スタープラスコミュのブロークン・オース

第３回は、アンジェラ・マオの「ブロークンオース」です。
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原題：破戒 (1977)
英語題：Broken Oath
放送題：ブロークンオース（字幕はスコーピオンガール・さそりの復讐）
監督：チェン・チャン・ホー
脚本：シー・カン
出演：
アンジェラ・マオ、チャーリー・チャン、ブルース・リャン、丘ナオミ
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「キル・ビル」のタランティーノ監督が女囚さそりシリーズで人気だった梶芽衣子
をイメージして修羅雪姫をオマージュしていましたが、
この映画ではその女囚が登場し、”さそり”を観る人にイメージさせています。

主演のアンジェラ・マオは女囚の娘として登場します。
（日本人の丘ナオミがこの女囚を演じています。せんきちさん、感謝！）
アンジェラは実際にさそりを手裏剣のように“武器”として使っています。
さそりが武器になるなんてちょっとオドロキです！！

この映画は韓国のチェン・チャンホー（鄭昌和）監督がゴールデンハーベスト社のために作った映画です。
韓国アクション映画の巨匠と言われたチェン監督ですが、香港映画にはどの様に関わってきたのでしょうか。

香港映画界が韓国と関わるようになったのは１９５０年代にまで遡ります。
この時、関わったのはショウブラザース社などでありましたが、
チェン監督も何本か撮るようになり７２年の「キングボクサー大逆転」がアメリカやヨーロッパで公開されて大ヒットしました。

ショウブラとの契約が切れても、チェン監督は香港に残ってゴールデンハーベストで監督業を続けます。
その時撮った作品が「黑夜怪客」「黄飛鴻少林拳」「艷窟神探」「鬼計雙雄」「破戒」（全て原題）の５本で海外ロケを敢行しヒットをさせました。
これらが彼の仕事でした。
チェン監督が韓国に戻る前の最後の作品がこの「ブロークンオース（破戒）」です。

放送時のタイトル「スコーピオンガール・さそりの復讐」が全てを物語っています。
修羅雪姫と女囚さそりを合体させたようなキャラクター設定の復讐物ですが
アクションが多く当時としてはかなり衝撃的な映画だったのではないでしょうか。

リン将軍は悪人達（チャーリー・チャンほか）に殺されてしまう。
妻のユウメイは、無実の罪で孤島の女子刑務所に流される。
ユウメイは身ごもっており娘を獄中で産むがそのまま倒れてしまう。
その場にいたスリの女（ワンライ）が子供を引き取ることなった。
彼女はユウメイから復讐を頼まれていたが復讐をやめさせるため娘を寺に預ける。
娘は寺の尼僧にロータスと名付けられた。やがて２０歳になったロータスはカンフーの腕も上達していた。
しかし攻撃的なロータスは殺意の影が現われて仏の教えを破り寺から破門されてしまう。（すなわち、”破戒”（＝ブロークンオース）です。）
復讐を果たすため、ロータスは仲間と協力してリン将軍の復讐を果たすのだった。

この映画はハンインチェvsブルース・リャンが見られる映画でもあります。
（ハンインチェはブルースリーの「ドラゴン危機一発」のボスでおなじみ。「大酔侠」など武術指導家としても活躍。）
アンジェラ・マオがブルース・リャン（「カンフー・ハッスル」）と共に健闘した映画と言えるでしょう。

チェン監督がゴールデンハーベスト時代に監督した５本の映画の成果は数字に表れています。結果を残した監督は韓国に戻ってプロダクションを設立し、引退後はアメリカへ移住したと言います。
アンジェラもこの作品を最後に活動の場を台湾へ移しました。

ところで、タランティーノ監督はこの映画を観ているのでしょうか？

（やっぱり観ているんでしょ、監督～！（笑））

THE　END