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アルジャーノン問題研究室コミュの[研究1]アルジャーノン・コネクション

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 すいません、長い間ほったらかしで、ううう……。あんまりにもマズイので、研究報告コーナーを始めます。
 このトピは「アルジャーノン」に直接影響を受けてたりオマージュを捧げてたりする作品などなどってのを収集する場所にしたいと思います。
 叩き台として、手前ミソながら2000年2/2作成のリストを転載しますので、これ以降に出てきた海外ドラマ(WOWOW放映)やCX系ドラマとか、他『アルジャーノン』にオマージュを捧げた(あるいはパクリっぽい)作品などをいろいろ足していければ……と思っております。「学問・研究」カテゴリにしちゃった面目が立てば幸いです。

【サブカルにおける『アルジャーノン』オマージュ作品リスト】

●[映画]『まごころを君に(Charly)』1968年(米)→日本公開69年2月22日
(監督:ラルフ・ネルソン/出演:クリフ・ロバートソン、クレア・ブルーム他/1時間44分)
 原作長編のラブ・ロマンス面を誇張した映画化。
 68年現在あたりのボストンが舞台。丁寧な展開の前半と、「ユースカルチャー爆発の1968年」らしい(?)サイケでハチャメチャな後半のギャップが笑える。
 チャーリーの乗る「ブランコ」で童心や純粋さを象徴するという映画版オリジナルな技法については、その起源を突き止めたり発展系(橋本治『鞦韆』やら『エヴァンゲリオン』やら)をあげてみるのも一興か?
 『アルジャーノンに花束を』の題でビデオ化(アミューズビデオ+カルチュア・パブリッシャーズ)。DVDはビクターエンタテインメント(2002/09/27)版、角川エンタテインメント(2004/08/27)版がある。
 備考:リメイクTVムービーが2000年にカナダで製作され、日本でもWOWOWで放映(監督:ジェフ・ブレックナー/出演:出演: マシュー・モディーン、ケリー・ウィリアムズ他/1時間32分)。
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B0002I86HY/qid=1119283915/sr=1-2/ref=sr_1_10_2/249-8390542-7506740

●[特撮TVドラマ] 『スペクトルマン』第48話「ボビーよ、怪獣になるな!!」・第49話「悲しき天才怪獣ノーマン」 1971年11月27日・12月4日放映
 出前持ちの知恵遅れの少年と飼い犬ボビーが、手術によって賢くなるが副作用で巨大怪獣化、スペクトルマンに倒される話……らしい(筆者いまだ未見……うう)。
DVDボックスあり。
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B00005Y0Y5/249-8390542-7506740
参考:http://www005.upp.so-net.ne.jp/a_matsu/spectre.HTM

●[漫画]萩尾望都『毛糸玉にじゃれないで』週刊少女コミック1972年2号(71年12月17日発売)
 珠玉の短編。高校受験で悩むヒロインに、無理してレベルの高い進学校に進むよりも、もっと大事なことがあるかもしれないと思わせることになる、同級生の男子の台詞------「余裕いっぱい残してやりたいことがあるんだ/クラブで走りまわったり あっちの本原語で読んだり/キースのアルジャーノンなんかさ……!」。
→萩尾望都作品集5『3月ウサギが集団で』小学館 [77年2月20日]所収→『赤ッ毛のいとこ―珠玉傑作集』小学館文庫[84年12月]所収
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4091907199/qid%3D1119284405/249-8390542-7506740

