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怪談クラブコミュの聞きたい事は?   体験談

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ジメジメした季節が来ると寝苦しくなり、うとうとすると昔の思い出が浮かんでくる。そんなときに思い出した他愛もない話なのですが・・・

時代は90年代、まだポケベルが全盛期だったころ。
Uさんの友人Kさんは東京都A区に住んでいました。歴史と人情味が厚い土地で、一軒家なのに個別の部屋が無いない古い作りが多い昭和な感覚が薄れない場所。
お年頃なKさんは一人暮らしに憧れていました。しかし彼女はまだ学生。
部屋を借りる敷金礼金の貯金が無い!。しかし早くに社会に出て家を借り自由を満喫しているように見えるUさんのように自分の空間が欲しい。
kさんは考えて「一部屋」を借りることにした。「一部屋」とは文字通り民家の2階を改造した4畳一間のトイレ共同風呂なし、隣部屋との仕切りが板一枚の長屋アパートである。全部で6部屋中の一番手前。
食事とお風呂には歩いて10分の実家に帰るとしても金額的には学生に自分で支払えるていのいい「別宅」ならぬ「別部屋」。2階の
自分だけの冷蔵庫、ほとんどゲームにしか使わないTV、ひろい炬燵、友達が来てもいつまでも遊んでいられる時間にKさんは満足していた。
そんなおりにUさんが泊まりに来たある日のこと。
「ゆっくり勝手にすごしてね」
まだ寝ぼけているUさんに告げて学校へ行ったKさん。ほぼ年が変わらないUさんはもう社会に出ているからかさの平日休みで自分が帰ってくるまでのんびりすごして欲しくて鍵を渡して学校へ向う。
帰ってきたら遊びに行こうね、と念を押して。

もう日が高くなり流石に寝疲れたUさんが完全に目が覚めたのは正しく昼間。
学校へ行った友達が帰ってくるまでまだ数時間ある。さて何をしようか。
久々のゆったりとした時間を置いてある本でつぶすことに決めた。
いつも自分が買うジャンルとは違う本に夢中になっているうちに時計は午後3時を指しており部屋の主が帰るまでには読み終わると確信したときに
3回扉がノックされた。
主が留守中に勝手に対応しても良いものなのか?と、悩んでいるうちにまた3回
宅配便とかだったら受け取ろうと思ってドアを少しみると…
灰色のスーツの男が立っていた。
訪問販売か何かだと思いドアを閉めようとノブを引くと、
「市役所のほうから伺いました」
と、使い古された詐欺行為の上等文句の台詞と掴まれて回らないドアノブ。
「帰れ」と胸倉を小突こうと言おうとした口と手が止まった。
男の顔が薄ぼんやり霧がかかってるのである。
「ここに住んでいるのは○○K○さんですね」
疑問系な聞き方ではなく断定な言い方だ。名前は合っている。
「違う」の答えが正解なのか「はい」が正解かUさんは悩んでいると…
「でも、貴女はではない」
棒読みのように抑揚のない声で言い放つ。
「○○K○は朝X時に出て行って●●●で勤務しX時頃に帰る」
スラスラと、でも感情の無い声で言い続ける男にUさんは困り果てた。Kさんのバイト先とも違う店名、働いてるはずの無い時間帯、決め付けた言い方。
この男は何を言っているのだろうか?
「なら、何時ごろ帰りますか?」
さらに意味のわからない質問。意図さえもわからない。
「・・・そんな事を聞いてどうするんですか?」
わからないなら聞けばいい!瞬間的に思いつた言動を男に投げかけた。
「貴女には関係ありません、○○K○は次に●●に勤めX時頃に帰る」
また、知らない店名。
「で、何時ごろに帰るんですか?」
ストーカーの言葉がまだ世に広まる前の事だったので何とも表現に表し辛いが、目の前の男が普通でないのは確かだとUさんは確信する。
「そんな事を教える必要はありません」
ドアを閉めようとノブを引くがどうしてか動かない。
「何時に帰るか教えてください。○○K○は●●●●●に勤をXXXXに辞める。X時 頃帰る。何時ごろに帰ります・・・か?」
あ、もう限界。こいつ変だ。
「何時頃帰るかだけ教えてくれればいいんです」
Uさんは部屋の真ん中に置いてある携帯電話の電池の残量を気にしながらドアノブから手を離して背を向けた。110番をしたとしてもこの気持ちが悪い状況を手早く話しきれるか?信じてくれるのか?襲い掛かってきたら?殴るか?
「じゃあ・・・いいです」
動揺の一つも無い大根役者の棒読みの台詞に聞こえた。
振り返ると階段を下りる足音。ドアは開いたまま誰もいない廊下。
まずは安全の確保、と大きな音を立ててドアと鍵を閉める。110番すら忘れて
鍵のかかったドアの前でへたりこんだ。時計は4時近くを指している。

「ただいまーん♪ゆっくりできた?」
底抜けに明るい声と共にドンドンと薄いドアがなる。
Kさんが学校から直帰で帰ってきたのが5時過ぎ、開いたドアから出てきた手に腕を掴まれ1階に住む大家の住居に直行された。
結局、警察も来て近辺の見回りと進入経路、時間、色々散々に聞かれたUさんだったが男の顔だけは「よく思い出せない」と言葉を濁しきった。
「薄暗くて見えませんでした」なんていっても信用されないと感じたからだった
それともう一つ、男の足元がピカピカの黒い革靴だったと同時にナイロン生地の薄い靴下だったと証言した事に疑問を持ったKさんが尋ねると、
「・・・靴が・・・透けて見えたんだ・・・透けてたんだ・・・」
改めてゾッとしてた。

実はこのアパート、他にも色々説明がつけづらいことが多すぎてKさんはわずか1年足らずで引き払ってしまった。機会がありましたら話させて頂きたいです・・・
そしてKさんは学校を卒業して…「市役所のほうから伺った」男の言った●●●と●●、●●●●●・・・Uさんが遭えて伝えなかった店名の店に就職して、辞めていった。その後結婚。今年には少々遅めの初産を迎える。
一体あの「男」は何故に「帰宅時間」をあんな執拗に聞きだそうとしていたのか?まだ学生だったKさんのこれからを知っていたのか?思い出してしまうと
Uさんはとたんに底冷えがするような気持ち悪さに襲われると・・・。


こんな怖いのか不思議なのかわからない話でありましたが、最後までみていただきましてありがとうございます。
ちなみに、このアパート、まだあるそうです・・・




コメント(5)

なんとも興味深いはなしですわーい(嬉しい顔)
もし帰宅時間を言っていたらどうなっていたんだろう?あせあせ
予知をしたところをみると、幽霊というより、良くも悪くも、もっと上位な霊体だったかも知れませんねわーい(嬉しい顔)

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