THE　半ば面白い話（仮）コミュの呪術屋うらみます 01 〜自転車〜（｡ｻｲｶﾞ｡）　　　

私はよく自転車を盗まれます。
今年に入ってもう3台目。

何故？よく鍵をかけ忘れるから？

そこで考えた。どうすれば自転車を盗まれなくなるか。

そういえば昔見たことがある。

【この自転車は母の形見です。盗まないでください。】

と書いた自転車を。

本当かどうかわからないけど真似してみよう。

【この自転車は母の形見です。盗まないでください。】

お母さん、死んでないのにこんなの書いてごめんなさい。

見られたら怒られる？

いや、背に腹は変えられない。



1週間後盗まれた。

鍵をかけ忘れた。オレのバカー。

てか母の形見の自転車パクるなやー！

くそー。もう自転車乗らんとこかなー。
いや。負けた気がする。
オレは悪くない。

もっと効果的なのないかなー？



くそー。呪ってやる〜。

あっ！本当に呪ってやろ！

石原良純さんが言ってた！
困った時にはタウンページって。

呪術屋、呪術屋…

あっ！あった！

電話してみよ。

私『もしもし、呪術屋うらみますさんですか？』

呪『はい。呪術屋うらみますです。どういったご用件で？』

私『実は、そのー…の、呪いをかけたいのですが。』

呪『はい。どういった風に。』

私『あのー。自転車に。』

呪『自転車に？イタズラ電話ならやめてください。呪いますよ！！』

私『いや！真剣なんです！
私、自転車をよく盗まれまして、もう自転車なんか一生乗らずに生きていこうかと思ったんですけど、悔しくて悔しくて。』

呪『わかりました。では、店舗の方に来てください。』

私はすぐに呪術屋うらみますに向かった。

私『あのー。お電話しました…』

呪『あー。自転車の。』

私『思ったより店キレイなんですね。もっと。呪い〜って感じかと。』

呪『は〜。普通です。こちらにどうぞ。』

四方を壁に囲まれた部屋に通されソファーに腰掛けた。

私『立派な部屋ですねー。（儲かってそう）』

呪『防音ですから。それより用件を詳しく。』

私『自転車をよく盗まれまして、今年に入ってもう4回目なんです。』

呪『4回！？盗まれ過ぎでしょ。』

私『どうにか、自転車泥棒に一泡吹かしてやろうと！』

呪『はぁー…。』

私『真剣なんです！お願いします！』

呪『わかりました。
ではプランの説明を。
色々プランがございまして。
基本プランは44,444円（税込）。』

私『高っ！てか44,444円て！ベタですね、呪いっぽい！w』

呪『馬鹿にするなら呪いますよ！オーナーが決めたので。
では内容を、こういう自転車などなら、頭の中に声が鳴り響き続けるものとか、装備したら外せなくなるものとか、あと…』

私『装備したら外せなく！？本当にあるんですか！ドラクエですか！？』

呪『ありますよ。あまり選ぶ方いらっしゃいませんけど。』

私『それにします！装備したら外せなくなるやつ！
あっ！教会に行ったら外せるんですか？』

呪『外せません！ドラクエじゃないんですから！』

私『じゃあそれで！あっ！サドルだけなら安くなります？』

呪『…オーナーに聞いて来ます。』

お姉さんはオーナーに聞きに行き帰ってきた。

呪『4,444円で良いそうです。』

私『安っ！いきなり4万円やすくなった。』

呪『オーナーが、装備したら外せなくなるやつ、やりたいそうなので。
あと、人を呪わば穴ふたつ保険入ります？失敗した時とかに返ってこないので、1,050円（税込）です。』

私『（地獄少女？）入ります。
死んでも地獄行きとかなりません？』

呪『なりません！地獄少女じゃないですから。では、合計5,494円です。』

私『（4並びじゃなくなってる。w）はい。』

呪『じゃあ自転車を。あと呪いをかけたあとはサドルに触ってはいけませんよ。』

私『はい。』

サドルに呪いをかけてもらった！w

一応、自転車に書いとこ！

【この自転車は呪われています。盗まないでください。後悔しても知りませんよ！】

よし、じゃあ駅に置いとこ。

鍵もつけとこ。

ふふふ。このオレが自転車を盗まれて欲しいと思うとは。

次の日、案の定、自転車は無くなっていた。

あっ！よく考えたら呪いがうまくいったか確認できないじゃん！

どうしよう。どうするオレ？w

あっ！ネットに書き込もう！
やはり時代はネットですなー。

私『私の知り合いに聞いた話ですが、街で、お尻にサドルがくっついた人が歩いてるらしい。w
情報求む。』

おっ！来た！

A男『あっ！それ、ボクの友だちです。笑い事じゃないですよ！
なんか自転車を駅でパクって。
あっこれ書いていいのか？
まいっか。その自転車に。
【この自転車は呪われています。盗まないでください。後悔しても知りませんよ！】
って書いてあったらしいです。
気にせず、乗ってて、大学に着いたから降りようとしたらサドルがズボンにくっついてて取れず、自転車から降りれない。
最初は、冗談だと思って見てたんですけど、どうやらマヂらしい。w
それで、友だちと自転車とそいつを持って引っ張るんですけど取れない。
でサドル抜けんじゃね。
ってサドル抜こうとしたら、すぐ抜けたんです。w
でもサドル、ズボンじゃなくてケツにくっついてて。w
で、知り合いの自転車屋に取ってくれって言ったんですけど、無理で、鉄の棒の部分だけ切ろうとしたんですけど、なんか体の一部みたいで、叩くだけでも痛くて、切るなんて冗談じゃない。と言うことに。大変です。』