●[小説][映画]ステフェン・ギルバート『ウイラード(Ratman's Notebooks)』角川文庫(1972年)
→映画化『ウイラード(Willard)』1971年(米)→日本公開72年?
(監督:ダニエル・マン/出演:ブルース・デイビソン、アーネスト・ボーグナイン)
→映画リメイク『ウィラード(Willard)』2003年(米)→日本版DVD2005年06/03発売
(監督:グレン・モーガン/出演:クリスピン・グローヴァー、R・リー・アーメイ、ローラ・エレナ・ハリング、ジャッキー・バロウズ他)
 原作の文庫は入手したが……うう今は見つからん。
 映画版は父の死後、会社を乗っとられて自身もリストラ寸前という青年ウイラードが二匹のネズミ、ソクラテスとベンと仲良くなり、大群のネズミを使って復讐するが…という因果話。
 街をパニックに陥れる映画オリジナルの続編『ベン(Ben)』1972年(米)→日本公開73年1月(主題歌:マイケル・ジャクソン)は、ベンと病弱な少年との友情物語でもあり、低予算パニックものな展開はともかくとして、泣ける。主題歌「Ben」は72年度アカデミー賞およびゴールデン・グローブの歌曲賞を受賞、2005年春シーズンのTVドラマ『あいくるしい』にも使用され、作品自体の出来より主題歌で惹きつけるほどの魅力を今も発揮しているのであった。
 『アルジャーノン』オマージュというよりは、次の『ヤジとボク』により関連する作品か。
 『ウィラード』リメイク映画はDVDスルーなのが哀しいが、観られるだけでも喜ぶべきかも。
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B0008JH7C2/qid=1119290329/sr=1-1/ref=sr_1_10_1/249-8390542-7506740

●[漫画]手塚治虫『ヤジとボク』月刊少年ジャンプ1975年3月号
 知恵遅れの少年の日記から始まり、手術をした白ネズミが『ウイラード』『ベン』のように大群を組織するという短編。
 また同じ作者による『三つ目がとおる』(週刊少年マガジン74年7/7号〜78年3/19号)の基本アイデア、出前持ちの知恵遅れの少年が、急に悪魔のように賢くなるというのも相似か?
『走れ!クロノス』旺文社コミック・エイジ[77年4月30日]、講談社手塚治虫漫画全集124『タイガーブックス』第4巻[79年8月20日]、手塚治虫名作集6『白縫』集英社文庫[95年5月25日]、集英社ジャンプ・コミックス『手塚治虫THE BEST』第3巻[99年1月13日]、所収。

●[音楽]難波弘之& Sense Of Wonder『センス・オブ・ワンダー』[1979年]KING RECORDS
 (ジャケット:手塚治虫/ライナーノーツ:中島梓)
 1曲目が「アルジャーノンに花束をFLOWERS FOR ALGERNON」。他「都市と星THE CITY AND THE STARS 」「ソラリストの陽のもとにSOLARIS」「リング・ワールドRING WORLD」「火星人ゴーホームMARTIANS, GO HOME! 」「夏への扉THE DOOR INTO SUMMER」「地球の緑の丘THE GREEN HILLS OF EARTH」「鋼鉄都市THE CAVE OF STEEL」「虎よ!虎よ!TIGER! TIGER! 」「いちご色の窓THE STRAWBERRY WINDOW」全10曲を収録したデビュー・アルバム。「若干プログレよりの80年代ポップ」http://www1.vc-net.ne.jp/~keis/sympho/nanba.html#sowだとか「ちょっと(ずいぶん?)歌が下手だが佳曲ぞろい」http://www.senseofwonder.org/~hasegawa/sow/discography/n_sow.html#sowだとか……。
LPは[1985/2/5 ]再発売。CD化[1994/2/5]ただしライナーノーツなし手塚治虫クレジットも無し。
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B00005F7X7/ref=ase_mitsu-14-22/249-8390542-7506740
ベスト版『A WONDER ODYSSEY-BEST OF SENSE OF WONDER』[2001/07/25]BMGファンハウスにも収録。
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B00005LJLS/qid=1119853189/sr=1-4/ref=sr_1_10_4/249-8390542-7506740

●[音楽]氷室京介『フラワーズ・フォー・アルジャーノン』[1988年9月1日]東芝EMI
 「DEAR ALGERNON」収録。長編にインスパイアされたという楽曲集。
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B00005GIF7/qid%3D1119853399/249-8390542-7506740

●[演劇]劇団昴『アルジャーノンに花束を』1990年9月、91年7月、92年3月・12月・93年3月、2001年……など。※2005年6/9-7/1キャストスタッフを一新しての再演あり。
(脚色:菊池准/演出:菊池准→三輪えり花/主演:牛山茂→平田広明)
 長編の巧みな舞台化。ピアノ技能の急激な向上によって高知能化を表現。
 菊池准『戯曲 アルジャーノンに花束を』 早川書房[1992/09]
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4152035277/qid=1119853899/sr=8-9/ref=sr_8_xs_ap_i9_xgl27/249-8390542-7506740
参考:http://www.bekkoame.ne.jp/~darts/arujya2005/arujya2005.html

