらうるさいぞ!何しに来てるかわかってんのか!」

稲次teacherの声で背筋かピンとした。

完全に俺と隣のカタカタ野郎を睨んでいた。

俺はカタカタ野郎を見る。カタカタ野郎も俺を見る。

思わず吹き出してしまった。

終わった。




補習途中に俺たち2人は教室を出された。

「おまえら廊下に立ってろ。しゃべるなよ」

と、言うと教室のドアをバシンッと大きな音を
たてて閉めた。
そのバシンッという音はうるさくも、廊下をわたるほど響いた。

俺は何故かその音の響きに浸っていた。
普段はバカやってる奴等が多いから、授業が終わると結構校内はうるさい。

けれど、夏休みは夏期講習や部活動の生徒、あとは俺みたいな落ちこぼれしかいないもので、
校内はシーンとしている。

廊下を伝って響く音がとても貴重に思えたんだ。

「おいっ、大丈夫か?」

浸っていた俺にカタカタ涼矢が少し心配そうに声を掛けてきた。

「なんだよ」

愛想悪く返事をした。

「ごめんな、ちょっと悪ふざけしすぎた」

下を向きながら涼矢が言った。

「別にいいよ、気にすんなって。てか、稲次めっちゃ怒ってたな。」

笑いながら俺は言った。それを聞いた涼矢もいつものカタカタ涼矢の笑顔を見せた。

「だよな!稲次のやろ〜うぜぇ〜だよ。」

涼矢の声は少し大きな声で確実に教室へ聞こえるレベルだったが、俺も今日はムカついてたのでそのまま少し大きな声で言った。

「確かに。てか、廊下に立たされるって時代が笑ける。」

二人はカタカタ笑った。絶対怒られるよって、
それがおもろいのか青春なのか、よくわからなかったが、コイツとバカやるとおもしろい。

そろそろ稲次が来るぞっと青春コンビ2人は待ち構えていたが、まったく稲次が来る気配がない。
むしろ、教室が静まっているようだった。


「なんか変だな涼矢。いつもって言うと変だけど。」

当たり前の学校音はまったくしていなかった。俺らの教室だけではなく、学校中が静まっているようだった。
蝉のオーケストラの音さえ全く聞こえない。

まるで、音の無い世界へ迷い込んだみたいに。

にしても涼矢の反応がない。
確実に隣に居るのに全く反応がない。
涼矢が止まっているように俺は見えた。

瞬きもせず、口をカタカタ笑っているように大きな口を開けたまま止まっている。

俺は少し焦ったが、また涼矢の悪ふざけだなと思った、、、いや、思いたかったんだと思う。

「もういいってば!この状況でおもしろくないからさぁ!はいはい。」

と、はいはいって俺が言ったとき涼矢の左肩をポンッと叩いたが、全く反応がない。まるでロウ人形を相手にしているようだった。

なんなんだこれは。俺は教室の中が気になり静かにドアを開けてみた。

教室内はさっきと同じで何も変わっていないように見えた。皆、机に座っているし、稲次も教壇のところにいる。

さっきと同じ状況なのに、何かが違う。

そう、みな時間が止まっているかのように全く動いていない。

「嘘だろ。マジあり得ないって、。」

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