私『ぷぎゃ〜！やばい！オモロ！あーあと4万円払えば良かったかな？神経通じるんや！
タイヤがパンクとかしたら死ぬやん。オモロ。』

B子『あっ！その人知ってる！
先週の日曜日に大学の友だちと合コンして。したらひとりの人がお尻にサドルくっついてて。椅子座れないんです！w
で、サドルない所だけ椅子に半分座って。
そしたら、私の友だちが椅子座らなくても、お尻に椅子ついてるよ！とか言って爆笑。
その人、笑いながら泣いてました。ちょっとかわいそう？』

私『これまた、オモロ！
椅子座らなくても、お尻に椅子ついてる！確かに。大変だな。
自業自得ですがね。』

もうそろそろ許してやるかなー。いやいや。1ヶ月放置しよ。

それから日は経ち。

ヤバイ！2ヶ月経ってる。

かわいそうに、でもないけど。
まぁでも許してやるか。
うらみます、に電話しよ。

呪『はい。呪術屋うらみますです。』

私『ボクです。自転車の。』

呪『どうかしましたか？』

私『あの自転車の呪い上手くいきまして。ありがとうございます。私はどちらでもいいんですが、2ヶ月間苦しんでるみたいなので、そろそろ許してもいいかと思いまして。』

呪『わかりました。ではまた、来店して頂ますか？』

呪『はい。すぐ行きます。』

すぐに呪術屋うらみますに行き、前回と同じ部屋に通された。

呪『その犯人さんの情報を頂けるなら、50万円差し上げます。』

私『えっ！ボク、50万円貰えるんですか？（4並びじゃないんだ。）』

呪『そのかわり、ここでのことを他で喋らない。又、この件に関しては全ての権利、義務は無くなります。よろしいでしょうか。』

私『はい。もう関わりたくもないです。50万円貰えるし。』

やったー！5万の自転車でも10台買える！1万なら50台！レンタサイクルでもする？www

呪『では、こちらにサインを。
あと犯人さんの詳しい情報を頂けますか？』

私『それならネットでその人に繋がれそうなので、自分でここに来るよう、仕向けます。』

呪『わかりました、助かります。』

そう話しながら、サインをし、家に帰った。

早速。あのスレ覗くか。

うわっ！見ないうちにめっちゃ盛り上がってる。あっ！本人もいる。まだ悩んでるな。

私『サドルを取る方法、見つかりました。ここでは、何なので会えますか？
大学の近くの喫茶店で会いましょう！』

盗人『ありがとうございます！
はい。すぐ行きます。』

私『では30分後に。』

30分後、喫茶店で、盗人発見。

私『あ、こんにちは。はじめまして。本当にサドルくっついてますね。（オモロ！）』

盗人『はい。もう笑われるのには慣れました。』

私『ごめん。笑うつもりはないから。（いや、笑う為に来たから。）素朴な疑問いい？不謹慎ならごめんね。ウンコはどうしてるの？』

盗人『はい。断腸の思いで、サドルに穴を開けて、棒から出してます。で、ウォシュレットで洗ってます。ズボンとパンツは2ヶ月履きっぱなしです。』

私『（断腸の思い！うまい！ww
棒の穴からウンコ！ウォシュレット！www
もう無理、開放してあげよう。）本題だけど、知り合いにそういうの詳しい人がいてその人に教えて貰ったんだけど、呪術屋ってのがあって、代金は高そうなんだけど、実績はあるから取るのは確実にできそう、場所は…』

盗人『ありがとうございます。すぐ行きます。またお礼させてもらいますので。』

盗人は出て行った。私の盗まれた自転車に乗って。

サドル入れるのうまっ！
まぁ2ヶ月もやってれば。
あっ！うらみますに電話しないと。

私『自転車です。』

呪『はい。』

私『（自転車で通じた。）例の盗人、今、うらみますに向かいました。』

呪『呪術屋をつけてください。了解です。ありがとうございます。カチャ』

クールだね。相変わらず。

『呪術屋をつけてください。w』

ヤバイ。呪われるかも。馬鹿にするとすぐ、呪いますよ。とか言うから。
それにしてもオレ、芝居上手かったな。役者になろかな。

それから3日後、銀行通帳に50万円入っていた。【柔術屋 うらや】から。
何じゃこの名前！
柔術屋って何だ！まぁ誰からかは分かるけど。
てか通帳の番号教えてないし！？

うらみます恐っ！

で盗人からメッセージ来てた。

盗人『サドル取れました。ありがとうございます。連絡ください。』

私『ではまた、あの喫茶店で30分後。』

30分後、ズボンを履き替えてる盗人くんに喫茶店で会う。

盗人『ありがとうございました。どれだけお礼をしても足りません。』

私『いやいや。で、代金はいくらだった？』

盗人『約450万円ほどです。でもアレが取れるなら安いものです。取る時、痛みも無かったですし。親に出して貰いましたが。』

私『えっ！（絶対444万4444円だ！高っ！ボッタクリ！だからあんな、サインと50万か。400万の儲け。そりゃ儲かるわ。5千円で依頼受けたのも納得。この子可哀想、てか原因オレ？いや、盗んだ奴が悪い。でも可哀想。）
そっか、大変だったね。』

盗人『お礼はどういたしましょうか？』

私『お礼なんて、いいよ！それより呑みにいこ！オレ奢るから！』

盗人『そんな、悪いです。』

私『いや、復帰祝い！（なんかあと味悪いやん！オレ悪者じゃないよね。）』



盗人と私はその後も何度か呑みに行くなどし。仲良くしてます。
実は盗人くん。悪いやつじゃないし、お世辞がうまいからかわいくて。

めでたし、めでたし。




呪『自転車の防犯登録から持ち主がバレないといいけどね。ふふふ。』