●[TVドラマ]『人間・失格―たとえばぼくが死んだら』1994年7月8日〜9月23日放映
 野島伸司脚本。KinKi Kidsの堂本光一が秀才役、だが最後に幼児退行し、飼っているハツカネズミに、堂本剛の演じるイジメ殺された同級生の名前を付ける。タイトルの太宰治からのパクリをはじめ、アチコチの名作や流行りモノ、時事ネタからの剽窃だらけでブリコラージュし、人気を博したという異色学園ドラマ。英文学者・巽孝之が熱狂的に支持して『アルジャーノン再考』という論文で大フィーチャーしていた(が文庫化時に該当部分およびフェミ媚びオチを削除、なかったことに……)。
 DVDボックスあり。
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B000063EF8/qid=1119855049/sr=8-1/ref=sr_8_xs_ap_i1_xgl/249-8390542-7506740
 脚本家本人によるノベライズあり。幻冬舎[]1994/09→幻冬舎文庫[1997/04]。
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4877284346/qid=1119854827/sr=1-1/ref=sr_1_10_1/249-8390542-7506740

●[アニメ][映画][漫画]『新世紀エヴァンゲリオン』1995年10月4日〜96年3月27日放映/漫画版:月刊少年エース95年2月号〜現在も不定期連載中・コミックス9巻[2004/04/23]まで/劇場版:1997年3月15日公開+完結編7月19日公開 (監督:庵野秀明/キャラクターデザイン・漫画版:貞本義行/企画・原作:GAINAX)
 劇場版完結編の後編でありTV版最終話の別ヴァージョンであるサブタイトルが『まごころを、君に』。
 作品に聖書や聖書外典やグノーシス系知識の引用がちりばめられ、エリート=選ばれた者の孤独(疎外感)、あるいは“人類補完”時の超越的官能的イメージや、物語自体の再帰的結末(しかし決して原状復帰ではない)などなど、「知恵の木に触れた人間の原罪」および「共感という新人類の希望(黒笑)」という『アルジャーノン』テーマの“誠実な悪意=まごころ”による歪んだ変奏曲といえる。
 漫画版の完結が待たれる。なお膨大な二次創作同人誌やフィギュアや4コマギャグ漫画以外、つまり商業誌長期連載に限っても3つのヴァリエーションでストーリー漫画が今[2005年5月時点]も連載中だったりもする(GAINAX監修のTVゲームからのスピンアウトではあるが)。そういやパチンコにもなってたりする。また実写劇場映画化も(期待をずんずん裏切りつつ)進行中らしい。
 DVDボックスあり。
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B00007LLA9/qid=1119855233/sr=1-23/ref=sr_1_2_23/249-8390542-7506740

●[映画]『グッド・ウィル・ハンティング―旅立ち』1997年(米)→日本公開98年3月7日(2時間7分)
(監督:ガス・ヴァン・サント/脚本・出演:マット・デイモン、ベン・アフレック)
 孤児として育ち、用務員として働く天才青年の孤独を、妻を亡くした精神分析医との交流が癒してゆく。知性のおごり、友情と愛、そして別 離など『アルジャーノン』テーマの再普遍化&深化といえる。
 DVDあり[1998/10/21]。
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B00005G1YZ/qid%3D1119855548/249-8390542-7506740

●[漫画]谷田知彦『SPARE』週刊ヤング・ジャンプ1999年9/2(37・38合併)号
 事故にあって手術した飼い犬と少年の悲劇を“初期・荒木飛呂彦”風タッチで描いた異色SF短編。第240回月例YJ新人賞佳作受賞作。たぶんレギュラーの原稿落ちによる掲載のようなので稀少かも……。『アルジャーノン』に唯一登場する日本人名が「タニダ」であることにも注意したい。偶然見つけたが、こういう埋もれたネタってのも多いんだろうなぁ……。

