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ホリスティックな生き方を考えるコミュの【言語】に戦略はあるのか_19_【統合失調症】編_1

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これまで、自分が一貫したものであると錯覚すること、即ち自己同一性が様々な問題の引き金になっていると仮定できるのに対して、逆に自分が一貫していないと思うこと、即ち自己同一性を低下させた場合の弊害として、まともに検証されたものを驚くほど見たことがない、というようなことを書いたところ、自己同一性が失調した病状として統合失調症が挙げられる旨のご指摘を頂戴しました。15回の【言語】編_3のコメントにも書きましたが、万が一、言語戦略の行き着く先や近辺に統合失調症があるのでは困るので、これについては十分に検証しておかなければなりません。但し、ここにおける関心事は、あくまでも言語戦略であり、医学的詳細ではありませんので、検証のポイントは、統合失調症と言語の関りに的を絞ります。即ち、統合失調症の原因は何で、そこに言語がどのように影響していて、更にはその結果として言語がどのように使われているのか、ということが見えてくれば、言語戦略と統合失調症の距離感が明らかになっていくであろうと考えられるからです。
※尚、本稿の医学情報の参照先は全て、「統合失調症情報局すまいるナビゲーター」のサイトです。

まず、統合失調症の直接の原因は、脳内の神経伝達物質のバランスが崩れることだといわれています。問題はその原因の原因ですが、大きなストレス等の環境要因のほか、遺伝子が関与していると考えられているものの、はっきりした原因はまだわかっていません。データによれば、両親のいずれかが統合失調症の場合に子が統合失調症になる危険率は一般の6倍だそうです。しかし、一般の統合失調症の発病率が1%弱であることから、両親のいずれかが統合失調症でも94%は統合失調症にならない計算になり、遺伝だけで統合失調症になるわけではない、ということになります。以上のように、統合失調症は、遺伝的要因と環境要因が組み合わさった多因子疾患とされます。

さて、遺伝的要因については先天的なものですから、もはや言語でカバーできる範囲でなくなるとして、問題は、ストレス等の環境要因が一体どのように統合失調症の発症に関るか、ということなります。サイトを見ると、統合失調症患者においては、ドーパミンやグルタミン酸等の状態に異常が見られることに加え、前頭葉や側頭葉の働きの低下、言語能力・記憶力・注意力・抽象的思考力の低下等が認められるようですが、相互の関係性については未だ未解明です。一方、全体的な傾向から、神経発達障害仮説という有名な仮説があります。これは、「統合失調症では、出生前後からのヒトの神経系の発達に何らかの障害があり、病気のなりやすさ(発症脆弱性といいます)が形成されると考え」られ、「このように脆弱性を持った子供が、思春期以降外界からのさまざまな心理的社会的なストレスを受けると統合失調症がはじめて発症するとする」とするものです。この仮説によって、統合失調症患者に見られる神経細胞の発達が障害された痕跡や、統合失調症が思春期以降に発症しやすいこと等が説明することができる、とのことです。

ここで注目したいのは、統合失調症が思春期以降に発症するという時期です。何故なら、このことから、統合失調症は、言語の基本構造がほぼ固まって、自我意識が形成されている状態であることが、一つの発生要件であると考えることができると導けるからです。この自我意識というのは、これまで見てきたのように、ある種の自己同一性です。又、逆に、このことから、自己同一性が無かった状態、或いは、明確に確立されていなかった状態においては、神経伝達物質の異常等、脳の障害状態のポテンシャルはあっても、統合失調症は出て来ないわけです。となれば、統合失調症の因果関係の捉え方としては、言語の統合機能の産物である自己同一性が失われた結果として発症するのではなく、むしろ完成した自己同一性が、ポテンシャルをカバーできなかったり、自己同一性とポテンシャルが衝突する結果として発症する、と考える方が自然です。そして、自己同一性がポテンシャルに耐え切れなれば、当然それ自体に機能不全を来すこととなり、言語の統合機能や自己同一性が失われた状態が、統合失調症の典型症状として表面化する、と考えることに整合性がありそうです。

一方、言語機能の低下は、あくまでも統合失調症の症状の一つに過ぎず、幻聴・幻覚・妄想・情緒の障害等、様々な症状があることにも注意が必要です。何故なら、幻聴・幻覚・妄想等は、言語による通常の認識によって説明することが困難な特殊な認識だと思われるからです。すると、次に重要になってくるのは、これらの特殊な認識と、言語機能の関係が一体どうなっているのか、ということになります。上述した言語の統合機能によって構成される自己同一性は、自分と自分以外のものとの関係性が言語によって認識される結果、自分が同じであると思う構造であると言い換えられます。一方、統合失調症の患者においては、幻聴・幻覚・妄想を常に生じているわけではなく、それらが断続的に出ています。即ち、正常な認識と異常な認識が切り替わりが起こっているわけです。となればこれらの事柄から、統合失調症患者においては、正常な認識の一端にある自分と、異常な認識の一端にある自分とが、明滅しながら並立する格好となり、通常可能となるような形での言語による自分の統合作用が果たされなくなってしまうのは、必然といえるのではないでしょうか。私論ですが。

以上から、統合失調症は、言語の同一化作用を低下させた結果として出るわけではなく、脳機能障害のポテンシャルが複合的要因によって異常を生じた結果として出るものである可能性が高い、という見方ができると思います。但し、少しかじった限りでも、統合失調症の病態には依然として不明な部分が多い一方、私がやっているそもそもの言語戦略自体が発展途上も甚だしいことを考えると、場合によっては、統合失調症についても改めての検証が必要になるかも知れません。又、上記の医学的内容には正確でない箇所があるかも知れませんので、ご容赦頂くとともに、適宜ご指摘がございましたらお寄せ下さい。

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