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THE 半ば面白い話(仮)コミュのキツ姉(絶望)

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※過去に狐憑きにあった方は読まない方がいいかもしれません。








私マダオ(仮名)が子供の頃にあった話です。今思うととても貴重で切なくなります。


私の両親は共働きで平日や休日を問わず家をよく開けることが多かったため親戚か近所に住んでいた「狐お姉ちゃん」または「キツ姉」(母の友達の娘、アダ名)の所に預けられました。

キツ姉の家は武家屋敷みたいな所で庭が広く、子供心に家の中は甲冑やら鬼の面があって不気味でしたし、当時はまだ霊の類いが視えていたのも重なり余計ビクビクしたものですが…。

高校一年だったキツ姉に関しては怖くなく、むしろ年上の姉と考えて甘えてしまっていました。

キツ姉に至っても大の子供好きで私がランドセルを背負ってやって来ると、セーラー服か着物姿で玄関先に立ち、整った色白の顔で狐みたいに眼を細めてニンマリと笑って、待ってました、と言わんばかりに抱き締めて出迎えてくれました。
そして、玉突きやおはじき、花札(今はルールを忘れてしまいましたあせあせ)、ベーゴマ、カルタなどで遊びました(いつもキツ姉に負かされてましたあせあせ(飛び散る汗))

お腹が空くと、奥から割烹着を着た初老のお手伝いさんがお盆にお茶やようかんといったお菓子を乗せて来ました。

後はキツ姉と美味しいお菓子に舌鼓をうちながら、私はちゃっかりとキツ姉の膝の上に座ります。

当時、そこは私の特等席でキツ姉に頭を撫でられると頭が何故かポヤッとして額が熱くなりました。

でも、ある日、お菓子を食べていると疑問に思ってキツ姉に聞いてみました。

「どうしてキツ姉はお外に出ないの?野山で鬼ごっこしたり、お友達と遊んだらもっと楽しいよ?」

すると、いつも笑顔を絶やさないキツ姉が哀しげな顔をして私を痛いほど抱き締めてこう言いました。

「マー君、私の家はね?うーんと昔から狐様を崇めて来たんだ、ただ崇める。て、言ってもお祈りとかじゃなくて人の体に狐様の霊を憑依させる呪いみたいなことを私のお爺ちゃんのお爺ちゃんの…そのまたお爺ちゃんがしてきたんだよ…だから私の体にもいるんだ狐が。だから家を出れないのゴメンね?」

「そーなんだ。実は僕もね秘密があるんだ…」

キツ姉の話を聞いた私は、あまり他人に話さなかった事を言おうと思いました。
霊が視えることを。

「そっかー、マー君、どこか不思議な雰囲気があると思ったらそんなことができたんだ?」

「うん、誰も信じてくれないからあんまり人には言わないんだけど、お姉さんなら信じてくれるよね!?」
「うんうん、キツ姉はマー君の味方だから信じていいよ?」

「じゃあ約束!指切りげんまんしよ!」

「いいよ、しよしよ」

そんなこんなでお互いを打ち解け合った私とキツ姉は固い友情(?)みたいなもので結ばれました。

以降。

私は幽霊の類いに困るとキツ姉に相談しました。

すると、独特のニンマリ顔で…。

「じゃあ、マー君を苦しめるような悪い幽霊は私の狐様に食べて貰おっか♪」

こう言うのです。

最初はなんのことかよくわかりませんでしたが、最初に相談した時、キツ姉の家の玄関先に私を追ってきた着物を着た老婆の霊が漂っていました。

私は指差してキツ姉にそのことを告げると、ちょっと静かにマー君、と言って鼻をクンクンさせニンマリと笑い。

「うん、匂いで分かる。お線香のキツいのが玄関先でしてたから…やっぱりね」
キツ姉はニンマリ顔を不敵な笑みに変えて豹変しました。

視ると、キツ姉の背中には狐の尾が九本ユラユラと揺れており、周りには無数の狐の霊が控えていました。
私はそんな光景にギョッとして固まってしまいました。

でも、キツ姉は特に臆することなく私を引き寄せて、「大丈夫、低級霊なんか配下の狐様でも余裕で勝てちゃうから!」と、笑い。

「行け…!」

と、キツ姉が一言言うと狐達が、コーーン、と鳴いて老婆に噛みつきました。

老婆も両手を振り回して何か口走っていましたが、私は怖くなりキツ姉に抱きついたまま眼を閉じてしまいました。

その間キツ姉は私の耳を塞いでくれ、数分くらい経ったくらいでしょうか…。

耳を塞いでいた手が退かされて「もういいよ、悪い霊はいないから」と、頭を撫でてくれました。

それからというもの、キツ姉という強い味方を得た私は調子づき、ストーカーや悪さをする霊には「キツ姉に食べて貰うぞ!」と、怒鳴り威嚇しました。

キツ姉も結構そっちの世界では有名なのか、これを言うと大概の霊はビビったように退散しますが…。

中には豪傑のような悪霊が現れ、これを言っても効かない場合はキツ姉に泣きついていました。

当時は、そんな強い味方がいたため霊を視えることにあまり怖くなかったのですが、私は助けられているばかりで、なかなか外に出られないキツ姉に何もできず…。

今思うと凄く切ないですしがく〜(落胆した顔)

考えてみれば、外に出ないのにセーラー服とか着ていましたし…。

キツ姉との不思議な体験はこれで一旦締めます。

あと、この話はキツ姉が「狐憑きの人に憑いている狐様が反応するかもしれないから…お話する時は気を付けてね」と、言われました。

またいつか、機会があれば…。

ではでは、またm(__)m

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