●[科学]共同通信ニュース速報より要約[1999年9月1日]
 脳に関する遺伝子を操作し、学習・記憶能力を強化した賢いマウスをつくることに、アメリカ・プリンストン大学のジョ・チェン助教授らが成功。9月2日付のイギリスの科学誌ネイチャーに発表した。NMDAと呼ばれる神経伝達物質の受容体が脳に多くできるよう遺伝子を操作する方法を実験。“ドゥギー”と名付けた系統の遺伝子操作マウスは、物の形の記憶、刺激と音や場所の関連を覚える能力、迷路脱出能力の全てで秀でており、通 常のマウスより記憶時間は4〜5倍長く、“迷路からの脱出”も半分の試行錯誤回数で成功するという。同助教授らは『遺伝子操作で、動物の知能を高めることができると分かった』とコメント。同分野の専門家らは今回の研究で、記憶のメカニズムの解明や記憶障害などの遺伝子治療にも展望が開けたとするが、遺伝子操作で“人間の知能を高めることができる可能性”もあり、倫理の問題も。


備考:
 なお、「知的障害者」を魔女伝説と絡めて新人類テーマで描いた荒巻義雄『白壁の文字は夕陽に映える』(SFマガジン71年2月号→『白壁の文字は夕陽に映える』<ハヤカワSFシリーズ3289>[72年4月30日]収録→『柔らかい時計』徳間書店[78年11月]収録)や、「障害者」全般 を同テーマで描いた傑作終末SFである栗本薫『Run with the Wolf』(SFマガジン79年11月号・12月号初出→『セイレーン』ハヤカワ文庫[82年5月31日]収録)などを『アルジャーノン』オマージュとする考えもある。
 超能力者&ミュータント&進化論SFテーマの作品まで拡がりそう……なので誰か整理してください。

 同様に、いわゆるストレートな知的障害者やサヴァン症候群テーマのものにも、『レインマン』(88)、『レナードの朝』(90)、『フォレスト・ガンプ』(94)、『ウィズ・ユー』(98)、『カーラの結婚宣言』(99)、『ミフネ』(99)などがあり、また『ニッキーとジーノ』(88)、『ギルバート・グレイプ』(93)など脇役的役柄での名作も多く、さらに古くはこの春リヴァイバル上映されるカサヴェテス監督の『愛の奇跡』(63)までも含めると、アメリカ映画のひとつの潮流ができあがってしまう。
 故に、このトピでは扱わない。なお『JM』(94)の原作であるウィリアム・ギブスンの短編小説「記憶屋ジョニイ」に、「白痴/賢者(イデイオ/サヴァン)状態」という表現が出てくるというのは、この関連で覚えておくとよいマメ知識。

 また『ウイラード』系列で、「知性化された動物」が人間以上の恐怖の存在になる(だけ!)のものも、海洋パニック映画『ディープ・ブルー』などなど、枚挙にいとまがないと思うのでここでは削る。

 さらに映画『スチュワート・リトル』シリーズなど「ネズミの登場する映画」なんてのを考え出すと、『マウス・ハント』(97)とかも?……というより「アメリカ人の異常なネズミ・キャラ好き」(笑)という例で『ミッキー・マウス』を筆頭に、『トムとジェリー』や『マイティ・マウス』や『トッポ・ジージョ』(これはイタリア原産か)などなど……となってしまって、本当にキリがないのでやめる。
 小説でもレナード・ウイバリー『小鼠ニューヨークを侵略』4部作(創元推理文庫)なんてのもあったけ……。

 そういえば帯に「『アルジャーノン』の感動と……」とか書かれてた文体実験の趣きもあるブラック・フェミ小説、サファイア『プッシュ』(河出書房新社)[98/2]http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4309202969/qid=1119287539/sr=1-1/ref=sr_1_10_1/249-8390542-7506740とかも読んだなぁ……。今見つからないけど。

