怪談クラブコミュの挽肉

λ．．．ﾄﾎﾞﾄﾎﾞさんが紹介してくれたお話です～

『とあるスーパーで働いていたＴさんは、毎日夕方～ラストまでの仕事のシフトを入れていた。

別に金が無いわけでもなく、そうするのには理由があった・・・５時から同じスーパーのレジに入るＹさんのことが好きだったからだ。

彼女（Ｙさん）は何でこんな安い給料のスーパーで働いてるのかと思うぐらい美人だった・・・美人というか可愛い感じ・・・ちなみにバツイチだったそうだ。

Ｔさんは毎日帰りにレジ締めをする前に沢山の買い物をしてＹさんのレジに並ぶのが日課だった。二人は結構仲良くやってたらしい。

しかし、ある日のこと、Ｙさんはスーパーの他の同僚と結婚して辞めてしまった。

当然、Ｔさんは酷く落ち込んだ。

もう遅くまで働く意味もなく、完全に抜け殻状態になってしまったのだ・・・そして、彼は仕事を辞める決心をした。

―――――Ｔさんにとって最後の仕事の日のこと。

Ｙさんがいつもいたレジに、男の店員がいた・・・薄っすら目が血走った頬骨の出た男・・・

普通、レジの店員などまじまじと見たりはしないが、その気持ちの悪い顔立ちに、Ｔさんは思わず見入ってしまった・・・

Ｔさんが買った270円の挽肉を見て、その男は煙草の脂で色のついた歯をニュっと出して言った・・・

「Ｙはあなたのことが好きだったらしいですよ・・・お返しします」

―――――挽肉のパックには小さな指輪が光っていた・・・・・・』