 なおSFマガジン1998年4月号「脳SF特集」の短篇群や、それと関連した同誌2000年3月号の牧眞司のエッセイ「時代遅れのタイムマシーン第3回[頭蓋という牢獄]」、並びに同誌1999年10月号「特集・アルジャーノンに捧げる物語」(記憶と愛をめぐる感動系SF短篇群+ブックガイド「40篇の愛と癒しの物語」付き)は、『アルジャーノン』景気(?)に湧いたのか、SFマガジンならではのオマージュとは言える。
 これらも上記の「オマージュ作品リスト」に含めるとかなり広範なものになるため、ひとまず省略。それにしても、切り口によって『アルジャーノン』の“どの要素”がひっかかるかが、こうも変わってくるのも面白い。
「脳科学(大脳生理学?)」「記憶」「癒し」……そして「愛」。

※リスト中の出版物のデータ[年月日]は奥付記載の初版発行日、実際の発売日はその数日〜1ヵ月前の場合が多い。

[2000年2月2日作成分を若干修正]

コメント(5)

ところで「アルジャーノン問題」ってどういう意味ですか?
>>[2] アルジャーノン問題、とは

私が物心ついた20歳過ぎ頃に(て遅すぎやけどw実感的には)思い悩んだディスコミュニケーション系のアポリア(難問)から考えついたもので……
「わかりあえない対立」というのが世の中には溢れていて、口喧嘩から殴り合いまであたりは客観視できるとして、同調圧力と異分子排除な呪いに満ちた社会秩序維持機構によるいじめや派閥作りや孤独やらから、紛争、内戦、戦争、殲滅戦(ホロコーストや民族浄化)まで、あるいは虐待、虐殺、黙殺(差別)、自殺などなど、「わかりあうこと」ができればもっとうまく解決するはずだと思っていたのだがいや待て「わかりあえない」ということこそ現在の人間の本質なのかもしれないとも気づいていて。
で。
「賢く」なればわかりあえる、とチャーリイ・ゴードンは考えたが、知性はまた別の対立と孤独を呼び、「共感」能力もまた、ダニエル・キイスが信じた奇跡を現実に最大限にもたらすには不充分だとして、ヒトは、ではどうすれば救済されうるのか? いっそのこと「愚か」であり続けることこそ必要なのかもしれない、宮沢賢治「アメニモマケズ」の理想像のように?
……ひとまず「賢者/愚者」アポリアとして(今はサヴァン症候群と呼ばれる症例をウィリアム・ギブスンが『ニューロマンサー』あたりで転用してみせた賢くて馬鹿な状態?を由来とする)、いや端的に「アルジャーノン問題」として、ヒトが「共に生きるための」よりよき方法、ディスコミュニケーションを受け入れた上で成しうることは何か?を探ること……

そういうことを研究・探究するのが「アルジャーノン問題研究室」発足時の意図でした。が、いやはや、こんなに遅い返答になってしまって申し訳ないです。さてはて、下書きで破棄するなんてことを過去何度かしてしまったような記憶もありますが、久々にこのコミュニティを覗いてみて、いかん、放置しすぎだ……と愕然として、まずはコレ書かなきゃなあ…とエイヤと書いてみた次第。
で、アルジャーノン・コネクションてのに、再映画化やら再ドラマ化やら追加しなきゃならんネタ多数あるような状態ですが……
いま読んだばかりの
●高野史緒「小ねずみと童貞と復活した女」
(河出文庫『書き下ろし日本SFコレクション NOVA + 屍者たちの帝国』[ 大森望 責任編集]所収)[2015/10/20発行]
が最高に面白かったので、とにかくSFオタクは読んで下さい!
いやあ笑った笑った。
とにかく、あの小説は、最後の頁のあの一言、「アルジャーノンの墓にも花束を置いてあげてくれ」、あれがあの小説の全てですよ。あれで涙ドバーッですわ。

途中の、知恵遅れが天才になって、パン屋時代にいじめてた仲間から尊敬されるようになり、段々怖がられるようになり、とか、段々知恵遅れに戻っていって、

といったあの分厚い小説の長い長いストーリーは全て、あの最後の一言のための伏線に過ぎないのに、舞台とかドラマではそこカットされててバカですかと。
脚本家やプロデューサーは全然原作の意味分ってないんだろうなと。

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